機動戦士ガンダム外伝 斬凶戦記   作:芋 侍

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第六話 一刀両断

機動戦士ガンダム外伝 斬凶戦記

第六話 一刀両断

 

連邦軍某基地、格納庫。

「ぬぅぉぉぉぉッッッらぁぉぁぁぁあい!!!!」

「ぐぅぉぉぉぉぉぉぉぉぁぁぁああ!!!!」

「もう少し静かに出来んか?」

片膝を立てて並ぶ陸戦型ジムの前で、41中隊のパイロット達が汗にまみれ、謎の雄叫びをあげながらプランクを行っていた。

このうちバーリングの背には「負荷」として、こめかみに青筋を浮かべたサブリナが足組みして座り、シンイチの背にはサクラが申し訳なさそうにちょこんと座っている。

「バッッッ………バレンツィーノ中尉ッッッ殿ッッッは、楽勝そう、で…ありますなァッッッ………ふっ、ずぉぉぉいッッッ!!!」

今にも姿勢が崩れそうなバーリングが、必死の表情でバレンツィーノ中尉に話しかける。

プランクを始めてまもなく4分が経過するが、中尉の姿勢は崩れる様子が全く無い。

「当然だ。私は毎日3分間これをやっている。5分程度、どうという事も…」

腹立たしい程落ち着いた声。ここで、サブリナが提案。

「じゃ、中尉も残り30秒『負荷』ありでやっちゃいますか♡お〜〜〜い、サラ姐ぇ、居る〜〜?」

中尉に「負荷」をかけるべくサブリナがサラを呼ぶ。

流石の彼も青ざめて、一言。

「えっ、ちょっ………待ちたまえ。」

 

※作者より: 彼らは特殊な訓練を受けています。プランク中の人の背中に負荷として座るのは腰椎への負担がエグいので、やめようね!

 

結論からいうと、模擬戦は41中隊の惨敗であった。

状況開始と同時に何を思ったのかバーリングが突出し、即撃破判定。

バレンツィーノ中尉とシンイチがツーマンセルで遮蔽物を利用しつつ上手く動き、鹵獲ザクを狙撃して撃破判定を与えたが、ガンキャノンの圧倒的火力で中尉がダウン。

最後に残ったシンイチがガンキャノンの砲撃を掻い潜って隊長機に肉薄するも、陸戦型ガンダムとジムの馬力の差で圧倒され、最後は足を絡め取られ転倒し敗北。

ダンカン大尉(今回模擬戦には不参加)からこっぴどくお叱りを受け、罰として「地獄の5分プランク(しかもラスト1分『負荷』有り)」を言い渡された、というわけである。

 

