※作中登場楽曲は作者(別名義)制作のオリジナル曲です。要するに私が作詞・作曲しました。ハーメルンの規約上、動画サイトのアドレスを貼ることはできないのですが、曲名で検索すれば出ます。歌詞はJASRAC・NexTone管理ではありません。
作中では「アニメ版TOZ-Rのテーマソング」という設定で紹介しています。
実在の公式作品・団体とは関係ありません。
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【祝】知らない男、初の再アニメ化
※TOZ-R本編終盤、ユト関連イベント、真名、第二秘奥義までの重大なネタバレを含みます。
未プレイの方はご注意ください。
何言ってるんだと思う。でも初の再アニメ化なんだ。
TOZのアニメといえば、テイルズオブゼスティリアザクロスだ。
原作とは後半の展開が大きく異なるが、アニメ版の方が好きというファンもいる。
ザクロスはアリーシャの活躍が凄かった。アリーシャマジでカッコよかった。
私はアニメから入ったのだが、ゲームも好きだし、漫画も好きだし、小説も好きだ。ゼスティリアが好きだ。漫画版基準でリメイクしてくれとずっと思っていた。
「テイルズオブゼスティリアR」がアニメ化したということはだ。
もちろんユトもいる。
もちろんザクロスにユトはいなかった。
だから、「初の再アニメ化」である。
発表時の空気は、かなり混沌としていた。
「TOZ再アニメ化!?」
「ザクロスとは別?」
「ユト出るの?」
「知らない男がついに地上波へ?」
「アニメ合わなかったんだけど大丈夫なの?」
「原作通り頼むぞ」
「ユーゼクス来てくれ」
「ユーゼクスって誰?」
「お前は今すぐ画面を閉じろ」
最初は正直、リメイク決定時点では嫌だった。
ゼスティリアに新キャラを足すと聞いた時点で、身構えた。
ただでさえ原作、アニメ、漫画、小説で受け止め方が割れている作品である。そこにさらに「リメイク追加キャラです」と知らない男を置かれても、こちらとしては困る。
スレイとミクリオの間に入るな。
アリーシャの出番を奪うな。
ロゼの問題を便利に処理するな。
そう思っていた。
あいつ全部触りやがった。
しかも、だいたい必要な触り方だった。
だから困っている。
知らない男が増えるとは思っていなかった。
その男を好きになるとはもっと思っていなかった。
初報PVはだいたい一分半だった。
だが、オタクは一分半の映像を三十分かけて見る。
0:07、イズチ。
0:12、落下するスレイとミクリオ。
0:20、聖剣祭。
0:31、アリーシャの横顔。ここで一回コメント欄がざわつく。
0:42、ロゼの短剣。
0:48、デゼルの帽子。
0:51、ザビーダの銃。
0:56、エドナの傘。
0:58、ドラゴンの影。
そして1:03。
ユトがいる。
いや、本当に一瞬だけいる。
画面端で響筆を構えている。しかも攻撃がまだ発生していない。
PVですら遅延発動するな。
初報PVの最後を見ると、ユト役:灰庭ユウの文字がしっかりとキャスト欄に載っている。
ゲーム初報時、灰庭ユウという名前がほぼ無名で「誰だ?」となっていた時代を思うと感慨深い。
【放送前コメント】
「知らない男、地上波へ」
「ユト出るの確定した?」
「キャスト欄に灰庭ユウいた」
「いたじゃねえか」
「ユーゼクスって誰?」
「今それを検索するな」
主題歌を担当したのは水崎もあさん。放送開始前のインタビューでは、本人がゼスティリアの大ファンであり、OP「39話:君と僕のMixture」はミクリオの、ED「23時のアンブレラガール」はエドナの心情を表した楽曲であると語っていた。
全26話構成はかなり堅実だった。
序盤はイズチから聖剣祭、アリーシャ同行までを丁寧に描き、中盤でロゼ加入とデゼル周りを圧縮しすぎずに進める。後半はマオテラス、ヘルダルフ、ユトとユイの真相を並行して回収していく。
概ね原作通りだった。ザクロスの改変が苦手だったプレイヤーにも比較的受け入れられていたように思う。
どうしてもユトが苦手だから無理という人ももちろんいたけれど。
【ユトに関するコメント】
「アニメでも攻撃発生遅くて安心した」
「響筆のエフェクトめちゃくちゃ綺麗」
「『任せましたよ』が戦闘ボイスじゃなく会話で出た回、終わった」
