翌日。
クワトロ、ブライト、霊夢の三人は、アナハイム・エレクトロニクス本社の大会議室へ足を踏み入れた。
室内には主要出資者たちが既に席についており、重苦しい空気が漂っている。
メラニー・ヒュー・カーバインは三人を見ると、小さく頷いた。
クワトロは一歩前へ出る。
「会議を始める前に、一つお願いがあります。」
出資者たちの視線が集まる。
クワトロは霊夢へ視線を向けた。
「彼女は博麗霊夢。」
「ハマーン・カーンと個人的な接触があります。」
「議論の参考となる意見が出るかもしれません。」
「同席を許可していただきたい。」
出資者たちは顔を見合わせる。
やがて一人が口を開いた。
「クワトロ大尉がそこまで言うなら異論はない。」
「構いません。」
他の出資者たちも静かに頷いた。
霊夢は小さく頭を下げる。
「ありがとう。」
メラニーは席へ着くよう促した。
「では始めよう。」
会議室の空気が一段と引き締まる。
「議題は、アクシズとの約定履行についてだ。」
メラニーは静かに切り出した。
「私は約定を白紙とし、ハマーンとは代替条件を交渉したいと考えている。」
「まずはクワトロ大尉、君の意見を聞こう。」
霊夢は隣のクワトロへ視線を向ける。
クワトロは静かに立ち上がった。
「私は反対です。」
会議室がざわつく。
「もし約定を反故にすれば、ハマーンはコロニーレーザーをグラナダへ向けるでしょう。」
「それを阻止するためには大規模な軍事行動が必要になります。」
「勝ったとしても我々の被害は甚大です。」
「敗北すれば、グラナダはコロニーレーザーによって焼き払われます。」
「この判断は、あまりにも危険です。」
ウォン・リーが腕を組む。
「しかし大尉。」
「以前の君は、コロニーレーザーを奪取すべきだと言っていたではないか。」
クワトロは頷いた。
「その機会は既に失われました。」
「現在のグリプス2は核パルスエンジンの修復も終わり、防衛体制も完成しているはずです。」
「今から奪取することは現実的ではありません。」
メラニーが静かに口を開く。
「しかし約定を履行すれば、我々は世論の支持を失う。」
「連邦政府との関係も悪化するだろう。」
クワトロは落ち着いた口調で答える。
「ジャミトフ亡き今、ティターンズの政治的影響力は既に失われています。」
「現在のティターンズは一軍閥に過ぎません。」
「世論や連邦政府が再びティターンズ寄りになることはないでしょう。」
「もちろん世論や連邦との関係悪化は無視できません。」
「しかし、それ以上に重要なのは、この戦争を終わらせることです。」
「世論や連邦政府との関係は、戦後いくらでも修復できます。」
「ですが、戦争で失われた命は戻りません。」
クワトロは出資者たちを見渡した。
「我々が最初に下した判断を、信じるべきです。」
ブライトも静かに頷く。
「私もクワトロ大尉と同意見です。」
しかし、会議室の空気は重いままだった。
一人の出資者が口を開く。
「だが世論を失えば、我々もティターンズと同じ道を歩むことになる。」
別の出資者も続ける。
「ようやくエゥーゴが連邦軍の正規組織として認められようとしている。」
「今ここで約定を公表すれば、反乱組織として逆戻りだ。」
さらに別の男が言った。
「最悪、連邦軍まで敵に回すことになりかねん。」
会議室は再び静まり返る。
メラニーは静かに結論を口にした。
「ハマーンとは代替条件を交渉する。」
「もしアクシズがコロニーレーザーを動かせば、その時点で同盟を破棄し、レーザー奪取に動く。」
その瞬間だった。
霊夢が静かに手を挙げる。
「ちょっといいかしら。」
全員の視線が集まる。
メラニーが頷く。
「発言を許可しよう。」
霊夢はゆっくり立ち上がった。
「私は、それでも約束は守るべきだと思う。」
会議室がざわめく。
霊夢は続けた。
「ハマーンさんは約束を守ってくれた。」
「コロニーレーザーを止め、ゼダンの門も壊してくれた。」
「だから今度は私たちが約束を守る番でしょ。」
出資者の一人が鼻で笑う。
「子供の発想だ。」
別の男も首を振った。
「理想論だけでは政治は動かん。」
霊夢は二人を真っ直ぐ見返した。
「そんなの知らない。」
二人は固まる。
霊夢は静かに続ける。
「せっかく戦争が終わりかけてるのに。」
「どうして、また振り出しに戻そうとするの?」
「もう、これ以上たくさんの人が死ぬのは嫌。」
その言葉には飾りがなかった。
だからこそ、会議室にいる誰の胸にも真っ直ぐ届いた。
霊夢は最後にクワトロを見る。
「ハマーンさんは、大尉が本気で向き合えば、きっと話を聞いてくれる。」
クワトロは何も答えなかった。
ただ静かに目を閉じる。
メラニーも腕を組んだまま考え込んでいる。
重苦しい沈黙が会議室を支配した。
やがてメラニーはゆっくりと立ち上がる。
出資者たちを見渡し、最後に霊夢へ視線を向けた。
「……諸君。」
「結論を出そう。」
張り詰めた空気の中、誰もが固唾をのんでメラニーの次の言葉を待っていた。
新コーナー、「カツは伝説の木の下で告白を受けられるか」
ギャルゲーの金字塔「ときめきメモリアル」は、きらめき高校に入学して3年間、女の子との仲を深め、勉学やスポーツに励んで自分を磨き、意中の女の子から卒業式の日に、伝説の木の下で告白されることを目指すゲームです。
カツは作中では15歳。エゥーゴに入隊せず、普通の高校生として、きらめき高校に入学した場合、カツは伝説の樹の下で告白を受けることが出来るのでしょうか?