汗だくで格納庫の床に転がる3人。

「お、お疲れ様でしたぁ〜〜………」

罪悪感から、ある意味彼ら以上に疲れた様子で労いの言葉をかけるサクラ。

地獄の5分プランクはようやく終わりを迎え、バレンツィーノ中尉は結局「負荷」無しで耐え抜いた。

「………だっ、大体…携行式ビームライフルってお前…ハァ、ハァ、火力が違いすぎるんだよ、何を想定した、ハァ、模擬戦だったんだ………?!」

バーリングが寝転がったまま息も絶え絶えにぼやく。

「………いや、負けはしたけど……ハァ、ハァ、こういうのも、大事だろ…想定を、上回る敵…の方が………ほら、アレだ……ハァ…そのための………ハァ、ハァ…」

シンイチがなんとか答えようとするが、言葉が続かない。

軍人として鍛えられているとはいえ、流石の二人でも暫くは筋肉痛に苛まれるだろう。

「そうだな。今回は色々と学ぶべき事や収穫はあった。訓練での敗北は失敗ではなく、また無駄でもない。」

代わって、バレンツィーノ中尉が冷静に補足した。

「あっ、あの…」

サクラがおずおずと会話に参加。

「わ、私も………上手くオペレートできませんでした。試験部隊のMSの火力と性能が予想以上で…ごめんなさい…」

うるうると目を潤ませる。途中から少し涙声。

「何言って………サクラちゃんは悪くねぇよ!」

バーリングが勢いよく起き上がり、明るくきっぱりと言い放つ。

「そもそも今回は………その、俺が熱くなって前に出過ぎたのが発端だし、相手のデータだって不足してたのは事実だし。ほとんどハンデ戦みたいなモンよ。」

シンイチも続けて、優しく励ます。

「よく分かってるなお前………そうそう、それに、誰か一人を一方的に責められるようなもんじゃないさ。」

よっこらせ、と立ち上がり尻を払いながら続ける。

「中尉の言うように、色々と問題が浮き彫りになってはっきりした事の方が重要さ。対策も立てられる。こういうのは仮想敵が強ければ強いほど、尚更良い。」

裏表の無い彼らしい、本心からの言葉にサクラが少し安堵する。

ついでに、少し自分を責め気味だったバーリングも意外な顔。

「そういう事だな。」

バレンツィーノ中尉が満足そうに頷く。

言いたい事を代わりに言ってくれた、と言わんばかりの雰囲気。

「バーリング軍曹、シンイチさん………」

タブレットをギュッと胸に抱き、さらに涙目になるサクラ。

「そのための訓練だろ。それに………次はもう負けない、絶対に。」

一転、真剣な表情。その台詞には力がこもる。

その横顔の頼もしさに、サクラは少しときめいて赤面した。

ここで、バーリングがわざと女座りしてオネェ口調で茶化す。

「やぁだぁ、モリタ曹長殿ォ超カッコいぃ〜ん、いっそ抱いてぇ〜!!」

よりにもよってサブリナも便乗。バーリングと同様のポーズで同じように茶化す。

「曹長殿ォカッコいい〜〜ん、アタイも今夜空いてるわよぉ〜〜ん♡」

シンイチが顔を真っ赤にして(主にサブリナのせいだが)即座に突っ込む。

「バッッッ……カ、オメーら、せッッッかく良いこと言ったのに、ホント貴様らというヤツらわ!!!!」

小隊の面々は笑いに包まれた………。

 

と、ここで基地内に響き渡るけたたましいサイレン。先程まで談笑していた面々の表情が一瞬で引き締まる。

《………スクランブル、スクランブル。監視地点エコー5より入電、同所直近に二個小隊規模のジオン公国軍MS部隊が出現。41中隊及び試験小隊は直ちに搭乗、出撃せよ。繰り返す…》

