アーガマの食堂は昼を過ぎると少し静かになる。
乗員たちはそれぞれの持ち場へ戻り、賑やかだった食堂もまばらになる。
そんな時間帯だった。
霊夢は窓際の席に座り、一人でお茶を飲んでいた。
宇宙へ来てから分かったことがある。
アーガマの食事は悪くない。
ただしお茶が物足りない。
実に惜しい。
そんなことを考えていると、向かい側の席に誰かが腰を下ろした。
顔を上げる。
レコアだった。
「向かい、いいかしら?」
「どうぞ」
「じゃあ借りるわ」
レコアは微笑みながらコーヒーを置いた。
しばらく沈黙。
別に気まずくはない。
霊夢はお茶を飲み、レコアはコーヒーを飲む。
妙に落ち着く時間だった。
やがてレコアが口を開いた。
「霊夢って、暇そうよね」
「暇」
即答だった。
レコアは吹き出した。
「認めるのね」
「だって暇だし」
霊夢は真顔だった。
「戦闘以外やることないし」
「手伝うとか」
「面倒」
「即答ね」
レコアは楽しそうだった。
アーガマには色々な人間がいる。
真面目なエマ。
責任感の塊みたいなブライト。
考え込みすぎるカミーユ。
無鉄砲なカツ。
だが霊夢はどれにも当てはまらない。
まるで別の世界の人間だった。
実際そうなのだが。
「そういえば」
レコアが言う。
「Sガンダム、本当にカツにあげる気だったの?」
「うん」
「本気だったの?」
「本気」
レコアは額を押さえた。
「アストナージが泣くわよ」
「泣いてた」
「そうね」
二人とも思い出した。
あの日の格納庫。
アストナージの悲鳴は艦内中に響いていた。
少しして。
レコアがふと聞いた。
「霊夢はどうしてパイロットやってるの?」
「頼まれたから」
「それだけ?」
「それだけ」
レコアは少し驚いた。
普通なら。
何かある。
守りたいもの。
理想。
信念。
正義。
だが霊夢にはそういうものが見えない。
「戦争は嫌い?」
「嫌い」
「じゃあ何で戦うの?」
霊夢は少し考えた。
そして窓の外を見た。
宇宙が広がっている。
「放っておくと人が死ぬから」
レコアは目を瞬かせた。
「意外ね」
「そう?」
「もっと適当な理由かと思った」
「適当だけど」
霊夢はお茶を飲んだ。
「目の前で死なれるのは嫌」
それはとても単純な答えだった。
だがレコアには少し眩しく見えた。
この少女は。
ニュータイプでもない。
革命家でもない。
軍人ですらない。
それなのに。
誰よりも自然に人を助けようとしている。
「霊夢って変わってるわね」
「よく言われる」
「自覚あるの?」
「少し」
レコアは笑った。
その時だった。
食堂の入口から声が響く。
「いた!」
カツだった。
後ろにはファもいる。
嫌な予感しかしない。
レコアはコーヒーを飲んだ。
霊夢はお茶を飲んだ。
カツが駆け寄ってくる。
「霊夢!」
「何?」
「何でGディフェンサーであんな戦えるんだよ!」
またその話だった。
レコアは少し笑う。
霊夢は少し考えた。
「避けて撃つだけ」
「それが出来ないんだよ!」
カツが叫ぶ。
霊夢は首を傾げた。
「何で?」
「だからそれが!」
カツが頭を抱えた。
レコアはとうとう吹き出した。
「ふふっ」
ファも笑っている。
「カツ、諦めなさい」
「諦められるか!」
霊夢は湯呑みを置いた。
そして本当に不思議そうな顔で言った。
「でもカツも避けてるじゃない」
「避けてるよ!」
「じゃあ同じ」
「同じじゃない!」
食堂中にカツの悲鳴が響く。
周囲の乗員たちが笑いを堪えていた。
レコアはそんな光景を見ながら思った。
