黄金の精神に憧れて   作:にわかジョジョ好き

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好きな作品の合体です。よろしくお願いします。


数奇な出会い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黄金の精神。それは、とある漫画において主人公が持つ揺るぎない覚悟の姿。

 

そう、ご存知『ジョジョの奇妙な冒険』に登場する主人公達が無意識に抱く覚悟を言語化した言葉である。

類義語に『人間賛歌は勇気の賛歌』という人の勇気を讃える言葉があるが、この言葉は第一部の主人公、ジョナサン・ジョースターに波紋という太陽エネルギーの扱い方を教えた師匠、ツェペリ男爵の言葉である。

しかし、この言葉は発言してから1度も出てこない。ジョジョ好きな人やうっすら知っている人でも、印象に残るのは何度も作中で言われている黄金の精神が聞き馴染みしやすいだろう。

 

この言葉の真意は幾つがあるが、総じて『勇気』、『優しさ』、『潔さ』、『誇り高い精神力』、『揺るぎない覚悟』、『強靭な意思』を指す。

これは主人公達が敵と戦い、運命に抗い、それでも自分達の正義を貫いていくその誠実さを指した言葉だ。

 

 

俺は、当時ジョジョ第一部のジョナサン・ジョースターの活躍するアニメを見て、なんてかっこいいんだろうと思った。そこから第二部のジョセフ。孫の承太郎。仗助、ジョルノ・ジョバァーナ、徐倫という運命を背負った彼ら彼女らが、強大な敵と戦い、自分達の強い意志を掲げ、お前の気持ちには負けないぞという決して曲げることの無い覚悟を持って運命に抗う姿に、俺はとても感動した。俺ぐらいの年齢の奴は絶対ジョジョを見て感化されたやつは多い。絶対おおい。断言する。

 

そういうこともあって。厨二病であった俺は、ジョジョの主人公達のようになろうと思い、その精神性と忍耐力、強靭なフィジカルを鍛える為に多くの時間を使った。

誰に対しても誠実であり、優しさを持ち、例えどんなことが起ころうとも曲げずに突き進み、憧れの彼らに近付けるよう努力した。

身体を大きくしたいからとラグビーを始め、心を鍛える為に武道を学び、慈悲の気持ちを深くする為に植物や動物を飼い、率先して誰かの手伝いを行った。

 

結果として、俺は自分の満足出来る存在に近付ける程の人徳と身体を得ることができた。勉学も惜しみなく取り組み、大学に進学して医学を学びながら身体を鍛え、中学からの幼なじみである女性と結婚まで至った。順風満帆な生活だ。全てに満足できるとは言えないが、俺が目指す憧れる彼らの様に芯のある人間になれたのではないかと、ハタチを過ぎた頃には少しずつ満足していた。

 

 

だが、その慢心がダメだった。それが、周囲に俺に対する負の感情を抱かせる要因となってしまった。

 

俺はある日殺された。犯人は分かっている。ずっと、高校の時から縁のある同級生の男だ。彼は俺の妻の事が好きだった。でも、妻の隣はいつも俺が居た。それに、勉強でも運動でも、俺は彼に負けなかった。それが鬱憤となり、大学を卒業して数ヶ月後、俺が結婚式を挙げた時に爆発したのだろう。

純白のスーツが真っ赤に染っていく。泣きじゃくる妻の顔。押さえつけられる彼。動揺する参加者達。俺はもう助からないと悟っていた。

 

妻に、最後に別れの挨拶を述べ、彼の事を決して恨まないでとお願いした。

彼の手で俺は命を落とすとはいえ、それが恨みとなって連鎖していくのはいけないことだ。俺は妻を彼と同じような復讐者にしないために、そう願いながら恨まないでと伝えたのだ。

泣きじゃくる妻にその気持ちが伝わったかは分からない。だが、どうか。この慢心してしまった哀れな俺の最後の言葉をどうか聞いて欲しかった。

 

 

俺は、こうして少しの後悔を抱いたまま人生を終える事になった。

 

 

 

 

 

 

