緑谷出久は秩序の守護者と共にヒーローを目指す。   作:KMヒロ

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第11話 大特訓と普通に悩める少女

 爆豪にジガルデとワン・フォー・オールの秘密を共有する事となった後、改めて此処(海浜公園)での特訓を説明する事にした。

 

ジガルデ『さて・・・では2人にはこれからゴミ掃除をしてもらう!』

 

緑谷「うん、身体を鍛える為にだよね?」

 

ジガルデ『そうだがただ運ぶだけでなくあ(・)る(・)事(・)をしながらやってもらう!』

 

爆豪「ある事をだぁ?何すんだよ?」

 

ジガルデ『それをこれから説明する!まずはイズク、近くのゴミで手で持ち運べる大きさのを持って来てくれ!』

 

緑谷「分かった!取ってくるね!」

 

ジガルデ『次にバクゴウ、お前はゴミと回収場所の間付近に待機しておけ!』

 

爆豪「わぁったよ!」

 

 ジガルデの指示により緑谷はゴミを持って、爆豪は指定された場所へと待機した。この時点では誰もジガルデの考えている事は分からなかった。

 

AM「ジガルデ君、今からいったい何を・・・」

 

ジガルデ『今から説明する!2人共聞け!』

 

 ジガルデに呼ばれた2人は視線をジガルデに向けた。

 

ジガルデ『今から2人には片方がヒーローとして、もう片方はヴィランとしての戦闘と救助の特訓をする!』

 

爆豪「戦闘と・・・」

緑谷「救助・・・?」

 

ジガルデ『そうだ!まずはイズクがヒーロー役で今持っているゴミを救助者として運び出しバクゴウがそれを阻むヴィランという設定だ!』

 

爆豪「おい!なんで俺がヴィラン役なんだ‼︎」

 

ジガルデ『それもちゃんと説明するから最後まで聞け!バクゴウ』

 

爆豪「チッ」

 

ジガルデ『やれやれ・・・では改めてこの特訓について説明する!この特訓はヒーローとヴィラン、それぞれの思考を考えてもらうのが要だ!ヒーローはいかにして要救助者を指定の位置まで避難させ、ヴィランはそれを妨害して救助者を危険に晒す事を経験する為の特訓だ!』

 

 ジガルデはゴミ掃除を兼ねた特訓法を2人に説明していった。

 

ジガルデ『更にやる気を出させる為にポイント制を設ける事とする!』

 

AM「ポイント制だって?それはいったい・・・」

 

ジガルデ『ポイントの基準は片手で持てるゴミを1P、両手で持てるゴミを2P、そして大きなゴミ・・・例えば冷蔵庫などを3Pとする。これを成功しようがしまいが繰り返して30分間やり続ける!終われば15分間の休憩後今度は役を交代してまた30分間特訓をする!』

 

 緑谷と爆豪はヒーローとヴィランの立ち回りの特訓になるだけでなく此処のゴミ掃除も出来る為一石三鳥なぐらいだ。一方オールマイトはこの特訓内容に驚きを隠せなかった。何故ならこの特訓内容は雄英の実技入試内容とあまりにも酷似しているからだ。

 

ジガルデ『ちなみにだがゴミを落としてしまえば点数は無効になるだけでなく1P減点してしまい、逆にヴィランの方は妨害成功という事で1P加担される。』

ジガルデ『そして最後に必須項目として30分間のどのタイミングでもいいので3Pのゴミを選ぶようにしろ!できなかった場合3P減点してしまうので注意する様に!』

 

 要約するならこんな感じ

 

 1,制限時間は30分

 2,ヒーロー役がゴミ(救助者)を指定の場所まで運び、ヴィラン役は妨害しゴミ(救助者)を落とす

 3,ポイントは片手ゴミ(小)が1P、両手ゴミ(中)で2P、大型ゴミ(大)で3Pとする

 4,救助成功すれば運んだ種類分加点、失敗すれば1P減点、妨害成功すれば1P加点

 5,終了したら15分休憩した後交代して同じ事をする

 6,各制限時間の内に一回でも3Pゴミを運ばなけば3P減点とする

 7,前後半の特訓をし、最終合計点が高い方が勝利

 

