機動戦士ガンダム外伝 斬凶戦記   作:野武士山芋侍

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第七話 勝利の余韻、そして休息

地球連邦軍、某基地。

帰投した勇士達を出迎える、歓喜の声。

MSから降りてきたパイロット達を、待機していた整備兵や第二小隊の面々が取り囲み、持て囃した。

シンイチは一番最後に乗降用クレーンで降り立ち、地面に足をついたところでガックリと膝をつく。

ほぼ一瞬の判断で得た勝利。

しくじれば真っ二つになっていたのは間違いなくシンイチのほうだっただけに、その究極ともいえる緊張感は彼の精神に凄まじい負担を強いていた。

すぐさま駆け寄る仲間たち。

サクラは嬉し泣きに泣きながら、いの一番にシンイチに駆け寄って肩を支える。

「やぁ………還ったよ。」

力無く、引き攣った笑顔で帰還を告げる彼を見たサクラはさらに大粒の涙を流して寄り添い、喜ぶ。

そこに、やはり目に涙を滲ませたサブリナが勢いよく抱きついた。バーリングも続き、シンイチの頭をグシャグシャに撫でる。

「やったな!!やってやったな!!スカッとしたぜ、お前最高だよ!!!」

バレンツィーノ中尉やダンカン大尉、パーシヴァル中尉達も加わり、互いに激しく喜びを分かち合った。

 

ここで、大破した試験小隊のMSを載せたトレーラーが到着し、歓喜から一転。

張り詰めた空気で、心配の目線をトレーラー群に向ける。

先頭は陸戦型ガンダム。

頭部と右腕を失い、上半身はコクピット部分を除いて穴だらけになっていた。

次いでガンキャノン。

左腕が肩口から吹き飛んでいる以外に目立つ損傷は見られないが、内部の回路は電撃でズタズタに焼き切られている。

最後尾、赤十字のマークを付けたホバートラックからは2台の担架が降りてきて、応急処置を受けたアークライト中尉とワイルダー少尉を乗せている。

あちこち包帯を巻かれてガーゼが貼られ痛々しい様子だが、幸いにして二人とも意識はしっかりしていた。

担架に駆け寄る41中隊の面々。

アークライト中尉がバーリングを見ると、担架の上で体を起こした。

「中尉殿!!……ご無事で、何よりであります。」

「………全く、ざまぁ無い。君達を蔑ろにしておいて、この有様だ……魅せてくれたよ、君達のエースは。」

出撃前とは打って変わり自重気味かつしおらしい様子に、バーリングは面食らった。

「いえ………出撃前は、大変失礼しました。とんだ無礼を…」

「なに、いいんだ。…私達は、最も大切な事を忘れていたようだ。機体の性能は勿論だが……ゔッッッ………」

傷の痛みに堪えつつ、絶え絶えながらもどうにか言葉を紡ぎ出す。

「………パイロットの技術や技量……も、また重要。私はガンダムの………性能と戦果にのぼせ上がり、至極当然の事を………忘れていた。」

「中尉殿、もう………喋らない方が。」

バーリングがアークライト中尉の背中を支えて、担架に寝かせた。

しかし彼の袖口を強く掴みつつ、また朦朧としながらもアークライト中尉はさらに続ける。

「待て、こっ…これだけは…言わせて、くれ。…41中隊の諸君………本当に、すまなかった。」

目には涙が滲む。敗れた悔しさか、自責の念か。

「そして……ありがとう。………では、な。」

袖口を掴んでいた手の力が緩んだかと思うと、アークライト中尉は担架に身を委ねて目を閉じた。

「中尉殿ッッッ?!?!」

バーリングが慌てて身を乗り出すが、衛生兵が即座に制止する。

「大丈夫です、麻酔が効いてきたんでしょう。…あとは任せてください。」

衛生兵達に囲まれて医務室に向かう担架2台を、中隊の面々は静かに見送る。

勝利の余韻と大きすぎる代償が交錯する中、複雑な心境とともに皆それぞれの持ち場に戻るのであった…。

 

