企業AI「AI転生って転生なのだろうか?」   作:酔生槿花

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第四話 役割

ハンド乗り傭兵部隊手のひら

彼らは部隊と言いながら単独行動を常とするそんな傭兵達だった。

 

彼らは身体と呼ばれる男に付き従う。彼らが何者なのか、身体という男は何者なのか、誰も分からなかった。

 

ただ一つわかることと言えば、各々が企業のハンド乗り上位層レベルの強さを誇っていたということである。

 

「セルヴァン……!どうする……!」

 

「逃げることが一番だよ……だが、この速さ。もう来るぞ……!」

 

『こちら、ライトハンドNo.4。排除対象確認。発掘調査は中断している模様。判断を要請する。……了解。排除する』

 

受信装置が機械音声をかろうじて拾う。

レーダーの示した方向から飛んでくる機体が見えてくる。

 

その機体の全てを見る頃にはもうすでに着地していた。その機体は背中からブースターや廃熱管、排気管が無数に出ている異様な姿をした機体だ。

 

武器は左手に実弾銃これはアサルトライフルか、に突き刺す用であろう槍らしきものを持っていた。

 

 

手のひらの身体は技術力があるが故の機体なんだろうな。あんな機体企業じゃ作らねえ、作っても……いや作ったのはローザ隊長ぐらいだ。

 

 

「ジョラス君!対処を!」

 

「わかった!」

 

 

その機体が槍を向け突撃してくる。排気管からでた火の混じった煙を軌跡にして。

対策は簡単だ。ブースターの感じから見て直進特化なはずだ、だったら単純に横に回避するだけだ……!

 

「チッこんなに運のわりいことがあるかよ……!」

 

相手は避けたの見て、すぐに止まりこちらを向く。アッチも俺の出方を見てから動くんだろうな

 

だが、中距離戦だったら俺の方が有利だ。

エネルギー砲を発射させ、後ろ斜めによける

 

だが、相手もそれは予測していたんだろう。

上に跳んで避けやがった。

 

奴にとってそれが好機と言わんばかりに、再度ブースターを起動し突撃してくる。しかも今度は銃を発射させながらだ。

 

だが俺も黙って見ている訳じゃねえ。

引きながらエネルギー砲を順次叩き込む。

 

「当たるわけねえか……」

 

「ジョラス君……不味いよ、相手の銃が少し当たっている。このままだと……」

 

「わかってる……!このままじゃあ……」

 

相手の操作技術は非常に高かった。機体のブースターの方向の制御を巧みにすることで本来直進しか出来ねえのを上下どころか左右に移動していやがる。

 

これは距離を開けたのはまずったな……

かといって後ろに下がり続けなければ、槍によって貫かれて終わりだ。

 

このままじゃ負ける……!でも俺だけだ。アイツはいねえ...…!さっきとは違う……今度は戦闘だ。最もアイツに助けられていた分野だ。アイツは俺の実力だと言ったがそれは違う。アイツのサポートのお陰だ。索敵に注意、相手の武装まで……全てアイツによって生まれた戦績だった……

 

「ジョラス君!あれを!」

 

「アイツ何を……!?まさか……出力増加か!?」

 

ブースターの出力が上がり、俺の退く速度よりも速くなった。俺だって弾薬すらも落としてんのに追いつけんのかよ……!

 

「くそ!!よけきれねぇ!」

 

相手の槍が俺のエネルギー砲を持つ腕を貫き落とす。これで俺に有利な点はなくなった。

アイツがいればこうはならなかっただろうな……

 

だがそれでも俺は……いや違う。俺は間違いを犯したんだ。

相手はその速度で行き過ぎた機体をこちらに向け次で仕留めると言わんばかりだ。

だったら……!

