●★●★●作者からの重要なお知らせ●★●★●
タグはR-15ですが、今回は随所にアダルティな表現を含みます。
苦手な方はブラウザバック推奨。
●★●★●重要なお知らせおわり●★●★●
シンイチが目を覚ますと、無機質な天井が目に飛び込んできた。
ここはネオショー艦内、彼の自室。
帰還直後に気を失った彼は、軍医による診察の結果、異常無しと判断されてそのまま自室に運び込まれたのだった。
ベッドに横たわるシンイチが顔を横に向けると、サクラが突っ伏して眠っている。そしてその側では寄り添うようにサブリナが居り、やはり疲れ果てた様子でベッドにもたれて寝息をたてていた。
さらに顔を上げて足元を見やると、ベッドの側に置かれた丸椅子にバーリングが腰掛けてうとうとしていたが、突如彼の頭がガクッと下がる。
「ぬ゛ッッッ………あぁ、羊をブッ殺さねぇと………んッッッ………!!」
眠そうな目をこすり、ひとつ伸びをすると、シンイチが目を覚ましていることに気づいた。
「………おっ?!モリタ!!起きたのか?!」
途端に表情が明るくなる。発せられた嬉しそうな声に、サブリナとサクラも目を覚ました。
「んぇ??……何?誰?起きたァ?」
「ん〜〜……ほぁようごぁいま………あッッッ!!!」
シンイチの様子に気付いたサクラも、とたんに笑顔を浮かべる………が、すぐに泣きそうな表情に変わった。
「シンイチさんッッッ!!!!」
言うが早いがシンイチに抱きつく。
「うぉッッッ?!?!」
そのままシンイチの胸元に顔を埋め、わんわんと泣き始めた。
「また……無茶してッッッ!!!シンイチさんの馬鹿ッッッ、馬鹿馬鹿馬鹿ッッッ!!!でも……信じてた、すごく怖かったけど………還ってくるって。信じてた………うっ、うあぁぁぁ〜〜〜ん………」
「ご、ごめんよ……また心配させちゃったな。」
しゃくりあげながら激しく帰還を喜ぶサクラの頭を、不器用に撫でる。
「もう、シンイチったらサクラちゃんを泣かせてばっかりなんだから。……でもホント、無事に還ってきてくれて良かった。」
サブリナも目尻の涙を拭いながら、潤んだ声で祝福する。
「おいおい、俺の無事は祝ってくれないのか?」
不満そうな様子のバーリングにサブリナが振り返り、意地悪そうな笑みを浮かべた。
「……何言ってんの、さっき十分祝ってあげたでしょ。それとも二人の目の前で『続き』、始めちゃう?」
「いや気まずすぎるだろ!!!」
即座に突っ込み、サブリナがからからと笑う。
いつもの二人の掛け合いに、思わず笑みがこぼれるシンイチ。ぼんやりとしていた彼の頭の中に、「無事に還ってきた」という実感が改めて湧き上がる。
「ハハハ、そりゃそうだ………バーリング、いやジョナサン。とんだ無茶に付き合わせてすまない。お互い無事で良かったよ。」
詫びを入れると、ニヒルな笑みを浮かべた。
「何言ってる!俺達の仲だろ、そんな事今更謝んなよ…………やったな、相棒!!!」
固く握手を交わした。
するとここで、突然サクラが顔を上げる。
「シンイチさん……ちょっと、ごめんね。」
「ん、何?どったの?」
シンイチが優しく問いかけると、サクラが靴を脱いでベッドに上がる。
ちょうど彼の身体に跨る形になった。
「幽霊じゃ、ないよね……幻覚でも、夢でもなんでもない。シンイチさんを感じる。でもあたし……もっと、もっと感じたいの。」
彼の頬にそっと手を添えながら、一気に呟く。
「ちょッッッ、サクラ!?!?何言って………」
色々と察したバーリングがサブリナに目配せをしながらそっと立ち上がり、嫌味っぽく告げた。
「おっと、『おっ始める』なら……俺達はお邪魔虫、だな。」
「バレンツィーノ大尉に言われてたとおり『節度をもってほどほどに』、ね♡」
シンイチは途端に真っ赤な顔になり、部屋を立ち去ろうとする二人を咎めた。
「ちッッッ、ちがわい!!そういうつもりじゃない…………多分。違うよね?サクラ……ちが、ん゛むッッッ?!?!」
恐る恐るサクラの方に顔を向けると、たちまち彼女がシンイチの唇を奪う。
