サトル、ポケモンマスターへの道   作:時田総司(いぶさん)

15 / 15
15話目 サトルとストリンダ―

 

「今よ、サトル!!」

 

「うん! いけぇ!! ダイドラグーン!!!!」

 

 

 

「りゅぅうううう!!!!」

 

 

 

 海龍の全身から沸き立つ神秘的な力が紫の翼竜の形になり、野生のストリンダ―に襲い掛かる!

 

「ずどぉぉおお!!」

 

 

 ――、

 

 レイドバトルがひと段落し、スミレがサトルに声を掛けた。

 

「こなれてきたわね、レイドバトル」

「ああ」

 

 サトルがニッと笑った後、海龍の入ったモンスターボールを握りしめながら語り出す。

 

「ダイマックスをしたポケモンは、強さに応じてHPが増幅する。ダイマックス技は、タイプによって追加効果があってダイドラグーンは相手の『こうげき』を1段階下げる。ダイバーンは日照り状態にする。ダイジェットは……」

 

「はいはい、もう全部覚えたのね。それならもう私が教えるコトはないわ。今日はナックルシティに泊まりましょう」

 

 

「えー!?」

 

 

 スミレの提案に、サトルが辺りに響く程の声を上げた。

 

「……何よ?」

 

「また……ホテルだと、もう生活資金が……今日はテントを張って野宿しない?」

 

「……」

 

 スミレはあごに手をやり、少し俯いた。

 

「それもそうね。そろそろ1人で野宿できるようになりたかったところ……かな? 教えて頂戴」

「もちろん!」

 

 2人はワイルドエリアを超えて、ナックルシティへ行き、その街のはずれまで辿り着いた。

 サトルは暖の取り方から教えるようだ。

 

「炎ポケモンが居たら直ぐだけど、居ない時でも良いように焚火の付け方を教えるぞ!」

「うんうん」

「まず、小枝を集め組み上げていく。次は……」

 

 手際よくサトルは焚火を準備していった。

 

「薪を買っておいた方が良いな。最初に使った着火剤も忘れず……」

 

「……なんでそんなに詳しいの?」

 

 

「へ?」

 

 

 スミレの問いに、サトルは思わず目を丸くした。

 そしてあごに手をやり斜め上に視線を送った。

 

「……慣れ、かなぁ? あとは……」

 

「?」

 

「小さい頃、父さんと一緒に山でキャンプすることが多くて、焚火やテント張りはその時覚えた」

 

「へぇー」

 

「火が点いたよ」

 

「わっ、ホントだ……」

 

 

 ――、

 

「パチ……パチ……」

 

 焚火は完成し、火は暗がりを照らしていた。サトルはスミレと一緒に炎に手をあてていた。

 

「次はテントを……」

 

「アンタがいつもでっかいリュック背負っていた理由が分かったわ。私には向いていないかもね」

 

「あぁ……そっかぁ」

 

 サトルは思わずたじろぐ。しかし、手を止めずにテントを張っていった。

 

「ふぅ……完成」

 

「1回じゃ覚えらんないわね……ちょっと待って! 私のテントは!?」

 

 ここで2人は重大な問題に気付く。

 

「あ……持ってないか……」

 

「当り前よ! 1人で設営できないモンを、何で私が持ってんのよ!?」

 

 

 ――、

 

 夕食を済ませた2人は、互いに背を向けるようにテントで転んでいた。

 

「……ちょっと」

 

「!――はい?」

 

「背中にアンタの服が当たんないよう、ポケモン挟んで。1番カワイイ奴」

 

「はい……」

 

 

「ピッピぃ!」

 

 

 背中のクッション役はセクシーに決まった。

 

 2人は気まずさと緊張で、中々寝付けない。

 

「ピィ……?」

 

 セクシーは状況が呑み込めず、混乱状態になりそうだった。

 

「……スミレ?」

 

「!……何よ?」

 

 気まずさの為か、サトルは思い切ってスミレに話し掛けた。

 

「改めて……だけど、何でお金が必要なの? 話したくなかったら、良いけど……」

 

「……お母さんがね」

 

「!」

 

 サトルは身構えた。

 

「昔から身体が弱くて、最近重い病気にかかっちゃったの。その、治療費……」

 

「なっ……なるほど」

 

「分かった? もうこれ以上は詮索しないでね」

 

「スミレ……」

 

「!」

 

 スミレはピクリと反応し、両手で拳を作って震えていた。

 

「オレ……困った時は絶対力になるから」

 

「!……そう(ホント……馬鹿なんだから……)」

 

 両手の拳は解かれ、胸を包んだ。

 2人を挟んで、セクシーはすやすやと眠っていた。




 いつも読んでいただきありがとうございます、時田総司です。

 少しだけ明かされた、2人の過去――。
 サトルがアウトドアな理由や、スミレが抱えている問題が、お分かりになったかとと思います。この勢いで、シゲオの過去もいつか!?

 PS.ガラル編を書くために、switch起動してプレイしています。進化縛りしたらきつくて胃に来ます。

 次回も、お楽しみに!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

親愛なる弟へ(作者:アオイ)(原作:ポケットモンスター)

マサラタウンから旅立って3年……ついに私はリーグ優勝を果たした。▼そして今年は親愛なる弟がマサラタウンから旅立つ年だ。▼弟の旅を幸せにする為にも憂いを絶とう。▼親愛なる弟へ……最高の旅を送りなさい


総合評価:16/評価:-.--/連載:3話/更新日時:2026年06月20日(土) 08:00 小説情報

ドラゴンクエストⅤ 転生したらパパスだった件。(作者:兎深みどり)(原作:ドラゴンクエストV 天空の花嫁)

駅のホームで子どもを助け、命を落とした現代人の男。▼目覚めた先は、ドラゴンクエストⅤの世界。▼しかも彼は、主人公の父パパスとして転生していた。▼この先に待つ未来を、彼は知っている。▼ゲマ。▼ラインハット。▼奴隷生活。▼サンタローズの崩壊。▼そして、パパスに待ち受ける死の運命。▼一度死んだ身で、パパスとしてもう一度死ぬなど冗談ではない。▼だが、幼い息子と出会っ…


総合評価:671/評価:6.95/連載:42話/更新日時:2026年08月11日(火) 08:00 小説情報

ヒトヒトの実幻獣種 モデル"両面宿儺"(作者:ただねこ)(原作:ONE PIECE)

これは生まれ落ちれば大抵地獄の(語弊)ONE PIECE世界に転生した、1人の男の話。▼ワノ国の寂れた村に生まれた転生者が食した悪魔の実のモデルは、なんと両面宿儺。▼しかも呪術廻戦の両面宿儺の力が使えるらしい。▼「……死ぬのは嫌だ」▼生きる。好きに生きる。▼その想いを胸に、のし上がる!


総合評価:824/評価:6.31/連載:22話/更新日時:2026年08月10日(月) 15:25 小説情報

ポケモン現代入り(作者:ささみ)(原作:ポケットモンスター)

▼ よくあるポケモン現代入り系作品です。それ以上も以下もないよ。


総合評価:15065/評価:8.42/連載:86話/更新日時:2026年08月10日(月) 22:30 小説情報

映像機画版携帯獣世界転生物語(作者:こうすけ増田劇場版)(原作:ポケットモンスター)

なんか知らんがアニポケの世界に転生してた。


総合評価:2273/評価:7.36/連載:29話/更新日時:2026年08月09日(日) 00:05 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>