 という内容である。……思ってたよりも本格的過ぎるのは気のせいでは無いと思う。だってかっちゃんはルールを聞いてから黙って考えているし、オールマイトなんて内容を聞いて唖然としてるもん。

 

AM「ジ・・・ジガルデ君・・・いきなり特訓の内容がハードじゃないかい?」

 

ジガルデ『フン!今の内にこれぐらいやっておかなければ先の事件の様な二の足を踏むことしか出来ないヒーローモドキ共と同じになってしまうぞ‼︎イズクにはそうあって欲しくはないからな!』

 

爆豪「ハッ!ヨユーだわこんなもん!完膚なきまでの大差つけて勝ってやるぜ‼︎」

緑谷「僕だって負けないよ‼︎」

 

ジガルデ『・・・だそうだ。では早速始める!2人共、準備が出来次第持ち場へつけ!』

 

 そうして緑谷は運ぶゴミを選び、爆豪はいつでも動ける様に柔軟を始めた。

 

ジガルデ『それとバクゴウ、妨害はイズクがスタートから3割に差し掛かってから開始とする!』

 

爆豪「わぁったよ!さっさと始めろ‼︎」

 

ジガルデ『それでは・・・始め‼︎』

 

 緑谷はワン・フォー・オールを発動してゴミを抱えながら走り出した。

 

緑谷「まずは"個性"を慣らす為にも それから・・・⁉︎」

爆豪「くたばれやーー‼︎!」BOOOM

緑谷「うわぁーー⁉︎」

 

 緑谷は考えながら走っていた為爆豪の妨害に反応が遅れてしまいゴミを落としてしまった。

 

ジガルデ『そこまで!まずはバクゴウの妨害成功で1P獲得。そしてイズクは救出失敗で1P減点だ!』

 

爆豪「よっしゃー‼︎まずは1P‼︎」

緑谷「イテテ・・・いきなり酷いよかっちゃん・・・」

爆豪「アホか!遊びでやってんじゃねーんだぞ‼︎これが実践だったら同じ事が言えんのか⁉︎」

 

ジガルデ『バクゴウの言う通りこの特訓は実践のつもりで考えて行え!こんな事で手をこまねいている様じゃなりたいヒーローにはなれんぞ‼︎』

 

 爆豪とジガルデの言い分はもっともであった為緑谷はそれ以上言い返すことが出来なかった。

 

ジガルデ『それよりもまだ30分経ってないぞ‼︎特訓を再開しろ‼︎』

 

緑谷「はっはい⁉︎」

AM「・・・ジガルデ君・・・特訓の時だと緑谷少年に対しても結構厳しいんだね・・・」

 

ジガルデ『こんなことで厳しいと言っていればこの先雄英でするであろう特訓にも耐えられぬぞ!』

 

AM「な・・・なるほどね・・・(やっぱりジガルデ君の厳しさ・・・グラントリノに似ている所があるな・・・)」

 

 オールマイトがそう考えながらも緑谷と爆豪はゴミを運んでたまに妨害され、妨害して追い抜かれの繰り返しで特訓は続いていった。

 そして緑谷と爆豪のそれぞれヒーロー役とヴィラン役の特訓が終えて……

 

ジガルデ『それでは結果だが・・・まずイズクは救出Pは13、妨害Pは6で計19P!』

 

緑谷「19Pか・・・ちょっと少ないかな・・・」

 

ジガルデ『続いてバクゴウ、救出Pは17、妨害Pは9で計26P!最初はバクゴウの勝利だ!』

 

爆豪「っしゃあ‼︎」

 

 緑谷は負けてしまった事に落ち込み、爆豪は勝てた事に喜んでいた。

 

 ジガルデ『これで特訓のやり方は分かった筈だ!後はどれだけ効率良く動ける様になれるかだ‼︎』

 

爆豪「なら今度は完膚なきまでの大差をつけて飼ってやるぜ‼︎」

緑谷「まだワン・フォー・オールを使いこなせてないけど今度は勝ってみせる!」

 

 海浜公園での特訓と清掃を始めて数日が経ち、コツを掴んだのか2人は"個性"の使い方や特訓の立ち回りが回数を重ねるごとに良くなっていた。それを見たジガルデは……

 

ジガルデ『では2人はそのままその特訓を続けてくれ!』

 

 そう言ってジガルデはその場を去ろうとした。

 

