自認ウォルターの猟犬の一人称が私のぐだ男をアフタータイムから見守る話   作:アフタータイムのご友人

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大変間が空いてしまいました…。
理由は主に、パストカルデアの冒頭のあれで書いてる側死んだ事と、普通にイベント楽しんだり仕事がえっらい事になったり、普通にイベント楽しんでました。

あと書いてる人間もご友人も因習村で農業に勤しんでいました。楽しくて止め時が分かりません助けて。
そしてその因習村の酒カス大工がいいキャラなんですが、「この人の良ッなポイントを話そうとすると全てネタバレになる。ロマニ・アーキマンみてぇな存在」と言われているのを見て、ああドクターがネタバレの固まりみてぇな存在だと周知される程の時間が経過したんだなぁ…としみじみしました。
私は村長が可愛くて仕方ありません。健やかであってほしいです。所長にも健やかであってほしいので、多分私の中で同じ区分。

タマモアリアさん出ませんでした。石90で諦めた私は意気地なしです。実装前にジョンくんに徴税されてたんです…。
せっかく来た失地王と傾国絆上げバトルもっとしたかったです。


「待って!? もう拠点燃えるの!?」

 

なんて懐かしい景色だろう。

どんよりと重たい空と険しい雪山の景色を見渡す。直近で見た気がしないでもないが、アレはなんか違うのだ。曇天に暗い雲はこれから長い旅を歩み始めるぐだ男とわたしの、カスの日照時間の出身地にそっくりだがこいつはそれよりももっと別のものを想起したらしい。

 

「あぁ~……寒冷地……また寒冷地だ……パパ……」

 

もう何を見ても飼い主の事を思い出して鬱っている。大丈夫だろうか。

 

「霊器属性ってなに? これ今私の事話してる? これって思ってたよりSF寄りな話なの? あ、はい。はじめまして」

 

つらつらとアナウンスされる聞きなれない言葉い終始きょときょとと不思議そうにしながらも、律儀に挨拶する。

 

「……このアナウンスの人オマちゃんみたいな喋り方だったら可愛くない?」

 

うふふ、と躁鬱激しいぐだ男が『今すれ違った人めちゃ綺麗じゃない?』位のノリで振り返ってくる。やめろ。かなり未来でオマちゃんみたいのに会えるから、ちょっと我慢してろ。具体的に言うと、10年分のシナリオの先。オマちゃん並みのド下手くそパワポ出してくるから。

 

 

そんな事は言えないので、大人しく戦闘のチュートリアルを始めるぐだ男を眺める。

普段元気にブンドドしたり誉捨てアサシネーションしたり、ともかくも、自分自身が動いて直接ぶん殴っているタイプの人間が、ほぼ初めてのコマンド選択型の戦闘だ。

 

『これってジャンケン的な事? カードの色に有利不利があるんじゃなくてタイプ相性? ポケモンよりは優しい? 大丈夫? コマンドカードに特性があるだけ? 言われるままポチポチしてるけど、相手の攻撃は絶対くらっちゃうの? わかんない……わかんない……同じキャラ揃えるのと、色揃えるのと、三色そろえるの、何が一番いいの……わぁ……ァ……」

 

触れた事ないジャンル過ぎてちいかわみたいになちゃった。血に乾いた獣でも屍山血河でもなく、ホンマモンのなんか小さくて可愛いイノチだ。

遊んでればそのうち慣れる。がんばれ。

 

 

 

 

わぁわぁ慌てふためいていた為、180秒以上の模擬戦闘を行っていたぐだ男は今、通路のど真ん中に転がっている。こっちの世界線ではバレンタインでちらりと姿を見たきりのフォウ君が、その転がるぐだ男をちょいちょいと突いている。

 

……とても今更なのだが、フロムな世界観で育ったジャイアントキリング大好き・チーター狩りに脳汁ドバドバ放出しているタイプの人類はフォウくんに近づけてはいけないのではないのだろうか。

ただでさせチラ見したこっちのフォウくんは角生えててビビッているので不安になってしまう。

 

「あらかわいい」

 

そんな事を思考している間に目覚めたこいつは、自分の事を先輩と呼ぶ少女よりも小さいふわふわに反応する。基本的に獣が大好きで、お世話係に成れたことを喜んでいる。

 

私は出会ったばかりのマシュの姿に妙な感動を覚える。この子が後々カルデア家の家老になって法螺貝とか吹きだしたり、ぐだ男の女装にテンション上がったりするのだ。愛おしいね。

 

 

 

 

「あ。しゅき……。私の事をウォルターの猟犬だと認知してくれる人への好感度爆上がりしちゃうタイプなんです。あからさまに胡散臭い感じで、距離の詰め方えっぐいラスティにも『ウォルターの猟犬』呼びで懐柔された感あるんですよ、私」

 

一瞬621の方を名乗ろうかと思案し、脳内できっしょい思考を繰り返した後に『もしやこれは……』などと言いウォルターの猟犬を名乗りだした。流石に音声は無理だが、文面ではしっかりウォルターの猟犬呼びになることにご満悦である。