「あらッッッ、あらあらあらぁ^〜〜〜〜………サクラちゃんったら積極的、さぁジョナサン、早く出るわよッッッ!!」
その様子に驚きつつ、いそいそと部屋を出る二人。
「んッッッ………!!」
濃厚なキスを何度も交わすうち、二人は互いの身体を寄せ合ったままベッドに倒れ込んだ。
少し間を置くと、ふいにサクラが照れ臭そうに問いかける。
「空調、あまり………効いてないのかな?少し、暑い……かも。」
顔を逸らして恥じらいながらも、胸元のファスナーをゆっくりと下げた。
「……あたし、服がワンサイズ小さいの。いつも胸元が、苦しくって………。」
その声は次第に蚊の羽音ほどまで小さくなり、また震え始める。ファスナーが下がりきると、軍服の下に着ていた白いキャミソールが姿を現した。
その様子にシンイチは、何かを感じ取る。
(これってやっぱり、『その気』なんだな……なら今こそ、受け入れないと。サクラの全部を。)
彼もまた腹を括り、身体を起こしつつパイロットスーツのファスナーに手をかけた。
「そうだな、少し暑いかも………しれない。でも汗かいてたから、まずシャワーを浴びないと。」
「いいの、このままで…………シンイチさん、来て。」
欲求に向き合い、お互いを受け入れる覚悟を決めた。そしてー
ベッド脇の床面に女性用の軍服と男性用パイロットスーツが脱ぎ捨てられ、そこに白いキャミソールと淡い色のショーツがはらりと重なる………。
シンイチの自室の前には、バーリングとサブリナが番人のように座り込んでいた。
「モリタ……ヤツもついに、『男』になったか。」
苦笑いしながらも、感慨深そうな様子でため息をつくと、彼の肩にもたれて眠り始めたサブリナの髪を優しく撫でた。
ネオショーは艦内を1Gの重力環境に保ったまま、一路コンペイトウーーかつて「ソロモン」と呼ばれていた宇宙要塞へ向かう………。
要衝たるソロモンを失陥したジオン公国軍は、月のグラナダと宇宙要塞ア・バオア・クーを最終防衛ラインとし、連邦軍を迎え撃つ準備を整えようとしていた。
一方で地球連邦軍は、コンペイトウに戦力を結集。ネオショー率いる第343補給分艦隊もその戦力に組み込まれるべく転進を命じられる。
人類の半数を死に至らしめた悲惨な戦争は、いよいよ最終局面を迎えつつあった。
そして、ネオショー艦橋。
操舵手の威勢のいい号令と、ひっきりなしに飛び交う通信。艦長席にはいつも通りイケタニ大佐が座り、その隣にウォーラス大尉が控えていた。正面の巨大な窓からは、すでに連邦軍のものとなった宇宙要塞「コンペイトウ」が遠くに見える。
その周囲には多数の艦艇のスラスター光や誘導灯が瞬き、まるで宇宙に浮かぶクリスマスイルミネーションのようだった。
ここで、通信手席に座るクレアが報告。
「……艦長、コンペイトウ管制より入電。『識別信号を確認、そのままの進路を維持しゲート377より入港せよ』との事。」
幼さの残る、あどけない声。イケタニ大佐が頷き、操舵手に下命する。
「了解。………ドレイク曹長、聞いた通りです。掃海がまだ不十分なので、操艦は慎重に頼みますよ。」
事実、要塞の周囲には撃沈された両軍艦艇の残骸や撃破されたMSが無数に漂っている。
コンペイトウから発進したボール部隊が出張って掃海作業に勤しんでいるのが見えるが、それでも細かなものは避けきれず時折船体に当たる事があった。
ネオショー率いる小艦隊はその中を掻き分けるように、また巨大なデブリを迂回しつつ進んでいる。
「進路そのまま、ゲート377入港!!!デブリに注意、アイ!!!!」
きわめて威勢のいい声で復唱。クレアが驚き、肩が少し跳ね上がった。
その様子を見たイケタニ大佐が苦笑いしながら諭す。
「ドレイク曹長……威勢が良いのは結構ですが、非戦闘時はもう少し控えていただけると。」
すると珍しいことに、ウォーラス大尉がドレイク曹長を茶化した。
「そうだぞ、何ならお前さんは威勢だけだからな!」
「酷いじゃあないですか大尉殿ォ〜〜!!!!」
「うるッッッせぇ、オメーほんとそういうトコだぞドレイク!!」
わざとらしく慟哭する彼にレーダー手のスタンリー少尉が突っ込みを入れると、艦橋内は和やかな笑いに包まれる。