そして、気が付けば俺は赤ちゃんに生まれ変わっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「━━━━━あらあら、お坊ちゃまは本当にお優しいですわね」

 

「これぐらい普通ですよ。さぁ、近場までご一緒しますよ」

 

 

領地の視察中、道端に倒れる老人を発見した。

俺は移動中の馬車から飛び降り、老人の傍に近寄る。足を挫いているのか、痛みを抑えるように足を押さえていた。かなりの大荷物のようで、老人が一人で持つには力が足り無いのではと思い、老人の家まで運ぶ事にした。

 

俺はこの領地、『ジョンライト領地』の子息。前世から抜けない俺の心情を今世でも強く抱き、誰かを助ける為に奔走していた。領主の息子として、領民を助ける事は何よりも重要だ。領主はその土地の顔だが、その顔を維持するのは領民あってのもの。そんな領民たちを助けるのは、巡り巡って自分達に帰ってくる。損得で俺はやってないが、領主である父からは大絶賛され、時期領主としての心構えをしっかり持っていると褒められた。まあそれでいいなら気にする必要も無い。

領民からも、俺の存在は好意的に見られているようで、同世代の子供達は皆友達だ。子息という事で、色眼鏡を向けられたり、あわよくば結ばれようとする輩も現れるが、俺はそんなにヤワではない。そういうのをとっぱらって、俺は俺自身として、家柄は関係ない俺という個人という見方で皆んなに見てほしい。言わずもがな、皆そのように見てくれるようになった。それでも、好意を寄せてくれる子達はいるが。

 

 

申し遅れたが、今世の名前は()()()()()()()()()()()。近しい人間からは()()()()と呼ばれている。

奇しくも、俺が憧れる彼らと同じようにジョジョの名前を頂いた。首元に星のアザは無いけどね。

 

 

さて、少しこの世界に触れよう。この世界は中世ヨーロッパの様な外観をしている。貴族社会や建物の見た目。服装など、イメージとしてはそう見ると想像しやすいだろう。

そして、この世界には魔力というものが存在する。魔力という代物は創作物では数多く登場する力であるが、いざ自分のいる世界にあると使ってみたいとなるのが男心。貴族は魔力を扱って剣術を使う、魔剣士という存在になれる。魔剣士には興味ないが、この魔力と言うのが何処までできるのか再現性の確認がしたくて堪らないのだ。

 

 

まず、創作物における魔力というのは、有名所だと大気中のマナを取り込んで魔法を使える為の魔力を貯える。その魔力を消費して魔法を使う、と言うのが多分一般的な認識では無いだろうか。

マナとは何ぞやと思うかもしれないが、作品ごとにマナの定義は変わるので、あくまで俺の主観で答えよう。

 

まず、マナというのは魔力を身体に蓄える為に体内に吸収する力の源である。その源の発生場所は世界そのもの。神秘と呼ばれる目視出来ない奇跡の産物が存在しているからこそ、マナというものはこの世界に浸透出来、それが俺達が言う魔法を再現出来る為の力になる。

じゃあ神秘とは何ぞやという話になるが、神秘はいってしまえば神様の奇跡の力なのだろう。俺も自分の主観でしか憶測で語れないが、兎に角神様と呼ばれる存在が地上に落とした奇跡なのだろう。

 

誰よりも早く動けるようになり、なんでも切れるようになり、どんな攻撃でも防げる強靭な体を作れたり。そういう普通なら無理では?と思う事をできるようにするのが神秘の力での再現。それを起こすために神秘の力を扱う為の力がこの世界に溢れていて、その溢れたものがマナと呼ばれる魔力の源。それが体内に吸収される事で魔力へと変換され、魔法を使えるようになる。そうして神秘の力は再現される。俺の主観での魔力のプロセスはこういう具合だ。批判は認めよう。

 

だが、どうにもこの世界には魔法という概念は無いらしい。

魔剣士という存在は、一見魔法を使えそうではあるが、使えるのは魔力のみ。魔力で身体強化して、魔力を纏わせた剣で斬る。これだけである。

 

