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No side
「まああんなことがあったけど、授業は授業! というわけで、救助訓練しっかり行って参りましょう!」
週末明け、最初の授業。
1年A組は、再び雄英高校訓練施設USJに来ていた。
今は、13号が今回の訓練の説明をしている。
すると麗日が13号に話しかける。
「13号先生、もう動いて大事なんですか?」
「背中がちょっと捲れただけさ」
「とにかく早く始めるぞ。時間がもったいない」
そう言って相澤は、先にスタスタと歩き出していった。
今日は二人だけで、オールマイトがいない。
その事には触れる事無く、相澤は授業を始めようとする。
「相澤先生!」
「ん?」
「前回は13号先生と相澤先生と、あとオールマイトが見てくれる筈でしたけど……オールマイトは?」
緑谷が尋ねると、相澤は少し間を置いてから答える。
「知らん。放っとけあんな男」
〜A組移動中〜
場所を変えて、山岳ゾーン。
ここは山岳での遭難を想定して、岩肌が剥き出しになった山岳地帯を再現してある。
「ではまずは山岳救助の訓練です! 訓練想定としまして、登山客3名が誤ってこの谷底へ滑落。1名は頭を激しく打ち付け意識不明。もう2名は脚を骨折し動けず救助要請。という形です」
13号が説明すると、切島と上鳴が前に出て谷を覗き込む。
二人は、底が全く見えない谷底に驚いて声を上げる。
「「うわぁああ!?」」
「深っけぇえええ!!」
「2名はよく骨折で済んだなオイ!」
二人が驚いていると、飯田が、駆け出して二人を叱った。
「切島くん上鳴くん、何を悠長なことを!! 一刻を争う事態なんだぞ!! 大丈夫ですかぁ!! 安心して下さい!! 必ず助け出しまぁす!!」
「おめーは早すぎんだろ」
「まだ人いねーよ」
飯田が谷底に向かって叫び、救助者の声を聴き取る仕草をすると、切島と上鳴が呆れながらツッコミを入れる。
「うおおお!! 本格的だぜ!! 頑張ろうねデクくん!!」
「う、うん!」
麗日が気合を入れて話しかけると、緑谷が顔を赤くして頷く。
すっかりやる気の飯田、麗日、緑谷の三人だったが……
「じゃ、怪我人役はランダムで決めたこの3人です!!」
(((助けられる方か……!)))
最初に怪我人役に指名されたのは、飯田、麗日、緑谷の三人だった。
そしてこの三人を救助する役として選ばれたのが、八百万、轟、常闇、爆豪の四人だ。
爆豪は、「待てオイ!! 何で俺が助けにゃならんのだ!!」や「谷そのものを無くしちまえば問題ねえ!!」とか、ヒーロー志望とは思えない問題発言を連発した。
そしてあまりにもやる気がない爆豪に轟が指図したのをきっかけに二人が喧嘩を始め、二人まとめて八百万に説教された。
二人に説教しながら救助活動を行う八百万を見て、クラスの皆は感心していた。
「すげぇ……立派だな八百万……」
「ああ……」
切島が素直に感心している一方で、峰田はしゃがみ込んで八百万の尻を凝視していた。
「ご立派……」
「クズかよ!!」
エロ葡萄が涎を拭きながら言うと、切島がツッコミを入れた。
その後は、八百万のお説教を受けて反省したらしい二人も救助活動に加わる。
八百万の“個性”で作ったプーリーと轟の氷で倍力システムを作り、常闇が
爆豪だけは、ただ引っ張り上げるだけだったが。
こうして1組目の救助が終わり、その後2組目、3組目も終わる。
「では、次の救助者はこの4名です!」
4組目に呼ばれたのは、六花、口田、砂藤、瀬呂の四人だった。
そして要救助者は、芦戸、尾白、峰田の三人だ。
六花と瀬呂は、氷とテープで担架を作る。
「よし、こんなもんかな」
「はい……じゃあセロさんが下に降りて、介添をお願いします」
「おう、任せとけ」
その間に、口田が鳩を使って要救助者の様子を探らせた。
「クルル……」
「感謝します。えっと、芦戸さんが意識不明、後の2人が骨折だって」
「よし、じゃあ行ってくる」
口田が鳩からの情報を報告すると、瀬呂が担架を抱えたままテープを使って谷底へ降りていく。
まずは、瀬呂がテープで応急処置した芦戸を氷の担架に乗せ、六花が氷の担架を操って浮かせ、口田と砂藤でキャッチする。
そして次は、骨折している設定の峰田を同様に谷の真上まで運ぶ。