戦局は、風雲急を告げていた。

来るべきオデッサ作戦に向け、両軍はその兵力を欧州方面へ集結。

特に、長期戦による戦力の消耗著しいジオン公国軍は他方面から戦力を抽出せざるを得ず、各地で戦線の縮小が始まりつつあった。

北米においても同軍は、要衝たるキャリフォルニアベースへ戦力を収束させるべく前線を著しく後退させていた。

シンイチ達41中隊や試験小隊の活躍によりその戦力をほぼ喪失したコマツ大尉の第54中隊もまた後退を余儀なくされ、しばらく出撃を手控えざるを得ない状態になったのである。

それ故に、通常の哨戒任務において敵は全く姿を見せず、部隊日誌には連日「接敵せず」の記述が並ぶことになった………。

 

そして連邦軍某基地、哨戒を終えた61式戦車2輌が基地に帰投する。

「…ッッッたく、どうなってやがるんだァ?」

パーシヴァル中尉が61式戦車の砲塔から降りながら、同じく車体ハッチから出て来たザジーにぼやく。

「まぁ良いじゃないっすか、それだけ死ぬ確率が減るわけだし。」

「そりゃーそうだがな。奴らをブチのめすチャンスもまた無いわけだ……」

彼らの今回の哨戒においても、やはり敵影は見られなかった模様である。

闘志溢れるパーシヴァル中尉は残念そうな様子だが、どちらかと言うと平穏と安定を好むザジーは満更でもない雰囲気。

「ご苦労だったな!申告したら上がっていいぞ。」

「おっと、これはこれは…ご足労どうも大尉!」

「ハハハ、たまには歩かんとな。」

61式戦車を停めた整備スペースにダンカン大尉が来ていた。パーシヴァル中尉を笑顔で迎えると、直ちに小隊員を集合整列させ、申告。

「申告します。第41中隊第2小隊ゲイリー・パーシヴァル中尉以下4名、定時哨戒を終了し帰投しました。敵影を見ず、人員装備異常無し。以上!!」

「うむ、お疲れ様。」

変わってここは待機室。

第1小隊の3人とサクラが思い思いの場所に腰掛けたり、立って外を眺めたり。

退屈そうにソファに寝転がるバーリングが、ため息とともに口を開く。

「オデッサ作戦ねぇ……。せっかくの大一番だってのに、なんでまた呼ばれなかったんだァ?」

バレンツィーノ中尉は机上にチェス盤を広げ、駒を置きながら静かに答える。

「我々には北米戦線での残敵掃討と追撃、また

重要拠点の確保任務が優先とのお達しがなされた。…オデッサのような大規模戦に投入するには、まだここの戦局が不安定というのが上の判断だろうな。」

「不安定、不安定かぁ………しかしこうも連日、奴らと出会さないんじゃねぇ。」

シンイチが割って入る。

「だからこそ、さ。」

「あぁん?何で?」

「こういうのを『嵐の前の静けさ』っていうだろ。それにこないだ06Rを仕留めた部隊にだって……まだ、例の07が居る。」

以前シンイチの中に宿った「第二の懸念」は未だ拭えておらず、故にあのグフについて「例の」と添えていた。

「ガンカメラ映像のアイツか。この前はすぐ引っ込んだが、確かにまだまだ未知数だからなァ…。」

「そう。それに…」

シンイチが窓の外を見遣りながら、真剣な表情で続けた。

「ジオンは…奴らはまだまだ、滅んじゃいない。正直オデッサだってどうなるかわからないし、当然こっちもこっちで油断はできない。」

待機室の面々の心境が、改めて引き締まる。

「そりゃ…そうか。」

珍しく神妙になるバーリング。

しかし、それとは対照的にシンイチはひょいと向き直り

「まっ、何だ…ひとまず俺達はいつも通り、できる事するだけサ。」

と、普段の砕けた表情と口調に戻った。

ここで、ダンカン大尉が待機室に入ってくる。

立ち上がり、敬礼で迎える面々。

ダンカン大尉が返礼し、開口一番に言う。

「さて…知っての通りいよいよ、天下分け目のオデッサ作戦が始まろうとしているわけだが……ここで、朗報だ。」

「え、何?まさか…新型の配備、でありますか?」

バーリングが嬉しそうに問う。

「残念だがハズレだ。………上層部に功績が認められ、明日から二日間の休暇が言い渡された。」

とたんに笑顔になり、顔を見合わせ沸き立つシンイチとバーリング、そしてサクラ。

ダンカン大尉が一旦制止し、さらに続ける。

「さらに!………先日奪還した直近の町で、ヤシマ重工のさる重役が所有するプール付きの別荘を、持ち主のご厚意で我が中隊のために開放してくれることになった。羽を伸ばしてこい!!」