少し憧れた魔力のある世界で、こんな肩透かしを受けたのは衝撃であった。

某魔法使いの映画で、魔法はイメージで使うものだと言っていた。つまり、この世界の住人はイメージが足りないのでは?とそう思ったのだ。

 

だから、俺は魔法を使えるようになるために魔力を鍛え始めた。身体を鍛え、魔力を鍛え、人助けをする。

それが俺の今のサイクル。灰色な生活だなと言われるかもしれないが、俺は楽しんでやっているのでこれはこれでアリだ。領地には盗賊も出現する為、魔力の訓練と称して盗賊をボロ雑巾にして改心させている。他者との戦闘は未だ前世の俺の感覚が抜けず、非現実的に考えてしまっているので、ここは別の世界であると現実を根強く教えてくれるため、そして黄金の精神を掲げる俺の気持ちが薄れないよう、盗賊達をしっかりボコって更生させている。盗賊を懲らしめる行為はとても重要な事なのだ。弱いものいじめでは無い。断じてない。

 

 

そして、俺はそんな生活の中で、運命の出会いをする事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日は、いつもと変わらない盗賊狩りをしようと決めた時だった。最近領地から離れるように盗賊達は移動しているが、隣の領地と近い場所に集まりだした盗賊がいるので、これを機に完膚無きまでボコボコにしてやろうと思ったのだ。

 

魔力で身体強化を行い、夜の森を颯爽とかける。魔力で強化した視界は、たとえ暗闇の中だろうと昼間のように明るい。

盗賊達がたむろする場所に着いた時、ふと違和感を覚える。

 

暗い森を照らすように焚き火がしてある。しかし、肝心の盗賊達の声が聞こえないのだ。魔力で耳を強化し、聴力を上げてみても、聞こえるのは動物の鳴き声や焚き火の中で燃える枝が弾ける音。衣服の音や人の声、心拍音ですら聞こえない。

俺はそっとその場に近付き、木の影から周辺を見渡した。奥に見えるのは盗賊達が盗んだお宝だろうか。かなりの量だ。しかし、肝心な盗賊達の姿は無い。盗品を警備している様子もない。俺は、更に確認すべく焚き火のある中央へと歩みを進める。

 

 

━━━━━瞬間、殺気。

 

 

「━━━━━誰だっ!!」

 

 

背後から迫る殺気。俺は両腕を魔力で強化し、背後から迫る殺気に相対する。交差した腕に伝わるのは超重量級の何か。それが剣であったことが想像できない程、今の一撃はとてつもない重さだった。

 

 

奇襲を受け止められ、ひらりと宙を舞うように後退した黒ずくめの存在。フードを被り、その顔立ちは見えないが、体格からして俺と変わらない歳ではないだろうか。俺は同世代よりも体を鍛えているのでかなり巨体だ。一見すれば子供に見えないぐらいの風貌であるのは自覚している。

フードの誰かは、口元を大きく横に開いて笑った。まるで、獲物を見つけたような肉食獣の様に。

 

 

「━━━━━君、強いね」

 

「っ、子供?」

 

「君も子供だろ?身長体重体格的に見ても、どう見ても子供には見えない。だけど、俺には分かる。俺と歳は近いが、俺よりもずっと強い事を」

 

「巫山戯たことを抜かすな。君は一体何者だ!!ここは()()()()()()()()()!!不埒な輩を野放しにしてはおけない!!」

 

「……ふははっ、不埒な輩ならどうする?貴族の子息よ。誇り高い貴族であるお前ならば、この俺を拘束しなくっちゃァな?」

 

「素直に拘束させてくれるなら嬉しいが?君の雰囲気からして、安易に寄ってきてはくれないだろう」

 

「そうだ。俺は強者と戦いたい故な。その強者であるお前と一戦交えたいのだ」

 

「ならば名乗ってくれ。俺の名前は()()()()()()()()()()()。誇り高きジョンライト領主の子息である!!さぁ、君の事を教えてくれ!!」

 

「……ふふふっ、この期に及んで、何者などどうでも良い事だ。俺達は今から━━━━━」

 

 

 

━━━━━突如、殺気。

 

 

 

「━━━━━戦いを始めるのだからな」

 

 

(背後っ!?)

