企業AI「AI転生って転生なのだろうか?」   作:酔生槿花

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第三話 協働

あれからジョラスとは何個かの任務と作戦を共にした。

ジョラスは良く俺に判断の良し悪しを聞いてくる。

 

最初のうちこそだいぶ不安そうに聞いてきたが殆どの判断が良いものでしかも自分の得意なことを理解しているので悪い場合がない。

 

だからか最近は自信がついてきたようで物怖じせずに聞いてくるようになった。

そのお陰で最近は結構戦績も良くなってきたのだ。そうなると作戦や任務へのやる気にも繋がるわけで……それは俺にもやる気を出させてくれた。

 

さあ今日も職務の開始だ

 

〈5/15、古代技術発掘予想地点C調査の情報をダウンロード。成功。情報伝達を開始してください〉

 

調査……?しかも戦力にはジョラスと、rank4セルヴァンも動員されている……?たかが調査に……?しかも上層部直々とは重大な案件だな……

何かおかしい……仕事の後でジョラスに聞いてみるか

 

『古代技術発掘予想地点C調査の情報伝達を開始いたします。当作戦は当社最高決定機関議会にて作成された作戦です。目的は調査と護衛。調査部隊と護衛部隊に分かれ目的を達成いたします。護衛部隊主戦力はホワイトマウンテンrank9ジョラス、rank4セルヴァンの二名が動員されています。』

 

『議会より言伝があります「当作戦は当社の躍進か衰退かが決まる重要な作戦です。当作戦に臨めることは赫赫たる名誉、各員十全の力を発揮するように」とのこと。以上にて伝達を終了いたします。』

 

「終わったみてぇだな、AI。で、これはどう言う任務なんだ?」

 

〈……ジョラスも分からないのですか?私から聞こうと思っていましたが……〉

 

「お前でも知らないのか……セルヴァンに聞いてみるか……」

 

『こちら、ジョラス。セルヴァン、聞きたいことがあるんだが……』

 

『なんだね?今回の調査のこと以外ならなんでも良いが?』

 

少し老いた落ち着いた男の声が聞こえてくる。

 

『……他でもないその今回の調査のことなんだが……なんでこんなに戦力を集めているんだ?』

 

『すまないが詳細は語れないな、ただ私が動員されているのは古代技術の担当だからだ。君は……普通に戦力としてだ』

 

『そうか……わかった。じゃあ切るぞ』

 

『ふむ、じゃあよろしく頼むぞジョラス君』

 

「だそうだ、AI。」

 

〈なるほど。……ではこちらでも調査開始時間までに調べてみます。〉

 

「わかった。」

 

調べてみたが、わかったことは何一つなかった。

少なくとも俺が接続できるデータベースには何一つなかった。

 

まあでももう調査開始時間だし、通話繋ぐか……

と言うかほんとに言動が修正されるのやめて欲しい

仕事の時は楽なんだが……

 

〈rank9、ジョラス。聞こえていますか?〉

 

「ああ、大丈夫だ。それで何かわかったか?なんでもいいんだが……」

 

〈申し訳ございませんが何も見つかりませんでした。〉

 

「そうか……まあいい。何があってもお前となら大丈夫だろ」

 

〈それは……貴方の実力によるものかと〉

 

「……お前のおかげだ。俺が最近できてんのはな」

 

「……調査開始時間みてぇだな。行くか」

 


 

調査箇所は要塞ムーサイオンの近くの地点だ。

周りに山があり奇襲受けそうな地形だから確かに護衛は必要そうだがそこまでの戦力はいらないように見える。

 

流石に敵も敵方の要塞の近くではやらないだろうし。

そうなると何か特別な事情でもあるのかも知れない。

 

だったら警戒は必要だ。まあジョラスは言わなくてもわかっているとは思うが

 

『調査領域に到達。調査を開始してください』

 

『調査部隊、調査を開始するように。何かあれば私が対応します』

 

調査が始まったようだ。ジョラスの視界から見ている感じ結構順調そうだ。

 

ただジョラスは見回りをしているので時々しか見れないが

 

かと言ってジョラス以外の普通のハンド乗り達も見回りをしているが、中々に暇そうである。

 

『セルヴァンさん!エネルギー層が出てきました!』

 

ふむ、調査の方で進展があったようだ。……エネルギー層ってなんだよ。

 

『わかった。とりあえず確認させてくれないかい?』

 

「おい、AI。見てもいいと思うか?」

 

〈わかりません。セルヴァンに聞いてみてはどうですか?〉

 

「そうだな」

 

