「飛行機に乗ってアローラを離れた後、電車を乗り継いで何時間もかけて、ついに……ついに……!!」
揺れる電車の中――、車窓から見える景色に興奮したサトルはバッと両手を伸ばした。
「野山を越えて、見えてくるのはレンガ造りの家屋……ブラッシータウンに! 到着だー!!」
「!」
「!?」
乗客は一瞬吃驚し、その後白々しい目でサトルに視線を送った。
「……」
「……なんだね?」
「……は、はは」
ひそひそ声が木霊する車内で、サトルも気まずい思いをした。
――、
「電車の中じゃあ、変な目で見られちゃったな……よし、気を取り直して王冠集めの手がかりは、と――!」
たまたま物知りそうな老人が歩いていたのでサトルは迷いなく話し掛けた。
「そこのおじいさん! 『すごいとっくん』をする為の王冠を手に入れたいのですが、何か知ってますか!?」
「!……」
老人はサトルの言葉にピクリと反応し、歩きかけた足を止めた。
「小僧……銀の王冠や金の王冠を手に入れる、と……?」
サトルは老人の目に視線を合わせながら、うんうんと目を輝かせて首を何度も振っていた。
「方法は幾つかある……
1つは、ワイルドエリアに行くコトじゃ。ワイルドエリアの穴掘り兄弟に頼んでワットを使って探し当ててもらうか、レイドバトルでボスポケモンから拾う。
そして、もう1つ……」
「うんうん!」
「ここから遥か北に位置するシュートシティ……そのバトルタワーに行き、BPで交換してもらうのじゃ!!!!」
「ナンダッテー!?」
ババーンと老人が右人差し指を突き付けてきたので、サトルは大きな衝撃を受けた。
「あっ。BPはいっぱい持ってたんだった」
「ありゃりゃ……」
「シュートシティってここからどれくらいかかるの?」
「どんなに急いでも、丸一日はかかるかと……」
「えぇー!? そんなに!」
サトルは両手を上げて驚きを表した。
「ほっほ……」
「えーっと……じゃあワイルドエリアは?」
「それなら、この町の電車に乗れば、ワイルドエリア駅まで行けるぞ」
「よっしゃ! すぐに行ってやるぞ! ありがとうございました!!」
そして――、
「よーし。着いたぞ、ワイルドエリア駅! 電車に乗ってばっかりじゃあ、何となく疲れるよな……ん?」
サトルは駅の出口の5メートルほど先の草むらに何かを見つけた。
「何だコレ?」
それは白くて模様のある不思議な光沢を放つリストバンドだった。
「かっくい――。誰のか知らないけど、手に付けてやれ」
『サトルはダイマックスバンドを手に入れた!』
「そうだ! 巣穴を見つければ良いんだよな? ワットがどうとかって……あっ! 何か光ってる穴がある! アレか……!」
サトルはワイルドエリアの巣穴を探ってみた。
『50wを手に入れた!』
「やった、ワット!……ってたったの50じゃあ意味ないか……もっとたくさん手に入れて、何だっけ……何とか兄弟から王冠貰わないと……あの穴もっ! アレ……? なんか柱が……わっ!」
サトルは巣穴の中に転げ落ちていった。
――、
「ここは……?」
「ヴォオオ!!」
「なっ!? でっかいポケモン!?」
『トロッゴンが現れた』
「とりあえず……いけっ! セクシー!!」
「ピィ!」
サトルはセクシーを繰り出した!
ここでサトルは腕のリストバンドの異変に気付く。
「! 何か疼くぞ……このリストバンド。触れてみよう」
すると――、
「ピィィイイイ!!!!」
セクシーが野太い声を上げてダイマックスした!
「あぁぁあああ!? セクシぃぃいい!?」
お久しぶりです。まだ生きてます(笑)
ZAやSVが発売されてからは暫く眠っている方も多いのでは? という剣盾のストーリー回です。
筆者もダイマックス時のあの野太い声には衝撃を受けました。
サトルがちゃんとレイドバトルに順応できるか、お目当ての王冠をゲットできるのか、注目のガラル編、開始です!!