 

 

咄嗟に反応しその攻撃を防いだ。しかし、先程同様一撃の威力は凄まじいものであった。連続で攻撃を防いだとはいえ、二発しかつけてないにも関わらず、腕がビリビリと痺れていた。

 

 

「流石だな。これも防ぐとは。しかし、まだ俺は本気を出してはいないぞ?」

 

「だからどうした。俺は君と戦うつもりはない。まずは君の事を教えて欲しい!俺と同い年の様だが、どうしてここに居るんだ!ここは盗賊がいて危ないんだぞ!!」

 

「……ふっ、その盗賊は俺が全て葬った。俺の獲物だったのでな。文句は言わせんぞ」

 

「……なんだって?一人で盗賊を?」

 

「ふふっ、俺には他愛ない事だ。ろくな経験値にもならなかったただの雑魚でしか無かったがな」

 

「………そんな、そんなっ」

 

 

 

 

 

 

 

「━━━━━なんでそんな危険なことをするんだ!!」

 

 

 

 

「━━━━━は?」

 

 

 

俺の言葉に、フードの彼は素っ頓狂な声を上げたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……えーと、つまり。君は隣の領地、()()()()領地の人で、領主の息子。でも夜に抜け出して魔力を高める為に盗賊狩りしてたってこと?」

 

「……そうだよ。ここってもうカゲノー領地じゃないんだね」

 

「看板見なかった?確か間隔100メートルぐらいで目印がついてたと思うんだけどな」

 

「えー、そうなんだ。知らなかったよ」

 

「逆になんで知らなかったの?この世界じゃ常識でしょ?別世界から転移してきた訳じゃないんだから……」

 

「あんまり興味無いしね〜?正直自分の事で手一杯なの」

 

「……さっきと今の口調。何で違うの?」

 

「……そりゃ、さっきは強者ムーブしてだから。途中から楽しくなっちゃってね」

 

 

このあっけらかんと笑う少年は、()()()()()()()と名乗った。()()()()と言えば、隣の領地がその名前で領主をしている。偽名の可能性もあるが、この年相応とは言え何処か物言いえぬむず痒い感覚を感じさせる少年の受け答えを見た感じ、嘘ではないと思う。確か、お父様に聞いたことがあるが、カゲノー領地には俺と同い年ぐらいの子供がいると言っていた。彼が恐らくそうなのだろう。

 

 

「それで?どうして盗賊を?」

 

「君の方こそどうして?君の領地に盗賊がいるから退治するってのは分かるけど、君が直接やる必要は無いんじゃない?」

 

「……まあいいか。俺は魔力の限界を調べる為に実践訓練として盗賊を相手しているんだ」

 

「魔力の限界?」

 

 

俺は彼に自分の主観ではあるが多くの事を語った。魔力の貯め方。イメージして魔法を使えるようになること。そして魔力に何処まで再現性があるのか。

 

全てを話し終わった後、彼は俺にこう訪ねた。

 

 

「君、もしかして前世の記憶とかある?」

 

「っ、もしかして、君もか?」

 

 

彼、シド・カゲノーの事を聞いた。前世は日本に住んでおり、陰の実力者になりたいこと。核兵器の様な絶対的な最強の力を手に入れたいこと。その為に俺と同じように力の使い方を盗賊達との戦いで学んでいること。

彼は、俺と同じ転生者であったのだ。

 

 

「そうか。君は俺と同じなんだな」

 

「そっかそっか。僕と同じ境遇の人がいるとは思わなかったよ」

 

「そんな君だから分かると思うけど、この世界での魔力の扱い方についてちょっと疑問に思わないかい?」

 

「んー、確かに勿体ないとは思うね。魔剣士っていう貴族達が名乗る存在も、言ってしまえば魔力で強化して剣に魔力を流してぶん殴るってのが支流だからね。正直つまんないと思うよ」

 