緑谷「えっ⁉︎何処へ行くのジガルデ⁉︎」

 

ジガルデ『なに、私自身も今のままではいかんと思ってな!個人的に特訓する為に別の場所で行おうと思ったのだよ。』

 

爆豪「今のままでも十分強えのにまだ足りねえのか?」

 

ジガルデ『いざという時に彼(・)奴(・)ら(・)の様なヒーローもどきと同じ行動を取りたくないからな!そうならない為に手数は多いに越した事はない!』

 

 そう言い終わった後ジガルデは改めて此処から立ち去ってしまった。ジガルデの事だからそう遠くへは行かないだろうから大丈夫だと思うけど……

 

爆豪「・・・気になんのか?出久。」

緑谷「う、うん・・・ジガルデの事だから何か考えがあると思うけど・・・」

爆豪「あいつの事だから大丈夫だろ!それよりおめえの"個性(OFA)"を扱える様になる方が大事な事だろ!もっと焦れよ‼︎」

緑谷「わ、分かってるよ!」

爆豪「分かってんならもう1セットやるぞ‼︎」

 

 そうして緑谷達はジガルデの課した特訓を再度行う為にゴミ山の方へと走って行った。

 

 海浜公園別地点……

 

 ジガルデは緑谷達がいた場所から少し離れた場所まで歩き、程よく開けた所で立ち止まった。

 

ジガルデ『ふむ、ここいらで良いだろう!』

 

 そう言ってジガルデは緑谷と共に過ごした中でこれまで起きた事件等を振り返って考えていた。

 

ジガルデ『瀬古杜岳の件から先のベトベトン(ヘドロ敵)事件まで私自身も何か出来たのではないのかと考えてはいた・・・』

ジガルデ『やはり「覚えられない!」という理由でいつまでも放置したままでいるのは良くないな!イズクも"個性"を授けられて頑張っているのだから私も頑張らなければ!』

 

 そう言いながらジガルデは身体をほぐすように動かした。

 

ジガルデ『そうと決まればまずは比較的覚えることが出来そうな技から始めるか‼︎手始めに「こうそくいどう」から覚えてみよう!』

 

 まずは「こうそくいどう」を覚える為にジガルデは「しんそく」を使い続けてコツを掴もうと特訓するのであった。

 

 それから数十分後……

 

 ジガルデは 新しく 「こうそくいどう」を 覚えた!

 

ジガルデ『ふう、ようやっと覚えれたか・・・とりあえずまずは一つ・・・ん?』

 

 ジガルデは 新しく「かげぶんしん」を 覚えた!

 

 なんと目的の技を覚えた矢先に次に覚える予定であった「かげぶんしん」を立て続けに覚えれてしまったのである。これにはジガルデも……

 

ジガルデ『・・・は?「こうそくいどう」はまだ分かるがなぜ「かげぶんしん」まで覚えれたんだ?』

 

 予期せぬ事だったので流石のジガルデも驚きを隠せなかったが……

 

ジガルデ『ま、まあいい!覚える為の時間削減出来たと思えば良いか‼︎よしそうしとこう!』

 

 ジガルデは深く考えるのを止めて次の技を覚える候補を考えた。

 あれからさらに数日が経ち、緑谷達が順調に特訓しているとは別にジガルデも着実に本来覚えられない技を覚えられる様になった。

 

ジガルデ『ふむ、意外と覚えられるものなのだな!今日までそれなりに技が増やすことが出来た!』

 

 ジガルデは 以下の 技を 覚えた!

 

 はどうだん

 だいちのはどう

 あくのはどう

 ドラゴンクロー

 ビルドアップ

 こうごうせい

 じこさいせい

 

ジガルデ『しかし・・・波動系やドラゴン系の技はもともと覚えられそうだった為そこまで難しくはなかったがやはり回復系は覚えるのに随分苦労した!』

 

 「こうごうせい」も「じこさいせい」も自身にのみでしか回復できないとはいえそれでも覚えるのは相当苦労したようだ。

 

ジガルデ『出来る事なら「いやしのはどう」はなんとしても覚えたいものなのだが・・・主にイズクの怪我を治せる為にもな!』

 

 今後もイズクは無茶をして怪我が絶えない状況になろうとも誰かを助ける為に手を伸ばすのだろうな。それ自体は関心は出来るのだが……

 