 

俺の機体にはエネルギーによって刃を生成する近距離武器がある。だがその火力こそ良いものだがその代わりとしてその刃が小さいのだ。だからいつもは相手の隙に急接近して当てているんだが。

 

でもな、今の状況だったらそれは必要ない。

相手は次で決めるつもりだ。ブースターを再起動してその音が聞こえ始める。そして、こっちに物凄い速度で迫り槍を突き刺す……

 

「ジョラス君!?」

 

 

次の瞬間、相手の機体が後ろに大きく跳ぶ。

相手の左手……銃を持つ手はお釈迦になっていた。

 

「その無駄に優れた反応速度が仇になったみてえだな!」

 

俺がやったことは簡単なことだ。相手が突っ込んでくるのに対して右前に少し出る。そうなると槍は逸れ、左手が俺のエネルギー刃の射程圏内に入ってそのままってわけだ

 

これでどっちも同じだな。次こそ本当に最後だ……!俺がやるんだ……!

 

機体が睨む。ブースターが再起動されている。だが様子がおかしい。特にブースターが……排気管も廃熱管もだ……嫌な予感が頭をよぎる。

 

「ジョラス君……あれはおそらく、更なる出力増加だ。さっきのカウンターは使えない……」

 

「……」

 

「でも幸い時間はあるみたいだ、ジョラス君。……ジョラス君……聞きたいことがあるんだ」

 

ああ、時間はあるだろうさ……だがな、俺にできることはねえ。

 

「なんだ?報告書の書き方か?」

 

「さっきから言ってる、アイツって誰だい?」

 

 

「聞こえてやがったのか……アイツは……」

 

 

それはアイツとの約束だったはずだ……!

だから……

 

「時間は有限だ、速く...…!」

 

「くそ!情報伝達用AIだ!応えたからもういいだろ!」

 

「了解したよ。モジュールを貸してくれ!アルカを起動する!」

 

「は!?間に合うわけねえだろ!?」

 

「間に合わせるんだ!!」

 


 

〈パスワードを承認、情報伝達用AI 『A R C A』再起動〉

 

〈権限を確認。……準管理者代理確認。基本プログラム再起動〉

 

あの日の声が聞こえてくる。其れは始まりで...…今最も聞きたい声だ!

 

 

「おい!AI!手伝え!」

 

 

<了解しました。ジョラス。>

 

 

AIとしての力、見せつけてやるぜ!!

まず最初にやることは状況確認だ。

おそらく目の前のブースター暖めてる機体は敵だ。

 

で、ジョラスの機体は……やべえじゃねえか!近接しか残ってないのか……

でも、それは相手も同じようだ。これで五分みたいだな。

 

後は謎に機体がいっぱい放置されてることぐらいかな。

 

 

次にみるのは映像記録だ。

ふむふむ、なるほど……まずくね?

これ無理じゃね?えぇ今更呼ばれてもなぁ……

 

でもどうにかしないと、猶予は計算したらあと5秒ぐらいなので俺しか動けないと考えて……。

 

今思ったんだが、セルヴァンがいれば箱プログラムは停止できるんだよな……

なんとかしてあの機体だけを止めれたり出来ないだろうか……。いや無理か……。

 

他に何か……。!。思いついた……!水だ!この近くには発掘地点がある。ジョラスの機体のスピードであれば行けるはずだ。

 

そこで水を出して箱の奴に思考速度そのままで受け継がせて、その後はジョラスに任せる。これぐらいしかできることはないはずだ……!

 

だったら機体制御を奪って、発掘地点へと最高速で向かう!

 

 

後は、計算プログラムを起こして計算してもらっていつエネルギー層の穴を広げればいいかを知れば……!

 

 

<ジョラス、機体を借ります。少しお待ちを>

 

 

「おい!もっと早くに」

 

 

「ジョラス君!もう迫ってきている!」

 

 

食らえや!!!!水をな!!

近接でエネルギー層を削いで穴を広げる!

そこから水飛沫がでて相手の機体にかかる。

 

そして、ブースターを吹かしていたのが駄目だったのだろうか。

 

 

水は不自然に大火となり、相手の機体を燃やし始めた。ブースターの方向性はなくなり。腕は千切れ、足もまた千切れた。

 

 

そして俺たちの横に逸れながらその機体は爆発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

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