重苦しい展開は前作の反応炉編で疲れたので、最終的に廃案としました。
前作を、これだけ言っても読んでいない?
もう私の負けです。
その日のアーガマは珍しく平和だった。
敵影なし。
警報なし。
作戦会議もなし。
整備班は格納庫で作業を続けているが、艦内にはどこか気の抜けた空気が流れている。
食堂も同じだった。
昼食を終えた乗員たちが思い思いに休憩している。
ファは紅茶を飲み。
アポリーは整備班の愚痴をこぼし。
カミーユは珍しく本を読んでいた。
そして霊夢は。
いつものようにお茶を飲んでいた。
戦争中とは思えないほど平和だった。
ふと。
霊夢が顔を上げる。
「ねえ」
向かいのカミーユが本から目を離した。
「何ですか?」
霊夢は湯呑みを持ったまま尋ねる。
「ニュータイプって何?」
カミーユが固まった。
食堂の空気も少し止まる。
アポリーが顔を上げる。
ファも振り向く。
そして少し離れた席でコーヒーを飲んでいたクワトロもこちらを見た。
霊夢がニュータイプに興味を持った。
それだけでちょっとした事件だった。
「どうしたんです急に」
カミーユが聞く。
「気になった」
「今さら?」
「今さら」
霊夢は頷く。
「ニュータイプになるとどうなるの?」
非常に素朴な質問だった。
カミーユは考える。
だが。
考えれば考えるほど難しい。
自分はニュータイプだ。
だが。
ニュータイプとは何かと聞かれると困る。
しばらく考えた末に答える。
「分かり合えるんです」
霊夢は頷く。
「みんな?」
「いや……」
いきなり詰まった。
「ヤザンとも?」
「無理です」
即答だった。
「シロッコは?」
「絶対無理です」
「ハマーンは?」
カミーユが黙る。
霊夢も黙る。
そして。
「じゃあ何が変わるの?」
カミーユは本気で困った。
ニュータイプ。
分かり合える。
理解できる。
そう信じている。
だが。
実際に分かり合えた相手が誰かと言われると。
思い浮かばない。
むしろ。
分かってしまったからこそ傷付いた相手の方が多い。
フォウにサラ。
カミーユは答えられなかった。
そこでクワトロが立ち上がる。
「私が答えよう」
どこか嬉しそうだった。
ようやく霊夢がニュータイプに興味を持った。
そう思っているらしい。
クワトロは席を移動してくる。
「ニュータイプとは可能性だ」
霊夢は首を傾げる。
「何の?」
「人類の未来の」
「未来って何?」
クワトロが止まる。
ファが吹き出しそうになる。
アポリーは笑いを堪えている。
「人類が進むべき先だ」
「何で?」
「より良い社会を作るためだ」
「強くなるの?」
「それだけではない」
「偉くなるの?」
「違う」
「お金持ち?」
「違う」
「じゃあ何?」
クワトロは少し困った顔になる。
霊夢は本気で聞いていた。
だが。
本気で分からない。
「争わなくなるの?」
クワトロは少し考える。
「理論上は」
「今なってないじゃない」
食堂が静まり返った。
ファがとうとう吹き出した。
アポリーも笑い始める。
クワトロは黙る。
事実だった。
ニュータイプ同士が争っている。
シロッコ。
ハマーン。
カミーユ。
そしてシャア。
むしろ普通の人間以上に激しくぶつかっている。
霊夢はさらに続ける。
「大尉」
「何だ」
「人類は変わらなきゃいけないの?」
「変わらねばならん」
「何で?」
「争いをなくすためだ」
霊夢はしばらく考えた。
幻想郷を思い出す。
人間。
妖怪。
神様。
幽霊。
天狗。
河童。
みんな違う。
だが普通に暮らしている。
別に理解し合っているわけではない。
理解できない相手もいる。
それでも共存している。
だから。
「分かり合えれば平和になる」
という理屈がよく分からない。
「ニュータイプ同士でも争ってるわよね」
クワトロがまた黙る。
カミーユも黙る。
食堂全体が黙る。
誰も反論できない。
しばらく沈黙が続く。
そして霊夢は結論を出した。
「心が読める人達?」
「違います」
カミーユが即答する。
「未来が見える人達?」
「違う」
クワトロも首を振る。
「じゃあ何なの?」
再び沈黙。
長い沈黙。
そして。
カミーユがぽつりと呟いた。
「僕も知りたいです」
食堂に笑いが起こる。
クワトロだけが苦い顔をしていた。
だが否定できない。
結局。
誰も説明できていない。
霊夢はお茶を飲む。
そして。
「ニュータイプになるより」
全員が振り向く。
「お茶飲んで寝た方が平和じゃない?」
ファが吹き出す。
アポリーが腹を抱える。
カミーユは苦笑する。
「それはまあ……」
否定できない。
本当に否定できない。
戦争を嫌い。
敵を殺さず。
誰よりも多くの命を救っている霊夢が言うと。
余計に否定できない。
クワトロはコーヒーを飲む。
何か反論しようとする。
ニュータイプ。
人類の革新。
未来。
理想。
いくらでも語れる。
だが。
なぜか言葉が出てこない。
結局。
