もしヤチヨに'付き人'がいたら   作:菓子中毒

10 / 15
 アンケート拮抗してますね。めちゃくちゃ予想外でした。

 お気に入り登録、評価等ありがとうございます。


ハッピーエンドはすぐそこだよね

「ー葉、彩葉!」

 

 声が聞こえる。段々と瞼が開く。

 

「ヤチヨ……。」

「馬鹿…壊れちゃうよ…。」

 

 あの時の悲しそうな笑顔ではなく、今にも泣きそうなヤチヨの顔が見えた。

 

「かぐや…。」

 

 ヤチヨを、かぐやを抱き締めずにはいられなかった。

 

「ごめんね、気づいてあげられなくて。ずっと待ってて、探してくれてたのに。」

「彩葉…彩葉……。」

「やっと追いついた。」

 

 私の大好きなかぐや。長い長い時間をかけてヤチヨになっていったんだね。無数の孤独と絶望、出会いと別れを得て優しい笑顔を覚えたんだね。

 

「追いついたのは、私の方…。」

 

 ヤチヨが囁く。

 

「強くて凛としてちょっぴり悲しい、綺麗な顔。でも初めからそうじゃなかったんだね。それを知るのに八千年もかかっちゃった。」

「ヤチヨ……。」

 

 どうしようもないほどヤチヨの顔が見たくなる。

 

「私、成長したよ?お母さんとだって話せて、かぐやがいなくたって、十分ハッピーエンド……。お話は、もう終わり。」

 

それでいいの?

 

 と自分の中から訴える声が聞こえてくる。

 

結局、また取り繕うの?

 

 かぐやは私に似て、八千年を通して隠し事が上手くなってヤチヨのになった。なら、私は……、あぁやっぱり…。

 

「かぐやといたい。ヤチヨといたい。」

 

 かぐやのように心の底からの願望を口にする。

 

「初めて大切な人だと思ったかぐやといたい。私の人生に意味をくれたヤチヨといたい。」

 

 口に出して初めて本当の気持ちに気がついた。

 

「彩葉……。もうこれで、終わっていいと思ってたのに。」

 

 あの一雫とは違う、大粒の涙がたくさん溢れていく。

 

「〜♫〜〜〜♪」

「〜〜〜♩〜♬」

 

 震えた声で私とヤチヨが歌う。

 

「いつも思い出してた。」

「この曲で、生き残れた。」

 

 二人同時に手を挙げる。私とかぐやのハンドサイン。"仲良しのやつ"これがあるなら、私たちはずっと一緒だ。

 

「触れたら、あったかいなっていつも思うんだ。また、彩葉と一緒にパンケーキ、食べたいな。」

 

 私の手を触れながらヤチヨが言う。これで終わってしまうの?これがハッピーエンドなの?

 

「違う!」

 

 この物語は終わりじゃない。まだ続けるんだ。

 

「私やりたいことができた!」

 

 なんとも言えない焦ったさが身体中を駆け巡る。今すぐにでも駆け出したい。

 

「本当のハッピーエンドまで付き合ってよね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私はヤチヨと少し離れた場所にいる秘書さんに向かう。

 

「秘書さん、ありがとうございます。」

「いえ、それが私のすべきことですから。」

 

 かぐやの孤独と絶望を少しでも和らげてくれた人。

 

「あの、私やりたいことがあるんです。協力してくれますか。」

 

 そういうと、秘書さんは無表情だけどどこか優しそうな目をしていた。

 

「ぜひ、協力させてください。」

 

 その言葉を聞いて舞い上がっていた私は気づかなかった。

 

「………。」

 

 その目は悲しみを閉じ込めた笑顔の目だったことを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『いよいよですね。』

「うん。」

 

 友人や兄、多くの人の協力を得て作り上げたアバターボディ<KG型>と<YC型>、そのお披露目会だ。

 

「まあ、あくまでも試作品の第一号機だから失敗前提。…それでもできることはしたよ。」

 

 前途多難だった。ヤチヨを<YC型>に入れたが、意識はあるけど動けないなんてこともあった。でも、これ以上二人を待たせたくない。

 

『彩葉さん、お疲れさまです。』

「いえいえ、秘書さんの協力あってこそですよ。」

 

 そう、秘書さんの月の技術を基に作った代物。アンドロイドとはいえ、それは殆ど人とは変わらない。お腹が空くし、動けば疲れる。ただ、味覚はもう少々お待ちあれ。

 

「みんな、入っていいよー。」

 

 廊下から見知った顔が続々現れる。

 

「みんな、準備はいい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おはよう、かぐや、ヤチヨ。」

「「おはよう、彩葉。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 これにて一人の人間と二人のかぐや姫の物語はめでたしめでたし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 じゃあもう一人は?




 今の所クロスオーバー有りが多いので有りきで考えています。

 評価、感想等お待ちしています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。