この回では、Ζガンダムがアーガマから発進した直後、なぜかジェリドの搭乗するバウンド・ドックがすぐ近くを並走しており、そのまま戦闘に入ります。
しかし、なぜジェリドがその場所に単機でいたのか、軍事的な理由が分かりません。
具体的には、次の3点が不明です。
ジェリドは誰の命令で、その宙域にいたのか。
なぜ他のMSを伴わず、単機で行動していたのか。
アーガマに接近できたのに、なぜ艦そのものを攻撃しなかったのか。
さらに、バウンド・ドックの戦い方にも疑問があります。
バウンド・ドックはMA形態で高速移動できる機体ですが、劇中ではその機動力を活かした一撃離脱戦法をほとんど行いません。
実際の戦闘は、次のような流れです。
MA形態で接近し、背後からクローでΖガンダムを掴むが、振り払われる。
今度はMS形態で接近して掴むが、再び振り払われる。
最後はMS形態のままΖガンダムと正面からビームライフルを撃ち合い、被弾する。
その後、ラーディッシュの爆発に巻き込まれて戦死する。
もちろん、MS形態で戦うこと自体が問題なのではありません。バウンド・ドックはMS形態でも戦闘できるように設計されています。
問題は、高速機動が可能な機体でありながら、その長所を活かさず、Ζガンダムと正面から射撃戦を続けたことです。
しかも、バウンド・ドックの全高は29.7mで、Ζガンダムの約19.85mに対して約1.5倍の大きさがあります。機体が大きいほど必ず被弾しやすいとは限りませんが、正面から撃ち合う際には不利になる可能性があります。
ジェリドがカミーユへの執念から冷静さを失っていた、という解釈はできます。しかし、経験豊富なパイロットであるジェリドが、なぜMA形態で離脱して再攻撃する戦法を選ばなかったのか、疑問が残ります。
つまり、この戦闘には大きく二つの問題があります。
第一に、ジェリドが単機でアーガマ付近にいた理由が分からないこと。
第二に、バウンド・ドックの性能を活かした戦い方をしていないこと。
私としては、ジェリドの操縦技量が低かったというよりも、カミーユとの因縁に決着をつける演出が優先され、軍事的な整合性が十分に描かれなかった場面だと考えています。
そのため、今回の戦闘を小説化するにあたり、ジェリドをどこに配置し、どのような任務で出撃させ、バウンド・ドックの性能をどう活かして戦わせるかが課題となっています。
宇宙世紀0088年2月21日。
グリプス2周辺宙域。
エゥーゴのグリプス2防衛艦隊は、ティターンズとアクシズの総攻撃を受けていた。
両軍から放たれるメガ粒子砲が、エゥーゴ艦隊へ次々と襲いかかる。
「敵艦、発砲!」
「回避!」
ラーディッシュが艦体を傾ける。
巨大な光条が、艦のすぐ横を通過した。
「ルネ、被弾!」
オペレーターが叫ぶ。
ヘンケンがモニターを見る。
ラーディッシュの側で戦っていたエゥーゴの戦艦が、敵の砲撃を受けていた。
艦体から炎が噴き出す。
さらに一撃。
メガ粒子砲が艦体を貫いた。
「……!」
次の瞬間。
戦艦が巨大な爆発に包まれた。
「ルネ、撃沈!」
艦橋に緊張が走る。
「くっ……!」
ヘンケンが歯を食いしばった。
周囲の艦艇も、次々と損傷している。
ティターンズ艦隊は追撃を続け、アクシズ艦隊もエゥーゴへの攻撃を強めていた。
「各艦に通達!」
ヘンケンが命令する。
「無理に前へ出るな! 防御を固めろ!」
「了解!」
ヘンケンはモニターを見つめた。
「死に急ぐなよ……。」
小さく呟く。
「もうすぐアーガマが来る。」
アーガマ。
MSデッキ。
出撃準備が進められていた。
整備員たちが各機体の最終点検を行い、パイロットたちが次々と機体へ向かっている。
その一角。
Ζガンダムの前に、カミーユが立っていた。
そこへ、霊夢とファが歩いてきた。
「カミーユ。」
霊夢が声をかける。
「あ、霊夢さん。」
カミーユが振り向いた。
