初めての方ははじめまして。
ずっと投稿できてなかったのですが、今日から再開していきます!
といっても不定期更新となりますので、気長に待っていただけたら幸いです。
サウザンドアイズ支店にて、白夜叉とカエデがしみじみとした会話を行っていたころ……
「着きましたよ、ここが私たちノーネームの本拠、デス…」
「「「っ……」」」
異世界から来た3人はその地の荒れ様に、言葉を失う他なかった。
「…黒ウサギ、魔王との戦いがあったのは、いまから何千年前の話だ?」
「…わずか数年前のことでございます」
「へえ、そりゃすげえ。…断言するぞ、どんな力がぶつかったって、こんな壊れ方はありえない。どうみたって膨大な時間をかけて自然崩壊したとしか思えない。」
「…それほど力のある魔王だったのでございます。」
「…天災、か……」
「「…」」
暗い雰囲気が全員を包む。
「さ、さあ、暗い話はここまでにいたしましょう。まずは居住区画に向かわないといけませんね。ここから少し歩くことになるのデスが…」
これから挑むことになるであろう魔王の強大さをそれぞれが胸に刻み、3人と一匹は、本拠の館へと向かうのであった。
「案外遠かったな、ここまで」
「おう、兄貴おかえり」
「ようこそノーネームの本拠地へ、なのデスよ!」
「あぁ…なんでお前らそんなに濡れてんだ?」
「…いろいろあったんだ…」
「デスよ…」
黒ウサギが水樹の苗をとくタイミングを間違ってしまい、十六夜が瀑布のごとき水に飲み込まれたとか、それにプッツンした十六夜が黒ウサギの耳をつかんでイイ笑顔で水路に投げ入れたとか、そんなことがあったとか、なかったとか。
「んで、いまから女子どもは風呂か」
「はいな!飛鳥さんと耀さんは一足先に入っているのデスよ!ですが、ホントによかったのですか?黒ウサギたちが先にお風呂つかってしまって」
「いいっていったろ?兄貴もいいよな?」
「ん?…あぁそうだな、俺は構わねえよ」
「…さてと、外の奴らと話してくるかねえ」
「…兄貴も気づいてたのか?」
「当たり前だ」
ところ変わって館の外。月が輝き、風がそよぐ静かな夜に。
外に潜んでいた賊をあっという間に叩き出した十六夜とカエデは、ちょうどその場に居合わせたジンもあわせて、賊に向かって宣言していた。
「このジン=ラッセルが、魔王を倒すコミュニティを創る!だから安心してくれ!」
「何を!?」
「ほ、本当か!?」
「あぁ、それを明日のゲームで証明してやるから、楽しみにしてろ」
「なんてことをしてくれたんですか!?」
「別に気にすることでもねぇだろ?打倒魔王が打倒すべての魔王とその関係者に変わっただけだ」
「それがどういう意味をもつかお二人はわかっているのですか!?」
いくら巨大な戦力でもコミュニティを危険にさらす人材を招き入れるわけには―――――
「わかってねぇのはお前だ、坊ちゃん」
カエデのさすような視線にジンは肩をすくませる。
「いいか?今の俺らにいっちばん足んねぇのは人材だ。俺や十六夜並とはいわねえけどな、俺らの足元並の人材くらいは欲しいんだわ。が、その人材を集めるための実績やらネームバリューが俺らにはねえんだよ。なんせ、ノーネームだからな。んでも、もし、俺らのコミュニティが打倒魔王を掲げ、一度でも勝利できたなら、それは大きな意味をもつだろ?」
「…他の、打倒魔王を志すものにも届く、というわけですね」
「そういうことだ。ま、あとはネームバリューにできるものがリーダーの顔くらいしかねえんだけどな。」
「わかりました。ただ一つ、条件があります。明日、サウザンドアイズ主催のゲームに、僕たちの元仲間が出品されます。其の方をお二人で取り戻していただきたい」
「へえ、俺らの実力を図ろうってとこか?」
「いいぜ、おチビ。あ、それとな?」
「はい、なんでしょう?」
「明日のガルドとのギフトゲーム、負けたら俺と兄貴、コミュニティ抜けるから。」
「はい………って、ええ!?」
とのやりとりがあったものの、ギフトゲームは無事ノーネームの勝利に終わった。春日部耀が負傷したものの、カエデが作りだしたどす黒い色の水を、
「飲めや。」
「え、色が」
「飲めや。」
「…」
「飲め。」
というやりとりのおかげで、すでに全快している。
十六夜とカエデはサウザンドアイズ主催のゲームに参加しようとしていたのだが、
「それで、巨額の買い手がついたから、ゲームは中止、だと?」
「はい…申し訳ありません。」
「商業コミュニティだから仕方ないってのはわかるが、エンターテイナーとしちゃ三流にすらとどかねえな。」
十六夜が吐き捨てる。
「サウザンドアイズは群体コミュニティですからね。白夜叉様とはまた別の派閥が主催していたのでしょう」
「ところで、兄貴はどこいったんだ?さっきから姿が見えねえけど」
