ただし、通常の弾幕ごっこと同様に「誰も命を落とさないこと」を前提とした戦闘です。
つまり、弾幕ごっこのルールを現実の武器に置き換えて再現した戦闘を指しています。
人が死にまくった、前作「辺境の惑星でリアル弾幕ごっこ」とは全く意味が異なります。
前作を読んでない?
だから読みましょうって。(しつこい)
Sガンダムがアーガマから発進する。
霊夢にとって初陣。
だが。
「広いわね」
宇宙を見た感想がそれだった。
通信が入る。
アポリー。
『敵機確認!』
『ハイザック四!』
『マラサイ二!』
『接敵まで三十秒!』
霊夢はモニターを見る。
六機。
接敵。
ティターンズ隊が一斉射撃。
無数のビーム。
マシンガンの弾。
しかし。
霊夢の目には。
隙間だらけだった。
「当たらないじゃない」
Sガンダムが動く。
いや。
滑る。
ビームの隙間。
マシンガン。
全てを紙一重で抜ける。
「何だこいつ!?」
「回避行動がおかしい!」
「ニュータイプか!?」
違う。
単に。
霊夢基準では。
弾幕が薄いだけだった。
そして。
ビーム・スマートガン発射。
一発。
ハイザックの頭部が吹き飛ぶ。
二発目。
マラサイの頭部消失。
三発目。
また頭。
『なっ!?』
『メインカメラが!』
『見えない!』
『撤退だ!』
しかし。
逃がさない。
ビーム・スマートガン。
また一発。
頭。
また一発。
頭。
また一発。
頭。
六機。
全機。
頭部喪失。
撃墜ゼロ。
戦闘終了。
アポリー。
沈黙。
カミーユ。
沈黙。
ブライト。
沈黙。
Sガンダム帰還。
格納庫。
アストナージが駆け寄る。
「被弾は!?」
「してない」
「機体損傷は!?」
「多分ない」
アストナージが機体を見る。
本当に無傷だった。
ブライトもやって来る。
「戦果を確認した」
「そう」
「何故撃墜しなかった?」
霊夢は首を傾げた。
「何で?」
今度はブライトが固まる。
「敵だぞ」
「だから?」
「戦争だ」
「見えなくなったら終わりじゃない」
全員。
沈黙。
エマが聞く。
「コクピットを狙えたの?」
「狙えた」
「じゃあ何故?」
霊夢。
当たり前のように言った。
「死ぬじゃない」
格納庫が静まり返る。
「死んだら終わりでしょ」
誰も何も言えなかった。
その時。
レコアが吹き出した。
「ふふっ」
「レコア少尉?」
レコア。
笑いながら言う。
「だってこの子」
「本気で言ってるもの」
「?」
本気だった。
ティターンズ艦。
帰還デッキ。
ハイザック。
マラサイ。
次々着艦。
整備兵が固まる。
「何だこれ……」
「全部頭が無いぞ」
パイロット達も混乱。
「何だったんだあいつ」
「見えてたのか?」
「ニュータイプか?」
その時。
「ジェリド隊帰還!」
ジェリドがガブスレイから降りてくる。
そして。
頭の無いMSが並ぶ光景を見る。
「何だこれは」
「それが……」
「敵の新型です」
「撃墜されたのか?」
「いえ」
「メインカメラだけやられました」
「は?」
「全機です」
「全機?」
「全機です」
ジェリドは絶句する。
撃墜されたなら分かる。
損傷したなら分かる。
だが。
頭だけ。
全機。
「そんな馬鹿な話があるか」
「ありました」
ジェリド。
沈黙。
「……何だそれは」
誰にも分からなかった。
ただ一つ分かったことがある。
アーガマに。
とんでもなく厄介なパイロットが現れた。
霊夢の目には、弾幕が空間を埋め尽くす幻想郷の弾幕ごっこに比べれば、
MSの弾幕など隙間だらけ。
通りたい放題の空間に見えます。