密林の夜になると孤立してしまう島
孤島には傷だらけで息絶えたリオレウス亜種とリオレイアの死体、恐怖で隠れてしまった黒髪の少年、シキ・トオノと子龍のリオレウス、瀕死のナナ・テスカトリ、自分の無力を嘆いているアーノ、そして・・・
「グォオオ!」
この場で勝利の雄叫びをあげる鋼龍クシャルダオラだけである
side―イリヤ―
「・・・ぅ・・・ぁ」
まだ・・・生き、てるな
もう感覚がおかし過ぎて何も感じないよ
痛みで気を失いそうになるが、また痛みで意識が覚醒する
最悪のパターンだね
「ぐっ・・・くあ・・・んぐんぐ・・・ふぅ」
震える手で、母さんに「何かあった時の為に」と持たされた秘薬を飲む
もう血は止まった
体の痛みは無い
だけど血が足りない
「ヤバい・・・眠気が」
体が安らぎを求めてるよ
ヨロヨロと立ち上がって周りを見渡す
どうやら遺跡の一室に落ちたみたいだな
「よじ登れないな」
4メートル上がポッカリ開いて外に出られそうだけど、四歳児には無理だな・・・手が届かないもん
確かにシキと比べて身長は低いけど!
まだ5歳だからな!伸びる可能性は十分ある!
原キャラのイリヤみたいに子供体型になるはずない!!
「・・・奥に進むか」
混乱し始めた頭を一度落ち着かせて、もう一度周りを見渡す
穴の反対側にドアを発見したので、ソッチに向かって歩く
それにしても、あのクシャルダオラをどうしよう?
今の俺は無力だ、何も出来ない
何か手はないだろうか?
倒さなくても良い、逃げるだけの時間を稼ぐだけで良いんだが・・・
そう言えば、イケメンから貰ったはずのTYPE-MOONの武器は何時手に入るんだ?
村中を捜しまわったが全然見当たらないんだが・・・
自分の手を見ながら、そんな事を考える
「それにしても明るいな・・・ああ、光苔か」
窓もないのに、明るかったからね
ってか、隠し扉?を発見した
この世界には無い、スライド式だ
和風の扉だね♪
因みに、この世界の扉は、押す引く式の扉だ
馴染みの無い扉だから気付かなかったんだろうな・・・模様と勘違いしたとか?
「せーのっ!!」
力いっぱい扉をスライドさせる
ずっと使われて無かったのか、バキバキと嫌な音が鳴り響いた
「ゴホッゴホッ!」
すんげー埃っぽい
あー、でも遺跡に隠し扉で隠し部屋
なんかワクワクするよな!・・・外に居る奴らを考えると不謹慎だけど
「ふぅ・・・何があるかな?」
隠し部屋は暗くて何も見えない
目が慣れてから、部屋に入る
何があるかな♪何があるかな♪何が・・・あ~~なるほど
この世界に存在しない武器だから隠してあると思ってだけど・・・
「概念武器モンハン版その1は遺跡にあるのか」
隠し部屋の奥には、柄は青で刀身は銀と金の剣と鞘の形をした青色の盾が置いてあった
何と無く解る・・・アレは勝利すべき黄金の剣(カリバーン)と全て遠き理想郷(アヴァロン)の盾だ
・・・・・・何故あの二つなんだ?
約束された勝利の剣(エクスカリバー)ではなく勝利すべき黄金の剣(カリバーン)なんだ?
アヴァロンは鞘ではなく、盾になってるし
「大丈夫か?」
突き刺さってる剣に右手を伸ばす
剣の大きさは大人のサイズだから、子供の俺にはデカいな
右手で剣の柄を握った瞬間・・・
【所有物の認証を確認、プロテクト・レベル1を解除】
そんな言葉が頭の中に響いた
プロテクト?
何のことだ?
ズキッ!
額に激痛が!!
今度は何だ!?
【イリヤスフィール・フォン・アインツベルンとしての能力解放】
・・・イリヤスフィール・フォン・アインツベルンとしての能力ってなんだ?
聖杯の願望機か?でもモンハンには魔法や魔術なんて無いからな・・・スキルか?
この事は後々調べよう
ずっと持っていたカリバーンを抜いて、剣の後ろに立て掛けてあったアヴァロンを拾う
「さて、次はどうやって出るかだな・・・お!」
さっきと同じく、隠し扉を発見!
