地獄の氷叢さん家   作:M.T.

43 / 56
昨日は投稿が遅れ申し訳ございません。
以下、昨日の投稿が遅れた言い訳

VIVANT11話の予習の為に1〜10話をネトフリで見てました。
相変わらず面白かったけど情報過多で始終宇宙猫状態でございました。

なお、今回から劇場版の話が続きます。
林間合宿まで間が空いてしまいますが、お付き合いいただけると幸いです。


第41話 氷叢さんとI・アイランド(1)

葉隠 side

 

「わぁぁ……!」

 

 飛行機の窓側の席に座っていた私は、飛行機の窓から、外の景色を眺めていた。

 海にぽつんと浮かんでいるのは、人工島『I・アイランド』。

 一万人の研究者が住んでいると言われていて、ヒーローに関する最先端の研究が行われているらしい。

 そのI・アイランドで行われる“個性”技術博覧会『I・エキスポ』のプレオープン、そこで開かれるレセプションパーティーに、私は六花ちゃんと一緒に行く事になった。

 

「それにしても、誘ってくれてありがとね、六花ちゃん!」

「あっはい……」

 

 私は、誘ってくれた六花ちゃんに改めてお礼を言った。

 体育祭の優勝賞品が、I・エキスポの招待状で、私は六花ちゃんの付き添いというわけだ。

 

 

『入国審査が完了しました。現在、I・アイランドでは様々な研究・開発の成果を展示した博覧会、I・エキスポプレオープン中です。招待状をお持ちであれば、ぜひお立ち寄りください』

 

 I・アイランドの空港に到着した私達は、入国審査を受けてから、I・アイランドに足を踏み入れた。

 目の前には、最先端技術で作られた夢のような光景が広がっている。

 噴水が文字を作っていたり、大きな楽器から音楽が鳴っていたり。

 まだプレオープンなのに、多くの人で賑わっていた。

 

「わぁ、すごい……」

「だね!」

 

 普段はあんまり表情が変わらない六花ちゃんも、感動に目を輝かせている。

 そんな様子を見てホッコリしながら、スマホを起動する。

 

「まずホテルにチェックインしに行こっか」

「あっ、はい……」

 

 私達は早速、今日泊まる予定のホテルに向かった。

 ヤオモモが気を利かせて私達の分の部屋を予約してくれて、私達はそこに泊まる事にあった。

 レセプションパーティーに参加するのは私と六花ちゃん、それからヤオモモ、お茶子ちゃん、耳郎ちゃんだけだけど、梅雨ちゃんと三奈ちゃんも既にI・アイランドには来ていて、ホテルでのんびり過ごしているらしい。

 ホテルでチェックインを済ませて、部屋に荷物を置いた私達は、パーティーが始まるまでの間、気になるパビリオンを見て回る事にした。

 

「あ、六花ちゃん! このパビリオン面白そうだよ! 行ってみない?」

「はい……っ」

 

 私達は、早速近くにあったパビリオンに入った。

 するとだ。

 

「あれ? 透ちゃん、六花ちゃん!」

 

 どういう偶然か、そこにはお茶子ちゃんがいた。

 

「来とったんやね、連絡くれたら良かったのに!」

「あ……ごめんなさい……」

「お茶子ちゃん一人だけ?」

「ううん、八百万さんと耳郎ちゃんも一緒!」

 

 私達がお茶子ちゃんと話していると、そこへちょうどヤオモモと耳郎ちゃんが歩いてきた。

 

「あら、葉隠さん、氷叢さん」

「これで女子は全員集合か」

「モモさん……キョーカさん……」

「せっかくですし、一緒に回りません?」

「いーね!」

「あっ、はいっ」

 

 ヤオモモの提案で、五人で一緒にパビリオンを見て回る事にした。

 わいわい喋りながら一緒に展示を見ていると、ふと耳郎ちゃんが足を止めて振り向く。

 

「ねえ、あれ緑谷じゃない?」

「えっ?」

 

 見ると、緑谷くんが、金髪で眼鏡をかけた女の人と何かを楽しそうに話しながら展示を見ていた。

 

「あ、ホントだ」

「隣の女性はどなたでしょう……?」

「緑谷くんの彼女だったりして?」

「ええっ!?」

「えっ」

 

