こんにちは、もう一方の方なにやってんだ
と言われるかもですが、
あちらは近いうちにリメイクして
だしますので。
頑張って更新していきたいとおもいます。!
ーーーーその戦いは苛烈を極めた。
空に浮かぶ逆さの城での戦い。
その所業から、魔王と呼ばれた男。
後に、世界一の魔法使いと呼ばれた少年。
そして、少年に寄り添い支え続け、世界を背負った魔法使いと呼ばれるに至った青年。
暴力的な魔力の奔流が渦巻く中、苛烈を極めた戦いは終着をみせた。
青年の発動した水の魔術に、飲み込まれまいとした男の一瞬の隙。
その隙をついて少年が氷の魔術を発動。
が、その時を狙っていたかのように男が口元を歪めて笑う。
男が発動した闇の刃を生み出す魔術の前に、少年は己の死を覚悟した。
その時ーー
ザシュッっと、耳障りな音が響き、少年が目を開けると、割って入った青年が自らの体で刃を受け止めていた。
青年は泣きそうな顔をした少年に語りかける。
「んな顔すんなって。覚悟して飛び込んだんだぜ?むちゃくちゃいてぇけどな!なぁ、ジオ、最後かもしれないから言うけどよ、俺、お前にすっげえ感謝してんだぜ?あの日、右も左も分からないで途方にくれてた俺をお前と爺ちゃんが暖かく迎えてくれたから今の俺があるんだ。あーー…これが走馬灯ってやつか。なぁジオ、いままでありがとうな。ここでお別れだけど、絶対、またいつか会えっから。さぁてと、最後の魔法といきますか!!」
その瞬間、青年の腕に禍々しくも神々しい模様が浮かび、瞬く間に身体中に広がった。
「じゃあな、ジオ。」
青年の体が光となり、自身の身体を貫いていた刃と男を光に包んでゆく。
そしてーーー
ドウンッッッッッ!!!!
衝撃と共に男を粉砕した青年は、光の粒子となり、溶けていった。
ーー起きてくださいーーーー
ん?
青年は誰かに呼ばれたような気がして目を覚ました。
「あれ、俺生きてる?しんだはずじゃ?しかも何処だここ?」
見渡す限り白しかねーな。
そんな時、
「ええ、あなたは死にましたよ。だからこそ、私がここまで連れてこれたと言うわけです。」
青年のそばに、美しいとしか形容できない女性が立っていた。
「あんたは……?」
「私はあなた方で言うところの神、という存在ですね。」
「そーか…まあ魔法があるくらいだ、神様がいたっておかしかねーな。で?なんで俺を呼んだんだ?」
「あなたにお礼を言いたかったのですよ。世界を救ってくれてありがとう、と。」
「いやなに、1度 死 ん だ 俺をあの世界に生まれ変わらせてくれたお礼みたいなもんだ」
そう、青年はすでに1度転生をしており、今回迎えたのが2度めの死というわけだ。
「そうですか。それと今回あなたを呼んだのはもう1度転生を果たしてもらうためです。世界を救ってくれたご褒美、ということで。」
「それは願ってもない話だがよ、一つだけ教えてくれ。」
「なんでしょう?」
「ジオは、あの世界はどうなったんだ?あいつら、元気か?」
「はい、それはもう。貴方が救った世界は平和を迎えていますよ。ジオ君も元気に過ごしてます。」
「そーかい。なら良かった。
んで?俺が生まれ変わる世界はどんな世界なんだ?」
「あなたが退屈しない世界だと思いますよ?