激しい戦いを無事に終える事ができた喜びから、一時的とはいえ艦内は安堵の空気で満たされていたのであった。
そのころシンイチの自室では、ベッド上で彼とサクラがシーツに包まって眠っている。
船体に細かなデブリがぶつかる衝撃音で目を覚ましたシンイチは、そっと身体を起こす。
壁面の小窓からはすでにコンペイトウ要塞が見えていた。
「ソロモン………いや、コンペイトウ、か。」
明晰夢で見た光景を思い出し、感慨深く呟く。
ありえないとは分かっているのだが、どこかにキョーコが漂っている気がして思わず外の様子を覗いていると、ふいに彼の背にサクラがもたれかかる。
「シンイチさん、どうしたのぉ……?」
僅かに湿り気を帯びた肌を密着させながら、甘えた声で囁いた。背中越しに彼女の温もりと、心臓の鼓動が伝わる。
「サクラ?……悪い、起こしたかな。」
「ううん、大丈夫。ちょうど目が覚めたとこ。」
向かい合わせになって優しく抱き寄せると、サクラがシンイチの胸板に手を這わせる。
二人は相変わらず、一糸纏わない姿。
「そっか。もうすぐ着くから、そろそろシャワーでも浴びようか。」
「うん…………シンイチさん、背中流してあげる。あたしの身体も、洗ってね。」
普段の彼女らしからぬ、それこそ先刻よりも一層積極的な様子にシンイチは困惑した。
改めて思い返すと、疲れと安堵感に背中を押されて夢中でお互いを求めあった事に、今になって気恥ずかしさが込み上げてくる。
「……いや、ちょッッッ……シャワーくらい別々に浴びよう?!その……また興奮して盛り上がっちゃうと、アレだから……ね!!」
それでも先ほどの余韻を思い出すと心と身体が再び「落ち着きを失いつつ」あり、また胸板を撫でるサクラの手が心身の動揺に拍車をかける。
そんなシンイチを、サクラもまた少し恥じらいを滲ませながらからかう。
「ウフフ、さっきまで散々あたしの裸見てたのに……今更恥ずかしいの?シンイチさんったら♡」
「いや、そういうワケじゃなくて……!!」
「じゃなくて、なぁに?」
どこかで見たような意地悪な口ぶりと色気溢れる仕草に、既視感を覚えて頭を抱えた。
(サクラ……やっぱりなんだか、サブリナに雰囲気が似てきた気がする。でもまぁ、それもそれでまた……)
困惑しつつも、やはり男としての本望には逆らえない。渋々ながらサクラの提案を受け入れる。
「うーーむ仕方ないな……別々に入るより、多少はその、時短にはなるかな……」
「そうでしょ、行こっ♡」
シーツから抜け出した二人は、ゆっくりとシャワールームに入っていった………。
同じ頃、宇宙要塞「ア・バオア・クー」近傍の宙域。
暗い色の高機動型ザクIIを先頭に、ゲルググ5機が編隊を組んで飛ぶ。
指揮官機たる高機動型ザクIIのパイロットは第16独立強行偵察中隊隊長、ケイジ・アキモト大尉。
これを挟むように、ハンスとアナスタシアのゲルググが左右後方に続く。さらにその後ろには後衛として新兵3人のゲルググが並んでいたが、こちらは明らかに隊長機から遅れ機動もぎこちない。
それもそのはず、彼らは人員不足の煽りを受けて訓練過程を短縮卒業させられた促成兵だった。
《4番機から6番機、遅れとるぞ!!テメェらやる気あるんか、あぁ?!》
アキモト大尉からの苛立ちを滲ませた声に、編隊4番機のパイロットが途切れ途切れに返答。
《………すっ、すみません、ま、まだ操縦に、慣れてなくて……うおぉッッッ!!!》
拙い機動で、紙一重にデブリを躱す。練度不足はもはや明らかだった。
(チッ、これじゃ実戦で使いものにならへん……中尉なりたてのボンと少尉のお嬢は別やが、残り3人のガキ共は弾除けにもならんな。訓練時間も足りてへんし、一昔前なら実戦機には乗っとらん……母艦に張り付かせて、直衛にした方がマシか。)
思案を巡らせつつ、慣れた手つきでスロットルとフットバーを操作。大尉のザクは稲妻のような鋭い機動を見せつつ、連続してデブリを躱してみせた。
(まぁ、できれば若いヤツら……俺の配下は全員、死なせとうないんやけどなッッッ!!)
