六花ちゃんのドレスのイラスト描いてたら間に合いませんでした。
最後までお楽しみいただけると幸いです。
No side
男子達と別れた後、六花達は八百万が用意したドレスに着替えていた。
六花は、八百万家の専属スタイリストに着替えを手伝ってもらっていた。
「モモさん、胸を寄せて上げるのに何の意味があるんです?」
「ドレスを着る時は、バストにボリュームを出した方が綺麗に見えますのよ」
「……へぇ、そうなんだ」
「耳郎さん!? ごめんなさい、決してそんなつもりでは……!」
八百万の発言に耳郎が落ち込むと、八百万が慌てて謝る。
八百万家のスタイリスト陣によってパーティーの装いに早変わりした六花達は、約束の時間に待ち合わせ場所へ向かう。
だが……
「耳郎さん、遅れてしまいますわよ!」
「……ごめん、やっぱり皆先行ってて。ウチ恥ずかしい」
「耳郎ちゃん! こういうのは堂々といかないと!」
直前になって耳郎が恥ずかしがってしまい、女子達は耳郎を説得してパーティーに参加させるのに苦戦した。
その結果、集合時刻に5分ほど遅れる事になってしまった。
◇◇◇
「ごめん遅くなって!!」
その頃、大急ぎで身支度を終えた緑谷が、息を切らしながら7番ロビーに駆け込んでいた。
「って…あれ?」
緑谷は、ロビーに集まっているメンバーを見て首を傾げる。
そこにいたのは、飯田、上鳴、轟、峰田だけだった。
「他の人は?」
「まだ来てない! 団体行動を何だと思っているんだ!?」
緑谷が尋ねると、飯田が苛立った様子で答える。
するとその時、扉が開いた。
「ごめん! 遅刻してもうた!」
「「おほぉ〜!!」」
謝りながら現れたのは、ピンクと白を基調としたドレスを着た麗日だった。
白薔薇と黒いリボンの髪飾りと真珠のネックレスをつけており、いつもとは違う華やかな格好だった。
麗日の華やかな正装に、上鳴と峰田が興奮気味に叫ぶ。
するとその時、再び扉が開く。
「申し訳ありません…耳郎さんが…」
扉から現れたのは、ライムグリーンの大人の女性らしいスレンダーラインのドレスを着た八百万と、紺とピンクを基調としたドレスと黒い上着を着た耳郎だった。
「「OhYes!! Yes!!」」
八百万のセクシーな格好に、上鳴と峰田が再び歓声を上げる。
耳路は髪を纏め上げていつもの私服とは違った意味でお洒落な格好をしていたが、恥ずかしいのか八百万の後ろに隠れていた。
そんな耳郎に対して、上鳴と峰田がコメントする。
「馬子にも衣装ってやつかな!?」
「女の殺し屋みてぇ…」
上鳴と峰田が失礼な発言をした直後、耳郎が上鳴と峰田の耳にジャックを刺して爆音を浴びせる。
「「ぎゃあああああああ!!?」」
爆音を浴びせられて伸びている二人に対し、耳郎が睨みつけて黙らせる。
「黙れ」
「何だよ!? 俺褒めたじゃんかぁ!?」
「褒めてない!」
二人を睨む耳郎に上鳴が不満を漏らすと、耳郎が腹を立ててそっぽを向く。
その時、また扉が開く。
「ごめんお待たせ〜!!」
「んぅ……落ち着かない……」
扉からは、ドレス姿の葉隠と六花が現れる。
葉隠の方は、パステルグリーンを基調としたパラソルスカートのドレスを着ており、髪をアップにしているのかエメラルドグリーンのリボンが宙に浮いている。
六花の方は、銀色の雪の結晶の装飾が施されたAラインの黒いドレスを着ており、六花の瞳と同じ淡いブルーの宝石がはめ込まれたシルバーのイヤリングとネックレスをつけている。
髪は首筋がスッキリ見えるように高い位置で編み込んでおり、雪の結晶をイメージした銀色の髪飾りをつけている。
上質な黒のシルクのドレスが白い髪や肌をより美しく魅せており、ドレスの装飾やパンプスのシルバーがエレガントな印象を与えている。