「だろ?だからこそ、俺は魔力を活用して魔力を使えるようになりたいと思ったんだ。ファンタジー世界において、魔力があるのに魔法が無いってのは少し違和感を感じるからね。魔術とか、等価交換で発動する錬金術とか、魔力をトリガーにしてそういう術を使えるようになるってのも考えてるんだけど」

 

「成程、だからこその魔力の再現性を確かめるってことね」

 

「そういう事」

 

 

俺はそれから彼と多くの事を語り合った。

彼は俺が魔力の再現性を深めようとすることに対して、魔力の伝導率を効率的に出来ないかという点に着目していたようで、この世界に存在するスライムを活用してスライムソードやスライムマントなど、スライムに魔力を流して形状変化させ、強固で斬れ味のいい剣や耐久性に優れた服に仕立て上げる事を可能としていた。凄まじい功績である。俺は素直に感動した。

 

 

「じゃあスライム分けてあげるよ。スライムでこれだけ再現性があるんだから、魔力単体でも幅広い事が出来るんじゃないかな?」

 

「ありがとう。今日君と出会えて本当に良かった。今日は素晴らしい一日だよ」

 

 

スライムの扱い方はなかなかコツがいるようだが、ものの数十分で何とか及第点を与えるぐらいの出来にはなった。俺の細胞一個一個を強化するという全身強化を普段からしていたので、イメージはしやすかった。シドには唖然とされたけど。

 

 

「細胞一個一個?非効率じゃない?」

 

「けどいい訓練にはなる。イメージの再現性と魔力を精密に扱う事が出来るようになるぞ」

 

「じゃあ一個提案だけどさ、魔力で身体を()()()()()みない?」

 

「作りかえる?どういう事だ?」

 

 

シドの話はこうだ。魔力で筋繊維や骨格を強化するのではなく、魔力を使って身体の内部を弄るのだという。魔力に適した内部構造がある様で、それをするだけで体内の魔力貯蔵も跳ね上がるのだとか。

しかし、身体を作り替えるという事で激しい痛みがあるのだとか。慣れれば大丈夫と言っているが、本当なのだろうか。

 

 

「成程、魔力を貯め込むのは必要だな。魔力で肉体改造は盲点だった。シド、俺の身体にできないか?」

 

「……えー、いいけど。僕でいいの?」

 

「是非頼む。今日初めて会ったが、君は信頼できそうだからな。俺の肉体改造は是非君に任せたい」

 

「……まぁ、悪い気はしないけどさ」

 

 

という訳で早速肉体改造開始。全身をくまなく作り替えていく。俺の魔力とシドの魔力を合わせて、体内と体外から放たれる魔力を上手い具合に使って魔力に適した内部構造を構築していく。その間、全身に激しい痛みを感じた。必死に歯を食いしばるが、何故かシドは面白そうに作業を続けていた。

なんだか、物凄い嫌な予感がする。

 

「……ははっ、面白いねジョネス。ちょっと試したい事あるから試すね」

 

「は?シド、ちょっとまぁああぁあぁあああぁああぁああぁあぁあぁああぁぁああぁあぁあ!!!!」

 

「成程、自分でやった時は痛過ぎてスルーしてたけど、やっぱり関節ごとに魔力供給の効率をあげることが出来れば短縮して魔力を補充使用可能って事になるのか。てことはやっぱり腹の中に一番大きな貯蔵庫を作って……、いや心臓を弄れば全身により魔力を供給出来るのか。じゃあ脹脛にも作らないとね。太ももと肺を魔力貯蔵庫に改造して、ポンプ役として心臓と脹脛。あ、脳も少し弄ってみようかな。魔力で脳のシワ増やして更に活性させられるかも」

 

「いだだだだっ!!し、じどぉおおおおっ!!手加減時でぐれええ!!」

 

「あーもうるさい!!猿轡してて!!ついでに身体を縛ってと。さぁ、僕の体にも反映させるんだ。人体実験の被験者になってもらうよ」

 

「んごぉぉおおおおおお!!!」

 

 

 

 

薄暗い森の中に、俺の猛獣のような声が響き渡る。

 

これが俺とシドの出会い。これから長く続く付き合いの始まりの話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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