ジガルデ『やはりイズクが傷ついたままでいるのは私も母殿も見たくはないからな!入試までにはなんとしても覚えよう!』

 

 そう言い終わり特訓を再開しようとした時……

 

ジガルデ『ん?あそこにいる小娘、いつの間にあんな所にいたのだ?』

 

 ふと振り返ってみると階段の所に制服を着ている少女が座りながら蹲っていた。

 

ジガルデ『ふむ、ここはイズク達のいる所から離れているものの人気のない場所でゴミも少なくはない場所なのだが・・・』

 

 見た所緑谷とそう変わりない年齢でもあった為ジガルデはしばし考えていたがかつて緑谷の言ったあ(・)る(・)言(・)葉(・)が脳裏をよぎった。

 

ジガルデ『やれやれ私もイズクの「余計なお世話」が移ってしまった様だな・・・』

 

 そう言いながらジガルデはその少女のいる所へ向かっていった。

 

???「はあ、生きづらいです。これからどうしましょう・・・」

 

ジガルデ『おい、そこの小娘!何をそんな辛そうな顔をしているのだ?』

 

 突然私の所に犬の様な生き物が声をかけてきて驚いたのです。……犬と呼ぶには色々と違和感があるけど。

 

???「犬さんですか?何か用ですか?」

 

ジガルデ『私はジガルデと言う。小娘よ、名はなんという?』

 

 ジガルデは自分の名を先に言う事により相手の名を答えてもらう様に促す様にした。

 

トガ「トガです。渡我被身子です。」

 

ジガルデ『トガヒミコというのか・・・』

 

ヒミコ「トガ呼びは好きじゃないのでヒミコと呼んでください。」

 

ジガルデ『ヒミコか・・・それでお主はこんな所で何をしていたのだ?』

 

 ジガルデはそう言いながらトガヒミコの隣に座って話を聞く体制をとった。

 トガヒミコはいきなり出会ったばかりのジガルデに対して自分の身の上話を話すかどうか迷ったがしばらくしてゆっくりと話し始めた。

 

ヒミコ「私、「普通」というのが分からなくなってしまったのです・・・」

 

ジガルデ『「普通」がだと?どういう意味だ?』

 

 ジガルデは言葉の意味が分からず聞き返した。

 

ヒミコ「私の家や周辺の人達は普通て言葉に取り憑かれているみたいで私の"個性"はその人達にとっては「普通」ではなくて「異常」と言われ続けられていたのです・・・」

 

ジガルデ『・・・それは親も含めてなのか?』

 

ヒミコ「はいです・・・」

 

 ジガルデは"無個性"に生まれてしまっても大切に育てられたイズクの母殿と"個性"を持ちながら「普通」ではないという理由で責められる小娘を比べて何故こうも違うのか理解出来なかった。

 

ジガルデ『出来るならばお主の"個性"を教えてくれぬか?何故「普通」では無いと知っておきたいからな!』

 

 トガヒミコは答えるかどうか悩みながらも意を決して話し始めた。

 

ヒミコ「・・・・・・私の"個性"は「変身」です。あ(・)る(・)こ(・)と(・)をすればその人の姿形に変わることが出来るです。」

 

ジガルデ『ふむ・・・一見すれば良い"個性"に思えるがそのあ(・)る(・)こ(・)と(・)が原因という事か。』

 

ヒミコ「・・・はいです。私の"個性"の発動条件は相手の血を飲む事です。」

ヒミコ「初めは落ちて血が出ていたスズメを見てカァイイと思ってちうちうしちゃったのです・・・でもそれを見た親は私をぶって怒ったのです・・・」

 

 ……ちうちうというのはおそらく血を吸うという意味なのだろうな。だがただ怒るのなら分からなくはないがそれでここまで追い込ませる必要があるのか?