アーガマへ来てから色々な人間を見てきた。
だが。
こんなに騒がしい平和な昼食は久しぶりだった。
そして少しだけ思う。
この子がいる間は。
しばらく退屈しなさそうだと。
今度はサラを巡るカツの恋のライバル、シロッコを撃破出来る確率を計算します。
タイマンだと、ハマーン同様宇宙の物理法則が乱れない限り勝ち目がないので、100体がかりでかかります。
カツのネモ100体vsシロッコのジ・Оここに開戦。
1. 初期残存機数:92機 (自滅率 8%)量産機ネモに搭載された最新の「自動危険回避(AMBAC)システム」と敵味方識別(IFF)の恩恵により、カツ100体のパニックによる密集衝突・同士討ち(フレンドリーファイア)は最小限の8機に抑制。92機が五体満足のままジ・Oの包囲網へと突入します。
2. ジ・Oの「シングルタスク(単体処理限界)」の隙ジ・Oにはファンネルのような自動並列処理兵器がありません。シロッコが右腕のライフル、左腕と隠し腕のサーベル(三刀流)を神速で駆動させ、突入してきた最初の4機を瞬時に各個撃破するその「コンマ数秒の隙」を突き、残された88機が一斉にビーム・ライフルの引き金を引く(近接飽和弾幕)ことに成功します。
3. 第1波の飽和攻撃:44発 (デバフ発生率 5.0%)シロッコの重圧(50%フリーズ)を耐え抜いたカツたちが放った「44発」の濃密な弾幕がジ・Oを襲います。ジ・Oの超機動を以てしても、全身に50基もある姿勢制御スラスターのどこかにビームが掠め、ジ・Oの回避力を大幅に低下させる(デバフ成功)確率が5%で発生します。
4. 撃った後の同士討ちと「部位被弾(戦闘続行)」
球形(3次元)包囲から一斉射撃を放った「直後」、ジ・Oを外れたビームが対面の味方を襲うクロスファイアが発生。40機が被弾します。しかし、ネモの強固な装甲構造により、そのうちの5割(20機)は「脚部や肩の被弾(軽傷)」に留まり、五体満足な腕でジ・Oへ向けてダメ押しの「第2波(25発)」を撃ち込む執念のドラマへと繋がります。
5. 重装甲をブチ抜く「1%の隙間」とシロッコの油断
Zガンダムのハイパー・メガ・ランチャーとは違い、ネモのビーム・ライフル(1.9MW)ではジ・Oの分厚い正面装甲を絶対に撃ち抜けません。勝機は、機動力が落ちたジ・Oの首元や関節などの「わずか1%の装甲の隙間」にビームが吸い込まれること。ここに、カツを凡夫と見下すシロッコの適正な油断(1.57倍の命中補正)が合算され、最終確率が弾き出されました。
結果
カツの乗るネモ100体がジ・Oを撃破できる確率は、約 4.91 × 10⁻⁸(約2,030万分の1) です。2,030万回に1回、カツがシロッコに勝つ世界線。それは、ジ・Oが目の前のネモを隠し腕カウンターで切り裂いたまさにその瞬間、味方の誤射で足を吹き飛ばされながらも狂乱状態でトリガーを引き続けた最後の1機のカツが放った幻の1発が、シロッコの予測を僅かに外れ、ジ・Oの首元の隙間に綺麗に吸い込まれる瞬間です。
ハマーン(キュベレイ)戦との決定的な違い
vs キュベレイ(約6,660万分の1): ファンネルのマルチタスクと3次元超機動で、そもそも一斉射撃をさせる間合い(44発も同時に撃てる状況)を作らせてもらえない、近づけない絶望。
vs ジ・O(約2,030万分の1): 1機ずつしか落とせない弱点ゆえに、カツたちの「第1波の直撃」を許してしまうため、キュベレイよりもジ・Oの方が「約3.3倍」倒せる確率が高い。
以上になります。