前作をまだ読んでいない?
ここまで言って読んでいない貴方の反抗度はカツ並みです。(ここでは誉め言葉です)
レコアの葬儀は静かに行われた。
アーガマの乗員たちが集まり。
短い黙祷を捧げる。
誰も大声では泣かなかった。
だが。
誰もが何かを失っていた。
霊夢は最後まで黙っていた。
何も言わない。
何も聞かない。
ただ立っていた。
それだけだった。
葬儀が終わる。
人々が散っていく。
カミーユも。
ファも。
アポリーも。
それぞれの場所へ戻っていく。
霊夢だけは動かなかった。
レコアのことを考える。
フォン・ブラウンの喫茶店。
コーヒー。
窓の外。
遠くを見る目。
「男と女しかいない」
「そこには意味があると思わない?」
あの時は意味が分からなかった。
今もよく分からない。
だが。
もう本人に聞けない。
それだけは分かった。
そして。
クワトロのことを思い出す。
人の心に踏み込む資格。
私には無い。
そう言った男。
レコアの想いから逃げた男。
ハマーンからも逃げた男。
戦場には出る。
だが人とは向き合わない。
霊夢には理解できなかった。
そこまでして。
何故戦うのか。
何故戦争を続けるのか。
元々。
自分は戦争が好きではない。
好きになったこともない。
頼まれたから戦っていただけだ。
死なせないために。
それだけだった。
だが。
レコアは死んだ。
結局。
死んだ。
そしてクワトロはまだ戦う。
何かから逃げながら。
戦い続ける。
霊夢は考える。
しばらく考える。
そして。
「もういいや」
ぽつりと呟いた。
その日の夕方。
艦長室。
ブライトが書類を読んでいた。
ノック。
「入れ」
霊夢だった。
珍しい。
自分から来ることは滅多にない。
ブライトは顔を上げる。
「どうした」
霊夢は椅子へ座った。
「退役する」
ブライトの手が止まる。
「何?」
「退役」
「だから退職金ちょうだい」
数秒。
沈黙。
ブライトは聞き間違いだと思った。
「もう一度言ってくれ」
「退役する」
「退職金ちょうだい」
聞き間違いではなかった。
数分後。
食堂。
アーガマ中へ話が広がる。
大騒ぎになった。
「はあああ!?」
最初に叫んだのはファだった。
「何言ってるのよ!」
「退役」
「だから何で!」
霊夢はお茶を飲む。
「嫌になったから」
ファが固まる。
あまりにも率直だった。
カミーユは顔色を変える。
「霊夢さん」
「何?」
「本気ですか」
「本気」
即答だった。
カミーユは何も言えなくなる。
冗談ではない。
本当に辞めるつもりだ。
アポリーも困惑していた。
「お前がいなくなったら困るぞ」
「そう?」
「そうだよ!」
珍しく声が大きかった。
カツも立ち上がる。
「何で辞めるんだよ!」
「嫌だから」
「理由になってない!」
「なってる」
霊夢は真顔だった。
「戦争嫌い」
食堂が静かになる。
誰も反論できなかった。
それは。
最初から知っていたことだった。
霊夢は戦争が嫌いだ。
戦うことも。
殺すことも。
だから敵を殺さなかった。
だから捕虜が増えた。
だから兵站が崩壊した。
全部そこから始まっている。
クワトロだけは黙っていた。
ずっと。
黙ったまま。
霊夢はその姿を見る。
そして。
「大尉」
クワトロが顔を上げる。
「何だ」
「私は大尉の逃げに付き合う理由はない」
食堂が凍り付く。
誰も息をしない。
霊夢は続けた。
「レコアさんは死んだ」
「……」
「それでも大尉は戦う」
「……」
「私は嫌」
それだけだった。
長い沈黙。
クワトロは何も言わない。
言えなかった。
やがて。
霊夢は立ち上がる。
「退職金よろしく」
ファが叫ぶ。
「話終わってない!」
「終わった」
「終わってない!」
カツも叫ぶ。
「勝手に決めるなよ!」
「決めた」
「何なんだよあんた!」
霊夢は少し考える。
そして。
「元巫女」
誰も反応できなかった。
そのまま食堂を出て行く。
残された全員は呆然としていた。
そして。
ブライトだけが頭を抱える。
エゥーゴ最強戦力。
被弾ゼロ。
損失ゼロ。
戦果最大。
そのパイロットが。
退職金を要求して辞めようとしている。
宇宙世紀の軍事史を探しても。
こんな退職届は存在しない。
ブライトは深いため息を吐いた。
「誰か引き留めろ……」
だが。
その場にいた誰も。
どうやって引き留めればいいのか分からなかった。
カツの恋愛シミュレーション結果がことごとく0.00%で、ランキング付けが出来なかった為、カツがアピールするほど逆効果(マイナス)として、難易度ランキング付けを実施しました。
1位 ハマーン・カーン: − 9,999 % (触れた瞬間にサイコフィールドで廃人化・チリ化)
2位 フォウ・ムラサメ: − 5,000 % (近づくだけでサイコミュ暴走により圧殺)
3位 ロザミア・バダム: − 4,000 % (お兄ちゃんぶるほど「偽物」と見破られてサイコMk-IIで秒殺される)
4位 レコア・ロンド: − 2,000 % (アピールするほどシロッコへの寝返りを早める「裏切り促進剤」)
5位 ファ・ユイリィ: − 800 % (カミーユ愛の壁に弾かれてブリッジでひっぱたかれる)
6位 エマ・シーン: − 300 % (軍紀を乱したとして往復ビンタ)
7位 サラ・ザビアロフ: + 0.005 % (唯一のプラス。死ぬ覚悟があれば奇跡が起きるかもしれない)
カツ・・・哀れな男よ