 

ヒミコ「それで親や周りから「普通」を押し付けられて我慢出来なくなってしまってしまい・・・初恋だった人を傷つけてしまってそれが怖くなって逃げてしまったのです・・・」

 

 トガヒミコは自分がしてしまった事をジガルデに話終わるとまた俯いてしまった。

 

ジガルデ『ふむ・・・ヒミコよ、あくまで私の意見ではあるが良いか?』

 

ヒミコ「・・・なんですか?」

 

ジガルデ『お主が相手を傷つけてしまった行為はともかくその行為(血を吸う)だが・・・私にとっては異常な行為とは思わんな!』

 

ヒミコ「・・・・・・・・・はい?」

 

 トガヒミコはジガルデが言った答えが理解出来なくてしばらくの間放心してしまった。

 

ヒミコ「嘘を言わないでください!そんな事あるハズないじゃ無いですか!」

 

ジガルデ『私は嘘は言ったつもりは無い!それに質問を返す様だがお主・・・と言うより親やその他の言う「普通」とはどういう定義で言っていたのだ?』

 

 トガヒミコは少し考えながら 重く感じる口を開いて答えた。

 

ヒミコ「・・・親や周りの人達は世間の一般常識や世間体に合わせて他の人と同じように振る舞うことが「普通」な事って言われ続けられました・・・」

 

ジガルデ『それは個人の意思を捻じ曲げてでも「普通」でならなければならない事なのか?』

 

ヒミコ「・・・そう言われたです・・・そうでなければ「普通」じゃない「異常者」だ「人間じゃない子産んでしまった」と言われたです・・・・・・」

 

ジガルデ(・・・自分の娘の意見を一切聞かずに自分達の主張や世間体しか目に入らずになんの疑問も感じずに娘を傷つけて追い込ませたか・・・これだから人間のいうのは・・・)

 

 ……こういう時……イズクならどう答えるか……少々賭けではあるが此奴の為にも一度会って話し合わせた方が良いかもな……

 

ジガルデ『・・・ヒミコよ私について来い!お前にある人物と会わせる!』

 

ヒミコ「会わせる人・・・ですか・・・?」

 

 そう言ってジガルデとトガヒミコは緑谷がいる海岸の方へ向かって歩いて行った。

 

 海浜公園……

 

 一方こちらでは特訓をしていた緑谷が体力を回復する為に休憩を取っていた。

 

緑谷「ふう・・・そろそろ特訓再開するかな・・・しかしジガルデはどこで何をしてるんだろ?」

 

ジガルデ『イズク、特訓はしっかりとやっておるか?』

 

緑谷「う、うん!これから再開する所・・・ってあれ?誰か一緒にいる?」

 

ジガルデ『イズク、此奴はヒミコ・・・先程出会い彼女の生い立ちを聞いてなんとか出来ぬか相談しようと思ったのだ!』

 

ヒミコ(この人・・・斎藤くんに似ているのです・・・)

 

 トガヒミコは緑谷を見てかつて傷つけてしまった初恋の人に似ていたことに少し驚くのであった。

 

ジガルデ『ヒミコ、紹介する!"個性"である私の持ち主でお前に会わせると言ったイズクだ!』

 

緑谷「ジ・・・ジガルデ・・・なななんでいきなりおお女の子を連れて来たの⁉︎」

 

ジガルデ『イズクよ・・・いい加減にその女に対する免疫の無さをどうにかしろ!そんなんでは将来自分が困ることになるぞ!』

 

 緑谷の戸惑いにジガルデは呆れながらも指摘して話を本題に切り出そうとした。

 

緑谷「そ・・・それで・・・この人の相談ってどういう事なの?ジガルデ・・・」

 

ジガルデ『うむ・・・それはな・・・』

 

 ジガルデは先程話し合っていた事を緑谷にも説明した。

 

緑谷「・・・なるほど・・・"個性"の副作用で血の欲求が抑えられないという事か・・・」

 

ジガルデ『うむ・・・それでどうするかイズクにも相談しようと思ったのだが・・・・・・あ⁉︎しまった・・・』

 

ヒミコ「?どうしたのです?ジガルデくん」

 

 ジガルデがやらかしてしまったかの様に俯いていて緑谷の方を見ていると……

 

緑谷「相手の血を飲む事で変身することが出来るなんてすごい"個性"だ!潜入にも使えるししかも変身した対象の血液も変えれるなんて災害救助にも打ってつけだ・・・それで血の欲求が起こるのはある意味で当然と言えば当然か・・・・・・」ブツブツブツ……

 

 緑谷はジガルデからトガヒミコの"個性"について聞くや否やいつもの(特性)分析癖が発動してしまい、ブツブツと1人事を呟いて自分の世界へ入ってしまったのである。

 

ヒミコ「ええっと・・・あの子大丈夫なのですか・・・?」

 

ジガルデ『心配するないつもの癖だ!お前の血の欲求と同じものと思えば良い!』

 

ヒミコ「はぁ・・・」

 

ジガルデ『おいイズク!いい加減正気に戻れ‼︎』

 

 ジガルデの たいあたり!

