ポケモンと俺   作:祐。

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遠征を経て

 ハクバビレッジのジムリーダーであるカイムと会話した自分達は、その日の行動を反省して地道に頑張ることにした。特に感化されやすいメーは、「最強に近付けるなら!」と言ってハクバビレッジに滞在するポケモントレーナー達とのバトルを所望したため、自分とラミアも彼女に付き合う形でポケモンバトル三昧のひと時を過ごしたものだ。

 

 この活動は、今回の課外授業が終了するギリギリまで続いた。寝て起きてはハクバビレッジのバトルコートに駆け込み、様々なポケモン達とバトルする日々。自分のリオルも相手が格下であろうと同等であろうと格上であろうと常に健闘し、とても楽しそうに、活き活きとした表情でバトルに臨んでいた。元々がバトル好きの性質(たち)でもあるらしく、彼女にとって何よりの気分転換になったようだ。

 

 メーのミズゴロウも戦いの中で着実に成長し、新しいわざの習得にも熱心の様子を見せていく。意外にも積極的だったのはラミアであり、ジム巡りはしないものの自分達の遅れは取れないという理由で、キラーメをバトルに参加させていた。

 

 当初の過酷な特訓ではなくなったが、結果として鬼スケジュールの武者修行になった。また訪れるであろうハクバビレッジに別れを告げた自分達は複数の交通手段を使ってナガノシティに戻ると、学園での再会を約束してそれぞれの帰路につく。自分もアパートに到着して一息をつき、ハクバビレッジでの修行を経て心なしか(たくま)しくなったリオルと向き合いながら、登校日に備えてゆっくりと身体を休めた。

 

 課外授業の期間が終わり、登校日を迎えた自分はダートじてんしゃを走らせてアップルアカデミーに向かう。一時(いっとき)の冒険は、トレーナー自身のレベルアップにも繋がっているように感じられた。久しく思える学校は新鮮味を覚え、再来した校舎は懐かしくも目新しく映った。クラスに訪れると見知った顔の面子と相まみえ、皆が数段と見違えたように受け取れた。

 

 自分の席の隣では、いつものように会話をしているラミアとメーの姿。二人が手を振りこちらを迎え入れ、旅の感想を語っていれば瞬く間にチャイムが鳴り響く。メーが席に戻り、ラミアが前を向き、教室の扉が開かれると、室内でもサングラスを身に着けているアラマキが教壇に移りながら陽気に言葉を投げ掛けてきた。

 

「よーぅ! 皆の諸君、課外授業お疲れちゃん! まずは、こうしてまた学校で会えたことをオレちゃんは喜ばしく思えるぜ! 皆が送ってくれたレポートは、一文も余すことなく目を通させてもらった! さすがはオレちゃんが受け持つ生徒なだけはある。全員が精力的に課外授業へと取り組んで、広い世界を自分の目で見てきたこと、そして体験してきたことを感じさせてくれた! 中には、ジムバッジを二個も手に入れてきたり、他の地方へ遠征に行ってきたり、シナノ地方一周やポケモン観察、タマゴの研究やサンドイッチの盛り付け方だったり、いろんな冒険を体験してきたようで何よりだ!」

 

 アラマキは手を擦り合わせ、とても愉快げに微笑する。その話の流れで彼は「人によっては、とんだアクシデントにも見舞われたみてェじゃねェか」と言うと、こちらをちょっと見てニヤッと口角を吊り上げてみせた。

 

「今回の課外授業で身に付いた経験は、必ず後でついてくる! 大切なのは、諦めないこと。自分の夢を、希望を、理想を、自分自身で信じてやることだ! とはいえ、ずっと走りっぱなしってのも疲れるからな。休憩も勿論大切だ! 戻ってきた学園生活の中でエネルギーを補充して、また次回の課外授業に向けて頑張っていく。積み重ねの繰り返しで一歩ずつ進んでいこうぜ! オレちゃんも、皆に負けねェくらい頑張るからよ! ってなワケで、今日からまた勉強尽くしの学校生活に戻るけどよ、刺激が足りねェからつって居眠りはしてられねェぞ? 自分達が思っている以上に、このクラスは“デキる”ぜ。周りに置いてかれねェよう、気張っていけよ!」

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