待機室は、改めて歓喜に包まれた………。

 

そして、次の日。某市内のとある別荘。

ダンカン大尉の説明通り広いプール(飛び込み台まで!)付きの豪華な別荘で、到着した面々は大いに盛り上がる。

「うひょぉぉ〜〜〜、こんな本格的なプールなんていつ振りだよオイ!!テンション上がるなぁ〜〜!!」

バーリングがアロハシャツにトランクスタイプの茶色の水着で大いにはしゃぐ。

「プールなんて訓練課程以来か、遊びで入るのは……高校?いや中学くらい?…………ッッッさぁ〜〜て、泳ぐかっ!!」

同じくトランクスタイプの紺色の水着。プールサイドに駆け出す………が。

「おっと、水に入る前に準備運動準備運動……イッチニ、イッチニっと」

直前で急停止、屈伸を始める。

「いや、真面目か!!!!」

バーリングがコミカルに突っ込んだ。

「アハハハ、早速はしゃいでるわねアホ達!!アタイも今日は思いっきり遊ぶんだから〜〜〜、ねッッッ!!」

オレンジ色でホルターネックタイプのビキニに身を包んだサブリナが、サクラやサラと一緒にプールサイドに現れた………と同時に、彼らに向かってビーチボールを勢いよくサーブして投げつけた。

「たわば?!?!」

見事、準備運動中のシンイチの後頭部に直撃。妙ちきりんな断末魔とともに、彼はそのままプールに転落する。

右下に「つづく」とテロップを添えると「どこかで見たような感じ」になる雰囲気で、どざえもんの如くプールに浮かぶシンイチ。

バーリングは横で大爆笑。

「シッッッ………シンイチさぁん?!大丈夫?!」

心配そうに駆け寄るサクラはシンプルな水色のワンピースタイプで、胸元に小さな白のリボン付きの女の子らしい水着。メガネは外してコンタクトを入れているようだ。

サラは対照的に黒のタンキニで、大人らしさ溢れる雰囲気。

パーシヴァル中尉やナザレンコ、ザジーもプールに集まりいよいよ賑やかになってきた。

「さぁさぁさぁ、大の男と女がこれだけ揃ったことだし、ただ適当に泳ぐだけってのもつまんないわよね!」

サブリナがビーチボールを回収しながら音頭をとる。

「何、なんか考えてんの?!教えてサブリナ姐さぁん!!」

バーリングが囃し立てていると、シンイチが復活し、半魚人のような仕草でプールサイドに上がってきた。

「あっ、シンイチさん………頭、ボール当たったの…大丈夫ですか?」

「ブハァ〜〜ッッッ、ん、あぁ、何ともないサ!」

鼻に入った水を抜きながら、ここで続けざまにサクラのハートをビームライフルの如く撃ち抜く貫通力抜群の一言。

「…おぉ、それより水着、似合ってるね!とっても可愛いよ!」

下心ゼロかつストレートで素直な褒め言葉にサクラは見事に不意打ちを喰らい、耳まで真っ赤になった。

「あッッッ?!………あ、ありがとう、ございます……シンイチさんこそ、とても……その、逞しくて……ゴニョゴニョ」

「?」

赤面している理由が分からず目が点のシンイチ。この朴念仁…

サクラの声は途中からかなり小さくなってしまい「とても」以降シンイチに聞きとられず、おまけにサブリナの大きな声にかき消された。

「男女ペアになってプールで肩車して、それでボールをトスし合うってのはどお?!一番ミスが多かったペアの奢りで今日のランチね!」

「おーそりゃいい!!ゲーム性高そう!!」

シンイチが大絶賛。

「よッッッ!!さッッッすが、遊びの天才サブリナ姐さん!!」

どこから持ち出してきたのか、ビームライフルの形の水鉄砲を二挺持ちしたザジーが囃し立てた。

「丁度いいわザジー、あんたその水鉄砲でプールサイドから妨害ね!」

「合点承知しやした!!」

 

