アーガマの一室。
霊夢の部屋。
畳。
ちゃぶ台。
湯気の立つお茶。
せんべい。
そしてごろごろしている巫女。
アーガマの中とは思えない光景だった。
コンコン。
扉が鳴る。
「入ってる」
何が入っているのか分からない返事だった。
扉が開く。
クワトロだった。
「やはりここにいたか」
「他に行く場所ないし」
クワトロは苦笑する。
最近は彼もこの部屋に慣れてきていた。
霊夢がお茶を差し出す。
「飲む?」
「頂こう」
クワトロが座る。
しばらく静かな時間が流れた。
そして。
霊夢がぽつりと尋ねる。
「ねえ」
「なんだ」
「どうやったらニュータイプになるの?」
クワトロは少し驚いた。
そして。
少しだけ嬉しかった。
「興味を持ったか」
「うん」
クワトロは頷く。
「人は宇宙に適応し」
「互いを理解し」
「新しい段階へ進む」
「それがニュータイプだ」
霊夢は聞いている。
だが。
数秒後。
「それでどうやるの?」
クワトロが止まった。
「む?」
「なり方」
霊夢はお茶を飲む。
「あるんでしょ?」
「修行とか」
「勉強とか」
「訓練とか」
「何か」
クワトロは黙る。
霊夢は思想を聞いているのではない。
方法を聞いている。
どうやってなるのか。
それだけだ。
しかし。
クワトロは答えられなかった。
「……」
「ないの?」
「いや」
クワトロは言葉を探す。
だが見つからない。
実際。
シャア・アズナブル自身も知らない。
ニュータイプがどう生まれるのか。
どう増えるのか。
誰も知らない。
そこへ。
偶然カミーユがやってきた。
「何してるんですか?」
「ニュータイプの話」
「またですか」
カミーユが苦笑する。
そして霊夢が聞く。
「カミーユはどうやってなったの?」
「分かりません」
即答だった。
「生まれつき?」
「多分」
「じゃあなれないじゃない」
終了。
カミーユも止まる。
クワトロも止まる。
霊夢だけがお茶を飲む。
「なれないじゃない」
非常に単純な結論だった。
しかし誰も反論できない。
そして。
霊夢の疑問はそこでは終わらない。
「人類全員ニュータイプになれば戦争終わるんでしょ?」
クワトロが頷く。
「理論上は」
「でもなり方分からない」
「……」
「なれるかも分からない」
「……」
「今いるのも少ない」
「……」
霊夢は首を傾げる。
「それ計画になってないわよね」
和室が静まり返る。
畳の上に沈黙が落ちた。
カミーユが視線を逸らす。
クワトロはお茶を見つめる。
何故か。
とても痛かった。
ダカール演説。
ニュータイプ論。
人類の未来。
それらは希望だった。
理想だった。
しかし霊夢は違う。
希望として見ていない。
現実として見ている。
「なる方法がない」
「増やす方法もない」
「いつ実現するかも分からない」
そして。
「じゃあどうするの?」
これが一番痛かった。
クワトロは答えられない。
理想は語れる。
未来も語れる。
だが。
そこへ至る道筋は。
実は誰も知らない。
しばらくして。
霊夢がぽつりと言った。
「大尉って危ないわね」
「何?」
クワトロが顔を上げる。
カミーユが吹き出しそうになる。
「何故だ?」
クワトロが聞く。
霊夢は真面目だった。
「大尉は」
「何かを実現しようとして動くのではなく」
「未来に賭けてる」
クワトロは黙る。
「それ本当に来るの?」
「来なければならん」
反射的に答えていた。
しかし。
霊夢は即座に返す。
「来るのと」
「来てほしいのは違うわよ」
再び沈黙。
今度は長かった。
クワトロは何も言えない。
カミーユも言えない。
霊夢は最後のせんべいを食べる。
カミーユもクワトロもニュータイプ。
そして。
苦しんでいる。
だから。
霊夢の感想は実に単純だった。
「ニュータイプって大変ね」
カミーユが苦笑する。
「そうかもしれません」
「ねえ」
霊夢が再び口を開く。
「なんだ」
クワトロが答える。
「ニュータイプになったら幸せになるの?」
クワトロが止まる。
カミーユも止まる。
誰も答えない。
畳の部屋に沈黙だけが残る。
そして霊夢は湯呑みを持ち上げた。
「ならなくてもお茶は飲めるわよ?」
和室にまた何とも言えない空気が流れた。
その夜。
クワトロは珍しく眠れなかった。
窓の外の星を見ながら考える。
ニュータイプ。
人類の未来。
自分が信じてきた理想。
それは理想なのか。
それとも願望なのか。
初めてではない。
だが。
今までより少しだけ深く考えてしまう。
畳の部屋でお茶を飲みながら、
「で、どうやるの?」
と聞いてきた巫女のせいだった。
そしてその問いに。
シャア・アズナブルも。
カミーユ・ビダンも。
まだ答えを持っていなかった。
今回は、カツがネオ・ジオングに乗っていれば、シロッコの乗ったボールに勝てるかを検証します。機体の性能差はパイロットの力量差を埋められるのでしょうか?
