サトル、ポケモンマスターへの道   作:時田総司(いぶさん)

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5話目 サトルとニドキング

「おっしゃあ! ボーイも火炎龍もレベル20を越えて絶好調!! と、いうコトで!」

「ニド!」「ガォン!」「リュー!」

 

 サトルと3匹はまじまじと顔を見合わせた。そして勿体ぶったサトルは口を開く。

 

「ダンジョン『お月見山』に、突入だ――!!」

「ニドー!!」「ガァー!!」「リュー!」

 

 サトルと3匹は元気いっぱいに右腕を上げた。

 

 

~お月見山~

 

 サトルは鼻息を荒げながらルンルン気分で散策をおこなっている。

 

「お月見山! 良いなー、この雰囲気。冒険してる感じが良い! 丁度良いんだよな。イワヤマトンネルは二度と行きたくないし、双子島に至ってはわざわざセキチクシティから行かなくても、マサラタウンからグレン島に迂回してたもんなぁ。……おっ!」

 

『野生のズバットが現れた』

 

「――!」

 

「ズバットか! 超音波で鳴いているんだよな……努力値もすばやさに振れるし、ここではズバットを倒していこう! 行け、ボーイ! つので突く!!」

 

「ニドォー!!」

 

 

 ――、

 

『ズバットを倒した!』

 

「よし! 問題なく倒せるな! 傷薬もあるし、大丈夫そうだ。前に来た時は素通りした場所も、今回はしっかり探索していこう!」

 

 サトルはズバットを倒しながら、隅々までお月見山を探し歩く様だ。

 

 

 ――、

 

「! アイテムだ! 何だろう……?」

 

『月の石を手に入れた』

「月の石……? どうやって使うんだろう……? おっ、ボーイが反応している。よし!」

 

 サトルはおもむろに、ボーイに月の石をかざした。

 

「グググ……! カッ!」

 

 ボーイの身体が段々大きく成長していく。四足歩行だったその身は、徐々に直立していくように見え……身体全体が光に包まれた。

 

 

「えっ!? えぇ――!?」

 

 

『おめでとう! ボーイはニドキングに進化した!』

 

「えー!? えー!?」

 

 サトルは、目の前の現実を受け入れられないでいた。

 

 

 ――、

 

「……(放心状態)」

 

 ふと、サトルはボーイ(ニドキング)へと視線をやる。

 

「ギャース!!」

 

「ハッ……」

 

そこには(雄々しく)変わり果てた姿のボーイが居た。

 

「ちっ……(違うだろ……。苦楽を共にした仲間と、切磋琢磨しながら強くなっていく……それが今や……)」

 

 

 どーん。

 

 

 ボーイは悠然と構えていた。

 

「……」

 

「ギャース!!」

 

「……と、とりあえずニックネームを変えとくか……。明らかに『ボーイ』ってガラじゃないし……『おとん』にしよう。♂だし」

 

『サトルのパーティはまた強くなった!』

 

 フーと、溜め息を吐いたサトルはまじまじとおとんを四方八方から見回しながら言うのだった。

 

「こんなに強そうな見た目だけど……技がつので突くとかじゃあなあ……そうだ!貧乏性になって使わなかった技マシンを調べてみよう……!!」

 

 サトルは全身に雷が落ちるほどの衝撃の事実に気付く。

 

「10万ボルト! 使える? 冷凍ビーム! 使える! 火炎放射! 使える!!!? 何なんだ、おとん!? 何でも覚えるぞ! 相当強いんじゃないか!?」

 

 サトルは下を向き、フルフルと震えたかと思うと、鼻から大きく息をして、胸をドンっと叩いた。

 

「……っぱな! 一気に強くならないとポケモンじゃないよな、うん! おとん最強!!」

 

 先程まで放心していた男とは思えない。

 

「一気にポケモンマスターへの道を、コイツと一緒に駆け上がるぞー!! ん?」

 

 と、そこで――

 

 

「カタッ」

 

 

 サトルの腰にセットしてあるうちの、1つのモンスターボールがこっそりと動いた。

 

「あっ。火炎龍……」

 

 ボールの中の火炎龍は、ジト目になりながらも、片目にうっすらと輝くモノを浮かべていた。

 

「あっ……あのっ、えーと……火炎龍……くん? もちろん、お前のコトも、置いてかないからな(汗)」

 

「ガタッガタッ!」

 

 火炎龍は、自分のコト絶対忘れてたろ!? と、涙目の怒りモードに。

 

「あはははは(汗)。でも……早く最終進化すれば良いなー。レベル30くらいかな?」

 

「ガタッ! ガタッ!!」

 

 火炎龍は、更に怒りを増していった。

 

「何でだよぉ? 技の『いかり』なんて覚えてたか?」

 

 

 説明しよう!

 リザードがリザードンになるのは、レベル36になってからなのである!!

 

 火炎龍の言わんとするコトを理解し兼ねたサトルは、やれやれどうしたものかと、右手で額の汗をぬぐいながら言うのだった。

 

「まぁ良いか……。これから火炎龍を先頭に出して戦っていこう。しっかり育てるぞ!!」

 

 

 ――、

 

「だいぶん探索できたな。アイテムも揃ってきたし……。あれっ!? あいつは……?」

 

 サトルの視線の先には、黒づくめの大人が棒立ちしていた。

 

「まさか……ロケット団!? 解散したハズでは……!? は……話し掛けてみよう」

 

「くそ! なかまが だまっちゃ いねえぞ」

「ファ!?」

 

 初代ポケモンの世界観では、お月見山のロケット団は中々アジトに帰らなかったり、早々に更生してなかったりする!

 

 サトルは割り切って無視するコトもできずに、未だに律儀に活動するロケット団全員に話し掛けてみるコトとした。

 

「にんげんがうまれるまえから このあたりには ポケモンがすんでた らしいぜ」

「あっ、ハイ……」

 

「おれを おこらせた おまえは ロケットだんの ブラック リストに のるぜ」

「そ……そうですね……」

 

 サトルはそっと目を閉じた。

 

(アイツらについて、考えるのは止めよう)

 

 

――、

 

「うーん。月の石とかアイテム見つけられたけど、あのロケット団達何だったのだろう……?」

 

 腕を組み首を傾げるサトルの前に、ナゾの影が!!

 

 

「ピッピ!」

 

 

『ピッピが現れた』

 

 その可憐な姿を前に、サトルは思わず目を奪われる。

 

「何だね君はぁ!?」

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