機動戦士ガンダム外伝 斬凶戦記   作:野武士山芋侍

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第二十話 虚空を斬る刃

 

宇宙世紀0079年12月某日

宇宙空間、暗礁宙域の何処かー

 

グリーン一色に彩られたムサイ級軽巡洋艦2隻が、さながら洋上艦の如き荘厳さで大小のデブリが漂う宙域を進む。その周囲には直掩のMS6機が取り囲むように展開し警戒していた。

《……イエロー1よりフリットヨフ、不明熱源を探知した宙域に到達。今のところ異常は無い。》

直掩MS隊長機、頭部に指揮官機を表すアンテナ付きのザクが母艦に報告。

《こちらフリットヨフ、了解した。引き続き警戒を怠るな……》

《……不明熱源、か。余熱混じりの残骸の類じゃないのか?》

《イエロー2、油断するなよ。ここいらにも連邦のMSが現れ始めたらしい。》

《油断したところで……それより聞きましたか隊長、連邦のMSはウチの2機に対して6機がヤられたとか……》

無駄口を遮り、母艦から入電。

《熱源、12時直上!!》

瞬間、閃くビームの光条。

隊長機のザクが一撃で撃ち抜かれた。

《なッッッ………?!敵襲!!イエロー3と4は俺に続け、残りは直掩!!》

「小隊長」となってしまったイエロー2が素早く命令を下すと同時に、残ったMSのうち3機が姿勢を変えて艦隊の直上を向く。

そのままスラスターを全開に噴かして、敵が居るであろう方向に飛んだ。

《全機警戒しろ、ビーム砲だ!!固まるなよ、まとめて喰われるぞッッッ!!》

再び、閃光。かろうじて躱す。

《居た、アイツだ……新型か?!》

放たれた射線の先に現れたのは、オリーブグリーンにグレーの追加装甲をまとった見慣れないジムタイプ。

通常型から火力と装甲、機動力を強化したRGM-79SCジムスナイパーカスタムだった。

《野朗、あんな距離から………あ゛ぁッッッ!!》

横合いからビーム攻撃、またも1機貫かれる。今度はデブリの影から、バックパックにサーベルを2本差したジムが現れた。

《サーベル2本差しだと?!………手練れかッッッ?!》

方向を変えると同時にマシンガンを乱射するが大型の盾に阻まれる。

ビームライフルを腰にマウントし、右手でビームサーベルを引き抜き一気に距離を詰めてきた。

ザクがマシンガンをかなぐり捨てて、ヒートホークを抜き斬りかかる。

しかし、たちまち受けられー

 

「胴おぉぉぉォォォォォーーーッッッ!!!!!!」

 

細かい姿勢制御と同時に一瞬で手首を返し、そのまま一刀両断。

ジムのコックピット内に響く、無意識の雄叫び。

《……こちらフリットヨフ、MS隊状況送られたし!!どうなって……zzgzzz》

あっという間に直掩の3機を失ったムサイの艦橋にバズーカ弾が撃ち込まれる。

《さッッッ……左舷!!左舷から2機!!ゔわっ…ggzzzgz》

さらにザク1機がマシンガンの掃射で撃墜された。

ハイパーバズーカを携えたジムと、90ミリブルパップマシンガン装備のジムが側面やや斜め下から一気に攻撃をかける。ムサイはエンジンブロックが炎上。艦橋周りも完全に破壊されもはや航行すらままならない。

2機のジムは一撃とともに全速で離脱し、姿勢制御を繰り返しつつ大きく旋回。

残ったもう一隻のムサイが艦砲で砲撃を加えるが、最後尾の1機を掠めた以外はまるで当たらない。

さらに連邦軍のサラミス級軽巡洋艦が現れ、全ての火砲とミサイルをぶっ放しつつ死角である6時やや下方から迫った。

激しい砲撃に1隻がついに轟沈し、砲撃を続けていたもう1隻も直上から降り注ぐビーム攻撃を浴び、速力が落ちる。

艦長が指示を下すが、もはや遅かった。

「フリットヨフがやられた!!追加の直掩を至急出せ、すぐに……うあぁぁッッッ!!!」

「退艦、総員退艦ッッッ………!!!!」

ブリッジの面前に現れたジムがビームライフルを突き立て、容赦なく引き金を引く………。

 

