サトル、ポケモンマスターへの道   作:時田総司(いぶさん)

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3話目 サトルとニドラン♂

 前日、遂に相棒のカイリューに『海龍』と名付けたサトルは、ポケモンセンターのPC(ボックス)を目前に、悩みに悩んでいた!

 

「うーん、迷うなぁー。どいつが良いのか……」

 

 サトルは、2匹目のパートナーを誰にするか、ボックスに眠っているポケモン達を眺めていた。

 しかし、その数は1ボックスのみ! ポケモントレーナー初心者のサトルは、ろくに図鑑完成など、できてはいなかったのだ。

 

「いやしかし、それにしても……」

 

 しかもサトルのポケモンは、居合い切りコラッタ、フラッシュコイル、空を飛ぶポッポなど、移動用秘伝要員ばかりだったのだった!

 

「戦えそうな奴が居ねぇー!! あっ、リザード……」

 

 そこには初めて出会った、中途半端に1回だけ進化した元・ヒトカゲがひっそりと腰を下ろしていた。

 

(見なかったコトにしよう……)

 

 サトルはそっとボックスを閉じた。

 

 

 ――、

 

『ここは3番道路』

 

「よーし、心機一転だ! 新しいポケモンを見つけて、捕まえるぞー!! さあ、どんなポケモンが居るのかなーっと!」

 

 サトルが辺りの草むらを探索していると、小さなポケモンの影が……!

 

「!」

 

 

「ニドッ!!」

 

 

『ニドラン♂が現れた』

 

「おお、ニドラン! コイツはいずれ強くなりそうだ。2匹目の相棒はコイツだな! いけぇ! ハイパーボール!!」

 

「ポワンっ! ……」

 

 サトルはフンパツして買っておいたハイパーボールを颯爽と使い、ニドラン捕獲を試みるが……。

 

「カチッ」

 

 

『ニドラン♂をつかまえた』

 

 

「よーし! あとはニックネームを……?」

 

 2匹目の相棒に名前をつけようとするサトルだったが、1つの疑問に辿り着いた。

 

 

 

(何てニックネームにしよう……?)

 

 

 サトルは、近くの石の上で考え込んでしまった。

 

 

 10分後――

 

「うーん」

 

30分後――

 

「うーん」

 

 1時間後――

 

「うーん」

 

 2時間後――

 

 

「カァーカァー」

 

 

 気付けば辺りは真っ暗になっており、ヤミカラスが空に向けて鳴き声を上げていた。

 遂にサトルは重い腰を上げる。カッと両の目を見開いた彼は、声を大にして言うのだった。

 

「よし! 決めた!(やっと)ニドラン♂のニックネームは『ぼっちゃん』だ!!」

 

『ぼっちゃんを手持ちに加えた』

 

「さて、日も暮れたし、この辺で暖を取るか……。まずは明かりが必要だな。有ったかな……? 有った有った!」

 

 サトルは大きなバッグからガサガサと何かを探し出した。それは焚き火用の着火剤だった。

 次にサトルは小枝を集め組み上げていく。ある程度小枝が集まったら、中心から火が点くようにし、ライターで着火剤に火を点けた。火は小枝に燃え移っていく。

 

「よし! 着火成功!!」

 

 火が少し起こったら、次にサトルは薪を取り出した。サトルはそれを、火が消えてしまわないよう、慎重に組んでいき、火を更に燃え移らせた。

 

「――、よし! 火は点いている!」

 

 

――、

 

「パチ……パチ……」

 

 焚火は完成し、火は暗がりを照らしていた。サトルは海龍、ぼっちゃんと一緒にその温かさを感じていた。

 

 

「ぐー」

 

 

「! へへっ。そろそろメシかな?」

 

 腹の虫が鳴ったので夕食を作るコトにした。

 メニューはカレーのようだ。ミニキッチンテーブルで固定した、シングルバーナーで、切った野菜などの具材を煮込み、ルーを入れ混ぜていく。空いたお腹を、更に空かせるような、香りだけでも美味しそうな匂いが辺りに漂っていた。

 

「隠し味にミツハニーの蜜とモーモーミルクで作ったヨーグルトを入れて……よし! 完成だ!!」

 

 鍋いっぱいに、3人分のカレーが完成した。

 

「いっただっきまーす!」

「リュー!」

「ニドッ!」

 

「……」

「……」

「……」

 

「うまー!!」

「リュー!!」

「ニドッ!!」

 

 1人と2匹は、秒でカレーを平らげた。

 

 

 ――、

 

 夕食を済ませたサトル達は、寝床を確保するべく、テントを設営し始めた。それなりの期間、野宿生活をして来たサトルは、手慣れた様子でテントを組み立てていった。

 

「フー。春だってのに、夜はまだ寒いな……テント建てたら、薪を追加しよう……。よし、できた!」

 

 テントが完成した。

 サトルは、海龍とぼっちゃんをモンスターボールに入れずに、一緒にテントの中に入り、焚火の温かさを感じていた。

 夜空を見上げるサトル。田舎の空はよく澄んでおり、星空が夜景よりも明るく広がっていた。ブルブルっと身を震わせる1人と2匹。

 

「海龍、ぼっちゃん。次は炎タイプのポケモンを仲間にするかぁ……」

 

 夜が更けていった。

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