「氷叢来い氷叢来い氷叢来い氷叢来い氷叢来い氷叢来い…」
峰田は、血走った目をしてブツブツと下心丸出しの発言をしていた。
救助中のアクシデントによるお触りを期待するという、要救助者役にあるまじき邪な考えが峰田の頭の中を支配していた。
だが峰田の目論見は外れ、砂藤が峰田をキャッチした。
「確保!」
「砂藤なんでてめぇなんだよチクショウがぁぁぁ!!」
「はぁ!?」
峰田が血涙を流しながら逆ギレすると、理不尽にキレられた砂藤がぎょっとする。
その後、残りの救助者の尾白も救出し終わり、4組目の救助訓練が終わった。
そして5組目の訓練も無事に終わり、1回目の救助訓練が終わると、13号が全員の前で話をする。
「皆さん大変素晴らしい成果でした! 1回目にしては! 救助とは時間との戦いでもあります。まだまだ改善の余地が皆さんにはありました。即ち! まだまだ伸び代があるということ!」
「なんか呆気ねーや」
「気を抜くな。まだ授業は続くぞ」
13号の講評に対して上鳴が気の抜けた発言をすると、相澤が上鳴をギロっと睨みつける。
相澤は、ひと足先に次の訓練場への移動を始めた。
〜A組移動中〜
次に向かったのは、倒壊ゾーン。
倒壊したビルが無秩序に散らばっている市街地を模した訓練場だ。
「で、次はこちら。倒壊ゾーンです! 救助訓練の1回目ということで、今回は色んな状況を経験してもらいます。この倒壊ゾーンでの訓練想定は、震災直後の都市部。被災者の数・位置は何もわからない状態で、なるべく多くを助ける訓練です。8分の制限時間を設定し、これまた4人組での救助活動を行います。残りの16名は各々好きな場所に隠れて救助を待つこと。ただしそのうち8名は“個性”を出せない状態と仮定します。その8名は私が指定します」
「それってかくれんぼ! かくれんぼじゃん!」
「簡潔に言うと近いですね。では、1回目の4人組はこちら!」
13号の説明に芦戸がキャッキャとはしゃぐ中、13号が指名したのは、麗日、爆豪、緑谷、峰田の4人だった。
「何でつくづくデクとやんなきゃなんねーんだよ!!」
緑谷と一緒にされた爆豪は、ブチギレていた。
三回も緑谷と同じ組み合わせにされ、爆豪はとっくに我慢の限界だった(緑谷が救助者役の時は、爆豪が要救助者役だった)。
「被害者を運ぶにあたって胸及び臀部にやむを得ず触れてしまった場合、それは何か罪に当たるのか否か…」
「君に限ってはアウトだよ、峰田くん」
峰田が芦戸や蛙吹、六花の安産型の尻を凝視しながら言うと、緑谷が真顔でツッコミを入れる。
「要救助者側が隠れて2分。それでは捜索訓練を始めます! 震災直後、
13号の合図の後、六花達はそれぞれ散り散りになって、各々好きな場所に隠れた。
六花は“個性”を使えない想定なので、普通にビルの中に入って隠れようとした。
だがその時、六花は空気の微かな揺れから、人の気配を察知する。
「……誰ですか」
六花は、人の気配がする方を睨みつけて尋ねる。
クラスメイトの気配ではない。
その事に気づいた六花は、警戒心を最大まで高める。
すると物陰から、仮面を被った大男が姿を現す。
「気がついていたか……流石だな」
「答えてください。あなた誰ですか」
「4日ぶりに暴れるか……」
「…………?」
『4日ぶり』という言葉に、六花は怪訝な表情を浮かべる。
4日前といえば、USJ事件があった日だ。
もしかしたら、USJに現れた
その瞬間、大男が六花に襲いかかった。
◆◆◆
緑谷 side
13号先生の合図の後、かっちゃんが先に行ってしまい、僕と峰田くんは麗日さんと別れて要救助者役の皆を探していた。
すると、どこからか尾白くんの声が聴こえてきた。
見ると、倒壊したビルの中に尾白くんがいた。
「おーい!! 助けてくれー!!」
「尾白くん発見!」
「緑谷!」
「待ってて! すぐに助けるから!」
僕は尾白くんに声をかけてから、峰田くんに指示を出す。
峰田くんは、頭から球をもいで、僕が用意した配管に等間隔にくっつけた。
「なるほど。オイラの超くっつく球を使うのか」
「瓦礫をつければ簡単梯子の完成!」
そう言って僕は、球の上に瓦礫をくっつける。
そうして作った梯子を、倒壊したビルの窓に差し込み、尾白くんのもとへ降ろす。
「尾白くん、球には触れないよう登ってきて!」
「なるほどな!」
