しかし、もし霊夢が止めていなければ、史実(TV版)と同様に、シャアは同盟国であるアクシズの旗艦グワダン艦内で見張りの兵士を射殺し、さらに交渉の席にいたシロッコを銃撃していたことになります。
現実の外交・軍事の感覚で考えると、このような事件が発生した場合、ハマーンは次のような対応を取った可能性があります。
エゥーゴに対する厳重な抗議
アクシズ艦内で殺人・銃撃事件を起こしたシャアの身柄引き渡し要求
交渉中の銃撃が引き金となり戦闘へ発展し、その結果グワダンが沈没したことに対する多額の賠償請求
この物語では、カツはシロッコ銃撃事件の責任を問われて軍法会議にかけられました。しかし、もし史実通りにシャアが事件を起こしていたなら、軍法会議で済む問題ではなく、身柄を拘束されたうえでアクシズへ引き渡されていた可能性も十分考えられます。
一方で、TV版『Ζガンダム』では、シャアの一連の行動が問題視された描写はありません。そのため、この事件がどのように処理されたのかは作中では明らかにされていません。
考えられる解釈としては、ジャミトフの死によってエゥーゴがアクシズの同盟を維持する目的が急速に薄れ、エゥーゴがハマーンの抗議や要求を拒否した可能性があります。また、当時のシャアはエゥーゴの中心人物であり、処分や引き渡しを行えば組織の指揮系統に大きな混乱を招くため、上層部による内部処分という形で決着した可能性も考えられます。
翌日。
アーガマの食堂には、昼食の時間を迎えたクルーたちで賑わいが戻っていた。
厨房の前では列ができ、食器の触れ合う音と談笑が、昨夜までの重苦しい空気を少しずつ洗い流している。
片腕を負傷している霊夢は、トレーを持つことができないため、ファが二人分の食事を受け取りに行っていた。
「はい、霊夢。」
ファは笑顔で霊夢の前へトレーを置く。
「ありがとう、ファ。」
霊夢も小さく笑みを返した。
やがてカミーユとエマも席へ着き、四人は同じテーブルを囲む。
しばらくは食器の音だけが静かに響いていた。
最初に口を開いたのはファだった。
「エマ中尉……。」
「昨日の軍法会議なんですけど。」
エマが顔を上げる。
「何かしら?」
ファは少し言いにくそうに続けた。
「本当に、終身刑を求めるつもりだったんですか?」
その言葉にカミーユも頷く。
「僕も気になっていました。」
「エマ中尉なら、もっと別の求刑もできたはずです。」
エマは二人の顔を見回した後、ふっと笑った。
「でも、みんな反対したでしょう?」
二人はきょとんとする。
エマは肩をすくめた。
「私は告発人よ。」
「情に流されて求刑を軽くしたら、それこそ私の役目を果たしていないことになるわ。」
フォークを置き、静かに続ける。
「だから私は、一番重い処分が妥当だと考えて求刑した。」
「その上で、裁判長や審判員、弁護人、証人の意見を聞いて最終的な判断を下す。それが軍法会議でしょう。」
カミーユは納得したように小さく頷いた。
「そういうことだったんですね……。」
霊夢はお茶を一口飲みながら、あっさりと言った。
「まあ、カツにはいい薬になったんじゃないの。」
「一度、本気で全部失うかもしれないって思ったんだから。」
「もう無茶なことはしないでしょ。」
その言葉に、カミーユとファは顔を見合わせる。
そして、ようやく肩の力を抜いたように笑みを浮かべた。
裁判は終わった。
カツは重い処分を受けた。
だが、それでも未来を完全に閉ざされることはなかった。
三人は、それだけで十分だった。
その頃。
グワンバンから一隻の小型シャトルがアーガマへ向けて発進しようとしていた。
ハマーン・カーンは窓の外に広がる宇宙を見つめながら、静かに使者へ命じる。
「シャアに伝えろ。」
「ジャミトフ・ハイマンは死んだ。」
「ティターンズの連邦議会への影響力は大きく低下した。」
「今こそ、約定を履行する時だ。」
使者は一礼する。
「ザビ家の復興。」
「そしてサイド3の譲渡。」
「その実現に向け、連邦政府へ働きかけるよう求める……ですね。」
「そうだ。」
ハマーンは静かに頷いた。
使者が退室し、部屋には再び静寂が訪れる。
ハマーンは小さく呟いた。