ただ一つ、お願いがあります。あなたが行く世界でどんな運命をたどるのかわかりませんが、一つだけ。ウサ耳の女の子を助けてあげてください」
「おう、わかっ……ん??ウサ耳!?俺どんな世界に行くの?!?」
「沢山の思いを受け止めて頑張っているいい子ですから、よろしくお願いしますね。そうそう、貴方の使える魔法ですが、さすがですね。貴方の魔法はその魂にまで刻まれている。新しい世界にいっても今まで通り魔法は使えるでしょう。」
「わかった、いろいろサンキューな、女神さま。」
「これは私からのちょっとしたギフトです。」
そう言って女性は手を青年に翳すと、青年を柔らかな光が包んだ。
「貴方に翼を授けました。困難に打ち勝てるように」
「ありがとな、女神さま。じゃあ俺、そろそろ行くわ。」
青年はそう言って、自負の目の前に空いた扉に入っていった。
「貴方の運命に祝福があらんことを。頑張ってくださいね、世界を背負った魔法使い、さん。」
こうして青年、カエデ・ハルカゼは生まれ変わりを果たした。
「バ、バブーー〜!(なんで赤ん坊になってんの俺ーーーーー???!!?)」
……前途は多難であるようだが。
そして、数年後ーーーー
俺が転生を果たしてからもう17年になるかー
と、カエデは河原に寝転んでボンヤリと思う。
正直、カエデは騙されたと思っていた。
何故なら、
「うれしいっちゃうれしいんだけど…思いっきり、普通の、最初に生まれた世界だわさ。つっても、時々違う世界に行ったりしてるから、まあいいのか?」
魔法は使える。俺が昔使えてたやつは大体使えてるなー。他の世界に遊びにいったりできるし。あー、そういえば少し前にちょっとだけ力を出して見ようか、とか思って島一つ消しちゃったんだよなーあれはやばかったわー。
それに、あの人はどうしてるかねー。
などと思いながら、ここ最近の自分を振り返る。
実はカエデ、赤ん坊として生まれたはいいものの、両親はすぐに蒸発。その後、当てもなく世界各地を旅してまわり、カナリアという女性に拾われ、カナリアファミリーホームに転がり込んだ。学校は割と真面目に通っている。不真面目な 弟 とは違うのだよ俺はーなどと思っているとーーーーー
「オレも混ぜろやゴルァァァー!!!」
という声の後、
ズドンッッ!ドガンッッ!ゴシャッッ!
と、河川敷がまるで爆撃にでもあったように吹っ飛んだ。
あぁ、またかー
と思いつつ、爆音がした方をみればやはり、弟分の、逆廻十六夜が笑顔で石を馬鹿げた速度で投げていた。
「十六夜ー、帰るぞーー」
「アァ!?今いいところ……なんだ、兄貴か」
「なんだとはなんだ。ほら、今日はホームに呼ばれてんだろ?早くいこーぜ?」
「あ、そーだった。しゃーねえな、行くか」
「あ、お帰り、イザ兄、カエデ兄。」
「おう、焰、ただいま。」
「よう焰、元気にしてたか?」
「まあね。2人にお客さんきてるよ。なんか、変な服きた胡散臭い人が」
胡散臭い人?
十六夜とカエデは顔を見合わせた。
とその時、
「やあやあ、逆廻十六夜君に、春風カエデ君だね?」
と、燕尾服に山高帽をかぶった男が話しかけた。
「私はクロア・バロン。君たち2人に手紙を預かってきているよ。」
と言って、クロアは十六夜には分厚い紙束、カエデには2通の封筒を押し付けた。
そしてクロアはカエデに近寄り、
「一通は女神さまからのものだ。一人になって開けたまえ。」
目を見張るカエデを残して、
「さあさあ十六夜君、こちらへこちらへ。」
と、十六夜を引っ張っていった。
何はともあれ、封筒を開けてみることにする。
「17年前にお会いしていらいですね。貴方には随分と退屈な思いをさせてしまったようです。と言っても貴方は時々異世界へ渡航してたみたいですがね。
さあ、ここからが本題です。もう一通の封筒には異世界への招待状が入っています。友達も家族も全て捨てて、別の世界へ。貴方の助けを必要とする人達がいる世界へ。
さあ、行きなさい。世界を背負った魔法使い。」
手紙を読み終わった時、胸に湧き上がったのは、どうしようもない興奮だった。
自分が何者であるのか。
何をしたいのか。
それにーーー
「またあの人に会えるかもしれねーしな。ハハッ嘘じゃなかったってか。愛してるぜ神様!!」
そしてカエデはもう一通の封筒を開けた。
「悩み多しギフトを持つ者よ、その力を試し、ふるいたくば、家族を、友人を、財産を捨てて、我らの箱庭に来られたし。」
目の前が光に包まれ、目をあけるとーー
抜けるような青空。
幾つもの街が重なりあい、
その中心を貫く一本の軸。
世界の果ては滝のように水が流れている。
「ハハハハッッ超!!ファンタジーってか!?ここが新しい世界か!!」
落下しながら男ーーカエデ・ハルカゼは
ようやく始まった世界に、言い知れぬ喜びを感じていた。
次回から箱庭入りです。
感想、お待ちしております。