 私がほんの出来心で冗談を言うと、お茶子ちゃんと六花ちゃんが思ってたよりびっくりした。

 ……ごめん、冗談だから。

 でもあまりにも楽しそうに話しているものだから、またちょっぴり魔が差した。

 耳郎ちゃんも同じだったのか、小声で話しかけてくる。

 

「……ちょっとびっくりさせちゃおっか」

「……だね」

 

 私達は、緑谷くんにサプライズをする事にした。

 隣にいた六花ちゃんも、きょとんとしつつも首を縦に振った。

 まずはお茶子ちゃんが、後ろからそっと緑谷くんに近づいて声をかける。

 

「楽しそうやね、デクくん」

「わ!? う、麗日さん!? どうしてここに!?」

「楽しそうやね!」

「2回言った!?」

 

 動揺している緑谷くんに対してお茶子ちゃんが2回言うと、緑谷くんがツッコミを入れる。

 それを合図に、私達も緑谷くんに声をかけた。

 

「ゴッホン!」

「八百万さん!?」

「とっても楽しそうでしたわ」

「緑谷、聴いちゃった」

「恐るべし…! 耳郎さんの『イヤホンジャック』…!」

「デクさん、たのしそうでしたね……」

「ねー!」

「氷叢さんに葉隠さんまで……!!」

 

 私達が話しかけると、緑谷くんが思ってた以上に驚く。

 すると、一緒にいた女の人が、緑谷くんに尋ねる。

 

「お友達?」

「学校のクラスメイトで…何か誤解してるみたいで…あの! 僕はメリッサさんに会場の案内をしてもらってるだけで…」

「そうなの! 私のパパとマイトおじさまが…「わーーーーっ!!!」

 

 緑谷くんと一緒にいた女の人、メリッサさんが何かを言おうとすると、緑谷くんが大声でかき消して、メリッサさんを少し離れた場所へ連れて行く。

 そこで二人は、何かをひそひそと話した。

 何話してるんだろう……?

 なんて考えていると、メリッサさんが笑顔で話しかけてくる。

 

「良かったらカフェでお茶しません?」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「へ〜! お茶子さん達、プロヒーローと一緒にヒーロー活動したことあるんだ!」

 

 メリッサさんは、私達から学校の話を聞いて感激していた。

 

「訓練やパトロールくらいですけど…」

「私もそんな感じですね…」

「ウチは事件に関わったけど、避難誘導をしたくらいで…」

「それでもすごいわ!」

 

 お茶子ちゃんと私、それから耳郎ちゃんが謙遜気味に言うと、メリッサさんは二人を褒める。

 ヤオモモは、ウワバミの元で何故かCMに出演させられた事を恥ずかしそうに話す。

 

「私は何故かテレビCMに出演する羽目に…」

「普通じゃ出来ないことね! ステキ!」

 

 ヤオモモが話すと、メリッサさんはヤオモモを褒める。

 そして今度は、六花ちゃんに話題を振った。

 

「ねぇ、六花ちゃんはどんなことしたの?」

「えっと、ヒーローごろしをけっとばし……」

「えっ、ヒーロー殺し?」

 

 六花ちゃんが話そうとすると、メリッサさんがきょとんとする。

 すると緑谷くんが慌てて席から立ち上がって口を挟んだ。

 

(ヴィラン)を蹴っ飛ばしてくれたんだよね、ミルコが! 僕達はたまたまそこに居合わせて! だよね氷叢さん!?」

「え? あぁ、まぁ……」

「……? へぇ、そうなのね!」

 

 緑谷くんが代わりに説明すると、六花ちゃんが少し戸惑った様子で頷く。

 メリッサさんは、少し怪訝な表情を浮かべていたけど、すぐに納得して微笑んだ。

 すると耳郎ちゃんが、今後の予定をメリッサさんに話す。

 

「明日、アカデミーの作品展示してるパビリオンにも行く予定なんです!」

「すごい楽しみ〜!」

「メリッサさんの作品も!?」

「ええ、もちろん!」

 

 女子六人でわいわいと話していた、その時。

 

「お待たせしました」

 

 下の方から、私が注文したキャラメルミルクセーキと六花ちゃんが注文したコーラが差し出される。

 振り向くと、そこにはウェイターの制服を着た峰田くん。

 そして緑谷くんの席の方には上鳴くんが立っていた。

 

