緑谷出久は秩序の守護者と共にヒーローを目指す。 作:KMヒロ
第1話 無個性と守護者との出会い
事の始まりは中国軽慶市、"発光する赤児"が生まれたと言うニュースが取り上げられた。
その日以降各地各世界で「超常」が発見され原因が判明されないまま時が流れる。
いつしか「超常」が「日常」に「架空」が「現実」となった!
世界人口の約8割が何らかの"特異体質"である超人社会となった現代、混乱渦巻く世の中でかつて誰もが夢み憧れた1つの職業が脚光が浴びていた。
『HERO』
今では誰もが夢を見、そしてヒーローを目指すのが当たり前な世の中となっていた。
そして、此処にもヒーローを夢見る少年が一人………
緑谷「お母さーん パソコンパソコン!」
引子「またぁ⁉︎ もー出久だけでこの動画一万は見てるね。お母さん怖くて見れんわ」
緑谷はヒーローの人形をかたてに握りしめながら体を前後に大きく揺らしながらまっていた。
その見たがっていた動画はある古い動画、昔起きた大災害その直後の・・・一人のヒーローのデビュー動画だ
『おい見てるか!⁉︎もう百人は救い出してる‼︎やべぇって‼︎』
『まだ十分も経ってねーーって‼︎やべぇって‼︎』
その時奥から十数人はいるであろう救助者をたった一人で抱え込んで助け出したヒーローが現れた。
AM『 HAーHAHAHAHA‼︎ HAーHAHAHA‼︎』
『めっちゃ笑ってんよ!‼︎』
AM『もう大丈夫!何故って・・・』
AM『私が来た‼︎!』
緑谷「超カッコイイなぁ‼︎僕も"個性"が出たらオールマイトの様なヒーローになりたいなぁ‼︎」
緑谷はその動画を見るたびに夢見ていた。いつか自分にも個性が宿りヒーローを目指すだろうと信じていた。
……だが、現実は残酷だった。
医者「諦めた方がいいね」
ガーーーーーンッ‼︎!
ガシャッ
医者からの無情な結果報告を聞いた緑谷はショックを受け、オールマイト人形を落としてしまった。
引子「そんな・・・!やっぱりどこか悪いんですか?」
引子「他の幼稚園の子たちはもうほぼ発現してるのにこの子だけ・・・」
医者「失礼、奥さんは第四世代ですね?"個性"の方は・・・」
引子「ええもちろん・・・私はちょっとした物を"引きつける"くらいで、夫は火ィ吹きます。」
そう言いながら引子は緑谷の落としたオールマイト人形を個性を使って拾いあげた。
そして医者は緑谷の足のレントゲン写真を見せながら説明した。
医者「本来なら四歳までに両親のどちらかあるいは複合的個性が発現するんだけどね、」
医者「昔"超常"
医者「人間使わんとこは必要ないってなもんでな、無い人の方が"型"としてまァ新しいと!」
医者「出久くんには関節が2つある」
医者「この世代じゃ珍しい・・・何の"個性"も宿ってない型だよ。」
引子「そっそんな・・・・・・」
……ここは緑谷達が居る診察室から続いている通気口の内部、
ジガルデ(まさか少年が無個性だったとわ・・・・・・)
ジガルデは通気口から緑谷の診断結果の様子を見ていた。
ジガルデ(できることなら今すぐにでも少年の個性として現れたいが今出たところで少々ややこしくなりそうだ。)
今ジガルデは通気口の中にいる為そこから飛び出して緑谷に向かったところで自分の個性だと思わせることは出来ない上に警戒されてしまう可能性が高いと思った。
ジガルデ(ともかく一度ここから出て少年の家に向かおう。)
そうしてジガルデは通気口に沿って病院を後にした。
そしてその夜、緑谷の部屋……
緑谷「・・・お母さん」
ビクッ
緑谷「どんなに困ってる人でも笑顔で助けちゃうんだよ・・・」
緑谷「超カッコイイヒーローにさ、僕も・・・なれるかなぁ・・・」
緑谷はオールマイトのデビュー動画を指差し、泣きながら聞いてきた。
引子「・・・・・・・・・・・・・・・っ‼︎!」
ガバッ
引子「ごめんねぇ出久、ごめんね・・・‼︎」
そう言いながら引子は泣いている緑谷を抱きしめながら何度も謝り続けた。
違う、違うんだお母さん。僕が聞きたかったのはその言葉じゃないんだ。
僕にも、僕にも個性があれば・・・・・・
・・・・・・何故だ・・・・・・
ジガルデは目の前の様子を棚の上から見下ろしていた。
何故あの年齢であれほどの辛い思いをしなければならない
あの子が何をした?