先程まで笑い合っていた面々の表情が一瞬で引き締まり、即座に駆け出す。

素早くパイロットスーツに着替え、ヘルメットを持ってめいめい愛機に駆け寄る。

乗降用クレーンから垂らされたワイヤーでコックピットに登る頃にはすでに、格納庫正面の巨大な扉が開きつつあった。

サブリナとサクラもホバートラックに駆け込み、また司令室から走ってきたダンカン大尉も続く。

3機の陸戦型ジムが駆動音を響かせて、立膝状態から体を起こしゆっくりと立ち上がった。

《……こちらチャーリー1、各機報告!!》

《チャーリー2起動、異常信号無し、準備よし!》

《チャーリー3スタンダップ、いつでもイケますぜ!》

《ホバートラック『アルマジロ』、乗車完了。準備よし!》

手短に報告を済ませると、3機の陸戦型ジムは重厚な足音とともに歩き出した。

隣の格納庫からは試験小隊ーコールサイン「アルファ」ーの3機、陸戦型ガンダムを中心としてガンキャノン、鹵獲ザクが歩み出る。

と、ここで「アルファ1」アークライト中尉から通信。

《41中隊、チャーリーは我が隊後方にて警戒に当たられたし。必要に応じて火力支援を願う。また第二小隊、61式は基地直近にて防衛戦闘。以上だ。》

ダンカン大尉が苦々しそうに返答。

《了解…こちらアルマジロ、各情報支援は任せてもらいたいが…》

被せるように、アルファ1から通信。

《敵の規模は知れている。支援を受ける前に、手短に片付けるさ。》

ホバートラックの指揮官席に座るダンカン大尉が舌打ちしながら無線を切り、呟いた。

「チッ、青二才が………。」

《エコー5…結構近くのバンカーじゃなかったか?なんでここまで気づかれなかったんだァ?》

バーリングからの訝しげな通信。バレンツィーノ中尉が返答する。

《デルタ小隊がやられた影響で、彼らの哨戒区にあった監視地点も後退し、そこを奴らにつけ込まれたのかもな…………アルファ小隊の後衛につく。行くぞ!》

6機のMSとホバートラックは勇躍、敵を求めて土煙をあげながら駆け出した。

 