「その声…! か、上鳴くん!!」

「と、峰田くん!?」

「あんたら何してんの!?」

「エキスポの間だけ、臨時にバイトを募集してたから応募したんだよ! なー?」

「休み時間にエキスポ見学できるし、給料貰えるし、来場した可愛い女の子とステキな出会いがあるかも…しれないしなぁ!」

 

 峰田くんは、メリッサさんに釘付けになりながら言った。

 そして、メリッサさん目当ての上鳴くんと峰田くんが緑谷くんに詰め寄る。

 

「おい緑谷、あんな美人とどこで知り合ったんだよ!?」

「紹介しろ、紹介…!」

 

 なんか、あの二人は相変わらずって感じだなぁ。

 なんて考えていると、メリッサさんが二人を見ながら質問してくる。

 

「彼らも雄英生?」

「そうです」

「ヒーロー志望です」

 

 メリッサさんの質問に、二人がカッコつけて答えた、その時だった。

 

「何を油を売っているんだ!! バイトを引き受けた以上、労働に励みたまえええええ!!」

「「いやああああああああ!!」」

 

 飯田くんが怒鳴りながら全力疾走してきたもんだから、上鳴くんと峰田くんが悲鳴をあげる。

 

「い、飯田くん!?」

「あ、イーダさん……」

「来てたん!?」

 

 飯田くんも来てたんだ……

 なんて少し驚いていると、飯田くんがいつものように腕をブォンブォンと直角に振りながら答える。

 

「ウチはヒーロー一家だからね! I・エキスポから招待状を戴いたんだ! 家族は予定があって、来たのは俺一人だが!」

「飯田さんもですの!? 私も、父がI・エキスポのスポンサー企業の株を持っているものですから、招待状を戴きましたの!」

「で、ヤオモモの招待状が2枚余ってたから…厳正な抽選の結果、ウチと麗日が一緒に行くことになったってわけ!」

「えっと……私は、体育祭の優勝賞品が招待状だったので……」

「私はその付き添い!」

「他の女子もこの島には来てるんよ!」

「そうなんだ!」

「明日からの一般公開日に全員で見学する予定ですの!」

 

 ヤオモモがそう言うと、メリッサさんが提案する。

 

「良ければ、私が案内しましょうか?」

「いいんですか!?」

「うん!」

「「「やったあ!!」」」

「あ、ありがとうございます……」

「「俺達も連れてって!!」」

 

 上鳴くんと峰田くんが出しゃばってきたその時、遠くから衝突音が聴こえた。

 

「!? 何だ…!?」

 

 衝突音のした方角へ向かうと、その先には山岳を模したアトラクションがあった。

 

『クリアタイム33秒! 第8位です!』

 

 見てみると、アトラクションのステージに設置されたモニターに、切島くんが映っていた。

 切島くんも来てたの……!?

 

「切島くん!?」

「デクくん、あの人も…!?」

「はい、クラスメイトです…!」

 

 メリッサさんの質問に対して緑谷くんが答えた、その時だった。

 

『さあ! 次なるチャレンジャーは…』

 

 MCの女の人の実況と同時に、入場ゲートから誰かが現れる。

 そこにいたのは、爆豪くんだった。

 

「か…かっちゃん!!?」

「あ、バクゴーさん……」

『それでは、(ヴィラン)アタック! レディ…GO!!』

 

 爆豪くんは、開始の合図と同時に爆破を使って空を飛び、次々と仮想(ヴィラン)を爆破していく。

 

「死ねえええええええ!!!」

 

 爆豪くんは、渾身の大爆破を放って仮想(ヴィラン)を破壊した。

 ……死ね?

 

『これはすごい…! タイム15秒、トップです!!』

 

 MCの女の人がタイムを知らせると同時に、爆豪くんは山岳から飛び降りる。

 すると観客席からが歓声が上がる。

 その時、近くにいた切島くんが、私達を指差しながら言った。

 

「あれ!? あそこにいるの緑谷じゃね!?」

 

 切島くんがそう言うと、爆豪くんはいきなり観客席の柵に飛びついて威嚇してくる。

 その姿はまるで動物園の猛獣だった。

 

「うわあああ!?」

 

 突然の出来事に緑谷くんが腰を抜かして尻餅をつくと、爆豪くんは緑谷くんを睨んで罵声を浴びせる。

 

「なんでてめぇがここにいるんだァ!!?」

「や、やめようよかっちゃん! 人が見てるから!」

「だから何だってんだ!!」

「やめたまえ爆豪くん!!」

 