「ザビーダの『雨で視界が悪いな』の後ろでユトが手のひら出してる」
***
ここからは主題歌語りに移らせてもらおう。
まずOP映像が良い。
最初は遺跡の壁画。古代語の文字が水面に溶け、そこからスレイとミクリオの幼少期の手が映る。
次に現在のスレイが振り返る。ミクリオはいない。
しかし水面にはミクリオの姿が映っている。
初手からそういうことをする。
サビ前で仲間たちが順番に映るのだが、ユトだけ少し遅れて入ってくる。
本当に半拍遅い。
画面中央にスレイ、右にロゼ、左にアリーシャ、背後に天族たち。そこへ、白い文字が遅れて浮かび、ユトのシルエットになる。
アニメスタッフ、ユトのことを理解している。
理解した上で少し面白がっている。
OP「39話:君と僕のMixture」はそこかしこにミクリオらしさの詰まった楽曲だった。
しかしまずタイトルが意味不明である。
「39話」。
いや、アニメ版TOZ-Rは全26話だ。
39話なんてものは存在しない。
だが、存在しない話数というのがもうゼスティリアに合っている。
本編の後に続く時間。
スレイが眠った後の時間。
ミクリオが待ち続けた、画面に映らない年月。
そして39はサンキューでもあり、ミクでもある。
ミクリオのミク。
mixtureのミク。
見くびるなのミク。
ちょっと待て。
ミクで韻を踏みすぎだ。
まず初手のフレーズからして凄い。
"穏やかな情熱が闇の中で夢を見てる
箱の中希望が今か今かと急かしてくる"
である。
「情熱」と「希望」である。いきなりゼスティリアの根源テーマに接続してくる。
"無謀な未来とか話してみたい"がザビーダとエドナなのは、どこかアイゼンを思い出させる。
"1000年じゃ足りなくても2000年ならどう?
「たかが」だって僕なら言える"
ここで天族達が映るのも、長命種らしさが溢れていて最高だ。
"水のように寄り添いたくて"
それは流石にミクリオすぎる。そこでミクリオを映すのは正しい。正しすぎて怖い。
"君と僕のmixture"
水神依するな。いやしろ。
【OPコメント】
「39話、存在しない話数なのに存在感がある」
「タイトルが39話であることと、実際に39話が存在することは同じではありません」
「フル聞くとわかるけどずっとミクで韻を踏んでる。mixture、見くびるなよ、ついでにサンキュー」
「スレイとミクリオの水神依で"君と僕のmixture"は直球すぎる」
ED「23時のアンブレラガール」は3拍子と4拍子が混ざった変拍子曲。
23時という時間がまず嫌だ。
まだ今日である。
でも、もうすぐ明日になる。
終わっていないのに、終わりが近い。
取り返しがつくようで、つかない。
エドナにとってのアイゼンが、まさにそうだった。
兄はまだそこにいる。
でも、もう元には戻らない。
生きていると言えば生きている。
けれど、それを生と呼んでいいのか分からない。
23時。
まだ日付は変わっていない。
でも、シンデレラの魔法はもうすぐ解ける。
このタイトルだけでかなり嫌な予感がする。
通常EDでは、エドナが水面の上を歩いている。
傘を差しているのに、雨は降っていない。
影だけが揺れている。
最初は綺麗な映像だと思った。
だがアイゼン回の後だけ、冒頭の水面に映る影が変わる。
人の形ではない。
ドラゴンの輪郭に見える。
やめてほしい。
気づいた瞬間に巻き戻して、気づかなければよかったと思った。
エドナは前を向いて歩いている。
でも、水面には兄がいる。
いないのに、いる。
いるのに、もう届かない。
"不可能を証明したら 夢の世界におやすみ"
ここは追加裏ダン感が強い。
"星降る夜に傘を差しだして拒むあなた"
これはエドナ秘奥義「シューティングスター」も意識しているように聞こえる。
"お気に入りの靴だけど 氷でできてるみたい"
ガラスの靴っぽさもある。23時という時間もあまりにそれっぽい。まだ終わらない。でももうすぐ終わってしまう。
"アンラッキー 悪戯な継承
安楽死 いざなって黎明"
「アンラッキー」と「安楽死」で韻を踏むのエグい。
アンラッキーはアイゼンの死神の呪いの話だし……。安楽死すぎるし……。
何より最後が切ない。
"羽根を手折るエゴイスト 滞る君の解像
不自由の生き地獄で沈めたのは何のため?