そこからはバーリング×サブリナ、シンイチ×サクラ、サラ×ナザレンコのペアでゲームに興じた。

剣道経験者のシンイチは足腰がしっかりしておりサクラをがっちりと支え、バレーボールの経験があるサクラは的確なトスを打ち上げる。

ナザレンコは見た目通りに戦車のような安定感、ザジーの妨害にも全く怯まず、また運動神経抜群のサラもトスを見事にこなした。

めちゃくちゃなのはバーリングとサブリナのペアで、幾度もひっくり返り、トスを変な方向に打ち上げ、あろう事かプールサイドで寛ぐダンカン大尉とバレンツィーノ中尉に何度か直撃させてしまった。

途中からパーシヴァル中尉も加わって騎馬戦のような状態でサブリナを支えたが、そもそもの体格差から状況はさらに悪化(面白いことになった、ともいえるが…)。

結局、ランチは言い出しっぺのサブリナとバーリングの奢りになったのだった………。

 

「全く、アホ共め…はしゃぎすぎだ。」

ビーチパラソルとともに設置されたビーチチェアにもたれるダンカン大尉。

ボールを直撃させられた影響で鼻血が出たのか、棒状に丸めたティッシュを片方の鼻の穴に詰め込んでいる。

「まぁ…若いヤツが元気なのはいい事です。」

同じような状態で、隣のビーチチェアに座ったバレンツィーノ中尉が答える。

「士官学校時代の先輩が言ってました。『最初から元気が無くては話にならない、元気者は後々の剪定が肝要』とね。」

「まったく、名言だな…。」

名言は間違いないが、その状態のせいで妙に締まらない。

少し間を置いて、ダンカン大尉がティッシュを引き抜きながら静かに語り出す。

鼻血は治まったようだ。

「………考えている、事がある。」

「?」

「もう少し前に出て、貴官らの戦い方を見てみたい。パーシヴァルの61に同乗してな。」

「それは……!!…かなり危険を、伴うかと。」

驚いて、真剣な表情で反論する。

「いや、実証したいんだ。…貴官のいう4機1個小隊編成に向けた上申………その理由の補強の為にも、な。」

「大尉…。」

「既に活きのいい訓練生の選定と、機体の追加配備の段取りも済ませてある。今回の事はパーシヴァルにも……話をつけるつもりだ。」

ダンカン大尉は、バレンツィーノ中尉の戦術の正しさを内心認めつつあった。

だからこその申し出であるのだが、危険な事には変わりない。

バレンツィーノ中尉はさらに念を押す。

「危険ですよ。正直なところ………保証はできかねます。」

「パーシヴァルの腕なら大丈夫だろう。それに…貴官らが居る。信頼している、と言ったら面映いがな。」

顔だけを中尉の方に向けて、少し笑ってみせた。

バレンツィーノ中尉は真剣な顔のまま、答える。

「……努力します。ただ、万一の時は後悔の無きよう。」

「大丈夫さ。それに、油断するつもりもない。」

 

プールでは、飛び込み台を用いた罰ゲームが大盛り上がりを見せていた。

「ちょッッッ………なんか高い、高くない?!?!」

てっぺんではバーリングが震えている。

「はよ飛べや!!!」

「MSのコックピットより全然低いわよ!!あんたそれでもパイロットなの?!」

シンイチとサブリナが同時に煽るが、バーリングは尻込みしている様子。

「いや、いやでもMSはクレーンあるし、これに関しては何もないから、こう…」

「はよ行け」

サラが後ろから近づき、バーリングの尻にゲシっと蹴りを入れる。

「ノオオォォォォッッッ?!?!」

とたんに、真っ逆さまに水面へ転落するバーリング。

しばし間を置いて、飛び込み選手もかくやと言わんばかりの鮮やかなフォームを披露するサラ。

 

楽しい時間は驚くほど早く過ぎ、短い休暇もあっという間に終わりを迎えたが、中隊の面々の表情には少しだけ力が戻っていた。

明日からまた、戦いが待っている。それでも今この瞬間だけは、仲間たちと笑い合える。

そんな束の間の休息を、41中隊の面々は確かに味わった………。

 

第七話 勝利の余韻、そして休息 終幕

 

 

幕間 サブリナの異常な執着〜または彼女は如何にして布面積の狭い水着を諦めて地味めの水着を選ぶに至ったのか〜

 