《よーっしゃ、今度もサクッと片付いたぜ。……チャーリー4大丈夫かぁ?》

《…問題ありません、シールドが飛んだのと…左腕のバランサーが少し…》

飄々とした、チャラそうな声。小隊3番機のバーリングが機体の姿勢を立て直しながら残ったムサイを見やる。

艦橋をビームライフルで撃ち抜かれても航行を続けていたが、あの後さらにエンジン区画と主砲塔を軒並み破壊されついに停止した。

《こちら巡洋艦ユキカゼ、チャーリー3だな?無駄口は慎め、警戒を怠るな。まだ終わってないぞ。》

サラミス級軽巡洋艦「ユキカゼ」のオペレーターから事務的な声で通信が入る。

《おっと、へいへい…おカタいこって。》

とここで、大破状態のムサイから艦首カプセル「コムサイ」が切り離された。

皆一瞬「すわ自爆攻撃か」と構え、ユキカゼも艦砲を指向。

しかし、さらに連絡が入る。

《…敵艦、コムサイより入電。投降及び武装解除するとの事。バーリング曹長、間違えて撃つなよ。》

《だッッッ…なんで俺を名指しなんだよ!!》

《ユキカゼからチャーリー1及びチャーリー2、コムサイの左右につき動静を監視せよ。》

バレンツィーノ大尉のジムスナイパーカスタムがコムサイに近寄る。

相変わらず落ち着き払った紳士的な声で、返答。

《チャーリー1了解、コムサイの左舷につく。チャーリー2は右舷だ、了解か?》

コムサイの右舷側にビームサーベル二本差しのジム、シンイチの乗機が並んだ。

ヘルメットのバイザーを開け、大きく深呼吸するシンイチ。

(…今日も勝った、生き残れた。そして自分は……最善を尽くした。)

心の中で気持ちの整理を付けてから、返答。

「チャーリー2了解。……まずは、宇宙(そら)での初勝利ですね。」

背後では、クルーを失ったムサイの各部で小規模な爆発が起きつつある。

《……あれもいよいよ駄目だな。チャーリー2、チャーリー3、シールドを用意してコムサイ後方につき、客人を破片から守ってさしあげろ。》

4機のジムに囲まれたコムサイは、サラミス級巡洋艦にゆっくりと近づきドッキングする。

それと同時にムサイは大規模な爆発を起こし船体が大きく分断され、暗礁宙域を漂うデブリに仲間入りした。

見届けたジム小隊はサラミスに騎乗し、暗礁宙域を離れる………。

 