そして戦闘区域、アルファ小隊はまさに圧倒的だった。

鹵獲ザクは手出し無用として待機させ、ビーム兵器の長射程とガンキャノンの火力を以てザクIIとザクI各1機、マゼラアタック1輌からなる小隊を瞬時に殲滅する。

《他愛ない…もはや相手にもならんな。》

《やむを得ますまい、我々の相手が務まるのはもはや『赤い彗星』くらいのモンでしょう。》

破壊されたマゼラアタックの残骸を踏み潰しながらアークライト中尉が呟き、列機のジェフ・ワイルダー少尉が慢心を込めて答えた。

と、ここでアルマジロのサクラから通信。

《こちらアルマジロ、敵増援の接近を探知。方位130、06が2機、07が1機。そちらに向かっています、警戒を!!》

《アルファ1了解!どうも、お嬢さん!》

通信を聞いたサクラは顔を顰める。

《06に…07か。3機は骨が折れる、アルファ3号流しろ。》

《アルファ3了解…。》

アルファ3、ケイト・マーヴィン准尉が気だるそうに返答。彼女は小隊長を良く思っていないような口ぶり。

ここでサクラからさらに通信。

《06のうちの1機、増速しました!!通常のザクよりおよそ1.5倍のスピードです。新型の可能性、十分警戒を!!》

通信を聞きつけ、41中隊もアルファ小隊の居るエリアに即座に足を向ける。

《待って、新型の06と07って…この組み合わせは…》

サクラが青ざめ、即座にシンイチが通信で割り込む。

こんなに早く出くわすとは、彼をはじめ誰一人として思ってもいなかった。

《デルタ小隊を潰した奴らだ、アルファ小隊距離を取れ!!》

警告するシンイチの声に焦りが滲む。

《例の高機動型か。チャーリーは引っ込んでいろ、コイツらは我々で叩く!!》

が、アークライト中尉が釘を刺した。

1.5倍の速度のザク、つまり高機動型ザクはガンキャノンの砲撃と陸戦型ガンダムの射撃をいとも簡単に掻い潜り、あっという間にアルファ小隊との距離を詰める。

パイロットはやはりというべきか、以前デルタ小隊を撃破したブレンドレ少尉だった。

彼は陸戦型ガンダムとガンキャノンの編成を見るや、たちまち憤る。

《白いやつ……ガルマ様の仇?!………殺す、必ず!!!》

右手のマシンガンを乱射しつつ、スラスターを連続的に噴かして迫る。左手にはヒートホーク。

《ほぅ、ザクにしては…速いッッッ!!》

ビームライフルを捨ててサーベルを引き抜き、斬りかかる。

すかさず、ヒートホークで受けられた。

ヒートホークとビームサーベルが激しく反発し合い、凄まじい火花が飛び散る。

幾度かの鍔迫り合いを経て、明らかに今までの相手と様子が違うことは互いに感じていた。

しかし明らかに陸戦型ガンダムが押されている。

《………動きが遅いな!!偽物かぁ?!?!》

接触回線越しに煽るブレンドレ少尉。

アークライト中尉も負けじと言い返す。

《………ほざけ、宇宙人共!!!》

ここで強烈な前蹴りが炸裂、高機動型ザクが後ろっ飛びに吹き飛ぶ………が、すぐさまスラスターを噴かして体勢を立て直す。

《ここだァッッッ!!!!》

好機とばかりに、すぐさま刺突の構えで突貫、しかし。

高機動型ザクは大型バックパックの大推力を活かして飛び上がり、ガンダムの刺突をいなす。

すぐさま真上をとり、ザクマシンガンの至近距離斉射。

左腕の小楯では防ぎきれず、ガンダムはたちまち上半身が穴だらけになる。

頭部が破壊されて右腕が肩からちぎれ飛び、また膝関節をも破壊、仰向けに倒れ伏した。

小楯のお陰でコクピットへの直撃は避けられたのが不幸中の幸いというべきか。

ワイルダー少尉が悲痛な叫びを上げる。

《アルファ1………アークライト中尉?!そんな………がっ!!!》

彼のガンキャノンにザクバズーカの砲弾が直撃。

《とっ……獲ったァ!!》

スコーネルト少尉が歓喜の声を上げる。

左腕が吹き飛んだガンキャノンは体勢を立て直しザクに砲口を向けたが、そこに強烈な電撃。

《ぐわば?!?!………馬鹿、な………》

高機動型ザクに気を取られ、むざむざグフの接近を許してヒートロッド(電撃鞭)を喰らってしまっていた。

操縦系統の回路が焼き切れ動けなくなったガンキャノンは、ガックリと膝をつく。

《試しに使ってみたが、こう重く隙が大きくてはな…》

グフのコマツ大尉が、ヒートロッドの使い勝手に愚痴をこぼした。

《ハッ、ハハハハハハハ、何が白いやつ、何が木馬部隊だ!!!偽物だよ、コイツらは!!》

コンバットハイに陥ったブレンドレ少尉は、もはや動くことのない陸戦型ガンダムを足蹴にして高らかに笑う。

わずか数分で、アルファ小隊は壊滅した。

そこへ、アルファ3がようやく合流。

《二人とも?!………そんな、まさか?!》

絶望するアルファ3。

当然、絶好調のブレンドレ少尉が見逃す筈は無い。

《残りは………雑魚だけかッッッ!!!》

絶体絶命、高機動型ザクが鹵獲ザクに詰め寄ろうとした瞬間ー

 

そこへ、凄まじい砲撃。

高機動型ザクと鹵獲ザクの間に壁を作るような爆発、たちまち双方距離を取る。

41中隊が馳せ参じた。

《アルファ小隊が壊滅だと……!?》

《言わんこっちゃねぇ、アホが!!》

言うが速いが、バレンツィーノ中尉が狙撃。

後方のスコーネルト少尉機の左肩アーマーを吹き飛ばし、ついでバーリングがさらに砲撃を加えてグフを退かせる。

《アルファ小隊との間に割って入る、援護を!!》

シンイチのジムがスラスターを噴かして突出、倒れ伏した2機と敵機の間に着地し、盾を地面に突き立ててパージし防壁を作った。

《生意気な泥人形どもめ………身の程を知れぇ!!!!》

再びブレンドレ少尉が突貫。

手近の陸戦型ジム、シンイチの乗機に猛然と迫るのを見たバレンツィーノ中尉が叫ぶ。

《チャーリー2下がれ!!ここは火力を集中させるぞ!!》

サクラも思わずコールサインを忘れて呼びかけた。

《シンイチさん、逃げて!!!!》

 

と、ここで、シンイチの中で何かが閃いた。

今こそ「アレ」を使うべき時かもしれない。

いや、使わなければならない…………

 

思い出す、1ヶ月程前の仲間達の声。

(モビルスーツに、ケンドースタイル…?)