そして一番最初にウォルターの猟犬呼びしたレフに爆速で好感度上げている。今後の展開を知っているわたしは口の中を噛んで真顔を保っている。

真顔になるしかない。

恐らく、糸目が災いし、大抵の人間が胡散臭いと感じる(そして一部時点では間違いのない感覚)レフ・ライノールにも、ウォルター『の』と呼ばれただけで最早何も見ていない。

 

「こうやって新しい人たちに会ってく中で、どれくらい敵対するかなー」

 

違った。にっこにこである。だめだ。すっかりNPCはそのうちみんな死ぬか殺すことになると思ってて、印象からの怪しさとか裏切りそうとかどうでもよくなっていやがる。裏切られたらその時の気分で考えようの顔だ。

だがわたしは何も言わないように踏ん張っておく。

 

「……ひょっとしてヒロインってマシュちゃん? 私、ヒロイン(オペレーター含む)を焼く機会が物凄く多いんだけど、平気?」

 

世間一般的にヒロインを焼く機会はそうそうないし、お前が直接焼く訳ではない。焼けるが。何だかんだマシュが一番私達『ぐだ』のトラウマ作成数トップな気がする。イドは不可抗力だが。

 

自室まで案内してくれた初々しいけど湿度を感じていた時代のマシュに朗らかに手を振りながら、殺すかもリストにマシュの名前を連ねているぐだ男を見ながら、口に出せない事を思案する。

 

問題はこの先だ。

このさき、この扉の向こうには、あの人が居る。

アフタータイムの世界線に居るわたしは本気で具合が悪くなりそうな緊張感を抱く。なりそうじゃない。悪い。にこにこと楽しそうなぐだ男の背後霊しながら、その姿が見れなくて視線を下げる。

 

初見の悲鳴を聞きたいので、ぐだ男に何かあると察せられる訳にはいかない。

いかないが現在進行形で本当に吐きそうだ。年末退職無敵野郎、たすけろ。さもなくばお前もチョコを受け取れ、ママになれ(発狂)。そんな気分だ。

 

居室であって、更衣室やトイレではないのに「はーい入ってまーす」などという軽い調子からの驚愕の誰何が響く。

 

「ウォルター『の』猟犬です」

 

やたら『の』を強調する駄犬である。

 

「あ。医師なんですね。ふぅーん……」

 

心なしかぐだ男のテンションがおち着き、視線が彷徨う。何を隠そうこのぐだ男、リアル職種はそっちよりで田舎の個人医院は独裁支配。基本的に白衣男性(30代後半、40代未満)に警戒心を抱く。

 

「はじめましてウォルターの猟犬君」

 

「若先生いっぱいちゅき」

 

遠慮なくロマンと呼んでいいという言葉をガン無視の駄犬である。周りの機体の見た目や構成は覚えられても機体名や搭乗者名を覚えられない駄犬なので仕方がない。スッラだけはしっかり覚えて藁人形とか作ってそうな勢いは感じる。

 

「若先生はなんかふあふあしてていいね。看護師蹴り飛ばしてこなそうで」

 

ちらっとこちらを見て平気なタイプの白衣男性だったことを伝えてくる。あんま第三者が居る時こっち見るんじゃない。不審に思われっぞ。

属性:白衣男性の中では平気だそうだが、わたしが知る限りドクターはぐだ男のストライクに刺さるタイプではない。当時のイベント分の思い出を作成できない分、わたしがどれだけドクターの事を語れるかが重要だ。重要だが存在がもう一部のネタバレみたいな人なんだ。どうしろと。

 

ぐだ男の(終章での)自然死を願うしかないか。

そんな風にわたしがハンドラー拗らせてるご友人に更なる沼にはめる手段を考える横で、この世界線に存在する二人は和やかに雑談に興じている。

 

「構造は分かりました。分かったんですど、結局ここってどういう施設なんですか? まず若先生の医療部門って新薬とかASMの開発とかファンタズマってビーイングしてるSFな感じじゃなくて普通に医務室の大規模版的な感じなんですよね? 正直何も分かっていないんですけど」

 

バスキュラープラントやらザイレム見た直後だと、標高6000とかも『そっかー』で納得できてしまうらしい。そんな事よりもレイシフトが何かも分からないし、思ったよりSFみが強いなと思って居たのに普通に『魔術師』とかいう単語が出てきてぐだ男はクエスチョンマークをいっぱい浮かべている。

 

ちなみにファンタズマってビーイングみたいな事もしている。

 

ぐだ男の良く分からない質問にドクターもクエスチョンマークを浮かべたところで通信が入りレフの声が聞こえて、和やかな時間は終わる。

 

本当に終わる。

そして始まる。

 

『ロマニ、あと少しでレイシフト開始だ。万が一に備えてこちらにきてくれないか?』

 

通信内容に、根は真面目なぐだ男が五分かかるなら今からでも走った方がいいのでは? とでも言いたそうな顔で話を聞いているが、更に増えた知らない言葉に再びちいかわみたいな顔になりつつある。

