大名「●●、お前だけでも逃げろ!!」
少年は父である大名に逃げろと言われた。次の瞬間、父が突然口から血を流す。見ると胸の辺りが赤くなっていた。後ろに暗殺者が居たのである。少年は恐怖の余り走り出してしまう。どうにかして外に出るも行く宛もなく少年は彷徨う事となった。数日後、とある人物により少年は全てが変わる。
服部半蔵「君、ここは村八分となる者が多い場所だ。新選組も中々手を焼いている。危ないから私に付いて来なさい。」
少年「叔父さんは誰ですか?」
半蔵「拙者は服部半蔵だ。迷子になった大名の子供が居ると聞き助けに居た。」
少年「良かった、、、僕助かるんだ、、、」
少年は安堵のため息を点く。そして服部半蔵の弟子として修行をする事になる。
蝙蝠の忍び
半蔵に助けられた後、少年は半蔵と共に半蔵の屋敷へ向かう。
半蔵「明日から修行を始めようと思う。今日はもう遅いからこれを食べてゆっくり寝なさい。」
少年「はい、頂きます。」
少年が食べたのは常食、いわゆる豆腐や味噌、梅干しなどである。タンパク質を補給し身体能力の向上に繋がる。食べ終わると少年は布団を敷き眠り始める。
翌日からいよいよ修行が始まる。先ずは基礎体力の向上である。屋敷には大きな庭が有り地形も複雑である。修行にはうってつけである。先ずは簡単なランニングである。最初の何日かは少年は直ぐに疲れてしまっていた。しかし、一ヶ月、二ヶ月と時間を重ねるごとに彼の体力は向上して行き肉体は強くなる。そして段々疲れなくなる。
半蔵「良く頑張ったな、明日からは術を習ってもらう。それから武器の使い方もだな。」
少年「一体どの様な術を習わせて貰えるのでしょうか?」
半蔵「移動に便利な術、敵の目を欺く術、心身を鍛える術なんかだ。武器はクナイや手裏剣をやる。」
翌日から半蔵は少年に隠れ身の術や火遁の術、水遁の術、水蜘蛛の術を教え始めた。それだけではない。半蔵と、その手下の武器の扱いに長けた忍者からの指導により少年は真剣に着いて行き技術を上げてゆく。
十年後、少年は元服の儀式を終え成人する。そして半蔵により新たな名を与えられる。「服部龍蔵」である。また少年は鼻先が尖り日本の角の付いた被り物を被り夜の街を掛ける蝙蝠丸となる。
龍蔵が忍者としての活動を始めてから何年か経った頃小佐武町に新選組すらも恐れる様な犯罪者達が姿を表してゆく。と言うかそれは既に存在していたのかも知れない。非人道的な行為を好む歌舞伎役者、薬を飲み肉体を改造している相撲取り、呪毒のある植物を操る女性呪術師、劇薬により悪の人格が発言した侍等である。
夜間徘徊していると龍蔵はその一人である攘歌、非人道的な行為を好む歌舞伎役者と出会う。この攘歌と言う男は最も狂い最も頭のキレる人物である。歌舞伎を見せ気に入らない事をする客が現れれば笑いながら●してしまうのである。そして何故かこの男は逮捕出来ない。理由は余りにも恐ろしすぎるからである。接触すれば何をされるか分からない。過去にそれで命を落とした新選組の隊士も居る位である。龍蔵はこの男にどの様に挑むつもりだろうか。
攘歌「よぉよぉよぉ、新しい忍者さんかぁい??良いねぇその服、また俺には及ばねぇけどなぁ??」
蝙蝠丸「どういうつもりだ!!お前は一体何者なんだ!!」
攘歌「さぁな、だがこれだけは言ってやる。お前は俺に勝てない。理由は色々だ、でもなぁ絶対に“勝てない”ハハハハハハハ」
蝙蝠丸「そんなの、やってみないと分からないだろう?」
攘歌「分かるさ、新入り忍者君。絶対に勝てない。それにだ、今俺に攻撃すれば後悔することになるんだぜぇ??」
龍蔵はその時全てを悟った。この男の謎の自身はもっとも危険な武器となる事を。だがここで引き下がるつもりは無い、其の為龍蔵は攘歌に立ち向かってゆく。確かに力自体は龍蔵の方が強かった。しかし、攘歌の絶妙な力の抜け具合と巧みな刀捌きは龍蔵の刀や手裏剣による一撃を見事に無効化してゆく。龍蔵は鈎縄を使い周囲の構造物を利用し攘歌に攻撃を仕掛ける。だがやはり攘歌の適応力と言う物は完璧である。どんな攻撃をしようとも全く通用せず無効化されてしまう。龍蔵はこのままでは埒が明かないと思い一旦退散する。
翌日、龍蔵は変装して攘歌の劇団へと訪れる。そして攘歌の演技を見ながら動きや口調を観察する。戦いをしない事を決めて観察に専念すると戦っていた時は分からなかった事がどんどん分かる様になっていった。例えば攘歌は手足が長い様で遠くにある物を刀で叩き落とすと言う業を得意としている。手足が長いため様々な距離感での戦いが可能なのではと思われる。また話術に関してもただ話すだけでなくねっとりとたまに早口でもあり中々攻め入るのが難しい話し方をしていると感じた。そしてこの話し方こそが相手の精神を乱し攘歌を勝利に導いているのではないかと言う結論に至ったのである。また彼には晴姫と言う恋人が居る事も分かった。情報が入れば勝利にも繋がる。龍蔵は屋敷に戻ると攘歌を倒す準備を始める。先ず刀を研ぎ、手裏剣とクナイもしっかりと研ぐ。そして火薬や鉤縄がある事もしっかりと把握する。夜になると龍蔵はいよいよ攘歌の屋敷へと向かう。こっそりと屋根の上を音を立てない様に走り攘歌の屋敷へ走る。そして屋根に穴を開け中の様子を観察する。そしてその穴から煙幕を落とす。その後龍蔵は穴を広げ屋敷の中へと入る。攘歌は最初の方こそ焦っていたもののやはり狂気を龍蔵に見せた。しかし、龍蔵はもう攘歌を恐れない。攘歌の巧みな話術にも武器の鋭い一撃も無効化し攘歌の腕に鈎縄を結び付け天井に吊り下げる。そして新選組の屋敷へと向かい攘歌を捕まえたと報告する。新選組は攘歌の屋敷へと向かい無事に攘歌を逮捕するのであった。龍蔵はその頃にはもう屋敷に戻っていた。その姿を見た者は誰もおらず闇に包まれている。そして龍蔵は英雄として小佐武町の多くの犯罪者と戦いを始めるのであった。
超人は光を表す英雄ならば蝙蝠丸は闇を表す英雄である。しかし、英雄と言うのはそこまで単純な存在ではない。次に語るべきは琉球の近くにある孤島に住む女戦士の種族の物語である。一体どの様な存在でありどの様な戦い方をするのであろうか。それは次の物語で分かることだろう。