バカンスに行きたかったので、後書き担当のたこわさび先生に本編を任せたところ、このようなことになってしまいました。
前話は存在しなかったことにしてください。
では、気を取り直して、引き続き物語の続きをお楽しみ下さい。
シロッコの笑みが、一瞬だけ止まった。
和室に沈黙が落ちる。
だが、その沈黙も長くは続かなかった。
シロッコはゆっくりと表情を戻し、霊夢を見つめる。
「……何故、そう思う?」
霊夢は少しだけ考え、静かに答えた。
「だって。」
「私を勧誘した時。」
「『私のために力を使ってほしい』って言ったでしょ。」
シロッコは黙って聞いている。
霊夢は続けた。
「サラもそう。」
「ティターンズのためじゃない。」
「あなた個人のために戦ってる。」
サラの肩が僅かに震える。
「おそらく。」
「レコアさんもそう。」
和室が静まり返る。
霊夢は一呼吸置いた。
「思想とか。」
「主義とか。」
「そういうものじゃなくて。」
「あなた自身のために戦う人を集めてる。」
「だから。」
「何か大きなものを掴もうとしている人なんだなって思った。」
誰も口を開かなかった。
ブライトも。
クワトロも。
カミーユも。
霊夢とシロッコのやり取りに、全員が聞き入っている。
その中で、一人だけ。
誰にも気付かれぬよう畳を一歩、静かに進んでいた。
だが、その小さな動きに気付く者はいなかった。
シロッコは静かに目を閉じる。
数秒後。
ふっと笑みを浮かべた。
「……本当に。」
「君は面白い。」
霊夢は首を傾げる。
「当たってる?」
シロッコは肩をすくめた。
「当たらずとも遠からずだな。」
そう言うと、クワトロとブライトへ向き直る。
「今日は実に興味深い話ができた。」
霊夢は期待したように身を乗り出す。
「じゃあ。」
「エウーゴに来てくれるの?」
シロッコは静かに首を横へ振った。
「いや。」
「まだ、その流れに乗る時期ではない。」
ブライトが口を開く。
「パプテマス・シロッコ。」
「ティターンズの敗北が近づくほど、貴方を迎え入れる条件は悪くなるかもしれません。」
「今が最も良い条件だと思いますが。」
シロッコは小さく笑った。
「そういう意味ではない。」
「私が待っているのは。」
「世界が大きく変わる流れだ。」
クワトロが静かに尋ねる。
「その流れは来ると?」
「来るな。」
迷いのない返答だった。
「だから。」
「それまでは。」
「君たちとは事を荒げたくないものだ。」
和室には再び静かな空気が戻る。
その間にも。
一人だけ。
誰にも気付かれぬよう。
少しずつ距離を詰めている者がいた。
怒りに震える拳。
服の内側へ伸びる右手。
誰も気付かない。
ただ一人。
霊夢だけが、その動きに目を向けた。
「……カツ?」
次の瞬間だった。
カツが叫ぶ。
「死ねぇっ!! シロッコ!!」
拳銃が抜かれる。
乾いた銃声。
その刹那。
「駄目っ!」
霊夢が反射的に飛び出した。
シロッコの前へ。
カツとシロッコの間へ。
銃弾は霊夢の肩に命中した。
「……っ!」
赤い巫女装束が、一瞬で朱に染まる。
霊夢の体がぐらりと揺れた。
「霊夢さん!」
「霊夢!」
カミーユとファが同時に叫ぶ。
ブライトが立ち上がり、エマが駆け寄る。
サラも呆然とその場に立ち尽くした。
カツは拳銃を落とし、青ざめる。
「ぼ……僕は……。」
「そんな……。」
シロッコは微動だにしていなかった。
ただ静かに、倒れかける霊夢を見つめている。
霊夢は痛みに顔をしかめながらも、小さく息を吐いた。
「だから……。」
「撃っちゃ駄目って……。」
和室に満ちていた静かな空気は、たった一発の銃声によって、音を立てて崩れ去った。
渡された本編のプロットがあまりに暗かったので、よかれと思ってアレンジしましたが、わさび先生にブライト艦長並みにこってり怒られてしまいました。残念。
それでは、カツの幻想郷入りシリーズ第3弾
今回は、魔法の森から消し飛ばされたカツが、紅魔館に不法侵入して十六夜咲夜を口説いて恋愛関係になる可能性を検証します。