 爆豪くんが緑谷くんに向かって吠えると、飯田くんが止めに入る。

 あーあ、やっぱりこうなるかぁ。

 なんて呆れ気味にため息をついていると、メリッサさんが話しかけてくる。

 

「あの子どうして怒ってるの…?」

「いつものことです」

「男の因縁ってやつです」

 

 メリッサさんが尋ねると、耳郎ちゃんは呆れた様子で、お茶子ちゃんが真顔で答える。

 そんな中、ヤオモモが切島くんのもとへ駆けつけて話しかけた。

 

「切島さん達もエキスポへ招待を受けたんですの?」

「まぁな! 商店街の福引きでエキスポのペアチケットが当たったから、爆豪を誘って来たんだ! 何? これからアレ挑戦すんの?」

 

 そう言って切島くんがアトラクションを親指で差すと、爆豪くんが柵に掴まったまま緑谷くんを貶す。

 

「やるだけ無駄だ! 俺の方が上に決まってんだからな!」

「うん、そうだね! うん!」

「でも、やらなきゃわからないんじゃないかな…」

「うん、そうだね! …はっ」

 

 ついうっかりお茶子ちゃんの発言に頷いてしまった緑谷くんは、その直後にハッとして冷や汗をダラダラ流す。

 すると爆豪くんが、観客席に上がり込んで緑谷くんに詰め寄り罵声を浴びせる。

 

「だったら早よ出て惨めな結果出して来いや!! クソナードがぁぁ!!」

「は…はい!!」

 

 爆豪くんが罵声を浴びせると、緑谷くんが弱々しく返事をする。

 結局、緑谷くんも飛び入りで参加する事になった。

 

『さて! 飛び入りで参加してくれたチャレンジャー! 一体どんな記録を出してくれるのでしょうか!? (ヴィラン)アタック! レディ…GO!!』

 

 MCの女の人が合図をすると同時に、緑谷くんはものすごいスピードで走ったかと思うと、ロボットを次々と破壊していく。

 すごい、緑谷くん職場体験明けからどんどん強くなってない……?

 

『す…すごい! 8秒! 第1位です!!』

 

 緑谷くんが驚異的な記録を叩き出すと、観客が歓声を上げる。

 8秒って、嘘でしょ……!?

 10秒切るなんて……

 

「デクくん1位すごいや!」

「流石だな! 緑谷くん!」

「う、うん……」

「だー! クソありえねー!! 今度こそブチ抜いたらァ!!」

 

 お茶子ちゃんと飯田くんが素直に緑谷くんを褒める中、案の定爆豪くんは緑谷くんに突っかかっていた。

 すると、その時だった。

 

『クリアタイム12秒!! 現在第2位です!!』

 

 また爆豪くんの記録を抜いた挑戦者が現れた。

 そこにいたのは……と、轟くん!?

 

「轟くん!」

「彼もクラスメイト?」

「はい!」

「皆すごいわね! 流石ヒーローの卵!」

「そんなこと…」

 

 メリッサさんが率直な感想を言うものだから、嬉しくてほんの少し頬が緩んでしまった。

 だけどその時、爆豪くんが轟くんに突っかかってくる。

 

「てめぇ!! この半分野郎!!」

「爆豪…」

「いきなり出てきて俺スゲェアピールかコラ!? 大体何でてめぇがここにいんだよ?」

「招待受けた親父の代理で」

 

 爆豪くんが尋ねると、轟くんが素っ気なく答える。

 爆豪くんに緑谷くん、轟くん……

 そして体育祭優勝者の六花ちゃん。

 A組四天王が全員揃ってる。

 ここはやっぱり、六花ちゃんも参加する流れでしょ!