同宙域、デブリ密度が低い地点。

コロンブス級補給艦と、サラミス級巡洋艦がさらに1隻待機していた。やはり周囲を直掩MSー2機のガンキャノンと、モビルポッド「ボール」の小隊が固める。

《アルファ1から『タラント』及び『ネオショー』、第1小隊及びユキカゼの帰投を目視でも視認。ネオショーにあっては収容準備よろしく頼む。》

ガンキャノンに搭乗するアークライト中尉が、母艦たるコロンブス級補給艦「ネオショー」に伝える。

級名こそ補給艦のそれのままだが、同艦はその上下面にサラミス級と同型の単装メガ粒子砲塔を1門、各部に連装対空機関砲を追加装備している。

またMS運用・管制・整備能力をも備えており、それらは応急的な改装によるものではあるが実質軽空母であった。

《…こちら『ネオショー』管制、了解しました。ユキカゼ及びチャーリー小隊、お帰りなさい。無事で何よりです。誘導に従い着艦してください。》

20代丁度頃の、可愛らしい女性の声。帰投してきたバーリングから返答。

《やぁ〜サクラちゃん、君の声を聞くと安心するよホント。全くどっかの石頭とは大違いだ…》

後半からは小声だったが、通信にはバッチリ乗っていた。

《チャーリー3、無駄口は『厳に』慎め。それからユキカゼのオペレーターにも謝っておく事を勧める。》

バレンツィーノ大尉が窘める。

《げっ、聞こえてた?!…こりゃ失礼、俺とした事が…》

《はぁ、もう…チャーリー1から左舷デッキに着艦、どうぞ!》

《チャーリー1了解、アプローチに入る。》

ネオショーの管制官を務めるサクラの返答にため息が混じった。うんざりしていると言うよりかはやれやれまたか、と言った雰囲気。

《チャーリー3も了解!…それにしてもチャーリー2、こういう事は旦那のお前さんが言ってやらにゃあ…》

《チャーリー3『無駄口は厳に慎め』だ、このどアホ》

《ハッ、スンマセン…》

シンイチが無駄口を遮って強めに咎めると、流石のバーリングも大人しくなった。

収容作業は急ピッチで進み、MS小隊全機が危なげなく着艦を終えるとボール小隊もそれに続く。

艦載機を全て収容したネオショーは護衛艦を伴いその場を離れた。

 

そして、ネオショーのハンガー内。ジムのコックピットが開け放たれ、その中からシンイチが出てきた。

「准尉殿、上々の戦果ですね!」

機付長の下士官が出迎える。

「あぁ、ありがとう!…特に異常は無いよ、今日もよろしく!」

「お疲れ様でした!」

互いに敬礼で見送った。

宇宙空間故、MSから降りるのにはタラップもクレーンも要らない。

ハッチを軽く蹴るだけで身体はふわりと宙へ浮き、そのままデッキへ泳ぐように降り立つ。

マグネットブーツが足を床面に固定すると、ぎこちなく立ち上がった。

「おっ…と、なかなか慣れんなぁコレは…」

振り向くと、愛機に整備兵達が集まるのが見えた。

「ようモリタ、大丈夫かぁ!」

同じような要領で、愛機のコックピットハッチから降りてきたバーリングが呼びかけてきた。

「あっ、あぁ…大変なもんだな、宇宙空間ってのは。」

「まぁそんなモンさ……あらよっ、と!」

慣れた様子で一回転しながらデッキに着地。

バーリングはもともと宇宙生まれコロニー育ち。また連邦軍に入隊後ボール乗りになったため、無重力空間での生活は慣れたものであった。

「三半規管弱いヤツは頻繁に『宇宙酔い』してひでー事になるんだけど、お前さんやバレンツィーノ大尉は流石元空軍ってところだな。…サブリナや他の連中もそこそこ大丈夫そうだから、ひとまず安心だ。」

「促成とはいえ、皆適応訓練をパスしてるからな。そもそもの話そんなヤツは宇宙軍に入れてないだろ。」

バーリングが苦笑いする。

「そうでもないぜ……最近の宇宙軍の入隊試験は基準が妙にガバいって聞いたぜ。たまにとんでもないアホが混じってたりするからな。」

シンイチがニヤリと笑って茶化した。

「なるほどな。お前もその一人、って事か?」

「テメッッッ……!!生き埋めにするぞ!!」

軽く肩パンするとシンイチが大きく仰け反るが、マグネットブーツのお陰で足は床面から離れない。グイッと体を起こす。

「おぉっ……とぉ!ハハハ、面白いなコレ。」

「やぁ二人とも、仲の良いことだな!ブリッジに報告に行くぞ!」

壁面の移動式グリップに捕まったバレンツィーノ大尉が二人を呼ぶ。彼の左脚にはキムが捕まっていた。

「了解!そっち行きます!」

マグネットブーツをオフにして床面を蹴り、壁面まで「泳いで」手近のグリップに捕まった。

「コレもホント面白いな、ちょい面倒だけど。」

「……そのうち嫌でも慣れるさ。」

グリップが動き出し、4人は一路ブリッジに向かった。

 