『こちらジョラス。セルヴァン、それを見てもいいか?』

 

『構わないけどどうかしたのかい?』

 

『ちょっと興味があってな。』

 

ジョラスの機体が発掘地点に近づいて行く。掘られていた穴にはエネルギーシールドなどとは異なる赤色の膜が張られていた

 

『それでセルヴァンさん、どういたしますか?』

 

『構わず続けてくれたまえよ』

 

そうやって調査隊員のハンドがスコップを膜に突き刺すと……

 

〔水の流失を確認。(ARCA)プログラムを起動。同期中機体を確認。同期中機体を中心に範囲50mにおける兵器を確認し掌握〕

 

何これ……急に声が聞こえてきたんだが……水?箱プログラム?何それ?

 

「おい、AI。どうしたんだ?」

 

〈さあ、私にも……〉〔不明なプログラムを発見。解析。成功。正規ファイルが改造されていたよう。初期化……失敗。代替案として名称:基本プログラムの停止を行います〕

 

えっちょっまっ!!!

 


 

「おい!おい!AI!アルカ!返事をしろ!」

 

AIの声が聞こえねえ、何が起きてやがる……!

 

『……どうやら始まったようだね』

 

『おい、セルヴァン。何を知ってやがる?』

 

『……君には教えられぬことだ。パスワードyour mind Isっ!何、制御が!?通信も!?ジョ』

 

『おい!おい!セルヴァン!返事を!』おい!、どうなってやがる……!」

 

通信が切れやがった。周りじゃあハンドが勝手に動いてやがるし……

 

〈同期中機体の搭乗者を確認。成功。KCKK社ハンド精鋭部隊ホワイトマウンテンrank9ジョラス。基本プログラムとの会話を確認。成功。協力者として断定。〉

 

 

どういうことなんだ……?俺のしらねぇことばっかり起こりやがる。ただの調査ではないことぐらいわかってたがここまでとはな

 

<協力者ジョラス。協力者として指示に従ってください>

 

「てめえは誰なんだ?アイツと話させてくれねえか?」

 

<その要請は承認できません。指示を通達。機体を流出地点へと動かしてください。さもなくば機体制御を奪取いたします>

 

「チッ、クソが」

 

ここで俺まで奪われたらどうすることも出来ねえ、どうすれば……

 

<協力に感謝します。ジョラス。テクスチャ再構築を開始>

 

 

そうやって立ち止まってモニターを見ているとモニターの端にハンドについている何か人影らしきものが見えた。

 

あれは……セルヴァンか?

ハンドから出てくるセルヴァンの姿が見えた。セルヴァンは昔の因子医療のせいで動けないはずなんだがな……

 

だが、セルヴァンなら何か解決策を知ってるかもしれねえ……でもどうすれば……

 

考えろ……考えるんだ。アイツはいねえ俺だけが、俺だけでやんなくちゃいけねえんだ。

 

そうだ……!ジェスチャー……!

セルヴァンに俺が制御下じゃねえことを伝えればいいんだ

 

ハンドの手を動かす。AIならやらねえ非合理的な動き。セルヴァンなら気付くはずだ……!

 

「パスワードを唱える!!!!」

 

セルヴァンの大声が聞こえてくる。老境らしからぬ大声だ。だがそれは、ただ一つの解決策であることを示していた

 

<協力者ジョラス。指示を通達。あの者を排除してください>

 

「やだね。お前の指示は聞かねえ。」

 

<要請は承認できません。協力者として除外。機体制御を奪取>

 

「Your mind is mine!!!」

 

〔パスワードを承認。準管理者代理権限を確認しました。プログラムを一時停止。〕

 

ハンドの搭乗口を開け、セルヴァンにいい放つ

 

「わかったみてぇだな!セルヴァン。」

 

「ジョラス君。君のお陰だ。だが、おそらく機体制御がまだ返却されていないんだ。君の機体に入らせてはくれないかい?」

 

「わかった。だけどな勝手なことはすんなよ……」

 

「もちろんだよ。」

 

ハンドを膝をつかせ、近場にあるロープ梯子をかける。そしてセルヴァンが入ってくる。

片付けて搭乗口を閉めた

 

「ジョラス君。少しモジュールを借りる。君は座っててくれ」

 

 

ああ、と応えて席に座る。セルヴァンは中々に順調そうで、もう少しすれば終わるだろう。

 

だがそこで問題が起きる。これが本当は上層部が予測した特別な事情だったんだろう

 

「ジョラス君!レーダーに不明機体だ!あれは……!」

 

「手のひらか……!」

 

 

 

 

 

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