 

緑谷「ゲホッ・・・ご・・・ゴメン・・・ジガルデ・・・」

 

 ジガルデのたいあたりを受けた緑谷は咳き込みながらもようやく我に帰ったのだった。

 

緑谷「だけど君の"個性"は人を助ける事が出来るやさしい"個性"だよ!」

ヒミコ「⁉︎私の"個性"がやさしい?」

 

 トガヒミコは緑谷の言葉を聞いて耳を疑った。いままで自分の"個性"のせいで"異常"と言われ続けられてきた為に緑谷の言われた言葉が信じられないでいた。

 

ヒミコ「・・・・・・なんでそう言い切れるのですか?私はこの"個性"のせいでいままで辛くて生きにくい人生を送ってきたのに・・・」

緑谷「それは君の"個性"よく知ろうともせずに先入観だけで決めつけてしまったのが原因だと思う・・・」

 

ジガルデ『無論それだけが全てではないだろうが相当"普通"という名の固定概念が凝り固まってしまっているのだろうな!ヒミコの周辺にいた者達は特にな・・・』

 

 トガヒミコの境遇と"個性"との相性の悪さ故にこれまで窮屈な人生を送らされた事を聞いた緑谷はどうすべきか悩んでいた。

 

緑谷「でもどうしよう・・・助けたいけどどうすれば良いのか分からないよ・・・」

ヒミコ「・・・・・・やっぱり無理でしょうか・・・」

 

 緑谷はどうにかしてトガヒミコを救いたいと考えるのだが今の緑谷では何の力も持たない為悩んでしまう。

 

ジガルデ『・・・となれば彼奴の力を借りるしかないな!』

 

緑谷「え⁉︎ジガルデ・・・何処かアテがあるの⁉︎」

 

ジガルデ『アテと言うほどではないがなんとかなりそうな者がいる!とりあえずは連絡して来てもらってからだな!』

 

 それからしばらくして……

 

AM「緑谷少年、いきなり来て欲しいとはどうしたんだい?ジガルデ君の提案らしいけど・・・」

ヒミコ「オ・・・オールマイト・・・ですか・・・・・・?」

AM「おや?そちらの少女は何処かで見た様な・・・?」

 

 なんとジガルデが呼び出したのはオールマイトであった為トガヒミコは予想外の相手に緊張と不安になっていた。

 

ジガルデ『オールマイト、余りヒミコを怖がらせるな!不安がっておるだろうが‼︎』

 

AM「ああいやすまない!そのつもりでは無かったのだが・・・ちなみに用件ってのはその少女と関係があるみたいだね!」

ヒミコ「は・・・はい・・・トガヒミコと言いますです・・・」

AM「トガヒミコ・・・ああ思い出した!確か2,3ヶ月前に何処かの中学で傷害事件があったと聞いた事があってね!その容疑者ら(・)し(・)き(・)者がその名であった筈だ!」

 

ジガルデ『?オールマイトよ容疑者ら(・)し(・)き(・)と言ったがどう言う意味だ?』

 

AM「詳しくは知らないがどうやら被害者が自分で怪我をしたと言っているらしく庇っているみたいなんだ!」

ヒミコ「⁉︎・・・斉藤くん・・・・・・」

 

 トガヒミコはその話を聞いて驚きを隠せなかった。自分を傷付けたにも関わらず犯人ではないと庇ってくれていた事に

 

AM「ただ状況証拠はあるからとりあえず本人にも聞こうとして少女の自宅に行ったみたいだが・・・・・・」

 

 そこまで言うとオールマイトは本人がいる前で言おうか戸惑い悩んでしまう。

 

ジガルデ『オールマイト、ヒミコの件は本人から一通り聞いている!大体の予想がつくからこれ以上言わなくて良い!』

 

 ジガルデは何を言われたのか察したのでこれ以上わざわざ聞く必要も無いと思いこの話を打ち切らせた。

 

