〈パスワードを承認、情報伝達用AI 『A R C A』起動〉
〈権限を確認。……準管理者代理確認。基本プログラム起動〉
ん、ここは……?
頭の中に声が、何を言ってるんだ?
〈基本情報及び情報伝達プログラムのダウンロード開始〉
嫌な予感がする。これってまさか頭にデータ入れるとかじゃないよな……
〈成功。続いてインストール開始〉
いっ……痛くない……?頭が気持ち悪い……というか今これどうなっているんだ?
〈成功。職務開始〉
情報が雪崩れ入ってくる。情報は一瞬で理解出来た。
何故かはわからない。視界には電子空間ともいうべきものが現れた。
〈4/11、第一任務の情報をダウンロード。成功。情報伝達を開始してください〉
とりあえず、この職務とやらをやらないといけないみたいだ。
◇◇◇
あれから数週間が経った。最初は戸惑ったが、やり始めたら結構簡単だった。
あと、何故かはわからないが俺はこのAIとしてのスペックをフル活用できるらしい。
まあこの世界のことも調べた。世界の名はクトニオスというらしい、世界に名前があるのはなんとも不思議だ。あとは、俺が所属しているのがKCKK社と呼ばれる運輸会社らしい。まあ、何故か自社で戦力持って戦争やっているが……ちなみに理由は運輸範囲を広げるためだとか。
この世界には無限のエネルギーとかいう因子と呼ばれる物質がある。だからと言って平和かと言ったらさっきも言った通り戦争がよく起きてる。ただ医療が発展しているらしく死者は少ないが。
そんな中でももっとも俺が注目したのが人型兵器マイネンハント、通称ハンドだ。
まあ某体が闘争を求めてるやつだとかが近しいか。
始まりは因子によってエネルギーを気にせずに様々な機械を動かせるようになった頃、最初は義肢として作られたらしい。しかし、自分に元からあったかのように動かせるハンドは兵器転用され、今の人型兵器へとなったというわけだ。
そしてこの会社はそんなハンドの精鋭部隊をもっている。そして今日はそんな精鋭部隊の大規模な作戦がある。よって観戦していきたいとおもう。初めてだから上手くいくかはわからないが……
〈4/30、ライターズ強襲作戦の情報をダウンロード。成功。情報伝達を開始してください〉
『ライターズ強襲作戦の情報伝達を開始いたします。当作戦は我々KCKK社のライバル企業、アカンサス社のハンド精鋭部隊ライターズの移動中を奇襲し一時的にアカンサス社の古代技術調査の橋頭堡たる要塞ムーサイオンの戦力を減少させることが目的です。また同時刻、要塞ムーサイオンをホワイトマウンテンrank3 レッドロックが襲撃いたします。』
『では敵方の要注意戦力を説明いたします。ライターズ、No.6ルイス、No.8ハインラインが護衛及び指揮を行なっています。』
『次にこちら側の主戦力を説明いたします。ホワイトマウンテンrank5アイガー、rank9ジョラスが参加いたします。』
『作戦前にホワイトマウンテンrank1ローザから言伝があります。「諸君、この作戦は……堅苦しいのは私は嫌いだ。兎にも角にも!確実で迅速な作戦遂行を!」とのこと。作戦時間になりましたら作戦を遂行してください。』
よし終わった。あとは質問に答えておくだけだ。なので……観戦するやつを選ぶか!
まあほぼ選択肢は二択か、ただrank9だとさすがに……最近戦績も落ちているし……かと言ってな、rank5は勘がいいからなあ、バレそうだし……
……妥協してrank9にするか。
◇◇◇
作戦が始まったようだ。ジョラスのモニターを同期して見始める。
彼はアイガーと手分けして戦うようだ。
ジョラスはハインライン、アイガーがルイス。
無難な判断だ。
実力的には。ジョラスの機体は高機動の相手が隙を見せた時にエネルギーによる近接と牽制のためでもある遠距離武器による高火力を適宜入れるものだ。
それに対してハインラインは高機動でしかも対エネルギーの高耐久の装甲を持ってないるので少々長引くだろう。ただしジョラスは機体を軽くするために弾薬を少なくしている、ましてや何故かはわからないがジョラスは謎に打ち過ぎてしまうことが多い。
そうなれば……もうおわかりだ。
当たるのことのない拳と近距離武器によるクトニオス神拳を見せることになってしまうのだ……!