休暇前日の夜、市内某所の衣料品店。

小隊の面々は明日のプールに備えて水着の調達に赴いていた。

「え〜絶対コレがいい!!アタイのイメージといえばコレでしょ!!」

サブリナが妙〜に布面積の狭い、所謂「マイクロビキニ」というやつを手にはしゃいでいる。

「サ、サブリナさん…それ水着の意味あるんですか?ほとんど見えて…」

サクラが顔を赤らめ、若干引きながら冷静に分析。彼女は控えめなワンピースタイプを選ぼうとしていた。

「ん?水着なんて肝心なトコ見えなきゃ大丈夫でしょ!…そ・れ・よ・り〜、サクラちゃんもこんな感じので…」

「い や で す ! !」

秒殺で拒否。当たり前だ(?)

からからと笑うサブリナ。

と、ここでバレンツィーノ中尉が二人の元へ。

「君たち、もう決まっ……ッッッ?!?!」

「あっ、中尉!アタイこれにしま〜す♡」

サブリナの選ぼうとしている水着を見て一瞬固まった。

驚愕し、動揺しつつも優しく、紳士的に諭す。

「レッッッ……?!レンフィールド…曹長、そのデザインは…少し、刺激が強いというか…。もう少し軍人として節操と節度を、ね…」

「え〜、でもアタイこういうのが好きだしィ〜」

バレンツィーノ中尉が顔を真っ赤にしながらさらに諭す。

「ダッッッ………!!ダメだ、とにかくダメだ。セk……いや、はしたないぞ、君も年頃の女性なんだから。選び直しなさい、時間はまだある。」

中尉の想い(?)が届いたのか、サブリナは際どい水着を陳列棚に戻した。

「ちぇ、わかりましたァ〜………もしかして、ちょっと想像しちゃった?中尉殿♡」

サブリナが中尉に近寄り、彼の胸元をツンッと突ついてからかった。

「なッッッ……?!?!……まさか、よしてくれ。……あぁもう、私が君達のお代を半分出すから、もう一度選びたまえ!!」

「ラッキー!!」

「え?!いいんですか?!」

喜びで目が輝く二人。サクラは少し申し訳なさそうだが。

「全く……そうだ、カミナンデス准尉は…?」

丁度そこへ、サラが合流。少し遠慮がちに問う。

「あっ、中尉殿、もしかして、私の分も…?」

バレンツィーノ中尉は快く答える。

「あぁもちろん、君の分も……うん?!?!?」

サラが持ってきた水着を見、先程を上回る今日一番の驚愕。

やはり妙に布面積の狭い、Vレグ水着。ある意味サブリナが選んだそれより刺激的。

当然、即刻却下。

「ダメだ!!准尉、君も選び直しッッッ!!可及的速やかに!!!!」

バレンツィーノ中尉が再び顔を真っ赤にして命じる。

「えっ?!り、了解!!至急…!!」

いそいそと、再び売り場に戻るサラ。

「タチバナ嬢………まともなのは、君だけのようだ。」

「た、大変ですね……」

引き攣った笑顔で、愛想笑いを送るサクラ。

「全く………こんな時、ソフィアが居てくれたら。」

額に手を当てて、うんざりした様子のバレンツィーノ中尉。

思わぬところで、遠く故郷に住まう妻に思いを馳せるのであった……。

 

幕間 サブリナの異常な執着〜または彼女は如何にして布面積の狭い水着を諦めて地味めの水着を選ぶに至ったのか〜 終幕




やぁ、みんな!(気さくな挨拶)
芋侍です。今回は帰投からの休暇回にしてみました。
オデッサの前に休暇ってのは正味なトコどうなの?と投稿してから思ったりしたけどまぁ遠く離れた戦線だしいいでしょって事で、勘弁して下さい(汗)
なおアークライト中尉達は再登場する予定です、彼らをただのかませ犬で終わらせるつもりは毛頭ありません。

…え、女性陣の水着はもっと際どいのが良かったって?
うん、俺もそうすれば良かったかなって思った!!(爆)
あとプール遊び中のペアの組み合わせは別にカップリングとかを意識したワケじゃありません。

………………多分。

次回、ホバートラックに迫る脅威!!
41中隊の運命やいかに!!!
…なおストックが切れたので投稿頻度が落ちます、大変申し訳ない!!!
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