ドレス姿の六花にはずっと見ていたくなるような魅力があり、黙っていればどこかの国の王女にも見える。
クラス一の美貌にさらに磨きがかかっている六花と、顔こそ見えないもののドレスの形から理想的な体型である事がわかる葉隠に、峰田と上鳴が感動する。
「上鳴ぃ……!! オイラ、生ぎででよがっだぁ……!!」
「俺もだぜ峰田ぁ……!!」
「アホかよ」
二人が抱き合って涙を流していると、耳郎が呆れ返る。
一方で六花は、キョロキョロとロビーを見渡し、切島と爆豪がいない事に気がつく。
「……あれ? エージさんとバクゴーさんは?」
「まだ来ていない。さっきから何度も電話しているんだが、一向に繋がらないんだ」
「……むぅ、そうですか」
爆豪達がまだ来ていないと知った六花は、少しテンションが下がっていた。
「正装なんて初めてだぁ…! 八百万さんに借りたんだけど…」
「に、似合ってるよ! うん、すごく!」
「わーデクくんったら!! お世辞なんて言わんでいいって!!」
「麗日くん!?」
麗日が緑谷に褒められて恥ずかしくなり、顔を真っ赤にして手を振ると、麗日の挙動を飯田が心配する。
するとその時、また扉が開く。
扉の方を振り向いた上鳴と峰田は、再び歓声を上げた。
「うっほー!!」
「わあああ!!」
「デクくん達まだここにいたの!? パーティー始まってるわよ!」
扉から出てきたのは、青と白を基調としたドレスを着たメリッサだった。
長い髪はポニーテールにしており、いつもの眼鏡を外しナチュラルメイクをしているメリッサは誰が見ても『美しい』という感想を抱かせるほど魅力的だった。
「うひょおお!! たまんねぇ!!」
「ヤベェよ峰田、俺どうにかなっちまうよど〜しよぉ〜!!」
「どうにでもなれ」
号泣しながら喜ぶ上鳴と峰田に、耳郎が冷ややかな視線を向ける。
「バクゴーさん達、どこにいるんですかね……」
「全くだ! 遅刻だけならまだしも、連絡すらつかないとは……!」
「パーティーはもう始まっていますし、私達だけでも先に会場に行った方がよろしいのでは?」
六花と飯田が切島と爆豪が来ない事を気にしていると、八百万が先に会場で待つよう提案をする。
するとその時、突然警報が鳴り響く。
『I・アイランド管理システムよりお知らせします。警備システムにより、I・エキスポエリアに爆発物が仕掛けられたという情報を入手しました。I・アイランドは現時刻をもって厳重警戒モードに移行します。島内に住んでいる方は自宅または宿泊施設に。遠方からお越しの方は近くの指定避難施設に入り待機して下さい。尚、今から10分以降の外出者は、警告なく身柄を拘束されます。くれぐれも外出は控えて下さい。また、主要施設は警備システムによって強制的に封鎖されます。繰り返します。警備システムにより…』
アナウンスが鳴り響くと、警備システムによって出入り口に防火シャッターが降り、移動できなくなってしまう。
「な、なんだ……!?」
「携帯が圏外だ。情報関係が全て遮断されちまったらしい」
「ま、マジかよ…」
轟の報告に対して、峰田が狼狽える。
「エレベーターも反応無いよ!」
「マジかよぉ!?」
エレベーターを確認していた耳郎が報告すると、峰田はさらに動揺する。
あまりにも大袈裟な警備システムに、メリッサは違和感を覚え考え込む。
「爆発物が設置されただけで警備システムが厳戒モードになるなんて…」
すると緑谷が飯田に声をかける。
「飯田くん。パーティー会場に行こう」
「何故だ?」
「会場にはオールマイトが来てるんだ」
「オールマイトが!?」
「なんだ、それなら心配要らねえな!」
飯田の質問に緑谷が答えると麗日が驚き峰田が安心する。
すると緑谷がメリッサに声をかける。
