銀河船0   作:鳥撮り

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初めてのオリジナル作品なのでお手柔らかにお願いします。


辺境惑星ベルナール

 

見渡す限りの荒野が広がっている。

ぺんぺん草一本すら生えることのないそこには、到底生命が住むことなど不可能だろう。

まさしく生命にとっての死の大地と言ってもいい。

 

そこに、ある人影が二つ。

巨大な何かの影に隠れてよく見えないが、背丈からして大人ではないようだ。

その巨大な影は、ずいぶん独特な形をしていた。

ところどころが壊れており、到底動くとも呼べないそれは、機械を露出させながら横たわっている。

 

しかし、機械のなにかかと思えばその上部には帆船のような帆がある。

なんともミスマッチである。

 

「………なあ、これほんとに直るのか?」

 

すると、人影のうち一人が、もう一つの人物に向かって質問を繰り出す。

その壊れた船ようなものを見あげながら、なんとも疑わしげにもう一人に尋ねていた。

普通に考えて、コレが直るとは考えられないだろう。

 

「……わかんない」

「おい」

「仕方ないじゃん!こんなに壊れてるなんて思わなかったんだから!!」

 

「もうちょっと事前に調べとけよ……」と思いながら、人影──少年は呆れながら少女がバラした部品をなくさないように集めていく。

少年には一切部品のことなんてわからないが、なくなれば更に直る確率が下がるため仕方なく集めていた。

 

それは少年の目的にも遠ざかるし、何よりなくなると彼女が不機嫌になりそうなので。

元々少年は“この星”の機械のことなんてわからないので、彼女に任せっきりなため文句も言いづらかった。

 

「それ渡して」

「了解」

 

彼女が求めた道具をさらっと渡して、自分は悩み事にふけった。

 

いきなりの語りになるが、彼はこの星の住人ではない。

元々は地球という星の住人であり、星外に出る手段も乏しい文明に住んでいたのだ。

しかしある事故によりその星より遥か遠くにあるこの星へ飛ばされてしまい、この星特有の怪物に襲われて死にかけていたところをある人物に拾われたのだ。

 

この少女とは、その拾われた時に出会っている。

 

(地球が見たことも聞いたこともないなんて言われるとなー……どれだけ遠いんだこの星……)

 

しかも帰るためには宇宙船というSFチックな物が必要なのだが、それが高いのなんの。

普通に地球で言うところの五億以上する。

故に自分で買うなんて不可能に近く、故に彼女から聞いた「ここに墜落して壊れた船があるからいってみよう!!」という言葉に乗ってここまでやってきたわけだ。

 

結果は惨敗に近い。

自分は修理に役に立たないとしても、なんかいつの間にかとんでもないものを作っている彼女がこんなに難航しているのをみると、直すのは絶望的に難しいのだろう。

 

「……どうだ?直りそうか?」

「……ううん、悔しいけどすぐには無理。これ、まさにオーパーツだよ」

 

彼女の口から出てきた言葉に驚く。

ほかの機械いじりを知らないため、そこまで言い切ることは難しいが、それでも彼女の作品を見れば一目で天才とわかるほどのものを作る少女がすぐには無理と言い切るとは。

 

そしてこれでまた、故郷に帰る道筋が一つ消えたことになる。

 

「まあ、しかたないか……取り敢えず帰ろうぜ、あんまり長居しても得なんてないし」

「…………」

「……うん?おい?()()()?」

 

なぜか何も喋らなくなった彼女────セリアに何か不穏なものを感じ取った少年は、冷や汗が伝うのを感じながら呼びかける。

そしてここで無視して逃げておけばよかったと後悔することになる。

 

「─────あーもう!あったまきた!!絶対直してやるから見てなさいよ!!」

「いや、ちょ……」

 

更に嫌な予感は膨れ上がった。

セリアは人一倍天才だが、プライドも高いのだ。

故に解決できないことに当たると解決できるまでてこでも動こうとしなくなってしまう。

 

そしてそれはこのオーパーツに対しても同様だったらしい。

当然というべきか何と言うべきか、今回も始まってしまった。

 

「トウジ!!さっさと道具持ってきて!!」

「え、ええ?」

「このままじゃあたしの気が済まないわ!意地でも直すわよ!」

 

やっぱりさらっと巻き込まれてしまった。

ここ一ヶ月での付き合いでしかないが、それでもわかったことがある。

セリアはクソほどわがままだ。

散らかしたものは俺に片付けさせたり、残した飯は俺に食わせたり。そんなことが何度かあった。

 

今回もそれの延長線上だろう。

違うとすれば、何年単位で掛かるか分からないことか。

いや普通に勘弁してほしい。

俺だって早く帰らなければならないのに。

 

「いや俺は────」

「なに?なんか文句でもあるわけ?」

「何もありません」

 

一か八か言ってやろうと思ったが、それも圧に負けて失敗した。

本当に仕方なくだが、俺はこの修理に付き合うことになった。

直るかわからないし、直ったとしてオーパーツなコレが動いてくれるのか不明だが。

 

いつか地球に帰るために、金を稼ぐ計画は初っ端から躓いてしまったわけだ。

 

 

 

これは、地球を救う物語ではない。

 

剣と魔法のファンタジーの物語でもない。

 

これは、不運にも全く違う星に飛ばされた少年が成り行きで全宇宙の危機を解決するお話だ。

 




・主人公 トウジ。
ある事故により地球より遠い星に飛ばされてしまった哀れな少年。
これから振りかかる災難に対抗しながら、地球を目指すことになる。

・セリア
主人公と同じくある人物に拾われた少女。
端的に言ってしまえば天才で、そこらのゴミから高性能エンジン(SF基準)が作れるほど。
そんな少女でも、道具や資材の不足などであの船を修復するのは時間が掛かる。
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