機動戦士ガンダム外伝 斬凶戦記   作:野武士山芋侍

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●★●★●作者からの重要なお知らせ●★●★●

タグはR-15ですが、今回は序盤にアダルティな表現及び幕間に「紳士向け」の表現を含みます。
苦手な方はブラウザバック推奨。

●★●★●重要なお知らせおわり●★●★●


第十三話 宿敵、再臨

 

《……ダガー1からHQ、ポイント4の敵MS小隊を殲滅。続けてポイント5に移動する……。》

霧深い谷間を、連邦軍の制式量産型MS「RGM-79ジム」の小隊が進む。彼らの脇には撃破され焼け焦げたザク数機が横たわり、あたり一面に鉄の焼ける匂いを充満させている。

シンイチ達の基地が襲撃された翌日、ほど近い戦線において友軍が展開し、哨戒と偵察を繰り返す。

またMSの本格配備も進みつつあり、61式で固められていた部隊は順次転換が進められていた。

《……この分なら、もうすぐ俺もエースの仲間入りか。今ので通算4機だ。》

若い声。小隊3番機のパイロットが無線で呟き、小隊長が即座に窘める。

《…ダガー3、私語は慎め。それから油断するな、敵はまだ……》

と、ここで司令部からの通信が割って入った。

《……HQ割り込む、そちらに07が1機、05(ザクI)が2機向かっている。十分注意しろ。方位276、まもなく接敵…》

《……07だと?距離をとればどうにでも料理できるな。》

ダガー3の言う通り、その筈だった。実際彼の戦果の中にはグフ1機が含まれていた。

が、そのグフは明らかに突出してきている。速度も尋常ではなかった。

《ダガー2、ダガー3、様子が変だ。新型かもしれん、十分注意を………?!》

突如、ダガー1の眼前に現れる見慣れないグフタイプ。脚部はホバークラフトのように大きく、バックパックに翼を生やしている。

大型のヒートサーベルを振り翳し、たちまち隊長機を盾ごと両断する。

《……?!ダガー1、何が…gggzzzgzz…》

傍に控える2番機は何が起きたか理解できず、また反撃もままならないまま、新型グフの左前腕に付けられた三連装ガトリング砲で蜂の巣にされ撃破された。

《…5機目に丁度いい、仲間の仇だッッッ…!!!》

最後に残された3番機が、盾を投げつけて斬り落とさせ隙を作る。

《……ここだ!!!》

回り込みつつ距離をとり、100㍉マシンガンを撃ち込んで撃破………とは、ならなかった。

新型グフは大型のヒートサーベルを盾代わりにして防御、凄まじい推力で距離を詰める。

《なッッッ、バカな………zzgggzzzz………》

あっという間に、胴体を串刺しにされた。

そのまま斬り下ろし、ジムの下半身を引き裂く。パイロット共々二度と自分で立ち上がる事は叶わない。

濃緑色のパーソナルカラーに彩られたその機体は、MS-07H-8 グフ・フライトタイプ。

負傷から復活を遂げ、雪辱に燃えるハンス・ブレンドレ少尉の新しい愛機だった。

「連邦の、泥人形どもが……」

 

時を遡り、ホバートラック鹵獲作戦の数日前。

とあるジオン公国軍基地、キリレンコ中佐の自室前。

「…ハンス・ブレンドレ少尉です。」

軽くノックするとドアが開き、バスローブ姿のキリレンコ中佐が顔を出した。

「………入れ。」

促されるがまま入室。すると中佐はすぐに扉を閉め、鍵をかける。室内は艶かしい香水の匂いで満たされていた。

「…中佐、例の件……んむッッッ!!」

振り返ったとたんに唇を奪われるハンス。

激しいキスとともに、抵抗する間もなくベッドまで連れ込まれた。

「………っぷは、ハンス……負傷の報を聞いた時は、動揺したぞ?無事で良かった……私は、私は………嬉しい。」

ハンスの頬に両手を添えて、彼女らしいひときわ妖艶さに満ちた声で囁く。息は荒く、弾んでいる。

「………しかし、中佐から頂いた機を失いました。全く不覚の至りで…んっ!!」

言葉を遮り、再び唇を重ねる。

「……一向に構わない、機体なぞいくらでも用意する。しかしパイロットには……なによりも、お前には代わりが居ない……次の機体も手配済みだ。初期生産型のグフ・フライトタイプ……」