霊夢は何かを思い出したように言った。
「そういえば、こないだグラナダで買った和菓子。」
「え?」
「まだご馳走してなかったわね。」
カミーユが少し驚いた顔をする。
「ああ、あの時の……。」
「そう。」
霊夢が頷く。
「後で荷物持ちのお礼にご馳走してあげる。」
間もなく、ティターンズとの決戦が始まる。
その直前に、霊夢はいつもと変わらない調子で、和菓子の話をしている。
「霊夢さん……。」
「何?」
「いえ……。」
カミーユは小さく首を振った。
霊夢は微笑んだ。
「じゃあ、また後でね。」
そう言って歩き始める。
「はい。」
カミーユが答えた。
霊夢は少し歩いたところで振り返り、軽く手を振った。
霊夢はそのまま、デッキの奥へ向かっていった。
霊夢を見送ったカミーユに、ファが声をかけた。
「カミーユ……。」
「ファ?」
ファはカミーユを見つめた。
「無事に帰って来てね。」
「……。」
カミーユは一瞬、黙った。
そして。
「ああ。」
静かに頷く。
「ファもな。」
「ええ。」
ファも頷いた。
二人は暫く見つめ合った。
やがて、カミーユがΖガンダムへ目を向ける。
「それじゃあ。」
「うん。」
カミーユはΖガンダムへ向かった。
ファも、メタスへ向かって歩き始める。
二人はそれぞれの機体へ乗り込むため、別々の方向へ進んでいった。
MSデッキの別の一角。
百式改の前で、クワトロとアポリーが話をしていた。
「……分かりました。」
アポリーが頷く。
「それじゃあ大尉、失礼します。」
「ああ。」
クワトロが答える。
アポリーが振り返ると、ちょうど霊夢が歩いてくるところだった。
「おっ、霊夢。」
「あ、アポリーさん。」
アポリーは笑った。
「帰ったら、リック・ディアスの初陣について聞かせてやるよ。」
「……。」
霊夢は一瞬、立ち止まった。
そして。
「はぁ……。」
小さくため息をつく。
「はいはい。楽しみにしてるわよ。」
「はははっ!」
アポリーが笑う。
「それじゃあな!」
「ええ。」
アポリーは手を上げると、シュツルム・ディアスへ向かって歩いていった。
霊夢はその後ろ姿を見送った。
「……まったく。」
小さく呟く。
そして、クワトロへ目を向けた。
「大尉。」
「ん?」
クワトロが霊夢を見る。
「どうした?」
「……。」
霊夢は少し考えた。
何かを言おうとして、言葉を探す。
クワトロは黙って待っていた。
やがて。
霊夢が口を開いた。
「一緒に戦いましょう。」
「……。」
クワトロは霊夢を見つめた。
そして。
「ああ。」
頷く。
「頼む。」
霊夢の表情が、少し明るくなった。
「うん。」
二人は暫く見つめ合った。
霊夢が再び口を開く。
「ねえ、大尉。」
「何だ?」
「後でお茶飲みに来てね。」
「……ああ。」
クワトロが答える。
霊夢は微笑んだ。
「約束よ。」
そう言って、クワトロに背を向ける。
紅白のネモへ向かって歩き始めた。
クワトロは、その後ろ姿を少しの間、見つめていた。
そして、自分も百式改へ向かった。
アーガマ。
艦橋。
「艦長!」
オペレーターが報告する。
「グリプス2防衛艦隊との距離、縮まっています!」
ブライトが頷く。
「よし。」
通信装置に手を伸ばす。
「全艦に通達!」
艦内放送が流れた。
『これよりMS隊を発進させる。』
『MS隊発進後、アーガマはこのままグリプス2防衛艦隊と合流する。』
『各員、戦闘配置につけ!』
艦内各所で、乗組員たちが持ち場につく。
MSデッキでは、カタパルトの準備が完了していた。
「第一カタパルト、発進準備完了!」
「第二カタパルト、発進準備完了!」
「MS隊、発進を開始せよ!」
百式改がカタパルトに乗る。
「クワトロ・バジーナ、百式改、出る!」
カタパルトが作動する。
百式改が宇宙空間へ射出された。
続いて、シュツルム・ディアス。
「シュツルム・ディアス、出るぞ!」