ネオショー、ブリッジ。

中央の艦長席に4人が並んで立ち、報告する。

「……MS撃墜確実6、ユキカゼとの共同でムサイ級2隻撃沈、コムサイを拿捕して脱出した乗員を確保、損害は至近弾により1機小破。以上です。」

報告を受けたネオショー艦長、ユタカ・イケタニ大佐は満足気に頷き、それでいて落ち着き払った声で告げる。

「よろしい、上々です。初陣ながら戦果ももちろんのことですが……皆さんが無事に帰投して、本当に良かった。…ひとまずは、ゆっくり休んで下さい。」

階級が下であるにも関わらず、バレンツィーノ大尉やシンイチ達に対して敬語を崩さない。

「私からの差し入れもあります。是非、当番兵から受け取って下さい。それでは、わかれ(解散)。」

「「「「了解!!」」」」

全員が敬礼し、その場を離れる。

通信手席にはサクラが座っていたがー

「…タチバナ先輩、そろそろ代わりますよ。食事、行ってきてください。」

同じく通信手を務めるクレア・ランパート伍長が声をかけた。

「えっ、クレア……まだ30分も早いじゃない。いいの?」

クレアは無言のままウインクして、ブリッジから立ち去ろうとするシンイチ達を親指で差した。

何かを察したサクラは、赤面しながら苦笑い。

「もう、やめてよ……でもありがとう。お言葉に甘えさせてもらうわ。」

「宇宙に上がってから凄く忙しかったでしょ。ついでに『息抜き』も、して下さい。」

笑顔を向けるとともに席を立って離れ、シンイチ達を追う。

 

艦内の通路を移動用グリップに捕まって進むシンイチ達。

「…イケタニ艦長からの差し入れ、何ですかね?酒かな?」

バーリングが期待を込めて話しかけ、バレンツィーノ大尉が答える。

「紅茶だったら有難いんだがな…。宇宙に上がってからしばらく、ご無沙汰だ。」

「艦長は無類の紅茶好きって聞いたから、期待できるかもですよ。」

「そうか、それは色々と有難い事だな。あとはスコーンでもあれば…」

雑談していると、背後から声。

「シンイチさん!!」

ブリッジから出てきたサクラが彼らに追いつかんとしていた。

「あっ、サクラ!…だ、大丈夫?!勢いが…!!」

「えっ?!うわッッッ……!!」

出入り口を蹴る際の勢いが強すぎたのか、そのままシンイチの胸に飛び込む。

「おッッッとぉ!!…アツいねぇお二人さん。」

「タチバナ軍曹、足元にはご注意を…。」

あらぬ方向に流されてしまわないよう、マグネットブーツで体を固定したバーリングとキムが抱き合った二人を受け止めた。

「イデデ、いやぁ悪いな二人とも…」

「すっ、すみませんバーリングさん、キムさん…」

一連の様子を見ていたバレンツィーノ大尉が何かを察し、ニヤリとしながらバーリングとキムを呼ぶ。

「二人とも、我々は先にお暇しよう。モリタ、節度をもってほどほどにな。タチバナ嬢も。」

「わッッッ……わかってますよ!!」

「子供は計画的にな!!」

「うるへぇタコ!!」

赤面しながら答えるシンイチ。バレンツィーノ大尉に率いられて、バーリングとキムは立ち去った。

通路の隅で身を寄せあう二人。

誰も居ないのを確認するや、サクラが改めてシンイチに抱きついた。

「うぉっ?!…ごめんよ、ちょっと汗臭いかも…」

「いいの!!……無事で良かった、宇宙で初めての戦いだから、あたし心配で心配で…」

目元から涙が溢れる。小さな丸い水滴となって、宙に浮かんだ。

「あぁ、まぁ…何とかなった、よ゛っ?!?!」

サクラがシンイチの頬にキス。完全なる不意打ちだが、彼は脳内で剣道の極意を繰り返し必死に唱える。

(心・気・力、心・気・力、心・気・力、心・気・力、心・気・力、心・気・力、心・気・力………ぃよおぉぉぉしッッッ!!!!)