(使えそうじゃない?!カッコいいし…!)

(これは徹夜コースかなぁ…)

(面返し胴。俺が一番得意な技だ…)

(なるほど、これなら喰らった敵に『次』は無い

…)

そして懐かしい、師範の声。

(…モリタ、お前の技は………なかなか油断ならないな。『参った』。)

 

…………陸戦型ジムは躊躇なくマシンガンを投げ捨てた。

そしてビームサーベルを引き抜き、両手で握り、構える。

右手は上、左手は下。

竹刀の正しい握り方。

《バカめ……何のつもりだ?!叩き割ってやるァ!!!》

高機動型ザクがいよいよ目の前に迫る。

右足を半歩前に出し、左の踵を浮かせてバネにする。

凄まじい速度で突っ込んでくる敵。振りかざすは縦方向、大振りの一撃。

 

陸戦型ジムは一歩も引かず、それどころか姿勢を引くしつつ一気に前に出る。

ビームサーベルがヒートホークの刃を受け流し、手首の「返し」を利用してザクの右手首、両足大腿部を瞬時に切断。

そのままさらに姿勢を沈めながら、右斜め前に抜ける。

 

「胴おぉぉぉォォォォォーーーッッッ!!!!!!」

 

シンイチの無意識の、渾身の雄叫びが、コクピット内にこだまする。

打突部位はやや低いもののほぼ完璧な「面返し胴」が、ここに炸裂した。

 

右手首と両足を失った高機動型ザクは、何が起きたかわからない状態のブレンドレ少尉を乗せたまま、そして突っ込んだ勢いのまま滑空する。

「…………………………は?」

そのまま頭から地面に叩きつけられ、地面を転がった。

勢いのあまり頭部と大型バックパックも外れてバラバラになり、部品や破片をぶち撒ける。

最後は火花をあげながら地面を滑り、ようやく停止。

 

あまりの突然の出来事に、その場のMSが敵味方問わず一瞬、固まる。

しかし、双方の指揮官がすぐさま命令を下した。

《……ッッッ!!アルマジロからチャーリー各機、全火力を残った07と06に集中、残らず叩き潰せぇっ!!!!》

《退け、退けぇッッッ!!!!スコーネルト少尉、煙弾ッッッ!!!!》

スコーネルト少尉はもはや半狂乱状態。

《そっ………そんな、ハンス?!ハンス?!?!嫌、嫌だ、いやだあぁぁぁぁぁ!!!》

すぐさま、コマツ大尉が檄を飛ばす。

《馬鹿者、煙弾だ!!退くぞ、急げ!!》

《逃がすか、クソ虫どもがぁ!!》

弾倉を代えて猛然と撃ちまくるバーリング。凄まじい爆発の合間を縫うようにバレンツィーノ中尉の的確な狙撃が炸裂し、シンイチも先程投棄したマシンガンを拾い上げて加勢する。

三機の集中砲火が一斉に浴びせられた。

スコーネルト少尉のザクの右腕が武器ごと吹き飛び、それを庇ったコマツ大尉のグフの盾を粉砕、また頭部を掠めて一部を抉り取った。

そんな最中、コマツ大尉のグフはスコーネルト少尉のザクからクラッカー(投擲弾)を全てもぎ取って投げつけ、煙幕を展張。

かろうじて逃げ延びる………。

 

コマツ大尉が退きぎわに見た、かの陸戦型ジム。

奴はモビルスーツで「面返し胴」をやってのけ、一瞬で高機動型ザクを破壊した。

その手際には、明らかに見覚えがあった。

脳裏によぎる、古い記憶。

教員時代に剣道部で面倒を見た、留学生の少年。

偶然にも、その彼は今見たのと同じ技が一番得意だった。

コマツ大尉の中で、全てが繋がる。

「間違いない、モリタ………まさか来ているのか、ここに、アイツが!!!!」

 