「……幸甚に、存じます。」

「……今まで私を抱いた男は、夫を除いて皆死んだが……」

ハンスの髪を撫でながら、耳元で囁く。どす黒い、歪んだ欲望が滲んだ声。

「…お前は私を、失望させるな。分かっているな?」

キリレンコ中佐の目を見つめ、手を握り返して答えた。

「もちろんです。仰せのままに、なんなりと……」

 

しばらく後。

キリレンコ中佐の自室から、乱れた軍服を直しながらハンスが出てくる。

部屋の外はすでに夜の帷が落ちて久しく、灯りは最低限のためほぼ真っ暗。ため息をつき、唾を吐いてその場を離れた。

格納庫に向かったハンスは、新しい愛機の前に立つ。点検が終了したのか、整備兵は皆持ち場を離れて周囲には誰もいない。

静かな格納庫内で真新しい機体を見上げながら、独りごちる。

「………あの泥人形共、次は必ず………!!!」

かつての愛機と、自分のプライドを完膚なきまでに破壊した憎い敵。ただの一撃の下に葬られた怒りが、改めて込み上げた。

…その敵に勝つために、必要な事は何だってやる。穢らわしい女の上官に媚びを売り、新しい機材を得る事など造作もない。

その筈だった。

しかし、幼馴染みのアナスタシアの顔が浮かんだ瞬間、胸に罪悪感がよぎる。

すると、同時にー

「…ハンス?」

背後から声。慌てて振り返る。

「………やぁ、アナ。」

アナスタシアが、いつの間にやら自分の後ろに立っていた。彼女は少し気まずそうな様子で目を逸らす。

「…寝てなくちゃ、いけない時間だろ。何をしているんだ?」

彼女に近づき、肩に手を添えて優しい声で諭す。アナスタシアは目を逸らしたまま、やはり気まずそうに聞いた。

「………あなたこそ。………キリレンコ中佐の部屋から出てきたよね。何……してたの?こんな遅くまで。」

心臓の鼓動が早まる。ハンスの中で罪悪感が一気に膨れ上がり、思わず肩に添えた手を離す。

「作戦と、この機体の事でね。ちょっと話を。」

「…………そう。ハンス、私ね。」

静かな声で、寂しそうに呟く。

「………信じてるから、あなたを。」

「………あぁ、ありがとう。…おやすみ。」

アナスタシアは踵を返して、その場を立ち去った。

誰もいなくなった格納庫で、ハンスはぽつりと呟く。

「…………許してくれ、アナ………。」

罪悪感と葛藤を胸の内に秘めたまま、彼は格納庫を後にする………。

 

翌日、地球連邦軍某基地。その近辺の訓練エリア。

バレンツィーノ中尉指揮の下、シンイチ達MS小隊が訓練に励んでいた。轟音と振動を響かせながら、陸戦型ジム「4機」が訓練エリアを疾駆する。

《…チャーリー1ポイント2をクリア、続けて3に向かう。チャーリー2付いてきてるか?》

《こちらチャーリー2、まだまだいけます!!》

シンイチが張り切って答えた。

続けて、バーリングが列機に問いかける。

《新人、ヘバってんじゃねぇぞ!!こっちもいけるよな?!》

《…こちらチャーリー4、当方絶好調であります!いつでも指示をどうぞ!!》

小隊に新しく加入した、金 元(キム・ウォン)

伍長が威勢よく答える。

彼はジャブローにおけるMS操縦訓練課程の成績優秀者、つまり「イキのいい新人」としてダンカン大尉が目をつけ41中隊に引き抜かれたパイロットだった。

ポジションは4番機、ロケットランチャーを装備するバーリングの死角をカバーするのが主な役目である。

《…よっしゃ、その意気だ!!》

勇躍する小隊は、MSの残骸を利用した標的が立ち並ぶエリアに到達。ホバートラックのダンカン大尉から指示が入る。

《よし、行進間射撃訓練!!チャーリー各機、準備いいか?!》

《了解、チャーリー各機スタンバイ!!》

ますます熱が入る実戦訓練。小隊の練度は、新人も含めて着実に上がっていった。

 

