サトル、ポケモンマスターへの道   作:時田総司(いぶさん)

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6話目 サトルとピッピ

 今宵は月曜日の夜――、雲一つない空にはまん丸の大きな満月が夜道を照らしている。

 

「ピッ!」「ピピッ!」「ピィ!」「ピッピ!」

 

 こんな夜には、お月見山でピッピ達がお月見を楽しみながら舞い踊ると言われているのだ!

 

「ピッピ!」

 

 

「何だね君はぁ!?」

 

 

 一方でサトルは野生のピッピの1匹と遭遇していた!!

 

「なっ……!?(何だ、このカワイイ生命体は……? 初めて見た……。事と次第によっちゃあ、あのピカチュウよりも、人様の趣味嗜好の違いによれば、ピカチュウよりもカワ……魅力的では!?)」

 

 フルフルと震えたサトルは、半自動的に火炎龍の入っているモンスターボールを構え、戦闘態勢に入った。

 

「ポンッ!」

 

「ガア!! ……!?」

 

 元気良くボールから出ていく火炎龍だったが、サトルの様子にすぐに疑問を抱いた。

 

(まず弱らせ……られない。こんなにカワイイ生命体を……傷付ける!? 無理だ! 俺にはできない……ボール……ここはプレミアボールしかない!!)

 

「ガ……ガア?」

 

 完全にうつつを抜かしているサトルに、完全にハテナ顔になってしまった火炎龍。しかしサトルは僅かな正気を振り絞って指示を出すのだった。

 

「良いか? 火炎龍……何もするなよ……? 絶対に手を出してはいけない……傷付けてはいけないからな?」

 

「ガ……ガア」

 

 コクリと、火炎龍は多少の疑問を持ちつつうなずいた。そしてサトルはサッとプレミアボールを構えるのだった。

 

 

「いっけぇ!! プレミアボール!!」

 

 

「ポワン……ポンッ!」

 

 ピッピはボールから出てしまった。

 

「あぁ! 捕まえたと思ったのに!」

 

「ピッピー♪」

 

『ピッピのうたう』

 

 ピッピの反撃が、火炎龍を襲う。

 

「ガァ!」

 

『しかし火炎龍には効かなかった』

 

 冷静さを取り戻そうとするが取り戻せないサトルは、心の中でそっと呟くのだった。

 

(よし、1投目で捕まえられなかったけど、火炎龍はピッピの反撃を避けるコトができた。『うたう』か……)

 

「ピィ?」

 

 サトルはピッピに視線を送る。

 

 

 

(歌ってほしい……!

 

 

 あんなにカワイイ生命体、是非俺に向けて歌ってほしい……!!!)

 

サトルはやっぱり冷静さを取り戻せないでいた!

 

「(絶対無傷で捕まえるぞ!)いけっ! プレミアボール!!」

 

 

 5分後――、

 

「いけぇ! プレミアボール(涙)」(9投目)

 

「ポンッ! ……カチッ!」

 

『やった! ピッピを捕まえた!』

 

「よぉ――――っし!!!!」

 

 サトルは両拳を握りしめ、決勝ゴールを決めたストライカーのパフォーマンスを魅せた。

 

 

 ――、

 

「さぁーて、ステータスを見ようっと」

 

 サトルは、図鑑を確認しピッピの様子を隅々まで舐め回すようだ。

 

「レベルは12……なるほど。性別は♀! いいね! ニックネームを決めてやろう。へへっ、こんなカワイイポケモン、進化したら……」

 

 

(回想)

 

「よし、決めた!(やっと)ニドラン♂のニックネームは『ぼっちゃん』だ!!」

 

 

 ――、

 

『おめでとう! ボーイはニドキングに進化した!』

 

「ギャース!」

 

(回想終了)

 

 

「……し、進化して変なのにならないよな? よ、よし! 進化しても魅力的なポケモンでいてくれるように『セクシー』にしよう!」

 

『セクシーが手持ちに加わった!』

 

「よろしくな、セクシー!」

 

「ピィ……?」

 

 セクシー(ピッピ)は、サトルのネーミングセンスに困惑していた。

 

 

 ――、

 

「光がさして来た! 出口だ!!」

 

「カッ」

 

『ここは4番道路』

 

「やっとお月見山を越えたぞー!! もう周りも真っ暗だ。この辺で暖を取ろう」

 

 以前、焚火で明かりを作っていたサトルだったが、今回は火炎龍のしっぽの炎を明かりにし、テントを張っていた。

 

「ありがとうな、火炎龍」

 

「ガァ♪」

 

 同じ旅路を歩んだ2人は、心なしか信頼関係が強くなっているように見える。

 

「ふぅ、できた。皆、夕飯作るぞ!」

 

「リュー!」「ギャース!」「ガァ!」「ピィ!」

 

 サトルはカレーを作り始めた。定番のメニューなので、手慣れた手つきで具材を切り、鍋に入れて火炎龍の火で煮込んでいく。暫くして、空腹のお腹が更に鳴り出しそうな香りがするカレーが出来上がった。

 

「いつものじゃあ皆飽きないかな? よし、トッピングの要領で味を足してみるか。香辛料が欲しい人――!」

 

「ギャース!!」「ガァ!!」

 

 サトルの提案に、おとんと火炎龍が元気良く右手を上げて答えた。

 

「そうか、2人には辛口のカレーをあげよう。甘いのが良い人――!」

 

「ピィ!」

 

 今度は、セクシーが元気良く右手を上げた。

 

「セクシーは甘いのが食べたいんだな。よし、ミツハニーの蜜をと……海龍はそのままで良いのか?」

 

「リュー♪」

 

「ポケモンって好みの味が違うんだな……皆の好きな味を覚えておくよ。じゃあ、いっただっきまーす!」

 

「リュー!」「ギャース!」「ガァ!」「ピィ!」

 

 1人と4匹は元気良くカレーを食べ始めた。

 

 

 ――、

 

「フー、食べた食べた。多く作ったから、残りはタッパーに入れておこう。皆、寝るぞ!」

 

 テントの中にサトル、海龍、おとん、火炎龍がしっぽだけ外に出して、セクシーが寄り添っている。

 

「火炎龍のお陰であったかいな!」

 

「ガァ♪」

 

「火炎龍……早く最終進……化……」

 

「ガァ?」

 

「スー……スー……」

 

 サトルは寝言を言いながら眠りに就いた。




 サトルのネーミングセンスについて、誰か一緒に話し合いましょう。

 カレーの好みの味については、色々調べて調整していきます。海龍の味の好みが、合っていなくても心配しないでね 


 PS.投稿寸前まで、プレミアボールをプレシャスボールって書いてました。

 ど う や っ て 投 げ る ん だ よ ?
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