『ゴブリンスレイヤー』外伝【幻声哀歌編】   作:いっかず

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主な登場人物&用語解説

■主要人物

 

1. 歌姫

南西の港街で「街の宝」と謳われた、類まれなる歌唱力を持つ少女。

その歌声は聴く者の心を癒やし、魔神王との戦いで傷ついた人々に明日を生きる希望を与えていた。庶民の出身ながら、その天賦の才と高潔な人柄によって街一番の豪商の嫡男と婚約し、さらには王都の劇場での初公演を控えるなど、まさに「幸福の絶頂」にいた。

しかし、巡業中に発生した「不運な事件」が彼女の運命を大きく狂わせることとなる。

 

2. 婚約者

港街を支配する有力な豪商の跡取り息子。歌姫とは身分の差を超えて深く愛し合っており、彼女の夢を誰よりも応援していた。家業を継ぐ身でありながら、彼女を守るために剣の手解きを受けるなど、誠実で情熱的な性格の持ち主。

ある事件を境に彼女が失踪した後、地位も名誉も捨て、一介の冒険者となって各地を放浪し、彼女を救い出すための手掛かりを追い続けている。

 

3. 司祭

旧魔神王軍の生物兵器研究者。現在は「深淵なる拒絶の教団」の首領。「絶望こそが魂の真理であり、拒絶こそが至高の力である」という歪んだ美学を持つ狂人。

2年前、自身の最高傑作であった試作体を若き日の「剣の乙女」によって浄化・粉砕された過去を持つ。自らの理論を「光の欺瞞」で否定されたことに激しい対抗心と屈辱を抱き、彼女と同じ傷を持つ女性を「恐怖を力に変えた死神」へと変生させ、彼女の「光」が偽物であることを証明することに執着している。

 

■用語解説

 

【深淵なる拒絶の教団】

概要:至高神を筆頭とする秩序の神々の教えを「弱者を縛り、絶望から目を逸らさせるための欺瞞」として完全否定する狂信者集団。元魔神王軍の生物兵器研究者であった司祭を中心に結成された。

 

教義:『絶望こそが唯一の真理であり、拒絶こそが至高の救済である』。神々の慈悲が届かなかった者、世界に裏切られた者に対し、その痛みを消すのではなく「力」へと変えることで、不条理な運命に抗う権利を与えることを是とする。

 

実態:その慈悲深いスローガンとは裏腹に、実態は小鬼禍(ゴブリンハザード)などの凄惨な悲劇の生存者を「素材」として収集し、兵器へと造り替える人体実験組織である。

 

【反転術式】

 

概要:人間の内側にある負の情動(絶望、憎悪、恐怖、憤怒)を抽出し、混沌の魔力と結合させることで、物理的な破壊エネルギーや超常的な異能へと変換する禁忌の魔導技術。

 

転生のプロセス

 

1.選別:強烈なトラウマを抱え、かつ精神的な「高潔さ」を持っていた人間を素材に選ぶ。

 

2.解体:残された希望や情愛を徹底的に叩き潰し、絶望を「純化」させる。

 

3.再定義:純化した絶望を核とし、肉体に混沌の術式を刻み込むことで、人間から「魔人」へと転生させる。

 

特性:この術式によって産まれた力は、神々の奇跡や通常の魔術の体系から外れているため、既存の防御魔法や装備では防ぐことが極めて困難。

 

代償:術式に適合できた者は、もはや「人間」としての安らぎや正常な感情を失い、特定の対象を破壊することでのみ己の存在を肯定できる孤独な存在へと変質する。

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