なのに少し望んでる
貴方のいるFALSE END"
しんどい。
"貴方のいるFALSE END"
間違っているとわかっていても、求めてしまう。
まったく、兄想いの妹である。
そしてこのフレーズで終わったと思ったら終わらない。
間奏が入る。これもどこかエドナらしさを感じる。
【EDコメント】
「23時、まだ終わってない時間なのが嫌」
「アイゼン回後だけ、ED冒頭の水面に映る影がドラゴンの輪郭に見える演出になっていて、気づいた瞬間に情緒がめちゃくちゃになって終わった」
「バラードなのに急に電子音強くなるとこ好き」
そして最終話。
特殊EDとして流れたのは、ED「23時のアンブレラガール」ではなく、OP「39話:君と僕のMixture」のフルバージョンだった。
ここでOPに戻るのがずるい。
始まりの曲だと思っていたものが、終わりの曲になる。
いや、終わりではない。
「39話」なのだ。
全26話の先にある、存在しないはずの続きの話。
テレビシリーズとしては最終話で終わる。
でも、スレイとミクリオの時間は終わらない。
ロゼも、アリーシャも、ライラも、エドナも、ザビーダも、ユトも、それぞれの続きを生きていく。
だから最終話で「39話」が流れる。
存在しない話数が、ここでようやく意味を持つ。
しかもCメロの演出がいい。
"実体がなくたって 実態に即してやる"
ここでユトを映すな。
いや、映せ。
ありがとう。
でも、その歌詞でユトを映すのはあまりにも直球すぎる。
君と僕のMixtureも大概だが。
実体がない。
けれど実態はある。
見えないもの。聞こえないもの。証明できないもの。
それでも、そこにいるもの。
ユトとユイの話を通った後にこの歌詞を置かれると、もう逃げられない。
神依ユト、あまりに良すぎる。
そして最後。
"いつか「おはよう」を告げる日のため生きてる
君と共に"
ここで成長したミクリオが出てくる。
ここまでミクリオの歌だったのかと、最後に殴られる。
しかもこの曲、冒頭は"夢を見てる"で始まる。
それが最後に"おはよう"へ辿り着く。
夢から覚める歌。
待ち続ける歌。
そして、再会するための歌。
こんなものを最終話特殊EDで流すな。
流してくれてありがとう。
【最終話コメント】
「全26話なのに39話で終わるアニメ」
「存在しない話数が一番存在感あるの何?」
「“夢を見てる”で始まって“おはよう”で終わるの、反則」
「ミクリオの歌だと思ってたらユトにも刺してくるのやめろ」
「刺すな。いや刺せ。ありがとう」
***
アニメから入った新規が、ゲームを始める。
ゲームを始めた新規が、ユトの操作性に困惑する。
ユトの操作性に困惑した新規が、攻略動画を見る。
攻略動画で「ユトは遅いので速いです」と言われる。
何を言っているのか分からない。
だが、しばらく使うと分かってしまう。
そして本編を進める。
あの台詞が来る。
あの戦闘が来る。
あの真名が来る。
あの第二秘奥義が来る。
そこでようやく、OPの一瞬のカットやEDの水面や、PVに一瞬いた知らない男の意味が遅れて届く。
TOZ-R、どこまでいっても遅効性である。
攻撃も遅い。
効き目も遅い。
そして、売上まで遅れて伸びる。
知らない男、初の再アニメ化。
その結果、また知らない人間をユト沼に沈めた。
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おまけスキット
ユト「あのザビーダさんという方、デゼルさんと戦い方が似ていますね。属性が同じだからでしょうか」
デゼル「知らん」
エドナ「それだけであんなに似ないわよ」
ユト「挑発的な態度、葱に類似した髪色、上半身を露出した服装。一度見たら忘れられません」とのこと。
ザビーダのあだ名がネギになった。
ザビーダ「……ネギ?」
ユト「はい」
ザビーダ「俺様のこのワイルドでセクシーな髪を見て、ネギ?」
ユト「はい。特に根元から先端にかけての色味が」
エドナ「ネギーダ」
ザビーダ「エドナちゃん!?」