これは一人の時にシミュレーション(という名の妄想)で会得した、正気を保つための「技」であった。それが功を奏したか否かは不明だが、地上で見せた挙動不審な様子は影を潜めている。

「シンイチさん……今日はなんだか落ち着いてて、素敵ね。」

「そッッッ、そう……??アハ、アハハハヒャハハ……」

声が一瞬上擦ったが、それでも冷静?な雰囲気を崩さない。かなり危ういが。

密着したまま、しばし沈黙が続く。

おもむろにサクラが顔を上げてコツンと額を合わせると、囁いた。

「シンイチさん?目………………閉じて。」

「え゛ッッッ?!?!……何、何だい…?!」

互いに目を閉じる……と見せかけてシンイチが薄目を開けると、目を閉じたサクラが顔を近づけてくるのがわずかに見えた。

(………心・気・力、心・気・力、心・気・力……………ええいもういいわッッッ!!ここでサクラの気持ちを受け入れなきゃ、それこそ彼女に対して失礼だ!!ままよッッッ!!!!)

シンイチは腹を括って、目を閉じる。

僅かな吐息が唇に触れたかと思うと、次の瞬間ー

 

互いの唇に、僅かに湿った柔らかい感触。

味は無く、匂いも無い。

心臓の鼓動の音が聞こえるような気がした。

そのまま、互いの指を絡めて手を強く握る。

 

しばらく後、ようやく唇を離す二人。手は繋いだまま、互いに口を開いた。

「「だっ、大好きッッッ……」」

思わず言葉が被ってしまい、自然に口角が上がる。

「…な、なんか……何だろう、こういう時に締まらないよな、俺たちって。ハハ、ハハハハハハ…!」

「いいんです、これがあたし達でしょ。これだからいいの。ウフフフフ……!」

笑いながら、シンイチの胸にサクラが顔を埋めた。

 

軽空母ネオショーを中心として隊列を組む小艦隊は、ルナツー基地へ帰投すべく堂々と宇宙(そら)を進む………。

 

第二十話 虚空を斬る刃 終幕

 

 

幕間 今更それ言う?

 

一通りイチャつき終えたシンイチとサクラは、改めてバレンツィーノ大尉達の待つ搭乗員待機室へ向かう。

と、その道中で…

「………あ゛ッッッ!!!」

「きゃッッッ!!」

突如シンイチが移動用グリップを止め、その場で立ち尽くす。

サクラが勢い余って彼の背に衝突。

「ちょッッッ……シンイチさん、急に止まらないでよ!どうしたんですか?」

シンイチは立ったまま、手で目元を覆う。いうなれば「あちゃー」みたいなポーズ。

「いやッッッ、サクラ………あぁいや、その……君に、謝らなくちゃいけない。」

「えッッッ、何かしました?!シンイチさん、あたしに?!」

「いや、何かしたとかそうじゃなくて…何だろう、正直今更感が凄いんだけど………どうしようコレ、ホントに…」

目元に手を当てたままブツブツと呟く。

「ん〜〜〜、もう…!」

その様子に居ても立っても居られなくなったサクラはシンイチの正面に回り込み、目の高さまで浮き上がる。

「はっきり言ってください、あたし達の間なんですから。今更隠し事は無しですよ!」

サクラの圧に負けて、シンイチが重い口を開いた。

「あっ、あぁ……それなら……その、いつ頃からか君を呼び捨てにするように……なっちゃったじゃない?アレ申し訳ないなぁ、って………思ってさ。」

目を泳がせて、頬を掻きながら告白。

「……………………はい?」

サクラは呆気に取られて、目が点になった。

シンイチが身振り手振りを交えて必死に説明する。

「だからさ、どうしよう??『タチバナ軍曹』に戻そうか?それとも『ちゃん』付けがいい?『さん』?あぁもういっそ、『たん』とか…『たゃ』とか、『殿』とか?…いやこの辺は無いな、列外列外……」