結論から申し上げますと、魔法の森から消し飛ばされたカツが紅魔館に不法侵入し、十六夜咲夜を口説いて正式な「恋人関係」になれる確率は 【 − 8,500.00 % 】(絶対不可能・アピールを開始した瞬間に対象を『不審者』と認識され、時間が止まった世界で細切れにされる最悪のデバフ) になります。
霊夢(マイナス5,000%)や魔理沙(マイナス3,500%)の時は、まだ「人間」として扱われていましたが、完全無欠のメイド・十六夜咲夜を相手にした場合、カツの前に立ちはだかるのは恋愛の壁ではなく「防犯システムとしての絶対的な殺意」です。マイナス8,500%という、これまでのモビルスーツ戦をも置き去り隔絶する大自滅(デバフ)の理由を解剖します。
1. 十六夜咲夜の精神構造(最強の「紅魔館セーフティ」)
十六夜咲夜の忠誠心と人生のすべては、主(レミリア・スカーレット)と紅魔館を守ることに100%ロックされています。彼女の本質は「冷徹なまでの完璧主義」であり、館の調和を乱す侵入者はゴミ同然に排除します。カツのような「勝手に庭を荒らして、不法侵入してきた挙句に私情を喚き散らす外の世界の子供(15歳)」は、恋愛対象どころか「お嬢様の昼食(あるいはその家畜)にも適さない、ただの有害な不審者(害虫)」として事務的に処理されます。
2. カツの「説教口説き」が踏み抜く、時空の地雷
カツは紅魔館の豪華なロビーに侵入し、優雅に紅茶を運ぶ咲夜を見て、またしても「悪魔の館から彼女を救い出さなきゃ!」という最悪の病気(説教癖)を発動させます。「咲夜さん!こんな吸血鬼の館で、メイドなんかやってちゃダメだ!僕が君を外の世界へ連れ出して、まともな人間の幸せを教えてあげる!」などと熱烈にアピール(正義感の押し付け)を仕掛けた場合。主への絶対的な忠誠心をこれ以上ない形で汚された咲夜の殺意は、一気にカンスト(マイナス8,500%)に達します。
【タイムライン:カツの告白と『ザ・ワールド』の絶望】
アピール前の状態:咲夜は、門番(美鈴)をすり抜けてロビーまで入ってきたカツを「あら、不法侵入者ですか。お嬢様に見つかる前に排除しておきましょう」と、ただの「日常の雑務」としてナイフを構えていた(この時点ではまだ喋る余地があった)。
アピール(カツの主否定を交えた告白)した瞬間:カツが生の感情を爆発させ、レミリアを「化け物」呼ばわりしながら咲夜の手を握ろうと迫ります。
確率の推移【 − 8,500.00 % 】:咲夜の瞳から一切の感情が消え、時計の針が刻む音とともに彼女の固有能力「時間を操る程度の能力(ザ・ワールド)」が発動します。「……時計の針を止めました。お嬢様を侮辱したその汚れた口、二度と開けないようにして差し上げます。掃除の手間が増えるので、館の外で塵になってください」
結末:時間が止まった世界での「銀のナイフ肉切り盤(ダルマ化)」
カツが「分かってくれ!サラもレコアさんも、そうやってシロッコに騙されて……!」とパニックを起こして叫ぼうとした瞬間、カツの視界、そして世界のすべてが静止(完全フリーズ)します。
静止した世界での配置: 咲夜は冷徹な手際で、カツの周囲360度、全方位の数センチの隙間に数百本の「銀のナイフ」を、カツの首、腕、脚の関節に向けて寸分の狂いなく立体配置(飽和包囲)します。
時の動きの再開: 咲夜がパチンと指を鳴らした瞬間、世界の時間が再び動き出します。カツが「うわあ……」と最初の1文字を発声するよりも早く、数百本の銀のナイフが一斉にカツを襲います。モビルスーツに乗っていない生身のカツは、ジ・Oの隠し腕四刀流カウンターすら生ぬるいほどの物理的破壊を浴び、「うわあああエマさぁーーーん!!」と叫ぶ暇すら与えられないまま、衣服も肉体も細切れ(ダルマ化)にされ、紅魔館の門の外の生垣へと音速で叩き出されて戦闘(およびロマンス)が完全終了します。