機体が加速し、カタパルトから飛び出した。
次はメタス。
「ファ・ユイリィ、メタス、行きます!」
メタスが発進する。
そして。
Ζガンダム。
「カミーユ・ビダン、Ζガンダム、行きます!」
Ζガンダムが宇宙へ飛び出した。
最後に。
紅白のネモがカタパルトへ移動する。
コクピットの中。
霊夢は操縦桿を握った。
正面のモニターには、宇宙空間が広がっている。
「……。」
霊夢は軽く息を吐いた。
「よし。」
発進管制から通信が入る。
『ネモ、発進準備完了!』
『発進どうぞ!』
霊夢が前を向く。
「ネモ、出るわよ!」
カタパルトが作動した。
紅白のネモが一気に加速する。
目指す先は、ラーディッシュを中心としたエゥーゴ防衛艦隊。
ティターンズとアクシズの攻撃を受けている友軍の援護だった。
グリプス2周辺宙域。
ラーディッシュへ向かって、三機のハンブラビが接近していた。
「隊長!」
「敵艦が見えてきました!」
「おう!」
ヤザンが笑う。
「一気に叩くぞ!」
その時。
「……!」
ヤザンが前方に目を向けた。
二機のガンダムが、進路を塞ぐように接近してきた。
ガンダムMk-Ⅲ。
そして、ガンダムMk-Ⅱ。
「カツ!」
エマが叫ぶ。
「あの三機、ラーディッシュに向かってる!」
「はい!」
「止めるわよ!」
「了解!」
ガンダムMk-Ⅲが加速する。
エマは二連装ビーム・キャノンをハンブラビへ向けた。
「そこ!」
二門のビーム・キャノンが火を噴く。
ビームがヤザンのハンブラビへ向かった。
しかし。
「おっと!」
ヤザンは機体を急旋回させた。
ビームがハンブラビの横を通過する。
ヤザンが敵機を見る。
「ほう。」
見慣れないガンダムが一機。
その隣には、以前から知っているガンダムMk-Ⅱ。
「新型か。」
ヤザンが笑みを浮かべる。
「それにMk-Ⅱ……。」
そして。
「よくも見つかった。」
ニヤリと笑う。
「ガンダムを殺るぞ!」
僚機へ命令する。
『了解!』
『了解!』
二機のハンブラビが左右へ展開する。
ヤザンのハンブラビが、その中央を進む。
三機は速度を上げた。
ガンダムMk-ⅢとガンダムMk-Ⅱへ向かって。
エマもビームライフルを構え直した。
「カツ、離れないで!」
「はい!」
二機のガンダムが迎撃態勢に入る。
三機のハンブラビが迫る。
そして。
両者の距離が、一気に縮まっていった。
引き続き、Rim Wordlにおけるフォークの検証を進めます。
前回の検証で、最大のマイナス要因の一つとして、霊夢、魔理沙、禰豆子の3人が誰一人としてフォークを見捨てることが出来ないということが挙げられます。
そこで、そのマイナス要因を無くすため、今回はカツとフォーク2人での脱出確率について検証します。
結論から言います
不可能です。ただし単独より遥かに早く、より悲惨な形で終わります。
二人の組み合わせが生む唯一のメリット
フォークの社交12という能力
難民のスカウト・交易の交渉において、カツ単独より遥かに有利です。
フォークの知力8(情熱)
研究速度がカツ単独の場合と比べて劇的に向上します。宇宙船基礎工学の研究が現実的な時間内に完了する可能性が生まれます。
カツの戦闘担当
フォークは全ての作業・戦闘をしません。カツが戦闘を担当し、フォークが研究・交渉を担当するという役割分担が理論上は成立します。
一見すると——カツ単独より明らかに優れた構成に見えます。
しかし全てのメリットが崩壊します
崩壊その1:フォークの即日メンタルブレイク
精神的弱さ+84%・欲張り・夢想家(心情-10)——
豪華な寝室がないDay1からフォークのメンタルブレイクが発動します。
転換性ヒステリーで気絶。
研究卓の前で倒れます。
知力8(情熱)という最大の武器が、Day1から機能しません。
崩壊その2:フォークの作戦立案・指揮