「……プふッッッ、アハハハハハ!!やだ、アハハハハハハ……!!」

とたんに爆笑するサクラ。

「いやいやいや、これ結構重要よ?!?!笑ってっけどさぁ!!で、どうしよう?!マジでどうしようコレ?!ねぇ!!」

「あぁ、あぁアハハハ、もうやめてシンイチさん、笑い死んじゃいそう。アハハハ…なんだか最近こんな事ばっかり、もぅ……」

ようやく落ち着きを取り戻したサクラが改めて向き直る。

そして、シンイチと軽く唇を重ねた。

完全な不意打ち。心の準備などある筈もない。

「そのままでいいですよ!あたし何にも気にしてないから。」

初めて頬にキスをもらった時と同様、処理落ちしたパソコンのようにフリーズしてしまうシンイチ。そこへ…

「……サクラ、ちゃん?」

おずおずと、サブリナが現れる。目は猫のように大きく見開かれていた。

さらに間の悪いことに、ロイスとカーマイケルも一緒。

「うぇッッッ、サブリナさん…達?!?!…どの辺りから聞いてました??」

「サクラちゃんの『ん〜〜〜、もう…!』のあたり……」

「いやぁん、割と序盤ッッッ!!!!」

恥ずかしそうに顔を覆う。

とたんに目を輝かせてニヤつくサブリナ。

「へえぇぇ〜〜〜サクラちゃん、結構大胆ねぇ。まさかアンタ達がそこまでの間柄とは…へえぇ〜〜〜これはいい、これは尊いわぁ……」

懐からいつぞやの閻魔帳を取り出して超高速でメモする。

「お嬢……お見それしやした…」

「眼鏡ちゃん、タフだとは思ってたけど…大胆さも併せ持つとは、やるなぁ…」

ロイスとカーマイケルも感心し、尊敬の眼差しを向ける。

「ちょッッッ……サブリナさん、メモしないで!!皆もやめてッッッ!!シンイチさんも何とか言って……って、まだ固まってる!!ちょっとシンイチさぁぁ〜〜ん!!」

サブリナの肩を揺すったり、シンイチの再起動を試みたり。

小さなハプニングが、ネオショーの狭い通路内で同時に繰り広げられていたのだった………。

 

幕間 今更それ言う? 終幕




ドーモ、ハーメルンノミナ=サン。ノブシヤマイモザムライです。
始まりました宇宙編、そして到達しました第二十話!!
前回「どうしようホント助けてヒャハハハハハハ!!!」とかワケのわからん事言って発狂してたけどそれなりに書けちまいました、少なくとも文章としての体裁は保ってるんかなと……いや保ててるのか?大丈夫だよねコレ?(爆)
あいも変わらず拙いですがせめて、一年戦争終結まではこのペースと勢いで頑張っていこうかなと思っとります。
っていうか地上編終盤〜最新話にかけてちょいとてぇてぇ描写増えすぎじゃね?と思われた方もいらっしゃると思いますが大丈夫です、自分もそう思います(爆)
あといきなりムサイ×2とザク×6秒殺はやりすぎたかなぁと……まぁでも次からリクドとかゲルググとかザンジバルとか色々出して苦戦させるつもりなので、その辺もまぁ大丈夫です、多分ね(汗)
…あぁぁ、なんかまた不安になってきた、いやでもあんま遅いと更新ペースが(長くなるので以下略)
さて次回、ルナツー基地に一旦帰投しアイツとかアイツの過去の話をやるつもりです。そこに迫るジオンの影とは!!

次回第二十一話「ルナツーの一番星」
お楽しみにッッッ!!!!

………え、シンイチはサクラを早よ抱けって?
いやいや、アイツは恋愛に関してはポンコツだけど段階は踏む漢なので例によって例の如く
ダ メ で す ! ! !
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