ただ他の子と同じように夢に憧れ、ヒーローを目指していた子ではないか
この世界において無個性はイジメによる差別対象で酷ければ家族ですら迫害されてしまう存在なほどだ。まるで無個性は人権が無い、何をしても許されると黙認されてるかの様に......
ジガルデ(幸いこの子の母親はその様子では無さそうだが……)
むしろ無個性になってしまったのは自分のせいだと言わんばかりに今もなお泣きながら抱いて謝り続けているぐらいだ。
ジガルデ(これ以上この状況のままあの子を見ているのは見るに堪えん。)
そう思いジガルデは棚から飛び降り、緑谷の頭の上に乗り移った。
ジガルデ『ぷにっ』
緑谷「ふえっ?」
緑谷は頭の上の違和感に気付き、上を見上げた先には緑色のスライムの様な生き物(?)が緑谷の顔を見下ろしていた。
緑谷「うわぁっ⁉︎何、これ⁈」
引子「出久、それから離れて‼︎」
引子は緑谷を抱きかかえながらジガルデから離れていき、守る様にして警戒した。
ジガルデ『ぷにっ』
ジガルデは離れて行った2人に近づいてそばまで寄ると緑谷に向かってじっと見つめた。
まるで何かを訴えるかの様に……
緑谷「もしかして君は僕の個性なの?」
ジガルデ『ぷにっ!』コクコク
緑谷はおそるおそる聞いてみるとジガルデはそうだと言わんばかりにうなづいた。
緑谷「これが僕の個性・・・君の名前はなに?」
ジガルデ『ぷに!(ジガルデ)』
緑谷「えっ⁈頭の中から声が、ジガルデってそれが君の名前なの?」
ジガルデ『ぷにっ』コクッ
緑谷「これからよろしくね。ジガルデ。」
ジガルデ『ぷにっ』
緑谷はジガルデを抱きしめて泣きながら喜んだ。
引子(・・・よかったわね、出久。)
引子は緑谷に個性が宿っていたことにようやく安堵した。だがそれも束の間今度はある疑問を抱いた。
引子(だけどあんな個性私や夫、そればかりかウチのどの家系の個性とも違う感じがする。)
そう、引子の個性は重力系、父親の個性は炎系である為、自分達とは全く異なった個性の種類によりあの子に何かあってしまったのか心配になってきたのだ。
引子(念のために明日別の病院で再検査してもらいましょう。)
翌日、某病院……
医者「おそらくですが出久くんの個性は突然変異による発現の可能性がありますね。」
引子「突然変異・・・ですか?」
翌日、緑谷を連れて別の病院へ検査に来た引子は医者から聞いたことの無い症状を聞いて戸惑いを隠せなかった。
医者「えぇ、稀にですが生まれた子供がどちらの親の個性も引き継がず全く異なる個性が発現したと言う事例が少なからずですが確かにあります。」
引子「そんな事があり得るのですか?」
医者「個性に関しては未だ解明されていない部分がありますので決して不思議な事ではないのです。」
緑谷は医者と引子の話を隣で聞きながらオールマイト人形と一緒にジガルデを抱きかかえていた。
ジガルデ(予想通り私が個性として立ち振る舞っても大きな問題にはならなさそうだな。)
医者の話から察するに自分の事は"突然変異の個性"として扱われるようだ。
医者「出久くんの個性の種類としては発動型(放出型)に該当しますね。」
引子「発動型ですか?でも自我がある様に見えるんですが?」
医者「こちらも非常に珍しいのですが、自我を持つ個性は少なからずですが確認はされています。」
引子「そ、そうなんですね。」
珍しいとはいえ個性が宿ったという事は出久にとっては大事なことだ。これで皆んなと同じくヒーローを目指す事ができる。引子はそう思った。
医者「それでは出久くんの個性名なのですが他の個性との類似性が無いので自分で名付ける事ができますが何にするか決まっていますか?」
緑谷「‼︎はい、決まっています。」
緑谷は待っていましたと言わんばかりに顔を上げて大きく返事しました。
医者「では、何にしますか?」
緑谷「「ジガルデ」でお願いします。」
こうして緑谷は正式にジガルデを"個性"として登録する事ができ、晴れて皆と同じくヒーローを目指すことが出来る様になったのだ。