ゲルググで追随するハンスは彼の腕前に舌を巻く。かつて同じ機体に乗っていた自分ですら、かように激しい機動は叶わなかった。
(なんて腕だ……高機動型とはいえ、古いザクタイプであんな機動を!!)
ーー数時間前。
チベ級重巡洋艦「グラーフ・シュペー」艦内、MS搭乗員待機室。
「………ハンス・ブレンドレ、『中尉』か。ソロモンからの撤退戦とそれ以前の戦いでも、かなり手柄を立てたらしいのぉ。」
肘掛け椅子に浅く腰掛けてテーブルに足を置き、その傍に立つハンスに目を向けるアキモト大尉。
「はっ。……此度、大尉殿の2番機を仰せつかりました。こちらは3番機のアナスタシア・スコーネルト少尉です。」
物怖じする事なく、はっきりと返答。その態度には実戦経験者特有の落ち着きが垣間見えた。
彼の隣にはアナスタシアが立つ。一見して近寄りがたい雰囲気のアキモト大尉に、少し怯えたような表情。
「そうか。……あぁ、怖がらんでかまへんよ嬢ちゃん。ストライクゾーンってのがあってやな、俺は歳上のおねーちゃんが好きやさかい。襲ったりせぇへんから安心しぃや。」
そんな彼女の様子を察してか、優しい口調で宥める。
「それに、中尉のボンもそうやけど……あんたら二人はポッと出のズブの素人ってワケでも無さそうやからな、俺には分かる。せいぜい期待しとるで。」
聞き慣れない言葉に、ハンスが挙手して質問。
「失礼、大尉殿……『ボン』とは?」
「んっ、あぁ悪い悪い、『ボン』っちゅうのは『坊や』みたいな意味や。自分ハタチやろ?それにしちゃ若く見えてなぁ、もし気ぃ触ったらごめんやで?」
「いっ、いえ、お気になさらず……」
早口で気さくに捲し立てるアキモト大尉に面喰らうとともに、ハンスは拍子抜けしアナスタシアはいくらか安堵を覚える。
いずれにせよ、かつて仕えたコマツ大尉には無い親しみ易さを感じた二人。
かと思うと今度は、彼らの後ろでおずおずと立つ新米3人に目を向けるや怒鳴り散らす。
「………ん?おい後ろのお前ら、先輩はいの一番に挨拶に来とるぞ、ナメとんかワレぇ!!!」
先程とはまるで正反対の様子に、再び面食らった。
ハンス達の隣に素早く並んだ3人をひと睨みすると、さながら極道映画の首領のような声色で容赦無く告げる。
「えぇ〜度胸やのぉ俺に挨拶もナシとは。とりあえず罰として上体起こし100回や、姿勢取らんかい姿勢!!!」
「「「はっ、はいぃッッッ!!!」」」
「遅いッッッ!!50回プラスじゃボケェ!!!……あ、ボンとお嬢はゆっくりしててや。午後の哨戒まで時間あるさかい、休んどき。」
「は、はぁ……」
「そ、そうします……」
罰を受ける3人を横目に見ながら、ハンスは思いを巡らせる。
(また……日系か。つくづく僕は、その種の人物に縁があるな。………あの時の『ヤツ』は、『因縁』となるのか。『知人』のままで終わるのか、果たして……)
彼の脳裏には、サイド6で出会ったシンイチの姿が思い起こされるのであった。
グラーフ・シュペーとその護衛艦は、ア・バオア・クーから出航し哨戒宙域へと向かってゆく………。
コンペイトウ要塞司令部において、功績を認められた第343補給分艦隊は表彰され、特に活躍の目覚ましかった第1小隊の面々はそれぞれ1階級昇進を果たす。
その後、ささやかな酒宴の席が設けられたネオショー艦内の食堂において、シンイチ達は祝杯を挙げ一時の勝利を祝った。
仲間達の歓喜の声に改めて包まれる中、シンイチは食堂の壁にもたれ、やがて来るであろう「乗り越えなければならない戦いと、大きな試練」を予感し、複雑な表情で佇む。
「シンイチさんっ!」