「よくすぐ思いつくな!」
「ヒーローの“個性”活用法を考えるのが、昔から好きなんだ」
尾白くんと峰田くんに褒められて、顔が赤くなるのを感じ、思わず頭を掻いて照れ笑いしてしまう。
◆◆◆
麗日 side
デクくん達と別れた後、私は“個性”を使って要救助者役の皆を探した。
まずは、響香ちゃんがすぐ近くの瓦礫の中に隠れているのを見つけたので、響香ちゃんが隠れている瓦礫や車を“個性”で浮かせる。
「響香ちゃん発見!」
「あ〜、絶対見つからないと思ったんだけどなぁ」
頭を掻きながら悔しそうに言う響香ちゃんに対して、得意げに笑ってみせた。
だけど、その時だった。
「麗日くん!! 耳郎くん!!」
飯田くんが、何やら只事じゃない顔で、こっちに向かって走ってくる。
「あ」
「あれ? 要救助側のはずじゃ……」
「逃げろ!!」
「「きゃあ!?」」
飯田くんは突然、私と響香ちゃんに飛びついて両腕で抱えてきた。
その直後、さっきまで飯田くんがいた場所が吹き飛ぶ。
私達は、飯田くん諸共吹っ飛ばされて、地面に仰向けに倒れ込んだ。
いたた、頭打った……
「いてててて……何?」
「
「「え!?」」
飯田くんの言葉に驚きながらも前を見ると、土煙の中から人影が……それも大男の影が現れる。
クラスの誰かの影じゃない……
本当に
「えっ、なんでここに!?」
「隠れてたってこと!?」
え……!?
嘘でしょ、あれって……
「っ……!? そんな、まさか…!! 轟くん、六花ちゃん…!?」
そんな、あの二人でも歯が立たないなんて…!!
「クラスの最強2人が……!!」
「だから早く、君達は先生のもとへ!」
「でも…!」
◆◆◆
緑谷 side
「
「嘘だろ!?」
異変を察知した僕達は、音がした方へと駆けつけた。
そこには、仮面を被った大男がいて、男は右手で轟くんと氷叢さんを掴んでいた。
「そんな…!」
「マジかよ!?」
他の皆も、そこへ駆けつけてきていた。
見える範囲だと、八百万さん、上鳴くん、切島くん、常闇くん、瀬呂くんがいる。
「俺、先生呼んでくる!」
そう言って尾白くんは、先生達を呼びに行ってくれた。
だけど……
「逃がしゃしないさ、全員まとめて……死にさらせぇぇ!!!」
そう言って
すると、倒壊ゾーン全体にその衝撃が伝わっていき、周囲のビルが次々と崩れていく。
振動が伝わってきて、土煙が舞い上がる。
僕も吹っ飛ばされて、地面に叩きつけられた。
煙が晴れてきた頃、体を起こして目を開けると、そこには嘘みたいな光景が広がっていた。
「…………!?」
「何じゃこりゃあああ!!?」
倒壊ゾーンのビルは、
「よぅし、周りは壁になったな。一人たりとも逃がさんぞ」
「ああ……ウソでしょ!? 皆早く逃げて!」
13号先生が目の前の惨状に驚きながら僕達に声をかける。
だけどその時だった。
「でやああああ!!」
かっちゃんが、爆破を放ちながら
だけどその攻撃は、
かっちゃんは、
「逃げてえ奴は勝手に逃げろ! こいつは俺が潰してやる!」
「完全に見切られておいてよく言えたもんだ」
「オラアア!!」
かっちゃんは、さらに
それを見ていた峰田くんは、涙目になりながら喚き散らす。
「バカかよ、何で力量の差を考えねえんだ! どう見ても格が違えってわかんだろ!」
……違う。
気性はどうあれ、かっちゃんは考えない人じゃない。
13号先生が、さっきの訓練の時に『適材適所』と言っていた。
かっちゃんなりに、やれる事を……!
かっちゃんは、ものすごい速さで
だけど
「痛いだろうが!!」
「危ない!」
するとかっちゃんは、空中で身を翻して回避し、爆破で軌道修正して
「オラアアアアア!!!」
そしてそのまま、至近距離で背中に爆破を浴びせた。
かっちゃんは、着地した状態から態勢を立て直しながら飯田くんに声をかける。
「おい! 人の心配する程強えんかてめえは! ああ!?」
かっちゃんの言葉に、飯田くんがハッとする。
「棒立ちしてんなら、とっととその辺の奴等逃がしとけよ雑魚が!」
「なっ…! 何で君はそう憎まれ口しか叩けないんだ!」
「おいおい爆豪、その辺の奴等ってのは無えんじゃねえのか?」
「1年A組20人」
「一応全員ヒーロー志望なんだけど!」
飯田くんに続けて、切島くん、八百万さん、麗日さんが前に出てそう言った。
皆、来てくれたんだ……!