第六話 一刀両断 終幕

 

 

幕間 ダンカン大尉の親心

 

いつぞやの作戦開始前、ホバートラック「アルマジロ」内。

「あー、その、レンフィールド曹長?」

「は〜い、何すか?」

指揮官席に座るダンカン大尉が、操縦士席で座席の高さを調節するサブリナにやや気まずそうに声をかけた。

「その…………何だ、その格好はどうにかならないのか?」

彼女は今日も今日とてキャミソールに作業ズボンの大胆な出立ち。

今日も、というかサブリナは基本的にいつもこの格好で基地内をうろついている。

もちろん整備班を手伝う時もこうなので(ヘルメットを被る時はあるが)、男性整備兵の視線をとにかく集めるのである。

そして同じポジションで任務にあたるダンカン大尉もまた、正直目のやり場に困っていた。

「えぇ〜、トラック内は暑いし、この方が動き易いから気に入ってるんですけど。」

サブリナが面倒臭そうに反論。

「そりゃそうかもしれんが、作戦行動中までその格好は危険だ。特にガンナー席に着く時はな。それに、その…………」

ダンカン大尉が諭すが、ここから若干詰まって小声になる。

「まぁその、何だ…………目のやり場に、困るんでな。」

「やぁ〜だ大尉ったら…アタイそういうの全然気にしないし、何ならもっとじっくり見てくれたって良いんですよ♡」

座席から身を乗り出し、谷間を寄せて強調する。

途端に赤面して顔を背けるダンカン大尉。

「ダッッッ………ダメだダメだ、年頃の娘がそんな格好、はしたないぞ!!タチバナ伍長にも悪い影響を与えかねない!!」

「サクラちゃんはお利口だし、アタイより歳上だから影響なんて、ねぇ♡」

「えっ?!………えーと、はい、まぁ…」

急に話を振られて返答があやふやになるサクラ。

「えっ、ちょっ………タチバナ伍長のが歳上?!」

「「知らなかったんですか?」」

女子二人がハモり、思わず普段の雰囲気を忘れ去って素っ頓狂な声を上げるダンカン大尉。

意外や意外、サクラが丁度成人済みであるのに対してサブリナはまだ19歳だった。

「だッッッ………だったら尚更ダメだ!!ほら防弾ベストぐらい羽織る!!腹を冷やすな、ヘルメットも被れ!!」

「えぇぇ〜〜ヤダぁ、髪が乱れる〜〜〜!」

「言ってる場合か!!防弾ベストのファスナーはちゃんと、上まで上げ……ろ!!!」

無理矢理サブリナにベストを着せ始め、ファスナーをきっちり上げた。お父さん?

「やぁだぁ、スケベ親父!!」

「スケベじゃない!!着せてるんだから逆だろう!!(←?)」

慌ただしい作戦開始前に、謎の親子漫才的な何かが繰り広げられていたのであった。

それからサブリナは、ダンカン大尉に何やかんや詰められるのを避けるため、ホバートラック乗車時のみ防弾ベストとヘルメットを被るようになったそうな………。

 

幕間 ダンカン大尉の親心 終幕




はい、皆さんこんにちは芋侍です!!
いやぁ〜〜炸裂しましたね、必殺技!!前々回の雪辱を晴らす決定的な一撃!!
高機動型ザクが地面をもんどり打って転がる様を思い浮かべていただけたら何より、ウフフフフ( ͡° ͜ʖ ͡°)
…ちなみにこの技、ド派手かつ一撃必殺ですがそれなりにリスクはあります。その辺もキチッと設定してあるので追々書いていこうかなと。

さて次回は束の間の休息、皆大好きテコ入r……もとい、水着回ですッッッ!!
あ、念のため言っとくけどすけべぇな展開は、無いよ!!!!(爆)
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