アーガマのブリーフィングルームには重い空気が流れていた。
クワトロが持ち込んだ情報。
アクシズが地球圏へ接近している。
そして誰よりも早く接触しなければならない。
そのためには。
ティターンズを出し抜く必要があった。
「ドゴス・ギアを叩け」
ウォンが断言する。
会議室が静まり返った。
ブライトが眉をひそめた。
「やってみようか、艦長」
クワトロが沈黙を破る。
「メガ・バズーカ・ランチャーを使う」
数時間後。
宙域。
ドゴス・ギア。
ティターンズ艦隊の中核。
巨大な艦影が宇宙に浮かんでいた。
その遥か彼方。
百式が静かに構えている。
手にしているのは巨大な砲。
メガ・バズーカ・ランチャー。
クワトロは照準を合わせる。
「大きいだけに、一撃では致命傷にならんか」
珍しく弱気な呟きだった。
一方。
前方宙域。
霊夢たちは防衛線を張っていた。
霊夢専用ネモ。
Zガンダム。
リック・ディアス隊。
敵MS隊を引き付ける役目である。
そして。
ドゴス・ギアから大量のMSが発進した。
ハイザック。
マラサイ。
ガルバルディβ
次々と現れる。
「多いわね」
霊夢はため息を吐いた。
ネモのビームライフルを構える。
一発。
マラサイの頭部消失。
二発。
ハイザックのモノアイ粉砕。
三発。
ガルバルディβのセンサー全損。
次々と敵が戦闘不能になる。
だが。
数が減らない。
減っているはずなのに減った気がしない。
それほど敵が多かった。
百式のメガ・バズーカ・ランチャーの光が走る。
一発。
二発。
三発。
予定では四発。
それまでは、戦線を維持しなければならない。
通信が入る。
『霊夢さん!』
カミーユだった。
『右から来ます!』
「見えてる」
ネモが横へ滑る。
ビームを回避。
そのまま敵機の頭部を撃ち抜く。
だが。
その時だった。
警告音。
見慣れない機影。
青い。
細い。
鋭い。
そして。
目が多い。
「……何あれ」
霊夢は思わず呟いた。
ハンブラビ。
ヤザン・ゲーブル機。
計5基のモノアイ。
独特なシルエット。
変形機構。
そして高機動。
霊夢はライフルを構える。
だが。
動きが止まった。
どこを撃てばいいのか分からない。
普段なら簡単だった。
頭を撃つ。
終わり。
だが。
目が5つある。
真ん中か。
横か。
全部か。
「どれ?」
ほんの一瞬。
本当に一瞬だった。
だが。
戦場では致命的だった。
ヤザンは見逃さない。
「もらったぁ!」
ハンブラビのビームガンが閃く。
直撃。
霊夢のネモのビームライフルが吹き飛んだ。
「しまった」
ライフル喪失。
ヤザンは笑う。
「変な色のネモだと思ったが!」
「大したことねえな!」
ハンブラビが突破する。
霊夢は追おうとする。
だが。
敵機が多すぎる。
次々と押し寄せるMS。
ネモは包囲される。
「面倒ね……」
その頃。
カミーユはハンブラビと交戦していた。
ハンブラビ。
速い。
異常に速い。
ヤザンも強い。
Zガンダムが押される。
ビーム。
回避。
格闘。
回避。
距離が取れない。
「くっ!」
カミーユが舌打ちする。
ヤザンが笑う。
「どうしたガンダム!」
「そんなもんか!」
Zガンダムが追い込まれる。
救援に駆けつけたレコアのゲルググの脚が破壊される。
バーニア損傷。
回避空間が無い。
逃げ場も無い。
次の一撃で終わる。
その瞬間だった。
宇宙が光る。
大量のビーム。
雨のように降り注ぐ。
ヤザンが驚愕する。
「何だ!?」
ハンブラビが離脱。
Zガンダムも後退。
さらにビーム。
さらに。
さらに。
戦場全体へ降り注ぐ。
誰も状況を理解できない。
そして現れた。