霊夢は最後までニュータイプを理解できなかった。
そして。
クワトロもまた。
ニュータイプを説明することができなかった。
ただ一つだけ確かなことがあった。
食堂の誰よりも平和を実践しているのは。
ニュータイプ論を語る人間ではなく。
お茶を飲みながら昼寝のことを考えている巫女だった。
前回のウェイブライダー突撃の成功率が0.00%だったので、絶望的な特攻の確率を1ミリでも上げるために、唯一カツに力を貸してくれそうなエマ中尉が「カツの後ろに守護霊として無理やり憑りついて、死者の魂たちを強引にスカウトしてくれた場合」は、オカルトが発動してジ・Oを撃破出来るか検証しました。
結論から言うと、カツの後ろに精神体のエマ中尉が守護霊として無理やり憑りつき、戦場に漂う死者の魂たちを強引にスカウトしてくれた場合、オカルトが発動してジ・Oを撃破出来る確率は【 約 0.05% (約2,000分の1) 】まで劇的に跳ね上がります。
エマ中尉という「究極の統率バフ(鬼教官守護霊)」が背後に憑いたことで、宇宙世紀の因果律に初めて現実的な勝機が生まれます。この「2,000分の1の奇跡」のオカルト発動プロセスを、フェーズごとに解剖します。
【フェーズ1:エマ中尉による死者の魂の「強制的スカウト(軍隊化)」】
通常、カツの自己愛(生の感情)には誰も共鳴しませんが、背後に憑いたエマ中尉の精神体は元ティターンズのエリート軍人です。戦場に漂うフォウやロザミア、その他の名もなき死者たちの魂に対し、エマ中尉が持ち前の厳格さで、「いい加減にしなさい!全霊、カツのバイオセンサーに突撃!グリプス戦役の決着をつけるのよ!」と、凄まじい精神的プレッシャーで強制的に規律(フォーメーション)を敷きます。死者たちの魂は、エマ中尉のあまりの厳しさと正論の前に逆らうことができず、「死んだ後までエマ中尉に怒られたくない」という恐怖と敬意によって、カツのZガンダムのバイオセンサーへと一糸乱れぬ隊列で強制集結させられます。
【フェーズ2:強制オカルト発動とジ・Oのフリーズ】
エマ中尉によって無理やり死者の魂を100%詰め込まれたZガンダムは、カツ自身の意志とは無関係に、カミーユの時と同じ「巨大な緑色のオーラ(サイコ・フィールド)」を激しく放ち始めます。
シロッコ側の想定外:シロッコは、突っ込んでくるのがカツ単体だと思って「生の感情丸出しの俗物が!」と嘲笑(油断)していました。しかし、その背後に直立不動で腕を組んでカツを睨みつけるエマ中尉の巨大な精神体と、その後ろに統率された死者たちの軍勢が見えた瞬間、シロッコは「な、何だこのプレッシャーは!? 生の感情ではない、これは……軍隊(規律)の意思なのか!?」と激しく困惑します。
ジ・Oの完全フリーズ(成功率 5.0%):エマ中尉が統率するサイコウェーブがジ・Oのバイオセンサーをハックし、ジ・Oの駆動系を完全にフリーズすることに成功します。
【フェーズ3:突撃成功と、カツの「思い込みの壁」】
ジ・Oの足を止める(フリーズさせる)ことには成功しました。Zガンダムはそのままウェイブライダー形態でジ・Oの胴体(シロッコ)へ向けて突進します。しかし、ここで最後に「カツ本人の未熟さ」が確率の壁として立ちはだかります。
レバーを引ききれないカツ(確率の減衰):ジ・Oが動けない絶好のチャンスですが、カツはエマ中尉の背後霊プレッシャーと、目の前に迫るジ・Oの巨体に完全にパニックを起こしています。「うわあああ!エマさん!シロッコおおお!」と目を瞑って絶叫しているため、最後の最後に激突のコースが数センチずれる、あるいは激突直前に恐怖で減速レバーを引いてしまう操作ミス(カツ特有のデバフ)を 99% の確率で起こします。
厳密な掛け算のロジック
1.エマ中尉が死者の魂を100%統率し、シロッコを困惑させてジ・Oをフリーズさせる確率 ➔ 5.0%
2.カツが恐怖による操作ミス(99%自滅)を奇跡的に乗り越え、減速せずにジ・Oの胴体コクピットへピンポイントでウェイブライダーの機首を突き刺せる確率 ➔ 1.0%
これらが完全に噛み合う総確率を算出します。
最終確定確率:約 0.05% (約2,000分の1)
エマ中尉が守護霊として死者を「強制徴兵」してくれたおかげで、ジ・Oをフリーズさせるオカルトは発動しますが、最後の最後にカツがパニックで突撃コースをミスる確率が極めて高いため、撃破成功率は「2,000回に1回成功する現実的な奇跡」に収束します。2,000回に1回の勝利の世界線──それは、エマ中尉に後ろから「レバーを引きなさい、カツ!」と怒鳴られたカツが、恐怖のあまり完全に気を失い(気絶)、気絶したカツの体が偶然レバーの前にのめり込んで最高推力を維持したまま、無抵抗のジ・Oの胸部コクピットを寸分の狂いなくブチ抜くという、エマ中尉の教育(オカルト)がカツを完全に介護しきった瞬間です。