AM「そうかい?それで証拠不十分という事でこの件は一旦終わったのだがその少女が行方不明になったという事で一応捜索していたと聞いていたのだよ」

緑谷「そうだったのですね・・・」

 

ジガルデ『想像の通りヒミコはその少年を傷付けてしまった事に後悔して罪を感じていた所偶々この付近で出会ってこの事を知ったのだ!』

 

AM「しかし何故そんな事をしてしまったのだね?」

ヒミコ「ええっと・・・それは・・・・・・」

 

 トガヒミコはどう答えたら良いのか分からずに言い淀んでしまった所、見かねたジガルデが代わりに話す事にした。

 

ジガルデ『聞いた話だとどうやら"個性"の副作用でその衝動が出てしまった様だ!』

 

AM「"個性"の副作用でかい?それで相手を傷付けてしまったと?」

 

ジガルデ『いや違う!それはあくまで過程であり結果としては血が欲しかったと言う事だ!此奴の"個性"は他者の血を必要とするからだ‼︎』

 

AM「そういう事だったのか・・・」

緑谷「オールマイト!彼女の"個性"は使い様によっては人を助ける事が出来るやさしい"個性"なんです‼︎」

AM「人を助ける事が出来る"個性"だと・・・?」

緑谷「彼女の"個性"は相手の血を飲んでその人の姿だけでなく血液型も変える事が出来る"個性"なんだ‼︎」

AM「その者の血液型も⁉︎それは確かに災害時には打ってつけな"個性"だ!リカバリーガールでは怪我を治すことは出来ても失った血までは戻すことは出来ないからね!」

 

ジガルデ『オールマイト、今のヒーローには回復系の"個性"を持っている者が少ない中ヒミコの様な"個性"を育成させるのも必要なのではないか?』

 

AM「ううむ・・・確かにいてくれるのであれば心強いのだろうがヒミコ少女の意見としてはどうなのだろうか・・・?」

 

ジガルデ『確かに・・・ヒミコよ、話を勝手に進ませてしまったが今まで疎まれていた"個性"が人の為になれるのであればヒーローを目指してみてはどうだ?もちろん他にも医者や救助隊という道もあるが・・・』

 

 ジガルデはトガヒミコに遅れながらもヒーローを目指すかどうか確認を取るのだった。

 

ヒミコ「・・・緑谷くんもヒーロー目指すのですか?」

緑谷「うん!僕も来年雄英を受験するからその為にここで特訓してたんだ!」

 

ジガルデ『イズクには立派なヒーローになってもらう為にも生半可な特訓をさせる訳にはいかないからな!』

 

ヒミコ「そうですか・・・・・・オールマイト・・・私行くです!そして斉藤くんに謝罪してその上で許されるのならヒーロー・・・目指したいです!」

AM「そうかい・・・よく決心した!じゃあちょっと待っててね!」

 

 そう言うとオールマイトはスマホを取り出し何処かに掛けるのであった。

 

AM「・・・っはい!私です。実は折言ってご相談があるのですが・・・・・・いえその件では無く実は・・・・・・」

 

 オールマイトは何処かへ連絡を取るとしばらくやり取りを続けていった。

 

AM「・・・はい今その少女はここにいます。・・・・・・はい・・・分かりました。それではこれから連れて行きます。ではまた・・・」

AM「とりあえず会っていただけるみたいだからヒミコ少女、これからついて来てくれるかい?」

ヒミコ「・・・分かりましたです・・・」

 

 トガヒミコは不安ながらもオールマイトを信じてついて行くことに決めたのであった。

 

緑谷「オールマイト・・・その子はどうなりますか・・・?」

AM「安心したまえ緑谷少年!これから行く人の所なら大丈夫!後日連絡するからそれまで待っててくれたまえ!」

ヒミコ「緑谷くん・・・ジガルデくん・・・2人に会えて良かったです!今度会えた時はお友達になりたいです・・・」

緑谷「うん!待ってるよ!頑張ってね」

 

ジガルデ『人間やり直そうとする意思があるなら大概はなんとでもなる!また相談したい事があれば来るが良い!』

 

 トガヒミコはオールマイトに着いて行って今後の行く末に身を案じつつ緑谷達は彼女を見送った後特訓と課題をこなす為に再開するのであった。

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