フォークは「自分が全ての作戦を立案・指揮する」という立場を誰にも阻まれず確立します。
「カツ、今すぐ前進しろ」「補給など不要だ」「この作戦計画通りに動け」
カツに対して一方的に命令を下し始めます。
これにより、カツが単独で動ける自由が奪われます。
崩壊その3:カツとフォークの相性の壊滅的な悪さ
カツの特性——「僕だって戦えるんだ」AI・承認欲求。
フォークの特性——傲慢・責任転嫁・気に障る声。
フォークがカツに命令を下す。カツが反発する。フォークが「カツは無能だ」と決めつける。カツが「僕だって戦えるんだ」と飛び出す。
RimWorldの社会システムで二人のオピニオンが急速に悪化します。
傲慢なフォーク——射撃5のカツを「使えない駒」として扱う。「君の射撃スキルでは話にならない」という言葉が気に障る声と組み合わさってカツの心情を破壊する。
オピニオンが一定値以下に落ちた瞬間——
社会的戦闘(仲間への暴力)が発生します。
カツがフォークを殴る。
フォークがデリケート(ダメージ×115%)・貧弱な肉体(ダメージ×120%)で重傷を負う。
重傷を負ったフォークの治療をカツがしなければならない。
医療スキル1のカツがフォークを治療しようとして——治療ミスが発生する可能性があります。
崩壊その4:反応炉起動シーケンス完了の瞬間
奇跡的に二人が生き残り、宇宙船まで辿り着いたとして——
フォークの「これ以上の作戦の遅滞は許されん」AIが発動します。
反応炉起動シーケンス完了の瞬間に発射レバーを押す。
カツがまだ乗り込んでいない可能性があります。
「僕だって戦えるんだ」AIで前線に出ていたカツが、宇宙船に戻り切れていない状況で——
フォークが一人で発射レバーを押す。
最も現実的なシナリオ
Day1
フォーク、転換性ヒステリーで気絶。研究開始できず。
カツがフォークの治療を試みる(医療スキル1)。
Day2〜3
フォークが回復。研究開始。
しかし欲張り・夢想家(心情-10)の恒常デバフで心情が底をつき始める。
カツへの命令が始まる。カツが反発する。
Day5前後
オピニオン悪化による社会的戦闘発生。
カツがフォークを殴る→フォーク重傷→カツが治療ミス→フォーク死亡。
あるいは——
フォークが転換性ヒステリーで気絶した場所が悪く、建設中の設備の前で倒れて作業が止まる→襲撃が来る→カツ単独で対応→射撃5で撃退不可能→全滅。
奇跡的に生き延びた場合の最終局面
反応炉起動シーケンス完了。
フォーク、即座に発射レバーを押す。
カツが外にいた場合、惑星に取り残される。
フォーク一人で宇宙船の航行を試みる。
知力8という能力があれば航行自体は可能かもしれない。
しかし一人で宇宙船に乗ったフォークの精神状態——
「カツを見捨てた」という認識がフォークにあるかどうかが問題です。
責任転嫁という特性が発動します。
「カツが足手まといだったから仕方なかった」
フォークはそう結論づけて——宇宙船の中で研究資料の整理でも始めるかもしれません。
カツとフォークの二人は、カツ単独より脱出確率が下がります。
理由は一言で言えます——
フォークの存在がカツの唯一の強み(単独で動ける自由)を奪い、カツの存在がフォークの唯一の強み(研究・交渉)を妨害するからです。
カツ単独では「自分の能力不足で終わる」という単純な失敗でした。
カツ+フォークでは「互いが互いの足を引っ張り合いながら、より悲惨な形で終わる」という複合的な失敗になります。
唯一の可能性として——
フォークがカツを惑星に置いて一人で脱出するというシナリオだけが、「フォーク単独の生存」という意味での成功に繋がります。
しかしそれは「脱出」ではなく「フォークによるカツの見捨て」です。
そしてフォークはそれを「作戦上やむを得ない判断だった」と総括します。
カツというキャラクターへの最も残酷な評価が、ここでも繰り返されます。