そんな彼に、睦まじく寄り添うサクラ。
ぎこちない笑顔を向けると、ドリンクを一口飲んでにこやかに談笑するのであった………。
第三十二話 クリスマスはコンペイトウで 終幕
幕間 酒宴の席にて
「さぁ〜〜〜〜って、ここでぇッッッ!!!ヒック」
酒宴の真っ最中のネオショーの食堂、そのど真ん中でサブリナが突如叫ぶ。
彼女はつい先日20歳になったばかりであり、これ幸いとばかりにアルコールを呷りまくっていたのだった。
もちろん半ば泥酔状態。大丈夫かコイツ…
「暴露するわよッッッ、今まで貯めに貯めたコイツをねッッッ!!!」
胸の谷間からヌルッと出現する、使い込まれた1冊のノート。
その場の全員の頭上に「?」が浮かぶのが見て取れるような雰囲気の中、シンイチは顔を顰めてクレアは思わず吹き出す。
「皆アレね、頭の上に『?』が浮かんでる感じね?そうでしょっ?アハハハハハ!!うぅ〜っ、ヒック」
一人謎にハイテンションなサブリナ。周囲はその勢いについていけずポカンとしている。
「これね〜、なんと『アタイのオッパイの谷間をチラ見した奴とその回数』リストなのよおォ〜〜〜ッッッ!!アヒャヒャヒャヒャッッッ!!!」
瞬間、その場に居た全員の顔が強張った。
サクラに至ってはシンイチに鋭い眼光を向けて目配せし、また首元を引っ掴んで
「まさか貴方の名前は載ってないですよね??」
と言わんばかりの形相。こわい。
シンイチの全身から冷や汗が噴き出る………。
「暴露するだけじゃないわよ!!1回ごとに1ドルの罰金も取るんだから、しかも集めたお金はね……ヒック、戦争が終わって飲み会開く時の資金になるのッッッ!!!どうよコレどうよコレ〜〜〜!!」
とたんにザワつく食堂内。バレンツィーノ少佐はやれやれといった表情を浮かべ、バーリングは
「やべぇ、有り金全部持っていかれるッッッ!!」
とかなんとか。キムは腕を組み、得意げな表情を浮かべているが………。
「そいじゃさっさと発表するわよッッッ、まずキムやんは………12回で、12ドル!!!」
とたんに大爆笑。先程までの表情と態度は瞬間的に石像のような雰囲気に変わった。
「サブリナヌニム、チョワヨ……(特に意味はない)」
魂の抜けたような声で12ドルを差し出す。
「さぁどんどんイクわよ、次は〜〜〜、シンイチ!!8回8ドル!!!この巨乳好きめぇ〜〜ッッッ!!!」
「たわば?!?!」
素っ頓狂な声を上げる。サクラの目つきが一層鋭くなった。あ〜こりゃ死んだな…(?)
「シンイチさぁん??この後………『わかって』ますよ、ね??」
「ハイ…」
支払いを終えると普段の頼もしい雰囲気はどこへやら、腰に手を当てて仁王立ちのサクラの前で正座するシンイチは、ふた回りくらい小さくなって見えた………。
「さてさて次はぁ〜〜〜ッッッ、ネイト!!整備第3分隊のネイト!!アンタは……34回よッッッ!!!」
「うえぇッッッ?!?!……あっしまった、手持ちが無い!!!姐さん今は勘弁してッッッ………」
甲高い声。支払いをし損ねた彼に、サブリナが意地悪な目線を向ける。
「ダメよ、いつもニコニコ即日現金払いッッッ!!払えないってんなら、そうねぇ……ヒック」
ジロジロとネイトの顔を吟味するサブリナ。
「……そしたらアンタは『ある事』をしたら全額免除したげる。こっち来て!!ヒック……あっ、おケイもちょい手伝って!!」
ケイトを引き連れて、いそいそと食堂をいったん後にする3人。少しのち………。
サブリナとケイトに連れられて現れる、少し背の高い紺色メイド服の女性………と見せかけたそれは、なんと女装させられたネイトなのであったッッッ!!!