「メリッサさん。どうにかパーティー会場まで行けませんか?」
「非常階段を使えば会場の近くに行けると思うけど…」
「案内お願いします!」
◇◇◇
六花、緑谷、耳郎の三人がパーティー会場に辿り着くと、そこには拘束されたヒーロー達がいた。
タワー内の警備システムを
何とか捕縛システムから脱出しようとするオールマイトだったが、島内の市民を人質に取られてしまい、下手な行動を取れずにいた。
さらには、オールマイトの親友のデヴィット・シールド博士とその助手のサムが、
その様子を上の階の窓ガラスから見ていた緑谷が、懐中電灯でオールマイトに合図を送る。
するとオールマイトが合図に気づき、緑谷に視線を送る。
「オールマイトが気付いた…! 耳郎さん、行けそう?」
「いいよ!」
「喋って下さい! 聴いてます!」
緑谷が尋ねると、床に耳のプラグを刺した耳郎が頷く。
緑谷は、下の階にいるオールマイトにジェスチャーをした。
緑谷のジェスチャーを見たオールマイトは、小声で話す。
「大変だよ二人とも…!」
オールマイトのメッセージを受け取った耳郎は、緑谷と六花に報告する。
耳郎からメッセージを受け取った六花は、少し考え込んでから口を開いた。
「……キョーカさん、デクさん。オールマイトに言いたいことあるので、ちょっと離れててください」
そう言って六花は、窓ガラスに手をつくと、冷気で窓ガラスを曇らせ、そこに文字を刻んでオールマイトにメッセージを送る。
『オールマイト 私たちにこせいのしようきょか下さい』と窓ガラスに書く。
するとオールマイトが何かを喋ったのか、耳郎が内容を六花に伝える。
「ダメだ、逃げて応援呼べって」
それを聞いた六花は、窓ガラスに書いた文字を消し、もう一度別の文字を書いた。
『出口がふさがれてにげられません でんわもつかえません』
『こせいがつかえないとうごけません』
『おねがいします』
そう窓ガラスに綴ると、オールマイトは考え込んでから口を開く。
オールマイトの言葉を聴き取った耳郎は、その内容を緑谷と六花に伝える。
「“個性”使ってもいいってさ。でも無茶だけはするなって」
「……わかった。一度飯田くん達のところに戻ろう」
耳郎が言うと、緑谷達は一度飯田達のもとへ戻る事にした。
◇◇◇
「オールマイトからのメッセージは受け取った。俺は、雄英高教師であるオールマイトの言葉に従い、ここから脱出することを提案する!」
緑谷からメッセージを聞いた飯田が言うと、八百万も飯田の意見に賛成した。
「飯田さんの意見に賛同します。私達はまだ学生…ヒーロー免許も無いのに
「あ、なら脱出して外にいるヒーローに…」
「脱出は困難だと思う…ここは
「私たちはオールマイトに“個性”を使っていいってゆわれてます。でも、“個性”を使って外に連絡したところで、ヒーローたちがいつ来てくれるかわかりません」
「じゃあそれまで大人しく待ってるしかねぇのかよ……」
メリッサと六花の発言に対し上鳴が半ば諦めた様子で言うと、耳郎が立ち上がって上鳴に声をかける。
「上鳴、それでいいわけ?」
「どういう意味だよ?」
「助けに行こうとか思わないの!?」
耳郎が上鳴に言うと、峰田が耳郎に反論する。
「おいおい、オールマイトまで
峰田が言うと、緑谷が僅かに俯く。
すると轟が自分の掌を見つめながら言った。
「俺らはヒーローを目指してる」
「ですから、私達はまだヒーロー活動を…」
「だからって…何もしないでいいの?」
「そ、それは…」
轟が自分の意見を言うと、反論しようとした八百万が何も言えなくなる。
今度は、俯いていた緑谷が自分の意見を言った。
「助けたい。助けに行きたい!」
緑谷が言うと、峰田が即座に反対した。
「
「違うよ峰田くん! 僕は考えてるんだ!