普段見てるアイテムテキストを思い出せ。なんか、そんくらいの理解で耐えろ。

 

美味しいケーキをごちそうする、というドクター言葉の直後に視界が失われ、破裂音、けたたましい警報音、実体がさっぱり分からない施設であってもかなり重大な『緊急事態』が発生した事を知らせる。

 

「え!? 火災?」

 

 

 

 

 

「待って!? もう拠点燃えるの!? 私は何もしてないよ!? 私、まだ何もしてないよ!?」

 

 

 

 

 

拠点が炎上する経験が多すぎるぐだ男である。そして自分のせいで燃えていることが多い。

 

 

 

 

「いやなにしてるんだキミ!? 第二ゲートは向こうだよ!?」

 

「おっす! 自分一応救命いけます! うっす!」

 

「そりゃあ人手があった方が助かるけど……」

 

逃げるように促した筈のぐだ男が一緒になって飛び出してくるのに、もう一度逃げるよう言いながら駆け出すドクターの後ろをしれっと追っていく。

この傭兵脳、基本的に悪意はあんまりない。頼まれた事やってたらなんか大惨事になったりしているだけだ。困っている人が居たら手助けだってしようとする。その結果なんか惨劇が起きたり夢が潰えたりして、サークラしてしまったりする猿の手みたいになっちゃうだけなのだ。

害意はそんなにない。スッラを蹴り殺すことを毎日の日課としていたとしても。

 

 

燃え盛る管制室の中、生存者がいない事やこの火災が人為的である事を一足先に緊急事態の真っただ中に辿り着いたドクターが告げる。

 

「おっとぉ。破壊工作。どの陣営の施設に報復しに行けばいいのかな?」

 

絶対ハンドラー・ウォルターではないオペレーターの躾の成果が出ている思考回路。

 

 

 

「カルデアの火ってなぁにぃ!? 若先生薪になりでもいくの!? も~だからレイシフトってなぁに~!? 分からない言葉増やさないで~!?」

 

はじめてルビコニアンデスパンジャンに囲まれた時のわたしそっくりなパニックぶりで、ぐだ男は生存者を探している。

わたしはその後をただついて行く。この世界線では私はぐだ男にしか見えないし、声は届かない。触れることは誰にも出来ない。

一刻も早くまだ湿っぽいのに妙なドライな物いいをして、ほら貝を吹かない後輩のもとに行きたくてもわたしにはその手を握る事はできないし、彼女はわたしの後輩ではないのだから。

 

ここの彼女にとっての先輩が駆け寄る。

真っ赤に厭なひかり方をするカルデアスを呆然と見つめる間に、隔壁は封鎖され再三指示された『逃げる』事はもう出来なくなった。

 

「ありゃー。じゃあ終わる(死ぬ)までマシュちゃんと一緒にいてもいい?」

 

「……はい」

 

酷くな緩慢な動作で数度瞬いた後に、こくりと頷く。それを確認し、彼女のすぐ傍に寄る。

 

「……ねえ、今のセクハラになならない? だいじょぶ?」

 

発言の何がまずかったのかさっぱり分からないマシュが、あの、と弱々しく呼びかける。

 

「手を、握ってもらって、いいですか?」

 

逆にいいの? と小首を傾げてぐだ男は脱力し投げ出されるままの手を救い上げ、そっと握る。

マシュの表情が和らいぐ。

 

この選択を、パパは喜んでくれるかなあとぐだ男もちょっとお見せ出来ないうっそりとした笑みを浮かべた。

 




ご友人もちまちま進めていて、スクショとか感想メモの様にトークルームにいろいろ投げてくれています。

メタいガチャ回は、まだ先の話ですが一つだけ。
特に今までこの鯖好き!!と熱量上がってはいなかったご友人なんですが、初めてビジュアルで引っ掛かったのが、水着のテノチでした。
めっちゃ刺さったらしいです。よりによって家……今後ストーリー(できればイベント)のテノチの中身知ったらどうなんだ…と思っております。

まあ、爆笑しましたよね。はじめにオチたのが家って。


そして少し、私のやらかし。
サポートに儀典さん置いておいたせいでなんか変な事になりました。気づいて慌てて儀典さんの口からロマニの名前が出る前にダンテに交代させたんですが…変な思考手順の結果

「この儀典ソロモンってひょっとしてゴエティア? 大黒天(私のサポかつ推しで、神様の代わりに使わされてきてるんだよ~と言っていた)みたいにソロモンの代理で来てるの?」

ゴエティアの名前が出た理由が、マギカロギアというTRPGで作成できるキャラクターに『外典』というのがあり、それが「魔法使いが働かせる為に呪いをかけまくって従わせてる魔導書」的な者なので、語感から「ソロモン関係の魔導書?」になり、ちょっとご友人の考察のようなものがややこしい感じになっちまって、本当にすまん。迷走させてしまって…。

という反省。未来でここみたご友人、ややこしい事にしてごめんね。
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