無数の機影。
ガザC。
ガザC。
ガザC。
見渡す限りガザC。
アクシズ艦隊だった。
カミーユは呆然と見上げる。
ティターンズも混乱している。
ヤザンも舌打ちした。
「チッ!」
戦況が変わった。
完全に。
霊夢は、遠ざかるハンブラビを見る。
「目が多すぎるのよ」
本気でそう思っていた。
この日。
霊夢は初めて。
敵に突破を許した。
理由。
ハンブラビのモノアイが多すぎたから。
本人は至って真面目だった。
今度は、カツがヘンケン艦長を差し置いて、Zガンダムの良識派、エマ・シーンを口説ける可能性を検証します。
結論から言うと、カツ・コバヤシがヘンケン艦長を差し置いてエマ・シーンを口説き、恋人関係になれる確率は 0.00%(完全なるゼロ・絶対不可能) です。
サラやファの時と同様、あるいはそれ以上に、このミッションは人間関係のパワーバランスとエマの性格上「完全な詰み」となっています。カツがエマを口説くことが「0%」である心理的・戦術的な3つの根拠を解剖します。
1. エマ・シーンという「軍人の鉄壁(規律)」
エマ・シーン(24歳)は、元ティターンズの極めて生真面目なエリート軍人です。彼女にとってアーガマやラーディッシュの艦内は「職場」であり、公私の区別を徹底的に厳守します。カツがいくら「生の感情(若さゆえの衝動)」でぶつかっていっても、エマにとっては「職場の問題児である子供(15歳)が、軍規を乱して甘えている」としか認識されません。劇中の名セリフ「慰めてもらいたいだけならムダよ! あなたと私は、恋人でも何でもないんだから…」が示す通り、甘えを100%の防御率でカウンター(拒絶)します。
2. ヘンケン艦長という「大人の包容力」の圧倒的な壁
ライバルであるヘンケン・ベッケナー艦長は、アーガマの初代艦長であり、エゥーゴを支える大人の男です。彼はエマに対してストレートで不器用ながらも、命を懸けて彼女を包囲・防衛するほどの紳士的な好意を寄せ続けています。常に戦場でのストレスに晒されているエマにとって、ヘンケンのような「大人の余裕と頼もしさ」こそが数少ない救い(心の拠り所)であり、カツの「指示を無視して勝手に出撃する頼りなさ」は、ヘンケンとの格差を際立たせるマイナスデバフにしかなり得ません。
3. 年齢制限という「物理的な射程外」エマが24歳であるのに対し、カツは15歳です。9歳という年齢差自体が絶対的な壁というわけではありませんが、エマの「理性的で落ち着いた大人の女性」というパーソナリティから見れば、カツは精神的にも社会的にも「口説いてくる男」ではなく、ただの「守るべき子供」の枠から一歩も出られません。
最終恋愛評価
通常の艦内での口説き: 0.00% (「ブリッジに戻りなさい!」とビンタされて終了)
ヘンケン艦長と直接競い合った場合: 0.00% (ヘンケンの大人の立ち回りの前に完全敗北)
もしカツが100人集まって、ラーディッシュのブリッジに向かって「エマさん!ヘンケン艦長なんかより僕と付き合ってください!」と一斉にスピーカーテロを仕掛けた場合。ヘンケン艦長から「ええい、ラーディッシュの全対空砲火でカツのネモを威嚇射撃しろ!」と艦長権限でのガチ迎撃命令が下るか、あるいはブライト艦長から「カツが100人集まって何をしている!全員修正だ!」と、100人のカツ全員が並ばされて拳で一網打尽にされるギャグエンドが確定します。
モビルスーツ戦を生き抜くよりも、エマ中尉の「理性の装甲」をブチ抜く方が、カツにとっては文字通り宇宙の果てよりも遠い無理ゲーであるという、冷徹な現実が確定してしまいました。