「気持ちはわかるけど、そんな都合のいいこと…」
「それでも探したいんだ! 今の僕達にできる最善の方法を探して、皆を助けに行きたい!」
「デクくん…」
峰田と上鳴が止めても緑谷が言うと、メリッサと麗日が僅かに目を見開く。
すると緑谷の言葉に心を動かされたメリッサが話し始める。
「I・アイランドの警備システムは、このタワーの最上階にあるわ。
「メリッサさん…!」
メリッサが言うと、緑谷が目を見開く。
すると耳郎がメリッサに尋ねる。
「監視を逃れるって、どうやって?」
「現時点で私達に実害は無いわ。
メリッサが言うと、轟も少し考え込む。
「戦いを回避してシステムを元に戻すか…なるほど」
「それならいけんじゃね!?」
「だよね!」
「うんうん!」
上鳴、耳郎、葉隠がメリッサの作戦に賛同し、峰田がビクビクと震え上がる。
だが、懸念要素が無いわけではなかった。
「しかし最上階には、
「戦う必要は無いんだ! システムを元に戻せば、人質やオールマイト達が解放される! そうなれば、状況は一気に逆転するはず…!」
八百万が不安そうに言うと、緑谷が全員に訴えかける。
すると麗日が緑谷に話しかける。
「デクくん!! 行こう!!」
「麗日さん!」
「私達にできることがあるのに何もしないでいるのは嫌だ! そんなの、ヒーローになるならない以前の問題だと思う!」
麗日が言うと、緑谷は顔を見合わせて頷く。
そして緑谷が麗日の意見に賛同した。
「うん! 困っている人達を助けよう! 人として当たり前のことをしよう!」
「おう!」
緑谷が言うと、麗日が力強く返事をする。
すると轟、耳郎、葉隠も緑谷達に賛同する。
「緑谷。俺も行くぜ」
「ウチも!」
「私も行くよ!」
「轟くん!」
「響香ちゃん! 透ちゃん!」
そして、飯田、八百万、上鳴も緑谷に話しかける。
「これ以上無理だと判断したら引き返す。その条件が飲めるなら、俺も行こう!」
「飯田くん!」
「そういうことであれば私も!」
「よっしゃ、俺も!」
「八百万さん!」
「上鳴くん!」
八百万と上鳴も賛同すると、峰田が狼狽えた様子で周りを見る。
「あーもうわかったよ行けばいいんだろ行けばぁ!!」
「ありがとう峰田くん!!」
「いっちょやってやろうぜ峰田!」
「頑張ろう、峰田くん!」
峰田が泣きながらもついていく事に決めると、緑谷、上鳴、麗日が声援を送る。
「メリッサさんはここで待っていて下さい」
「私も行くわ!」
「で、でも…メリッサさんには“個性”が…」
「この中に警備システムの設定変更ができる人いる?」
「あ…」
緑谷は“無個性”を理由にメリッサに待機するよう言うが、メリッサが言うと全員顔を見合わせる。
「私はアカデミーの学生! 役に立てると思う!」
「でも…」
「最上階に行くまでは足手まといにしかならないけど…私にも、皆を守らせて! お願い!!」
緑谷はメリッサの身を案じるが、メリッサは強く頼み続けた。
するとメリッサの同行を反対した緑谷も、頷いて同行を認める。
「…わかりました。行きましょう! 皆を助けに!」
「…ええ!」
オールマイト達を助けに行くという方向で意見がまとまった、その時だった。
「私は行きません」
今までずっと黙っていた六花が、オールマイト救出に反対した。
「……やっぱり、私たちだけでみんなを助けに行くのは危険だとおもいます。私、危険なのはヤなので行きません」
そう言って六花は、首を横に振る。
オールマイト救出に消極的な六花に対して、麗日が説得をしようとする。
「六花ちゃん……!」
「私が行かないって言ったのは、
「え?」