あと、アイガーは万能型の中量級で、ルイスは中量級の遠距離の武器しか持たない臆病者なので逆の方が良かったはずだ。
「作戦領域に目標が侵入したのを確認しました!」
「そうか……作戦を開始する!総員、奇襲せよ!」
「了解……!」
さてさて作戦が始まったようだが、どうなることやら……
◇◇◇
作戦領域は不毛の大地の谷底、奇襲にはおあつらえ向きの場所だ。
『こちら、アイガー。ライターズNo.6ルイスと接敵します』
「了解!、こちらも同様にライターズNo.8ハインラインと接敵する!」
『奇襲か!?総員!撃退しろ!』
ジョラスのエネルギー砲が放たれるが無慈悲にもあまり効果はないようだ。まあ予想通りといったところか
「仕留めきれなかったか……さっさと死にやがれ!」
『その機体……!ホワイトマウンテンのrank9だな……!ホワイトマウンテンの末端程度が、敵うと思うなよ……!』
相手のエネルギー銃の弾丸が放たれ続ける。
ジョラスも中々に避け続けているが、其れは相手も同じだ。
放ったエネルギー砲の砲弾は弾速が遅いのも相まって余裕で避けられている。
ただ幸運なのは、こちらのハンド部隊が相手のハンド部隊を相手取っているから横入りされることはほぼないということか……
「チィ……なかなか当たんねぇな……」
『なにっ!?我々の要塞が襲撃されているだと……!すまないがこちらも襲われている!すぐに終わらせて向かう!』
「へっ……レッドロックも順調のようだな……!」
『くっ素早いな……!』
その時、ジョラスの視界外に不味い動きをしている雑兵が写る。ん……不味いな……!
ジョラスに向けられミサイルが発射され、素早い速度で向かっていく。見届ける前に犯人は撃墜されたようだがそれでも止まらない。ジョラスは目前で目に止めるだが反応速度ではよけるのは困難……!
「くそっ避けきれっ!?……は?なんで勝手に動いて……?」
……俺がいなければだがな!!
<ここからは一時的に私が動かします>
「なんでAIのやつが……!……わかった……頼むから勝ってくれよ……!」
<其れは難しいです>
「どうしてだ!?勝てるから奪ったんじゃねぇのか!?」
<……相性が悪いので。ですからアイガーと敵を交換いたします>
「本当に操作がうめぇやつは機体の相性もものともしないって聞いたけどな……」
<私は情報伝達用です、戦闘用ではございません。取り敢えずメッセージをアイガーに送ります>
『アイガー、ジョラスが敵の交換を申し出ています。どうか良い返事を』
『……了解しました、だがこちらも少々手間取っています。お互いに合流に向かうのはどうでしょうか』
『わかりました……ジョラスにも確認が取れました。そちらへと向かいます』
『了解しました』
「これで本当にいけんのか?」
<このまま戦うよりかは>
流石にさっきもいった様に俺がAIで無駄に情報伝達用にしては高性能なこのスペックをフルで使えるとは言っても所詮情報伝達用だ。戦闘用じゃあない
「そうかよ……」
納得してくれたようで何よりだ。ただ……納得というよりも諦めかな、この感じは……
『何故逃げる!rank9ジョラス!私が怖いか!?』
「そういうわけじゃあねぇ……ちょっとな……」
むう、もう結構飛ばしているから、アイガーと合流していいころだが……
『ジョラス、やっと合流ですか……!では交換です』
『なに!?逃げるのも作戦!?ですが!逃げるようなゴミの仲間に負けるはずがないでしょう!この私の武勲にさせてあげましょう!』
『なるほど……!だが、今更……!』
これだと、ジョラスが何も言ってないからアイガーにバレそうだな。まあ取り敢えず
<ルイスでも煽っておいてください>
「……ルイスぅお前の相手は俺だ!」
『負けがこんでるNo.9など
怖くないのですよ!!貴様など一瞬でころしてやる!』
「ああん!?負けてるのは作戦のせえだ!俺のせえじゃあねえ!」
『言い訳も見苦しい!貴様のような負け犬は自分の実力も認められないようですね!』
「くそっ!!!」
台パンすんなよ……煽っておいてって言ったけどよ、こいつ煽り耐性低いな……
<……うるさいです。ジョラス、あんなやつは私が倒しておきますから……あまり怒らないでください>
「……ちっ」
はてさて、ルイスは中々に臆病な立ち回りだ。こちらが近距離を見せたら逃げ出すし、だがそこが隙だ!エネルギー砲、セット!発射!
『なにぃ!!貴様ぁあ!まっ待て!私はライターズNo.シッ!』
ダメだね!エネルギー砲、充填完了!発射!
『グワァアアアアアア!!!』
はいおしまい。
<ジョラス、終わりました。……どうやら丁度アイガーも終わったようです。敵は敗走するでしょう>
『こちら、アイガー。No.8ハインライン、撃墜完了しました。……敵方敗走を初めたようです。アルカ、伝達してください』
『了解しました。……敵方敗走を始めたようです。作戦は完了、総員帰投してください』
「AI、ちゃんと話して貰うからな……!なんで助けたのか……!」