レイドボスのお気に入り、神ゲーに行く   作:伊夜 灯

15 / 15
冥傷、その身に現れる

「完全に負けたなぁ⋯⋯」

 

セカンディルの宿屋で目を覚ました俺は、とりあえずさっきまでの状況を振り返ることにした。まずはあの歌。多分鍛冶屋のおっちゃんの言葉と繋がってなにかのトリガーを踏んだのは間違いない。そんでリュカオーンに殺される前にあの空間に行ったと。で、問題はその後。なんであの侍出てきたんだって話。

 

多分あれはあの空間での棍使い用に設定されてたボスだったのかな。使用武器が違うとまた出てくるボスも違うとかぁ……?。んで、その後に出てきたよく分からないなにか⋯⋯。あの攻撃なんだったんだろうな。見えないってことは音か衝撃波とかなんだろうけど⋯⋯。うーん、多分音だな。メロディが鳴るのも、歌も関連してるって考えたら音に関連するボス⋯⋯だと、思う。まぁ考えれるのはこのくらいか。

 

「さ、て、次はステータスチェックですねぇ⋯⋯」

 

ラストは瞬殺されたもののボス三連戦したんだ。マッドフロッグ分も含めてどのくらい上がっているのやら⋯⋯と、期待を込めてステータスを開く。そういえばこれ負けた場合って入るんですかね経験値。

 

————————————

PN:ウメツキ

LV:32 (105)

JOB:傭兵(棍使い)

5,000マーニ

HP(体力):30

MP(魔力):10

STM (スタミナ):30

STR(筋力):10

DEX(器用):15

AGI(敏捷):20

TEC(技量):35

VIT(耐久力):1(2)

LUC(幸運):25

スキル

・薙ぎ払い

・突進突き

・ナックルラッシュ

・タップステップ→スライドステップ

・フラッシュカウンター→ジャストパリィ

・アクセルLv.1

装備

右:湖沼の鉄棍

左:オルケストラの冥傷

頭:オルケストラの冥傷

胴:傭兵用装備(胴)

腰:傭兵用装備(腰)

足:傭兵用装備(足)

アクセサリー:無し

————————————

 

「んん⋯⋯?『オルケストラの冥傷』って何⋯⋯?」

 

溜まりに溜まった3桁のステータスポイントとか、スキルが増えたり変わったりしてるのも気になるけど、頭と左手に装備しているらしいよく分からないもののほうが気になる。見た感じ顔にも左手にも何もないけどな⋯⋯と鏡を見てみると、右目の下あたりから曲線的に左の口元まで届く薄い紫に染まった傷がある。左手も同じような感じに。えぇ⋯⋯これ何⋯⋯?

 

・オルケストラの冥傷

冥響のオルケストラは忘れ去られた物の奏でた音で起動した。その音色を記録するために自身の音を呪いとして刻む。それは己に魅入られた記録という証であり、傷跡から発せられる冥響の気配は半端な存在に大いなる力の残滓を示す。

「オルケストラの冥傷が付与された部位は装備品を装備することができません。」

「オルケストラの冥傷を持つキャラ以上のレベルのモンスターが積極的に戦闘を選択します。」

「オルケストラの冥傷を持つキャラ以下のレベルのモンスターが積極的に逃亡を選択します。」

「オルケストラの冥傷を持つキャラはあらゆる「呪い」を無効化します。」

「オルケストラの冥傷を持つキャラはNPCとの会話で補正がかかります。」

「オルケストラの冥傷を持つキャラが一度倒したモンスターと戦う場合、モンスターに補正がかかります。」

 

待て待て⋯⋯え、嘘でしょ?装備欄二つ使えなくなってるのもあれだけど高レベルのモンスターじゃないとほぼ戦えないのがまずいよ⋯⋯。しかも一回倒したら次はパワーアップするの?試練過ぎないかこの呪い。他の呪いがあるかは知らないけど他のもこのくらいがデフォルトなのかな……?

 

「とりあえずこの傷跡は隠さないと不味いだろうな流石に」

 

頭につけるアクセサリーなんて買ってないけどな⋯⋯。今手持ち5000しかないのにぃ。と、探してみればお誂向きという感じの三本線の入った黒い御札?がインベントリの隅にあった。こんなんいつ入手したっけ?少なくとも買った覚えはないぞ……?