「ほう、随分勇ましいな。しかし……ふんっ!!」
すると
「ぬおおっ!! オラァ!!」
「ふんっ!!」
切島くんが硬化した手刀で、砂藤くんが“個性”を使った怪力で瓦礫を砕く。
そして耳郎さんが音波で
「今ですわ!!」
「行くぞ!! A組!!」
八百万さんと飯田くんの合図と同時に、僕達は
だけどその直後、
「ぬうううう!!!」
「「「うわあああああ!!!」」」
僕は、近くにあった瓦礫に体を叩きつけられた。
周囲には土煙が舞い、さらに被害が拡大する。
目を向けた先には、ピンピンした
「まさか全員で挑んでくるとはな。予想外だがその程度じゃこの俺は……」
そう言って
だけどその攻撃は、あっさり
「あっ」
「チッ!」
かっちゃんは
かっちゃんは、
だけど、それも左腕で軽く受けられた。
かっちゃんが掌から爆破を放つと、
「かっちゃん……あっ! 飯田くん、峰田くん、麗日さん、蛙すぃ…っ、梅雨ちゃん、僕に考えがある!」
皆に声をかけながら、僕はその場から立ち上がる。
かっちゃんは、
「ふう……流石に疲れてきたな。そろそろシメるか」
「ヘッ、笑わせんな。まだまだこっからよ」
かっちゃんがニヤリと笑みを浮かべると同時に、僕は走り出した。
「今だ!」
「行くよ!」
麗日さんは、僕とハイタッチをして“個性”を発動した。
その直後、蛙吹さんの舌が僕の体を巻き取る。
「蛙吹さん!」
「梅雨ちゃんと呼んで!」
そう言って蛙吹さんが、僕を思いっきりぶん投げる。
「オラアアアア!!」
かっちゃんは、
だけど
「いくらやっても……ん?」
僕は、峰田くんのもぎもぎボールを持った左手を、思いっきり振りかぶる。
狙い通り……!!
「解除!」
麗日さんが“個性”を解除すると同時に、僕は轟くんのコスチュームに球をくっつけ、そのまま轟くんと氷叢さんを回収して通り過ぎていった。
「爆発のタイミングで……」
「やった! 成功!」
「ケロケロ」
そしてそのまま着地し、轟くんと氷叢さんを安全な場所へ移動させてから、デコピンを撃つ準備をした右手を
行け……!!
「SMAAAAAASH!!!」
『ワン・フォー・オール』の衝撃波が、
「だっ、ダメか……!」
「雑魚は引っ込んでろ!」
指の痛みに耐えながら歯噛みしていると、今度はかっちゃんが飛び出す。
「野郎は俺がぶっ殺すんだよ」
「ぬぅ!!」
両腕が開き、懐がガラ空きになった。
その瞬間、かっちゃんが
「死ねぇ!!!」
かっちゃんは、大爆破をゼロ距離で
そして
「ぐはぁっ!!」
「ざまあ! トリモチ完璧だぜ! これでもう動けねえ!」
「ああ! 軌道上からの避難誘導もバッチリ。計画通りだ緑谷くん!」
「良かった……」
計画がうまくいって、安心して思わずため息が漏れる。
すると麗日さんと蛙吹さんが、喜びながら僕に歩み寄る。
「デクくんやったね!」
「お見事よ!」
「ありがとう、皆のお陰だよ。それに……」
僕の作戦を瞬時に理解し、最大級の爆発で
やっぱり君はすごい人だ、かっちゃん……!
「う……動けん……」
「トドメだ。クソ
かっちゃんは、
「ま……待て! 私、私……!」
かっちゃんが
「私が来てた!!」
「「オールマイト!!?」」
えぇぇぇ!?
嘘でしょ、なんでオールマイトが!?
「HAHAHA!!! 実はちょっとサプライズ的に
他の皆は、怒りの形相でオールマイトを取り囲んでいた。
皆の鬼のような顔つきに、オールマイトは冷や汗をかいて顔を引き攣らせる。
「何か……すいませんでした……」
「「「「やりすぎなんだよオールマイトォ!!!!」」」」
オールマイトが申し訳なさそうに言うと、皆が一斉に怒鳴った。
◆◆◆
相澤 side
「先輩の言う通りでしたね……」
「やっぱ向いてないな、あの人」
俺は、生徒達の怒りを買って袋叩きにされるオールマイトを見下ろしながら、13号とそんな話をする。
俺は昨日、このサプライズの話をあの人に持ちかけられた。
――サプライズ?