訓練がひと段落した休憩時間。訓練エリアの隅にはパイロット待機用の開放式テントが設置されていた。

傍に陸戦型ジム4機が立膝で並び、小隊メンバーとホバートラックのクルーがテントの下に集う。

「…はい、召し上がれ!アタイとサクラちゃん特製よ!」

サブリナが特大タッパー一杯に詰められたスライスレモンの蜂蜜漬けを、簡易テーブル上にドンと置いた。

「おぉーこりゃありがたい!!」

「うわ〜久しぶりに見たなコレ、高校以来か!!そいじゃ、遠慮なく…!」

バーリングとシンイチが喜んで手を伸ばす。

しかし、そんな二人にサブリナが一言。

「あ、1枚1ドルね。」

「「お金取るの?!?!」」

見事にハモり、即座に手を引っ込めた。サクラが慌てて訂正する。

「むっ、無料です!!もちろん無料ッッッ!!…ちょっと、サブリナさぁん!」

「アハハハ、冗談よ!…新人クンと中尉もどーぞ、紅茶に入れてみたら如何?」

バレンツィーノ中尉は丁度、魔法瓶から紅茶を注いでいるところだった。

「おぉ…良い組み合わせだ、ぜひ頂こう。」

「あ、ありがとうございます曹長!いただきます…」

キム伍長は遠慮がちに一枚取るが、バーリングが茶化した。

「おぅ新入り、お前さんは1ドル払えよ?」

「えッッッ?!」

「キムさんも無料ですッッッ!!バーリングさんもイジメない!!」

「ハッッッ、スンマセン…」

サクラがピシャリと言い放つ。先日の一件以来彼女はバーリングへの当たりがキツくなり、彼もまたサクラに頭が上がらなくなったらしい…。

「サクラ…そろそろ許してやんなよ、ゆーてまぁバーリングは完全に自業自得だけど。」

「ダメです。もう少しだけ反省してもらいますッッッ!」

「救いは無いんですかッッッ?!」

バーリングの悲痛?な叫びに笑いが起こる面々。休憩時間は和気藹々とした雰囲気で過ぎていった。

 

作者より:紅茶に蜂蜜レモンは疲労回復効果や美肌効果があるそうです。美味しいよ!

 

「……さて、諸君。そろそろ仕事の話といこう。」

ダンカン大尉が改めて告げると、小隊メンバー達の表情が引き締まる。

「新たな脅威が迫りつつある。先日この近辺…西方のエリアH(ホテル)9を哨戒中のジム2個小隊が喰われた。」

「……2個、小隊?!」

「そいつらの規模は?機種は?」

バーリングが驚愕し、シンイチが冷静に質問する。

「07が1機と05が2機。1個小隊だ。先日我々とやり合った連中とはどうも別口らしい。」

「なるほど、損失をボロで補填してる寄せ集めでしょうが…おそらく、その07が厄介と。」

ダンカン大尉が数枚の不鮮明な写真を取り出し、デスクに置いた。

「そういう事だ。………そしてこの写真が件の07だが………」

うち一枚、かろうじて全体が映る写真を指す。

「…脚部はむしろ、オデッサ戦で確認された新型の09(MS-09ドム)タイプに近い。生き残った友軍からの情報によると…ホバー移動と、かなり長時間のジャンプ機動も可能なようだ。」

「MSが飛ぶ………?!チートじゃねぇか!!」

バーリングがその理不尽さに憤るが、バレンツィーノ中尉とシンイチは写真を手に取り眺めながら分析を試みる。

「脚が09のように大型な分、的も大きい。動きを止めさえすれば勝機はある。」

「問題はそのバケモンみたいな機動力か…」

と、ここで、シンイチの持つ写真を横から見ていたキムが挙手する。

「あの……よろしいですか?」

「あぁ、何だ?言ってみろ。」

ダンカン大尉が促した。

「自分が思うに…この機体は相当『無理』をしていて、尚且つ鈍重な機体ではないかと。」

「…というと?」

「MSが航空機のように空を飛ぶのであれば、かなりの自重を支えねばならない筈です。ただでさえ重量のあるグフタイプに、さらに飛行用の追加装備となると……尚更かと。空力特性的にも、人型で長時間滞空するというのはおそらく無理です。」

シンイチが補足する。

「………飛べるのは飛べるが、精々『滑空』程度が限界。重量のせいで小回りが死んでる…と?」

キムが頷き、さらに淡々と続ける。

「恐らく……つまりこの機体は、大推力を頼んだ一撃離脱型で、抱えてる得物を見ても超至近距離での接近戦には向かない可能性が高い。飛行能力も、モリタ曹長殿のいうように滑空程度が限界かと。」

バレンツィーノ中尉が腕を組んで感心した。ダンカン大尉も満足げな様子で頷く。

「……いい分析だ、キム伍長。それなら戦いようはある。」

「流石、成績優秀者。わざわざジャブローから引っ張ってきた甲斐があったってもんだ。」

「キムやん、流石ね…アタイ惚れちゃいそうよ。」

「「えッッッ?!?!」」

サブリナがわざと色っぽい声色で茶化すと、キムはたちまち赤くなった。そしてバーリングは少し残念そうに驚く。

「……よし、その上で対策を立てよう。4機1個小隊で『ロッテ戦法』が採れるようになった分、戦術の幅は広い筈だ。」

バレンツィーノ中尉がA3サイズの方眼紙を取り出し、対策会議が始まった………。

 

