「なるほどな、つまりはお前は転生者で、戦闘を見てみたいから俺の視界を同期していたら、見てられなくて操作を奪ったってことか……子供かよ」
AIのやつは転生者とか言ってるがまあ冗談だろうな。それよりも重要なのは横入りされたことだ。
<何か言いましたか?>
「いやなんでもねぇ。……だが借りはなしだぜ。俺はお前のことを黙っておいてやった。これで命の分はちゃらだ。だからもう横入りしてくんんじゃねえ」
<……わかりました。ですがジョラス、あなたは今回の作戦でわかった通り、少々考えない癖があります。少なくとも私にサポートされた方が良いのでは?>
「言うじゃねえか。だがな……」
突然、俺の部屋の扉がノックされた。いつも誰も入って来ねえのにこういう時に限って来やがる。
「ちっ、通信は切るぞ。」
<わかりました……終わったらかけ直してください>
「入るぞ」
この生真面目そうな男の声は……アイガーか
「ジョラス、あなたについて用件があり、ローザ隊長がお呼びです。隊長室に行ってください」
「どういう用件だ……?」
「さあ、もしかしたらお褒めの言葉かもしれませんよ?」
「そりゃねえな……アイガーも冗談が下手だな。取り敢えず、行ってみる」
「わかりました。では失礼しました」
アイガーが出ていき、部屋には扉を閉めた音が響く。
「制服に着替えるか……」
◇◇◇
ホワイトマウンテンrank1ローザと言えば、歴戦の美人女隊長という言葉が一番にある。実際、木っ端のやつらはそういう下世話をよくしてやがる。
だがな、俺達ランカーからすれば、そんなことよりも信頼感の方が勝る。本人の強さはともかく、戦況の判断、戦力の認知、作戦立案まで全てをきっかりやってくれる実力もあるからだ。
だがそんなことよりも俺には尊敬する部分がある。俺のようなランカーの木端でもランカーとして接してくれるというところだ。元々ホワイトマウンテンにrank9はなかった。最初はrank8までだったんだ。しかし最近の戦力増強も相まって増やそうという話になったわけだ。
そして木端だったはずの俺は何故か運良く入れた。だからこそ俺は最初拒まれると思っていた。だがローザ隊長は優しくしてくれた。
他の奴らにもそうなんだろうな、だから皆んなから好かれいるんだろう。
そんなこんなで隊長室にたどり着いた。隊長室はいつもローザ隊長がいる……場所ではない。
ローザ隊長はいつも事務仕事はしない質だ。それが欠点かというとそうとは言えない。さっきも言ったのものあるし、自分の役割……得意な事と不得意な事を理解している事で仕事を割り振りできていることが一番にある。
だか今はいるだろうから隊長室にノックする。
「入っていいぞ」
「失礼します。アイガーからローザ隊長がお呼びと聞き」
「今回の作戦のことだ。……自分の判断で敵の交換したらしいな」
「はい。……相性的にはその方が良いと思い」
「そうか……。……良い判断だった!ジョラスにはそういう判断を求めていた!アイガーも褒めていたぞ!」
「……本当ですか」
「ああ!これからもその調子で頑張ってくれ!」
「……はい」
俺の実力じゃない……あいつがやってくれたからだ……評価を貰うべきは俺じゃあねぇのにな。……だがローザ隊長からの期待もなぁ……
◇◇◇
「あーあー、聞こえるか?」
〈音声は良好です、ジョラス。〉
ジョラスが呼び出されて帰ってきた。なんだか少し暗いように感じるが……まあ気のせいか。
〈では話の続きをしましょう。〉
「ああ、それなんだが……サポートしてくれねぇか?」
〈……どういう気の変わりようでしょうか?〉
「まあな……隊長の……ローザ隊長の期待に応えてぇんだ。……だが期間は決めさせて欲しい」
〈……わかりました。では期間は1人で判断できるまででよろしいでしょうか?〉
「勝手に決めんじゃねえ。だが……そうだな……それでいい」
「よろしく頼むぜ、AI。」
〈こちらこそお願いします〉