結論から言うと、カツ・コバヤシが「ネオ・ジオング」に乗っていれば、パプテマス・シロッコの乗る「ボール」に【 100.00% 】の確率で勝利できます。
これまで「0%」や「数千万分の1」という絶望的な自滅を繰り返してきたカツですが、機体がネオ・ジオング(全高116mの神のごとき超巨大MA)であり、相手がボール(一年戦争時の宇宙用簡易作業ポッド)という宇宙世紀史上最大の圧倒的なスペック格差の前に、カツの致命的な未熟さ(自滅特性)すら完全に無効化されます。
カツがシロッコに対してついに完全勝利できる、戦術的な理由を解剖します。
1. 絶望を通り越した機体スペック差
カツ(ネオ・ジオング):出力・装甲ともに宇宙世紀最高峰。動く要塞。
シロッコ(ボール):全高12.8m。装甲は薄く、主兵装は頭部の180mm低反動キャノン砲1門のみ。一般兵でも一撃で爆散する「動く棺桶」。
どれだけシロッコが天才であっても、ボールの180mmキャノン砲の威力では、ネオ・ジオングの分厚い装甲に対しては文字通り「チリやデブリがぶつかった程度」の衝撃にしかならず、ジ・O戦の時のように「装甲の隙間を抜かれて一撃死」するリスクが物理的に0%になります。
【戦闘プロセス:天才シロッコの無駄な足掻きと完全圧殺】
フェーズ1:シロッコの超絶技巧(ボールの極限機動)
戦闘開始の瞬間、シロッコはボールの貧弱な姿勢制御スラスターを極限まで駆動させ、天才的な空間認識能力でネオ・ジオングの巨体の死角へと回り込みます。シロッコは冷や汗を流しながらも、「形だけの巨体が!乗っているのがカツなら、付け入る隙はある!」と、ボールのキャノン砲をネモの時と同じように「ネオ・ジオングの姿勢制御バーニアの隙間」に向けて正確に連射します。
フェーズ2:カツのパニック(自動迎撃システムの起動)
シロッコの突発的な接近とプレッシャーにより、カツはコックピット内でいつも通り「うわあああ!シロッコめ、どこから撃っているんだ!?」と大パニックを起こし、涙目で操縦レバーをデタラメに乱打(暴走)します。通常ならここでデブリに激突して大破するカツですが、ネオ・ジオングは違います。
全方位自動迎撃: カツがパニックでレバーを引かなくても、機体側の高度な自律サイコミュシステムが周囲の敵(ボール)を自動検知。全身の60門のメガ粒子砲、あるいは肩部の有線式大型ファンネル・ビットが、カツの操作を無視して360度全方位へ光の壁(飽和攻撃)を自動照射します。
フェーズ3:圧倒的な物量による蒸発
シロッコがどれだけ神がかった精密回避(1.57倍の油断補正を捨てた本気の操縦)を見せようとも、ボールの推力では、360度全方位から迫り来る戦艦の主砲クラスのビームの豪雨(光の壁)を避けるスペース自体が物理的に存在しません。逃げ場を完全に失ったシロッコのボールは、ネオ・ジオングの放った無数のメガ粒子砲のわずか1発がかすっただけで、装甲ごと一瞬で融解・蒸発(秒殺)し、宇宙のチリとなって戦闘が終了します。
最終戦術評価:【 カツ(ネオ・ジオング):100% 】
この戦いにおいては、カツ最大の敗因であった「サイコ・シャードによる手元自爆(オカルト暴走)」すら発生しません。なぜなら、シロッコのボールはビーム兵器(Eパック)やサイコミュを一切搭載していない「ただの実弾作業ポッド」であるため、サイコ・シャードでジャックする対象が少なく、カツがどれだけ絶望的な脳波を流しても、ネオ・ジオング側がバグを起こす前に物理的なビームの火力だけでボールを完全に消滅させられるからです。
戦闘終了後、カツはコックピットの中で、「やった……やったぞ!僕が、あのシロッコに勝ったんだ!ブライト艦長、カミーユ、見たか!」とアーガマに向かって大威張りで通信を入れます。しかし、アーガマのブリッジのブライト艦長やクワトロ大尉からは、モニターに映る「最高機密のネオ・ジオングに乗って、ボール1機を相手に大パニックで全武装を無駄撃ちして息を切らしているカツ」の姿を見て、「……あいつは何をやっているんだ」と、深い溜息(冷たい目)で見つめられるという、ある意味カツらしいオチがつきます。
ついに、カツの初完全勝利です。