シンフォギア装者たちの奇妙な冒険   作:黄金の石

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始まりの日

 立花響とは。

 

 戦姫絶唱シンフォギアの主人公で、ガングニールの装者。

 天羽奏に命を救われ、風鳴弦十郎を師とし、小日向未来を陽だまりだと言う。

 

 その全ての始まりは、物語が始まる前に起きたツヴァイウィングのライブの惨劇。

 これによって多くの命が失われ、全ての始まりへと繋がっていく。

 

「……とはいえ、それを許容してやるのは架空の出来事だった場合だ。その全てが現実に起こることで、その悲劇をほんのちょいとでも回避できるならやらない理由はないだろう?」

「な……何やってだアンタ!!早く逃げろ!!」

 

 後ろで叫ぶ天羽奏を無視し、俺は力を使う。

 

「バカめ。既に貴様らはこの俺の射程距離内にいると知れ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は前世の記憶を持ち、転生した元一般男性。

 今は《ディオ・ジョースター》という名前だ。

 容姿は第一部のディオ・ブランドーと同じで孤児として育ち、今は高校の寮で生活している。

 ディオは俺を捨てた親が残したもので、ジョースター性は俺を育ててくれた人から貰った。

 随分と都合のいい出会いだなと思いもしたが、とにかく俺は何も知らずに生きていた。

 

 この世界が《戦姫絶唱シンフォギア》だと気付いたのは今から三年前。

 ……俺を育ててくれた人がノイズに殺されてからだ。

 その時に前世の記憶が蘇り、それに合わせて何故かチート能力を発現させた。

 あの世で都合のいい神的な存在にも出会っていないというのに、不思議な話だ。

 

「一気に決めるぞ!《スケアリーモンスターズ》!」

 

 会場内で人に踏まれて死にかけていた人間を片っ端から恐竜へと変えてノイズに突撃させる。

 ライブ会場の惨劇は後に人災だと分かったことで立花家族は引き裂かれることになるが、会場内に死者が一人もいなくなればそんな議論すら起こることはない。

 

 ……死んだら地獄に行ってやるから、先ずは死んでくれ。

 

「これは……恐竜!?」

「いいか眷属共!人間には手を出すな!ノイズだけを攻撃するんだ!」

 

 恐竜がノイズに触れることで炭化し、消滅していく。

 だが触れられたノイズにも変化は起きていた。

 

 ……思った通り、スケアリーモンスターズの感染はノイズにも効く!!

 

「ノイズが恐竜へと変わっていく……!?」

「ダメ押しにもう一匹!」

 

 恐竜を一匹、恐竜へと変化するノイズにぶつけてみる。

 完全に恐竜へと変わっている皮膚へ接触しても、人間だった恐竜は炭化していない。

 

「良し!これでノイズは俺の敵ではなくなったということだ!」

 

 そうとなれば後は数の暴力だ。

 数を揃えた恐竜たちにノイズたちは次々と感染していき、それを俺が殺していく。

 一度俺たちと同じ土俵に立った災害など、シンフォギアの力を使うまでもない。

 

「WRYYYYYY!!!」

 

 全てのノイズが消え、恐竜ばかりとなった頃に全ての首を切り飛ばして殺していく。

 後に残るのは歴史を変えたという達成感と胸糞の悪い後味だけだ。

 

「私たちの知らない完全聖遺物か?……何にしても、助けられた……な」

 

 既に限界だったのだろう。

 気が抜けた天羽奏がシンフォギアを解除し、立花響の隣で倒れ込む。

 その様子を見た風鳴翼が何やら叫んで急いでこっちに来ようとするが、俺を警戒してか中々こっちに来ない。

 

「安心しろ。あとは消えれば全てが終わる」

「……敵ではないということですか」

「少なくとも今はな」

 

 それだけ言ってその場から去ろうとして……足が止まる。

 

 これは……影縫いか。

 

「であれば尚更、貴方をここで見過ごすわけにはいかない。その力のことを聞き出すためにも」

「……無駄だ」

 

 そうして俺は自分の能力を使う。

 

「──世界(ザ・ワールド)

 

 これこそが俺のチート能力。

 スケアリーモンスターズと世界(ザ・ワールド)の二つのスタンドを使うことが出来る。

 それこそ第三部のDIOが隠者の紫(ハーミットパープル)を使えたのと同じように。

 

 地面に刺さっている剣を叩き折ることで影縫いから解放される。

 ここでザ・ワールドの能力を使うこともあるまい。

 

「これは聖遺物ではなくスタンド能力と呼ばれるものだ。俺のことを知りたいのなら自分たちの力で調べて訪ねて来い」

「……その時は話が聞けるということ?」

「ディオ・ジョースター。それが俺の名前だ」

 

 再び体を恐竜に変えてライブ会場を飛び出す。

 走る途中で一部の人間共に写真も撮られる。

 ……やれやれ、出来ることは全てやったと思いたいが、あとは神のみぞ知るってか。

 

 

 

 それから数日後、世間ではノイズ被害に加えて大規模なツヴァイウィングへのバッシングが行われた。

 会場内から現れた恐竜と会場内にあった大量の恐竜の死体の数から、ノイズ災害とは別の極悪非道な実験が行われていたのではないかという噂が広まったのだ。

 当然ツヴァイウィングも事実無根だとして反論はしていたが、俺の事は一切話さなかった為に報道された日を境にバッシングを受け続けていくことになる。

 

 ……まあ、その噂も俺にとっては予想外の所でどうでもよくなってしまうのだが。

 

『続いてのニュースです。ヴォルゴグラードにて謎の人間が発掘されました。服装からドイツに関係ある人物と推測され、現在調査を進めており』

 

 

 

「……そんなバカな」

 

 ルドル・フォン・シュトロハイムが発掘されたなんて聞けば、転生者も月までぶっ飛ぶ衝撃でおかしくはない。

 そんでもって、シンフォギア世界でありえない人物の登場。

 

 原作知識がどこまで通用するのか俺には分からなくなっていた。

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