再び食堂が爆笑の渦に包まれる中、その場に居た数人の「性癖」をものの見事にデストロイした事はもはや想像に難くない。
「アッヒャッヒャッヒャッヒャッ、見てコレ!!アタイとおケイのコーディネイト最高じゃない?!ヒック…ネイトきゅん似合ってるぅ!!さぁ決め台詞は?!ヒック…」
「はっ、あの……この度は、ネオショーに、じ、乗船いただき、ありがとう…ございます、ご主人様ぁ……」
もともとの甲高い声色に加えて、チークで頬にほんのりと赤みを差し、ルージュで唇にも色を乗せられたネイトはどこからどう見ても貞淑なメイド姿の女性。
恥じらいを含みつつ決め台詞(?!)を発する彼に、いの一番に相方のマイルズが駆け寄り跪く。
そのまま両手を優しく包み込み、目を輝かせながら告白する。
「ネイト……結婚しよう。俺もうお前でいいわ。」
「いやふざけんなお前ッッッ?!?!酔ってるだろ!!目を覚ましてくれ相棒、頼む!!!!」
酒臭い顔を近づけながら、全力で迫るマイルズ。
「相棒?何言ってる、俺たちこれからそれ以上の間柄に……なるんだよッッッ!!!」
「落ち着けマジでこのタコ!!!!」
馬鹿騒ぎは止まるところを知らない。そして一通り暴露を終えた後………
「さぁ〜〜て、そいじゃ締めのついでにィ〜〜〜ッッッ、皆に『イイもの』見せたげよっかなぁ〜〜っと、ヒック」
モゾモゾとキャミソールに手をかけるサブリナ。何かを察したバレンツィーノ少佐が身構えると………
「はぁ〜〜〜いッッッ、せっかくだからアタイの全部を見てぇ〜〜〜ッッッ!!!」
なんと全員の目の前で「トップレス」になろうとした………が、ここでバレンツィーノ少佐の伝家の宝刀「英国紳士ディフェンス(仮)」が発動。
豊満なバストが露わになるすんでのところで、配膳トレーをかざして彼女の胸を隠した。
「………あれぇ〜〜〜っ、少佐ぁ、なにしてんのぉ??空気読んでよぉ、ヒック」
既に脱ぎ切ったキャミソールを指に引っ掛けてクルクルさせながら、サブリナがつまらなさそうにぼやく。
「酒の席といえど節度は必要だッッッ!!上を着なさい、今ならまだ間に合う!!」
とたんに食堂内に溢れかえるブーイング。
「んえぇ〜〜〜、だってアタイも皆に見てほしいし、元気になってほしいし…………うっ、ぷ?!」
するとここで、サブリナが突如として青ざめる。
「サッ、サブリナ嬢……どうした?」
バレンツィーノ少佐が問いかけると、一言。
「吐く……かも。」
「なッッッ何だと?!緊急事態だ、各員対処行動ォッッッ!!!」
「「何をしてんのお前ッッッ!?!?」」
絶叫するバーリングとシンイチ。
たちまち、食堂内は大騒ぎになる。一斉に駆け寄る仲間達。
その後なんとかかんとか「乗り切った」酒宴は、バレンツィーノ少佐の指揮のもとで静かにお開きとなるのであった…………。
ちなみにマイルズがネイトに告った事は、酔いが覚めると綺麗さっぱり忘れていた。
幕間 酒宴の席にて 終幕
ハーイエブリワン、ハウアーユー?アイムファインサンキュー、アンド(略)
こんにちはこんばんはおはようございます、野武士山芋侍でございます。
はい、今回は思い切っててぇてぇハイマットフルバースト&すけべぇ匂わせ全開な感じで纏めさせていただきました。
それこそこの時期はもう一年戦争終盤、次に控えるは最終決戦の地宇宙要塞ア・バオア・クーですかんね……!!ここから戦局にしてもお話にしても、てぇてぇなど付け入る隙もない怒涛の展開が待ち受けているワケで。
前回自分が「一年戦争最後のてぇてぇ回」と言ったのはそういった理由からです。
まぁ何はともあれ此度シンイチとサクラちゃんも男女の関係となったワケですが、この二人がこれから向かうのは果たして血生臭い地獄の底か、暖かいそよ風と木漏れ日が差す天国か…… それは私にもわからん、本当に申し訳ない(某ミームの博士風)。
さて次回、第343補給分艦隊に襲いかかるハンス達。手強い新型機に乗り換えた彼らと、また雪辱に燃えるアキモト大尉をも交えた戦いの行方は………ッッッ?!?!
次回第三十三話「還らざる友へ、去りゆく君へ」
………お楽しみに。
…え、シンイチとサクラちゃんは結局何回「致した」かって?
3回です。何気にハンス×アナより1回多いぞ!!(爆)