第1回は当然、完璧超人の幼馴染、藤崎詩織について検証します。
結論から申し上げますと、カツ・コバヤシが「きらめき高校の藤崎詩織の幼馴染」として入学し、3年後に伝説の木の下で告白を受けられる真の確率は 【 0.00 % 】(完全なる絶対不可能・システム上の詰み) になります。
「藤崎詩織は全てのパラメータ(学力、運動、芸術、容姿、雑学など)で最高水準を要求する」という『ときめきメモリアル』本来の冷徹なゲームシステムを厳密に適用した瞬間、カツの前に「育成不可能な物理的限界の壁」が立ちはだかります。この0.00%の絶望に終わるシステム的な理由を1からロジックに沿って解剖します。
1. 藤崎詩織の「全能力最高水準(オール130〜150以上)」というチート要求
藤崎詩織の告白条件は、特定のパラメータを上げるだけではクリアできません。
要求される数値: 卒業式時点で、文系・理系・芸術・運動・雑学・容姿のすべてを「130〜150以上」(学年トップクラス)に同時に引き上げなければなりません。
カツの初期値(絶望的な初期ステータス):カツの初期パラメータは、ゲーム的には「体調」と「ストレス」だけが異常に高く、学力は「30」、運動は「20」、容姿は「15」、芸術にいたっては「5」といった、全ヒロイン中最悪の「絶望的な低スペック」からスタートせざるを得ません。
2.「カツの性格(パニック特性)」による、コマンド実行効率の壊滅
パラメータを上げるには毎日コマンド(勉強、運動など)を選択しますが、カツの最大の弱点は「ストレスの許容量(キャパシティ)が極めて低い」というパイロット特性です。「勉強」や「運動」を選択した場合:他の主人公ならストレスがじわじわ上がるところ、カツは自分の思い通りにならないとすぐパニック(逆上)を起こすため、1回コマンドを実行するだけで「ストレスが3倍跳ね上がる」という致命的なマイナス補正がかかります。
「休養」の無限ループ(育成の詰み):ストレスが溜まるとカツはノイローゼになり、強制的にパラメータが減少します。それを防ぐために「休養(寝る)」コマンドを頻繁に選ばざるを得なくなりますが、カツが「寝る➔勉強➔パニック➔寝る」を繰り返している間に、3年間(全1,000日以上)の行動手数は他プレイヤーの半分以下に激減します。
3年間の現実的な育成タイムライン(システム的自滅)
1年目:運動と勉強の両立に失敗し、詩織に拒絶されるカツは詩織にいいところを見せようと「部活(サッカー部など)」に入部し、運動パラメータを上げようとします。しかし、運動コマンドを選ぶと「文系」「理系」のパラメータが下がるというゲームの仕様上、カツの低い能力では「運動が15上がったら、学力が20下がる」というステータスのシーソーゲームが発生。1年目の冬の定期試験で学年最下位の赤点を叩き出し、詩織から「カツくん、もう少し勉強したら?」と冷たく突き放されて好感度が固定されます。
2年目:パラメータ不足による「デートの強制お断り」
2年目、カツは生の感情の焦燥感から詩織をデート(中央公園など)に誘います。しかし、詩織は主人公の「容姿」や「雑学」が低いと、デートの誘いを「その日は用事があるの、ごめんなさい」と高確率で拒絶するシステムを持っています。カツの容姿(15)では、3年間のうち1回もデートの約束を取り付けることすらできず、電話口で「分かってくれないんだな!詩織まで僕を見下して!」とパニックを起こして自室の受話器を叩きつける日々が続きます。
3年目:卒業式 ── 誰もいない伝説の木の下(0%の確定)
他の女子を出さないストイックな戦術(1股一途ルート)をとったため、確かに「爆弾の発生」だけは防ぐことができます。しかし、3年間の全手数をパニックと休養で浪費したカツの最終ステータスは、【学力55、運動40、容姿30、芸術12】という、詩織の要求値(オール130以上)の3分の1にも満たない悲惨な数値で卒業式を迎えます。卒業式の夕方。カツは「3年間、他の女の子には目もくれず、詩織だけを想い続けたんだ!幼馴染の絆がある!」と、鼻息を荒くして伝説の木の下へ向かってダッシュ(無断出撃)します。
伝説の木の「静寂」:しかし、夕焼けに染まる桜の木の下には、誰もいません。詩織の要求ステータスを1つも満たしていないため、告白イベントのフラグ自体がシステム的に1ミリも発生せず、木の下にはただ冷たい春の風が吹き抜けるだけです。カツは誰もいない木の下で、「嘘だ……嘘だと言ってくれ詩織!僕の3年間は何だったんだ!ブライト艦長ぉおお!」と涙目で絶叫。そのまま誰からも告白されることなく、きらめき高校を卒業(未進路・浪人確定)し、カツの3年間の高校生活が完全終了します。