 

追憶の魔符

忘却の記憶の侍(ロストメロディ・ソードマン)」の認めたものに送られる最期の餞別。消え去る記憶を最期に残さんとその侍の全てを紡いだこの魔符は影となり魅入られた証を覆い隠す。

常にHPが少しずつ回復し、スタミナの減少率が緩和される。

 

「え、つっよ」

 

少なくとも序盤で使っていいスペックしてないぞこれ⋯⋯。でも証を覆い隠すってことは視界塞がるのか?それだったら弱いなぁ〜⋯⋯。現状つけるしかなさそうだからつけるけどさぁ!

 

「あ、れ⋯⋯何も変わんなくない?」

 

視界が魔符で隠れるということもなく、普通にものが見える。鏡を見てみれば顔が黒い魔符で覆われた俺。あ、これマジックミラー的な感じなのか⋯⋯!?え、おもろ!ありがとうございます侍さん!ただ一つ欠点があるとするならこれ俺の顔に張り付いてるわけじゃないから動くと少しめくれて顔見えるんだよなあ。そこがねー。不審者感はまだ張り付いてないほうがマシだけども。

 

さて、次は溜まりに溜まったSP(ステータスポイント)の消費。三桁溜まってますからね。10くらい貯金で残すとしても95使える⋯⋯。嫌きり悪いな。15残そう。(A型)そしたら俺のプレイスタイルが基本棍でどう戦っていくかが大事なビルドやりたいからDEXとスタミナブッパでいいかなー。あとはちょっとAGIとSTRに振ればいいや。

 

————————————

PN:ウメツキ

LV:32 (15)

JOB:傭兵(棍使い)

5,000マーニ

HP(体力):40

MP(魔力):10

STM (スタミナ):60

STR(筋力):15

DEX(器用):45

AGI(敏捷):30

TEC(技量):35

VIT(耐久力):6

LUC(幸運):25

スキル

・薙ぎ払い

・突進突き

・ナックルラッシュ

・タップステップ→スライドステップ

・フラッシュカウンター→ジャストパリィ

・アクセルLv.1

装備

右:湖沼の鉄棍

左:オルケストラの冥傷

頭:オルケストラの冥傷

胴:傭兵用装備(胴)

腰:傭兵用装備(腰)

足:傭兵用装備(足)

アクセサリー:追憶の魔符

————————————

 

うーん⋯⋯なんかなんとも言えないステータスだな⋯⋯極振りってわけでもないし平均的⋯⋯器用貧乏ビルドなのかこれ?いつも通り棍で捌いてカウンター狙ってく戦い方だから一旦全体的なステータスが必要になるのは間違いないんだけどさ。スキルも新しく習得したの機動系のスキルだし⋯⋯。もう少し戦闘系のスキルが欲しかったなぁ。まぁこれから習得すればいいか。

 

冥傷に関してはもう仕方がない。別にメリットのほうが多そうだから解呪する気もないし、そもそも解呪できるのかって話でもある。それに重要な情報は秘匿するに限るからパーティを組む気もない。悲しいけどソロで頑張っていきますか。いや一回サンラクと合流したいなー。あいつ今頃何してるのやら。案外あの狼に喰われてたりして。

 

「さて、武器直しに行くか⋯⋯」

 

ステータスに目が行きがちだが、地味にボス三連戦で武器が相当消耗してる。基本使っていたのが湖沼の鉄棍だったが、何故壊れていないのかと思うレベルでボロボロだ。ほんとになんで壊れてないのこれ。お早いお帰りでとかボケてくれるかな⋯⋯とちょっと期待して鍛冶屋に向かったの、だが。

 

「深夜だから閉まってたか〜⋯⋯」

 

 

流石に個人でやってそうな店が現実基準で24時間営業はやるわけなかったか。じゃあ武器の修復は

となると、やることがなくなったな。デスペナルティと冥傷の効果があるからフィールドにも行きたくないし、宿戻るか⋯⋯と、もと来た道を引き返そうと踵を返す。ま、しゃーない。一旦宿戻ってログアウトですね⋯⋯。

 

「アンタが親父の言ってた人間か」

 

通り過ぎようとした裏路地から響いた声。周りを見回しても深夜だからか通りを歩いているのは俺だけっぽいので、この声の目的は俺ってことになるんだけど⋯⋯。誰、だ?そんな噂されることしたの俺?そう思いながら声のした路地に入ると、そこにはツッパリの格好をした兎が一羽。

 

「えぇ⋯⋯?」




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Q.うめつきはモテますか?
A.現実では良い人程度で止まります
 幕末だとモテモテ。ヨカッタネー
Q.うめつきが怒るとどうなりますか?
A.にこやかに敵に近づいて排除しようとします。そこまで怒ったことはないですが。
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