「もしエゥーゴが約定を反故にするようなことがあれば……。」
その先の言葉は誰も聞くことはなかった。
同じ頃、月面都市グラナダ。
アナハイム・エレクトロニクス本社では、主要出資者を集めた緊急会議が開かれていた。
議題はただ一つ。
「ジャミトフ・ハイマン死亡後の情勢分析。」
巨大スクリーンには、ダカール演説以降の世論動向と、ジャミトフ死亡後に更新された連邦軍内部の暫定勢力図が映し出されている。
幹部の一人が口を開いた。
「クワトロ大尉のダカール演説、そしてジャミトフ・ハイマンの死により、ティターンズは事実上、求心力を失いました。」
「連邦政府内でも、エゥーゴを正規軍として認める方向へ動き始めています。」
別の役員も続ける。
「世論も完全にエゥーゴ支持へ傾いています。」
「今後、我々アナハイムと連邦政府との関係は、密接なものになっていくでしょう。」
会議室には安堵した空気が流れた。
しかし、その空気を断ち切るようにメラニー・ヒュー・カーバインが静かに口を開く。
「……問題は、その先だ。」
全員の視線が集まる。
メラニーは机上の一枚の書類を指で軽く叩いた。
そこには、アクシズとの秘密合意が記されている。
『ザビ家再興への協力』
『サイド3譲渡』
「この約定が公になれば、どうなる?」
誰も答えない。
メラニーは続けた。
「これまで積み上げてきた世論の支持も、連邦政府との信頼も、一瞬で失いかねん。」
会議室が静まり返る。
「ティターンズが崩壊しつつある今、エゥーゴを取り巻く政治環境は大きく変わった。」
「状況が変われば、政治判断も変わる。」
メラニーはゆっくりと資料を閉じた。
「アクシズとの協調路線は……見直す必要があるかもしれんな。」
その一言に、会議室の空気は再び緊張に包まれた。
一方では約束の履行を求めるハマーン。
もう一方では、その約束そのものを政治的な爆弾と見始めたメラニー。
同盟は、静かに軋み始めていた。
前回から引き続き、前作「辺境の惑星でリアル弾幕ごっこ」でカツが4人目のメンバーとして参加していた場合、脱出には成功せず、間違いなく全滅する理由について解説します。
フェーズ別に見るとどうか
序盤
判定:一応プラス
荷物運び
掃除
壁修理
見張り
軽い狩りや牽制
このへんはできます。
なので、序盤だけなら「いると少し助かる」可能性はあります。
ただしメンタル管理は必要です。
嫉妬持ちなので寝室問題、精神不安定でイベント耐性も低い。
この時点で、霊夢たちの余計な管理コストになります。
中盤
判定:怪しくなる
敵が強くなり、負傷・死体・汚れ・寒さ・資材不足が重なると、
カツの精神面と耐久面がかなり危うくなります。
「働ける4人目」から「守らないといけない4人目」へ変化します。
反応炉起動後の15日
判定:完全にマイナス
ここはもう厳しいです。
作中の終盤は、普通の兵隊が1人増えれば楽になるような戦場ではなく、
壊れず、誤射せず、役割を守れる人間だけが価値を持つ戦場です。
カツはその真逆の性質を複数持っています。
反応炉起動後の崩壊順序を予測すると——
1〜3日目:嫉妬発動・精神的負荷蓄積開始
4〜7日目:初回メンタルブレイク・恐慌乱射第一弾→誤射発生の可能性
8〜10日目:負傷したカツの治療に霊夢・禰豆子の行動が割かれる→防衛ラインの薄化
11〜13日目:カツの二度目以降のメンタルブレイク連鎖→三人への心情デバフ波及
14〜15日目:霊夢か魔理沙の精神崩壊連鎖→全滅
最終結論
どれだけ頑張っても14~15日目に全滅します。
カツというキャラクターは「戦力として機能しない」だけではありません。
積極的に三人の足を引っ張る存在として、最後の15日の崩壊を確実に早めます。
射撃5・格闘3という数値が示す「戦力ゼロ」より、恐慌乱射・精神的弱さ+23%・貧弱な肉体という特性が示す「マイナスの戦力」の方が致命的です。
三人が0.01%の奇跡を起こせた理由の一つは「三人全員がメンタルブレイクを起こさなかった」という事実でした。カツが加わった瞬間、その前提が崩壊します。
次回では、それでも生還させるなら、霊夢たちはカツをどう運用すべきかをRimWorld式に具体的に詰めます。