 

「ねぇ、六花ちゃんもやってみなよ!」

「え、わ、私……?」

「あ、いいねそれ!」

「確かに、ちょっと気になるかも」

「えぇ……」

 

 私の提案に乗っかってお茶子ちゃんと耳郎ちゃんも焚き付けると、六花ちゃんは渋々(ヴィラン)アタックに挑戦した。

 軽く準備運動をしてから、修理されたステージへと向かう。

 

『さぁ、今度の飛び入り参加者はどんな記録を見せてくれるのでしょうか! それでは、(ヴィラン)アタック! レディ…GO

 

 

 

 パキィン

 

 

 

「……おわりました」

 

 瞬きをするくらい短い時間の間に、ステージが凍りついた。

 仮想(ヴィラン)は、一体残らず氷漬けになって動かなくなっている。

 MCの女の人も、他の観客も、顎が外れるくらい大きく口を開けて驚いている。

 

『………なぁ!!? こ、これは!!? くっ、クリアタイム0.1秒!! 現在第1位です!!』

 

 0.1秒って……

 緑谷くんの8秒と、轟くん爆豪くんの10秒台が霞んだよ……

 

「六花ちゃんすご〜い!」

「1秒切るってマジ?」

「流石ですわ」

「氷の“個性”? すごいのね、六花ちゃん」

「あっ、どうも……」

 

 私達女子とメリッサさんが褒めると、六花ちゃんは恥ずかしそうに俯く。

 

「クソがぁぁぁっ!!! もう一回やらせろ!!!」

「バクゴーさんうるさいです」

「あ゛あ!!?」

 

 あっという間にトップ3から落ちた爆豪くんが、納得いかないと言わんばかりに吠える。

 

「あの~…次の方が待って…「うっせェ!! 次は俺だァ!!!」キャア!!?」

 

 MCの女の人が荒れる爆豪くんを宥めようとすると、爆豪くんがキレ散らして女の人を退かせた。

 するとそこへ飯田くんが駆けつけてくる。

 

「皆! 止めるんだ!! 雄英の恥部が世間にさらされてしまうぞ!!」

「お、おう!」

「う、うん!」

 

 飯田くんが言うと、切島くんと緑谷くんも爆豪くんを止めに入った。

 メリッサさんが見てるのに、恥ずかしいったらありゃしない。

 私達女子が恥ずかしさのあまり俯いていると、メリッサさんが男子達を見て笑った。

 

「ウフフ…! あっ! ごめんなさい! 雄英高って楽しそうだなぁと思って!」

「少なくとも退屈はしてないですわね……」

「「「確かに……」」」

 

 モニターに表示された爆豪くんを見てヤオモモが呆れ気味に言うもんだから、私も同意した。

 確かに、爆豪くんがいたら退屈はしないかな……

 それ以前に問題起こしてばっかだけど。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

『本日は18時で閉園になります。ご来園ありがとうございました』

 

 18時ちょうどに、閉園を知らせるアナウンスが流れる。

 さっきのカフェに戻ってくると、バイトをしていた上鳴くんと峰田くんは働きすぎて疲れ果てていた。

 

「あ゛〜…」

「プレオープンでこの忙しさってことは、明日からどうなっちまうんだ一体…」

「やめろ考えたくない…!」

 

 峰田くんが言うと、上鳴くんが絶望の表情で頭を抱える。

 

「峰田くん上鳴くーん!」

「お疲れ様ー!」

「労働よく頑張ったな!」

 

 緑谷くんと飯田くんが声をかけ、飯田くんが二枚の招待状を二人に渡す。

 

「何これ?」

「レセプションパーティーへの招待状ですわ!」

「パーティー…?」

「俺らに…?」

「メリッサさんが用意してくれたの」

「せめて今日ぐらいはって!」

「余ってたから…よかったら使って?」

 

 耳郎ちゃんとお茶子ちゃんが訳を話すと、メリッサさんは笑顔を浮かべながら言った。

 すると峰田くんと上鳴くんは感激して目を潤わせる。

 

「上鳴ぃ…!」

「峰田ぁ…!」

「「俺達の労働は報われたぁ!!」」

 

 二人は、涙を流しながら抱き合った。

 二人が落ち着いた頃、飯田くんが口を開く。

 

「パーティーには、プロヒーロー達も多数参加すると聞いている! 雄英の名に恥じない為にも、正装に着替え団体行動でパーティーに出席しよう! 18時30分に、セントラルタワーの7番ロビーに集合! 時間厳守だ! 轟くんや爆豪くんには俺からメールしておく! では、解散!!」

 

 そう言って飯田くんは、全力疾走で去っていく。

 

「飯田くん、フルスロットル!」

 

 

 

 

 




本作では、葉隠さんもI・アイランドの騒動に巻き込まれています。
梅雨ちゃんにするか迷ったのですが、原作でも語られていた『林間合宿でのセリフに説得力がなくなってしまう』という理由で葉隠さんにしました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。