・・・外に出れたらいいな
淡い期待を胸に扉を開ける!
扉の向こうには、青い空とクシャルダオラが!・・・またかよorz
side―三人称―
イリヤを遺跡に叩き込んだクシャルダオラは、警戒するように遺跡を旋回する
そんなクシャルダオラを警戒しながらアーノは急いで採取してきた薬草でナナに応急手当てをする
ナナはクシャルダオラとアレックスを交互に見ながら治療される
そんな2人にコソコソと近付く人影が2つ
「アーノ、どうして此処に?」
「ニャ!・・・ご主人様!」
アーノ達に近付いたのは、ドンドルマでたまたまG級の依頼を受けたキリツグとマキヒサであった
「イリヤ様が・・・イリヤ様が!」
涙でグチャグチャになった顔で、キリツグに事情を話すアーノ
「そうか・・・落ち着けアーノ。イリヤは強い子だ」
そう言ってアーノを撫でるキリツグ
しかし、反対の手では真っ白になるくらい握り締めていた
「キリツグ、クシャルダオラを此処から引き離そう」
ずっとクシャルダオラの様子を伺っていたマキヒサが提案する
「そうだな。俺達がアレを引き離すから、アーノ達はイリヤとシキ君を連れて逃げるんだよ?」
キリツグがナナに回復薬を飲ませながら説明する
ガコッ!
そんな音を鳴らしながら、遺跡の一部が開いた
クシャルダオラの目の前だ
遺跡からイリヤが現れ、クシャルダオラの前でorzポーズをした・・・意外に余裕があるイリヤである
「イリヤ!!」
直ぐに剣を抜きながら大声を出すキリツグ
キリツグの声には少し嬉しさがにじみ出ていた
「っ!・・・ナナ!!」
イリヤはキリツグの声に反応して走り、遺跡から跳ぶ
ナナがイリヤに向かって飛翔する
「らぁあ!!」
跳んだ時にクシャルダオラの顔とすれ違う
イリヤはカリバーンで左目を刺して、その勢いのままクシャルダオラの顔を蹴って跳ぶ
「ガァアアア!!」
刺された痛みで苦しむクシャルダオラ
ナナは落下してくるイリヤを拾い、恐怖で隠れていたシキの襟首をくわえて、クシャルダオラから離れる
「お前の相手はコッチだ!」
マキヒサが自分達の横をナナが飛んで行った瞬間に、閃光弾を投げつけた
クシャルダオラは視界を奪われ、落下した
「父さん!」
「先に帰ってろ!」
心配そうに見るイリヤに対して、キリツグとマキヒサが武器を取り出して斬り掛かって行った
「・・・ナナ、帰ろう。ここにいては邪魔になるからね」
ナナの首を軽く撫でながらイリヤが言った
ナナはイリヤの言う事を素直に聞いて、村に向けてスピードを上げた
side―イリヤ―
俺達は無事にポッケ村に到着
シキは村の入り口に居たティアさんが駆け付けて怒られた
俺はアーノが母さんに説明して、直ぐに自室で寝かせてもらった
傷は塞がっても、血が足りないんだよね
ナナは熟睡する俺の隣で傷を癒すように寝てたらしい
因みに、シキは子龍のリオレウスを連れてきてしまった
シキの話だと、クシャルダオラがリオレウス、リオレイアを殺して子供のリオレウスも殺そうとしたので助けたらしい
子供のリオレウスは、産まれたてだったらしく、シキを父だと勘違いしてるみたいだ
因みに父さん達は十日後に帰ってきた
クシャルダオラとの戦闘は3日間だったらしい
撃退に成功して、依頼成功をドンドルマのギルドに報告して帰ってきたんだと
やはりシキはマキヒサさんにも、たっぷり怒られたんだと
半泣きで話してくれたよ(笑)
俺は傷の影響か、まる1日寝てた
・・・カリバーンとアヴァロンは思った以上に性能が悪かったな
カリバーンはキレ味が悪いし、アヴァロンは反動が大きく使い辛い
俺が所有者であって所持者(アーサー)では無いからか?・・・よく解らないな
それにしても、あの二つどうしよう?
送られた三つの武器なんですが、片手剣は剣と盾合わせて一つです
双剣では剣二本で一つと思ってくれたらと思います