――そう!
――俺は反対です。A組は4日前に
――彼らは、あの襲撃を事故だと思っている。何千何万分の一の確率で起きた偶然だと。しかしそうではない。ヒーローには絶えず危険が付き纏う。そのことを自覚してほしいのさ!
――承諾しかねますね。下手すればトラウマになりかねない。
――それを乗り越える覚悟を学ばせる。それこそが教師である我々の務めだと思わないかい!?
――ハァ…責任は取ってくださいよ。
―― HAHAHA!! 大丈夫!! 私は彼等の力を信じてるよ。
……なんて言ってたが……まぁ、正直こうなると思ってた。
だから反対だって言ったんだがなぁ…
「しかし、全員立ち向かっていくとは驚きました」
「……ああ」
◆◆◆
緑谷 side
「冗談にも程があるっての!」
「タチ悪すぎだって!」
皆は、行き過ぎたサプライズをしたオールマイトを一斉に踏みつけた。
皆すごい怒ってる……
なんて思っていると、さっきまで捕まっていた轟くんと氷叢さんが後ろから歩み寄る。
「あっ、轟くん、氷叢さん」
「ああ!? てめえらもこのクソサプライズ共犯か!?」
「悪かったな」
「……ごめんなさい」
かっちゃんが二人を問い詰めると、二人は少し俯きながら謝った。
◆◆◆
オールマイト side
「4日ぶりに暴れるか……」
数十分前。
私は、今回のサプライズに協力してもらうため、氷叢少女に接触した。
正直な話、彼女の“個性”は規格外だから、仕掛け人側に回ってもらうしかない。
私が氷叢少女に歩み寄ろうとすると、氷叢少女は私の掌をむけて冷気を放とうとしてくる。
「待って待って、ストップ!!」
容赦なく私に攻撃しようとする氷叢少女に、私は仮面を脱いで自分の正体を明かした。
「私が来てた!!」
「……オールマイト?」
私が白状すると、氷叢少女は攻撃の手を止める。
あっぶな、本当に凍らされるとこだった……
「少し協力してくれないかな?」
私は、氷叢少女に今回のサプライズの内容を全部話した。
すると氷叢少女は、少し納得いかなさそうな表情を浮かべつつも、私に協力してくれた。
「……わかりました。オールマイトに捕まって気絶したフリをすればいいんですね」
「ああ、よろしく頼むよ。轟少年にも、後で同じことを頼むから」
◆◆◆
緑谷 side
「酷いよオールマイト!」
「ごめんて……本気じゃなかったんだよ」
「しかし緑谷くんは指を負傷しております! これは学校としては非常にマズいことになるのでは!?」
「もうダメですからねオールマイト!! ねえデクくん!?」
謝るオールマイトを、芦戸さん、飯田くん、麗日さんが責める。
そんな中僕は、一気に体の力が抜けて、その場に膝をついた。
「いや……でもサプライズで良かった!」
そう言って、僕は安心感からか頬を緩めた。
本当に……誰かが
すると飯田くんと麗日さんは、呆れたようにため息をつく。
「緑谷少年……」
オールマイトが僕の言葉に感動していると、他の皆がオールマイトを睨む。
「『緑谷少年……』じゃねえんだよ!」
「サーセン!!」
上鳴くんがオールマイトを責めると、オールマイトは涙目で謝った。
「デクくん、早くリカバリーガールのとこ行こ!」
「デクさん、大丈夫ですか……?」
「うわっ! ち……近い……」
麗日さんと氷叢さんが駆け寄ってきて、氷叢さんが氷で僕の指を覆ってくれた。
ち、近い……!
そんな僕達を少し離れたところから見ながら、轟くんが歩いていく。
こうして最初の救助訓練は、無事幕を閉じた。
最初の救助訓練の組み合わせです。
救助者 要救助者
1組目 常闇、轟、爆豪、八百万 飯田、麗日、緑谷
2組目 芦戸、上鳴、切島、耳郎 瀬呂、氷叢、八百万
3組目 蛙吹、飯田、障子、峰田 上鳴、耳郎、葉隠
4組目 口田、砂藤、瀬呂、氷叢 芦戸、尾白、峰田
5組目 麗日、尾白、葉隠、緑谷 蛙吹、轟、爆豪