「ああ、カエデさんでしたら、先ほどサウザンドアイズから呼び出されてましたから、そちらの方にいかれたのでは?」
ところ変わって白夜叉の自室。
「んだよ、いきなり呼び出して」
「すまんの。ちょいとあるヤツから手紙をもらっての。顔を合わせるのも嫌なヤツなのじゃが…ああも必死に頼みこまれてはの。おんしに一つ聞きたいことがあるのじゃが…」
「?」
「クイーン・ハロウィンという名に聞き覚えはあるかの?」
数年ほど前、春風カエデはある一つの魔法を行使し、異世界へと旅行気分ででかけたことがあった。その先で出会ったのだ。明らかに人間とは異なる気配を漂わせる、黄金色の少女に。それから紆余曲折をへて、2人は親交をかわしたのだ。
その少女の名前こそ、クイーン・ハロウィン。カエデがもう一度会いたいと願っていた、一人の少女である。
「この世界にあいつがいるのか!?」
「やはり知り合いか…まあよい、細かくは聞くまい。この手紙を開いたら、あやつのコミュニティの本拠地まで転移できるようになっておる。はやくいくがよい。」
カエデは一瞬のうちに、転移していくのだった。
「やれやれ、あのクイーンの思い人が、”世界を背負った”恩恵をもっていたとはの。確かにお似合いの2人ではあるかの、2人とも金色じゃし」
そこかよ。
ところ変わって、コミュニティ”クイーン・ハロウィン”本拠地にて。
クイーンのそばに控える女王騎士の一人であるフェイス・レスは、
「クイーン、少し落ち着かれてはいかがでしょう?」
「だ、だってカエデ様がここにいらっしゃるのよ!?落ち着いていられるわけないじゃない!フェイフェイ、私の髪、おかしくないわよね!?」
「たいへん美しく輝いておりますよ。」
「そ、そう!?よかったぁ…」
朝からずっとそわそわして、ついにはベットの上を転がって悶え始めた自らの王、クイーン・ハロウィンを眺め、ため息をついていた。
ちなみに、フェイフェイ呼びはもうあきらめたようである。
しかし――――――
とフェイス・レスは考える。
今のクイーンからはほほえましさしか感じないが、かつてのクイーン・ハロウィンはそれは恐ろしかったという。
箱庭の最古参であり、かつての黎明期において、コミュニティどころかその土地ですら、
「今日は気分がいいからあそこからあそこまでを更地にしてしまいましょう」
とその力をふるっていた魔王。黄金の魔王クイーン・ハロウィン。今もなおその名を箱庭中にとどろかす最古参の魔王である。そんな人が、
「はぁ…カエデ様は私のことを覚えてくれているかしら?」
と、頬を朱に染め、豪奢なベットで丸くなっているのである。
聞くところによると、クイーンは数年前、春風カエデなる人物に出会って、その人物に恋をしたのだという。星霊も恋をするのだ、としみじみとおもったフェイス・レスだったが、クイーン・ハロウィンにここまで思われる春風カエデなる人物には興味津々であった。
「到着なされたみたいですね…って、もう行ってしまいましたか…」
すでにベットにはだれもいなかった。
そして、ちょどそのころ、春風カエデは転移の光に包まれ、クイーン・ハロウィンの居城へと、やってきていた。
「うわ、でけえ城だなぁ…どうやって入ったら…」
カエデが城の前へとたどり着いた時――――――
世界が書き換えられた。
と同時に、空から降り注ぐのは、金色のギアスロール。
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ギフトゲーム”ハロウィンの魔法”
プレイヤー 春風カエデ
ホスト クイーン・ハロウィン
プレイヤー勝利条件;
ハロウィンの夜に交わされる魔法を完成させよ
敗北条件;
ゲーム続行不可能で敗北となる
勝利時にはホストがプレイヤーに隷属、敗北時にはプレイヤーがホストに隷属となる。
以上、両者は誇りをもってゲームに参加することを誓います
クイーン・ハロウィン印
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「ははっ…突然なのは全然かわってねえなあ」
一人ごちるカエデの目の前に、
音もなくふわり、と、黄金色の少女が舞い降りた
「久しぶりね、カエデ様」
互いの隷属をかけたゲームが、始まる。
はい、第5話でした。
後半はほぼオリジナルとなっております。
ちなみに、クイーン・ハロウィンですが、カエデの影響ですっかりまるくなってしまっております。こんなの違う!!という方にはすいません…
次回はカエデの過去にちょっと触れながらギフトゲーム、参ります!!
ルイオス?ははは、なんのことですか?
彼の出番は少し先の一瞬ですかねぇ(殴)
ではまた、近いうちにお会いしましょう!
感想も、おまちしております!!