しばらく後、連邦軍某基地ロッカールーム。

「…ッッッ、はぁ〜、疲れたなぁ…日報書くのもダリィ〜〜〜!!」

バーリングがパイロットスーツを脱ぎながらぼやく。隣ではシンイチが剣道着に着替えていた。

「……お前さん、まさか今からまた『修行』?」

「ん、あぁ…まぁな。キム伍長から『手合わせ』を願われて、ちょっとだけ稽古。」

綺麗に一纏めにした防具や面を抱えてロッカーを閉めるシンイチを見たバーリングが、感心したような呆れたような表情を浮かべる。

「マジかよ、ホント元気だなぁ……俺も始めようかな、ケンドー…」

「是非考えてみてくれ、バシバシ叩かれる痛みで精魂も鍛えられるぞ!!」

実際剣道は打突部位を外されるとかなり痛い(小手とか)ので、痛みへの耐性がつき易くはある。たちまちバーリングが青ざめた。

「あっ…あ〜、痛ぇのはヤダな……遠慮しとくよ。」

ニヤリと笑い、ロッカールームを後にするシンイチ。

 

そして、基地内体育館。

床面はシンプルな板張りだが、その一角にはシンイチが密かに剣道の開始線と中心を白テープを貼って作っていた。

体育館の隅には、キムが正座して待っていた。

「…悪い、遅れたな!早速やろうか。」

「お疲れ様です、曹長殿!…やりましょう!」

防具をつけ、手拭いを巻き面を被る。竹刀を持ち、互いに「九歩の間合い」で礼をして開始線へ。

竹刀を構えて、蹲踞。立ち上がると同時にー

「………ッッッイヤアァァァァァァァァ!!!!」

「………ッッッシャァァァァァァァ!!!!」

互いに気勢を示す。同時に、キムが小手調べとばかりに面…………しかし、

「ッッッ!!!胴オォォォォォォォ………!!!!」

鮮やかな「面返し胴」が早くも決まった。

再び向き合って、キムも負けじと打ち返す。小手、面、次々と攻め立てて打突部位を狙う。

手練れのシンイチだが、その勢いにいくつか返し損ね、有効打を貰った。

そこからは、激しい技の応酬。ときには体がぶつかり合うがどちらも一歩も引かない。

ひとしきり打ち合った後、ようやく互いに満足したようで稽古は終わった。

「ハァ、ハァ………うひゃぁ〜〜、久しぶりにいい汗かいたわコレは。」

汗だくでかなり息が上がっているが、どこか満足げなシンイチ。正座の姿勢から面を外し、手拭いで額を拭きつつ言った。

「ハァ、ハァ、フゥゥ〜〜…お疲れ様です……自分も、いい稽古になりました。…ところで、曹長殿?」

キムも同様に面を外しつつ、シンイチに尋ねる。

「……ん?何?」

「先程の『面返し胴』、お見事でした…バーリング軍曹からMSでもやってると聞いたんですが、本当なんですか?」

「あぁ、やってるよ。実際それで何機か仕留めてる。」

平然と答えるシンイチに、キムは驚愕する。訓練課程の教官は誰もそんな荒技を教えてくれていない。シールドで機体を守りながら銃火器を撃つのが基本と教えられており、ビームサーベルでの格闘戦はあくまで緊急的なものとしてそれほど推奨されていなかった。

「……?!し、信じられない……感服しました。……ただ同時に、先程の稽古の時も思ったのですが…」

腕を組みながら続ける。

「……曹長殿、あなたはかなり『受け身』がちですね?」

唐突に、核心を突かれるシンイチ。彼の得意とする技はカウンター技であるため、それを出せる局面以外では決定打に欠けていた。

「………そりゃ、確かに。」

「いや、あくまで剣道での話です。実戦でどうかはわからないので何とも言えませんが……何となくそう思ったので。」

現に、先のコマツ大尉との戦いでもそうだった。彼が自分から仕掛ける時は、よほど有利な状況ー味方の援護が得られる、敵が反撃手段を失い詰んでいる等ーでない限り先手を取れていない。

「そうだな、『手数』を………増やさないと。」

「曹長殿は胴狙いの技が得意とお見受けしました。それならひとつ………『抜き胴』を、狙ってみては?自分も得意なのでお教えできるかと。」

少し考えた後、シンイチが再び手拭いを巻きなおして面に手をかける。

「………キム伍長。もう一本、頼めるか?」

「勿論、お願いします!!」

再び互いに面をつけて竹刀を持ち、立ち上がった。

体育館内が再び、威勢のよい剣道の掛け声と竹刀を打つ音で満たされた………。

 

第十三話 宿敵、再臨 終幕

 

 

幕間 サクラちゃんの自主とれーにんぐ!

