レイドボスのお気に入り、神ゲーに行く   作:伊夜 灯

7 / 8
ちなみに作者の気分と合間合間に書いているので投稿時間は不定なことを今更ながらお伝えします。


挑め、驚愕と高揚を胸に灯して

「行けども行けども街が見えねぇ⋯⋯」

 

なんかもう重量制限慣れたわ。ジャンプはできないけど走ることはなかなか達者にできるようになってきた。ジャンプは飛んだ瞬間にものすごい重力で下に落ちた。かかとが地面にめり込むとか初めてよ?それにしてもほんとに街が見えん。森抜けて大地を走って10分位経つけど見えん。ん?なんか今水色の何かが中を飛んだのが見えたような⋯⋯?

 

とりあえず何かが見えた方向に走ってみる。走るのに慣れたとはいっても速度でねぇから遅すぎる⋯⋯。全然前に進まねぇ。あ、吊り橋見えてきた、ってなんだあの門番みたいにとぐろ巻いてるやつ。あれ多分ボスだよなぁ⋯⋯めんどくせえよぉホントに。

 

しかしあの蛇を倒さないと街に行けない、かつ死んだら夢オチとして処理イコールアイテム消える、と考えると一発クリアしかない。こんなデバフ(重量制限)食らって倒せとか絶対想定されてないだろうな。まぁ蛇によくある噛みつきと尻尾さえ気をつければ勝てるだろ。というわけで。

 

「対戦よろしくお願いしますね⋯⋯」

 

そしてウメツキ初のボス戦、「跳梁跋扈の森」のボス貪食の大蛇との戦いが始まった。

 

 

 

「うぇっ、おっもコイツ⋯⋯!?」

 

ボスとはいえまだ初心者エリアのボスのため、動きは割と読みやすい。ただ、楽勝というわけではなかった。噛みつきや尻尾の薙ぎ払いはまだいいが、シンプルに押しつぶそうとしてくることに対して何もできない。ゴロゴロと転がって避けるしかないのがすごく嫌。押しつぶしが失敗したと分かると大口を開けて飛びかかってくる大蛇の牙を薙ぎ払いで折りつつ回避。

 

多分重量があるとはいえ薙ぎ払いを合わせれば押しつぶしの回避は行けそう。しかしリキャストが終わる前に二回目来たらまた転がって避けるしかないってのがなぁ。もーほんとにダメージソースがねぇ!

 

尻尾による薙ぎ払いを棍で逸らし、突っ込もうとしたところにとてつもなく嫌な予感を感じてその場所から飛び退く。次の瞬間噴出されたなにかがさっきまで俺がいたところを嫌な色に染め上げた。もしかしなくても排泄物だなこれ。そんな恐ろしいものを攻撃手段として追加しないでほしい。切実に。

 

「本当に攻め手がねぇよ!?」

 

苦し紛れにゴブリンの手斧を投げつけてみるが全然ダメージが入っているようには思えない。なんなら尻尾の薙ぎ払いでふっとばされてる。敵のHPも見えないからどれだけダメージ入ったのかもわからんしやばい、武器選択ミスったかこれ?

 

「攻めるしかないおアァァ!?」

 

突進突きで突っ込んでやろうとか考えていたら不意に尻尾で上空へと跳ね飛ばされた。あれ、これもしかして落下ダメージで死ぬ?それは嫌だ。なんかないのか、このままだと下の大口上げてるやつ(大蛇)に食われて死ぬ。牙折ったから噛み砕かれはしないけど丸呑みエンドになるだろうな。待てよ?落ちるってことは⋯⋯。あ、これワンチャン勝てるんじゃね?

 

丁度真下にいる大蛇、重力に従い、重量制限も相まって加速して落ちていく俺、そして棍と突進突き。懸念点は俺も落下ダメで死なないかという点のみ。これが魂の急転直下だぁぁぁ!あっヤバい自分から地面に向かっていくの結構怖い舌ペロってなめられたああぁぁ!!!

 

轟音、衝撃、決着。大蛇がポリゴンを吹き出して爆散し、その中心には倒れ伏したウメツキ。幸いにもHPは八割持っていかれたほどですんでおり、弱々しい笑みを浮かべている。今まで対人戦専門初のボスモンスター戦、思いっきり体力と精神力を消費して、かつ重量制限がのしかかってうまく動けない。

 

「やっぱ大型モンスター相手課題だわ⋯⋯ユラさんとかとはぜんぜん違う」

 

デカくて下手するとシンプル質量で潰されるのが全然ある。棍で弾く、流すにしても質量でうまく調整できなくて今までの感じじゃ通用しないしヤバいなこれ。人間とモンスターとでこんなに差があるとは思わなかった。これを感じただけでもシャンフロを始めた価値あるわ。やばいめちゃめちゃ楽しい。地面に沈み込んでいきそうな足を無理やり動かして吊り橋を渡り、初めての街へ突入。

 

「すいません、宿屋ってどこにありますか?」

 

「セカンディルの宿屋なら真っすぐ行ったところにある白い屋根の建物ですよ」

 

「ありがとうございます⋯⋯ん?セカンディル?」

 

「?ここセカンディルだけどどうかした?」

 

あれちょっと待てよ、セカンディル⋯⋯second?2番目ってこと?あれ、もしかしてだけどこれ最初の町飛ばしたパターンか?いや流石に地図がないからって最初の町にたどり着けないことがあるなんてそんなはずがあるわけ⋯⋯。

 

「すいませんここ何番目の街ですか?」

 

「あっ⋯⋯残念ながら2番目ですね」

 

「やっぱりかぁ⋯⋯流石に地図なしは無謀だった⋯⋯」

 

「ぎゃくに地図無しでここまで来たの!?それはそれですごいねぇ⋯⋯」

 

「宿の場所教えてくださりありがとうございました、では」

 

「ああ、がんばってねー」

 

落胆と重みで動きたくないと訴える体を無理やり引きずって宿屋へと向かう。手斧結構減ったから補充したいかな⋯⋯というか一旦落ちよう。この感動をサンラクにも教えてやりたい。ネタバレ?まぁストーリーじゃないから多分いいだろ。そうして宿でセーブポイントを更新し、即ログアウト。そろそろ夜飯に呼ばれるだろうしいい時間だな、よかった。




一応ウメツキは方向音痴というわけではないです。しかしながら面白そうな方、に舵を切ったため何故かセカンディルに着いてしまったという。
???「あれ、レイドボスが探してたけどほんとにログインしてないねぇ」
現段階では対人脳なのでモンスターには明確に不利とってます。

質問感想、お気に入り、高評価何卒よろしくお願いします。頂けると作者が暇つぶしに書いたウメツキのプロフが投下されます。
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