もしヤチヨに'付き人'がいたら   作:菓子中毒

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 もうそろそろ本編も終わってしまいますね。見ていなかった人が多いと思いますが、もともと短編一話で終わらせてたのですが、まあ出来が酷く、書き直したのがこの話です。

 感想、お気に入り登録ありがとうございます。


誰かのために、私のために

 どこか懐かしく、よく馴染む。かなり体力が削られてしまいましたが、ここからが巻き返しの時です。

 

「秘書さん…。」

「……。」

 

 ヤチヨ様は不安そうな顔だった。

 

「今日も月が綺麗でした。しかし月は沈み、夜明けが訪れる。」

「ダメだよ、私の性格知ってるでしょ。一緒にめでたししちゃうんだから。」

「物語は幾つもの別れを経て幸せを掴みます。私も、別れの一つですよ。」

「貴女がいなくなった時点で私にとってはバッドエンドなの。」

 

 ああ、こんな言い争いをするのは初めてですね。

 

「でしたら勝ってください。」

 

 瞬間移動で真実さんと芦花さんの背後をとる。削れるものは削っておきましょう。

 

「……!」

「俺はそれで一回やられたからな。予想はしてある。」

「お見事ですね。」

 

 しかしその一撃は雷さんに防がれる。

 

「ワープ!?」

「そんなのあり!?」

 

 辺りを振り払い、皆さんが後ろへ飛ぶ。位置は私を囲んでいる。

 

「そぉりゃ!」

「クッ…。」

 

 かぐや様のハンマーを防ぐが吹き飛ばされる。。他が追撃を仕掛けてくる。

 

「力比べは不利っぽいね。」

「そうです、ねっ!」

 

 彩葉さんを蹴り飛ばし、さらに来た攻撃を防ぐ。

 

「鞘でも弾けんの〜。」

 

 攻撃を防ぎ、捌く。動けば動くほど私は早くなる。

 

「スピードが上がった!」

 

 流れは止められない。私の刀が斬撃よりも早くなる。

 

「攻撃が早すぎる…!」

「うぁ…!」

 

 攻撃を受け流して切る。その繰り返し。もう誰の攻撃か、誰を切ったのか分からなくなってしまった。けれど向こうも疲れを感じていない様子で何度も攻撃を仕掛ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 花びらが一つ、また一つ。私が切り払う度に生まれてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、見ましたかヤチヨ様。」

 

 そこに残っていたのはへたり込んでいたヤチヨ様だけだった。力なく俯いている。

 

「かつての仲間を私利のために切り捨てる私を。まるで感情のないロボット見たいでしょう。」

 

 長く戦っていたから頭がよく働かない。今の私の欠点ですね。にしても、このお面があって助かりました。きっと今の私の顔は…、とても醜いものなのでしょう。

 

「これで最後でしたかね。」

 

 ヤチヨ様に向かって歩き出す。……何かを見落としているような気がした。

 

「ねえ、これで終わりなの…?」

 

 意味のない問いと自分に言い聞かせる。…でも、この最後の戦いも苛烈なものでした。かぐや様と彩葉さんのコンビネーションは素晴らしいものでした。ブラックオニキスのみなさんも手強かったですね。芦花さん、真実さんのアシストも的確でした。みなさん、本当に素晴らしかったです…。

 

「私は、やだなぁ。」

 

 ごちゃごちゃした考えの中、ヤチヨ様の呟きにポツリと思う。

 

(私も…嫌ですよ。こんな喧嘩別れのような最後なんて。)

 

「だから………。」

 

 ヤチヨ様が俯いていた顔を上げる。その目には光が宿っていた。

 

「ヤチヨは諦めないよ〜!」

 

 武器も持たないまま、私に向かって走り出してきた。

 

「……!血迷いましたか。」

 

 刀を振り上げ、ヤチヨ様を切ろうとした、瞬間に後ろから衝撃が走る。

 

「グアっ……!」

「つ〜かま〜えた!」

 

 ヤチヨ様に抱きつかれて動けない。衝撃で刀を落としてしまった。

 

「ありがとね〜、サカバンバスピス〜。」

 

 通り過ぎたのはヤチヨ様がKASSENで使っていたお神輿のサカバンバスピスだった。

 

「エイッ!」

「ウッ!」

 

 ヤチヨ様が私に頭突きをしてきた。付けていたお面が割れる。

 

「…やっぱり、泣きそうな顔してるじゃん。」

「それは頭突きをされたからですよ…!」

「痛覚はそんなにないはずだけど〜?」

 

 ヤチヨ様に抱きしめられていて動けない。足も浮いているから移動もできない。だけど私には団子がある。

 

「残念ですがヤチヨ様、ここで…!」

 

 集めた団子の照準をヤチヨ様に向ける。

 

「終わりです!」

「させないよ〜。」

 

 撃とうとした瞬間、身体に紫電が走り、団子の制御が効かなくなる。

 

「これ…は、乃依さんの…!」

「今だよ、みんな!」

 

 ヤチヨ様の合図でみんなが一斉にリスポーンする。

 

「しまった…みなさんの残機数は三…!」

 

 働かない頭がクリアになる。私はまだニ回しか倒していない…!それぞれが団子を破壊する。

 

「今だよ、彩葉!ヤチヨごと〜。」

 

 彩葉さんがまっすぐこちらに走ってくる。

 

「切っちゃえ〜!」

「ハァ!」

 

 彩葉さんがヤチヨ様ごと私を切った。身体が花びらに変わっていく。地面に落ちる前にかぐや様がヤチヨ様と私を拾う。ああ、終わってしまいました。

 

「ねえ、この後そっちに向かうから。話、してよね。」

「……負けましたからね、わかりましたよ。」

 

 身体が完全に花びらに変わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 KASSENから離れてツクヨミに戻る。

 

「さて、ヤチヨ様が来るので準備を……、ん?」

 

 ドタドタと幾つもの足跡がこちらに向かっている。…まさか。

 

「来ったよーー!」

「…随分と早いですね。」

「そりゃあ、秘書さんどっか行っちゃわないようにね。」

「ちゃんと、お話ししよーね!」

 

 まあ、逃げる気も逃げられもしないのですが…。他のみなさんも来る必要はありますか?




 ちなみに自分のイメージでは、秘書さんはヤチヨより少し小さい153cmくらいだと思っています。戦闘描写は難しいので違和感あると思いますが目を瞑ってください。

 帝がどうやってやられたかというと、単純に秘書さんが反応できないくらいの早さまで行ったからです。


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