 

シンイチ達が剣道で気持ちよく汗を流した日の夜、兵舎内。

サクラの自室で、彼女もまた汗を流していた。

「んッッッ……んぅ〜〜〜〜ッッッ、あと………じゅう、びょぉぉぉぉう…………!!!!」

ベッドの上で、キャミソールとショートパンツ姿のサクラが限界に近いプランクに励んでいる。

肉体的にも精神的にも少しでも強くなりたいと願う彼女は、訓練課程での筋トレの内容を一からやり直していた。

また、基本的なCQC(近接格闘術)についてもサラから手解きを受けていたのだった。

それらは全て、姉の死という残酷な記憶を乗り越えるため。なんて健気な子…(泣)

ちなみに彼女は割と「豊満」なタイプで、キャミソール+ショートパンツというラフな格好でプランクをするとどういう状態になるか………それは皆様のご想像に、お任せします。

と、ここでアラームが鳴った。とたんに力無くベッドに崩れ落ちる。

「………はぁッッッ!!!………ハァ、ハァ……きっつい、これを5分もできちゃうシンイチさん達は………ハァ、凄いなぁ…」

息を整えながら横向きになると、ベッドサイドに立てられた写真立てが目に入る。

私服姿で笑顔を見せるキョーコの写真。その隣には、41中隊の面々の集合写真と、そこからわざわざ拡大コピーして切り抜き補正したシンイチの写真。

…ふと、想像する。

戦争の無い時代に、もしくは戦いの合間にシンイチとキョーコが出会っていたら?

…おしゃれなカフェで向かい合って座り、仲睦まじく笑顔で語らう二人。

…街中を、肩を寄せ合って歩く二人。車道側はもちろんシンイチがエスコート。

…ソフトクリームを手に、シンイチの口元に近づけるキョーコ。

…ベッドに座り、互いに顔を赤らめて顔を近づける二人………

と、ここで、

「ダッッッ、ダメよ姉さんッッッ!!!!」

妄想に耽るあまり自分の声で我に返り、慌てて首を振った。

「あっ、あたしも…ダメダメダメ、次はCQC!!一通りやんないと………!!」

あらぬ妄想に取り憑かれてしまった自分を戒めつつベッドから降り、タオルで汗を拭く。

…振りかえって、写真立ての中のキョーコに一言。

「……シンイチさんは、あたしの。姉さんにはあげないんだから。」

キョーコの写真立てを、シンイチのそれから少しだけ離して置いた。

 

幕間 サクラちゃんの自主とれーにんぐ! 終幕




今日誕生日の人おめでとう芋侍です。
まずはユニークアクセス1000件突破&お気に入り登録5件いただき本当にありがとうございます、毎度毎度チラ見してる人もじっくり読み込んでくれてる人も、重ねてありがとうな!!(泣)
そして今回、第六話で高機動型ザクを潰されたハンスが再登場となりましたが……彼、なんか色々抱えてるね。大変ね(他人事)。
なお新しい愛機として登場したグフ・フライトタイプ初期型ですが、肩パッドがグフ・カスタムと同形状である以外に量産機とほぼ違いはないという設定です。ガンプラで再現してみてぇなぁコレ……… 不要パーツにグフカスの肩パッド付いてんのよ、プレバンのHGのアレ。
ここでキリレンコ中佐の裏設定を少し。
彼女は歳下の男が好みでサイド3の旦那との夫婦仲は冷え切っており、遠隔地である地球への配属をいい事に若い男と「あんな事やこんな事」をしまくってました。もちろんハンスもそのお相手の一人、人間の屑がこの野郎…
ちなみに息抜きがてらGrokくんにキリレンコ中佐のイラストをお願いしたら、なんか0083のシーマみたいなのが生成されました。何故…?
さて次回、シンイチの陸戦型ジムに新技が導入されます。そして再戦に燃えるハンスの複雑な心境やいかに……!!

次回第十四話「勝利がための誓い」
お楽しみにッッッ!!!!

…サクラちゃんのトレーニング姿を思い浮かべた紳士の諸君、正直に手を挙げなさい。先生怒らないから。
大丈夫、先生も想像したから(爆)
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