「だったらカンタンです。危険そのものをなくせばいいんです。なので私……ちょっと
そう言って六花が壁に手をつく。
するとその直後、ロビー全体が薄く白い氷に覆われた。
少し疲れた様子でため息をつく。
「…………ふぅ」
「寒っ……!? 六花ちゃん、今何したの!?」
「
「嘘だろ、この島のセキュリティ全部!!?」
「マジかよ!!?」
「……はい。でも止めただけなので、早く解除しなきゃいけないのは変わらないです……それと、誰が
そう語る六花の体は、ほんのり赤くなっている。
そんな六花を心配して、葉隠が声をかける。
「ねぇ、六花ちゃん大丈夫?」
「……すみません、調子のって“個性”つかいすぎたので、ちょっとあついです。ショートさん、私の体を冷やしてくれませんか?」
六花が言うと、轟が右手から氷を出す。
六花の体を覆った轟の氷はみるみるうちに消えていくが、轟は左半身から炎を出して体温調節しながら、氷で六花の体を冷やし続けた。
「……これでいいか?」
「……ありがとうございます。だいぶ楽になりました……ところでメリッサさん、上に行くには階段ですか?」
「ええ。最上階のセキュリティルームは200階よ」
「……キツいですね。じゃあ
「この子たち?」
轟の氷のおかげで回復した六花が、何もない空間に手を翳すと、そこに氷でできた東洋龍が二匹現れる。
一方は白い雲のようなものを、一方は黒い雲のようなものを纏っている。
「『高龗・闇龗』。私のおともだちです」
そう言って六花が頬を撫でると、氷の龍は「乗れ」と言わんばかりに背中を低くする。
座りやすいように、背中はフサフサの毛で覆われており、背中には窪みがある。
「この子たちにのって、最上階までひとっとびです。新幹線くらい速いので、振り落とされないようにしっかり掴まってください」
「すごいわ……! 六花ちゃん、なんでも出来るのね!」
「いつものことです」
メリッサが驚きながらも六花を褒めると、耳郎が冷静に言う。
六花のチートっぷりにもすっかり慣れたA組は、この程度ではいちいち驚かなくなっていた。
六花が背中から氷の翼で飛行して先導し、二匹の氷の龍が男女五人ずつを背中に乗せて六花についていく形で一気に階段を駆け上る。
だが、80階まで辿り着いたところで、六花と龍は足を止めた。
階段には、防火シャッターが降りていた。
「シャッターが……!」
「どうする? 壊して先に進むか?」
「今はセキュリティを全部凍らせてるので……多少乱暴に突破してもだいじょうぶです」
「壊すのは難しいと思うわ。核シェルターにも使われる頑丈な素材で出来てるから……」
「ならこっちから行けばいいんじゃねぇの?」
そう言って峰田が、ドアを指差す。
六花達は、峰田が指差したドアを吹っ飛ばして先へ進んだ。
「メリッサさん、最上階に行く方法は!?」
「反対側に同じ構造の非常階段があるわ!」
「よし、急ぐぞ!」
六花達は、氷の龍に乗って反対側の非常階段へ向かう。
だがその時、人の気配を感じ取った六花が足を止める。
「……ん、ちょっと待ってください」
六花は、突然足を止めたかと思うと、非常階段に行かずに別の方向へ飛んだ。
「六花ちゃん、どうしたの!?」
「……こっちにバクゴーさんとエージさんがいます」
「えっ、かっちゃんと切島くんが!?」
「……一回合流しに行きましょう」
そう言って六花達は、爆豪達と合流しに行く。
そして六花達が辿り着いたのは、植物プラントだった。
植物プラントには、様々な種類の植物が植えられており、中には“個性”の影響を受けたのか極端に変異している植物もあった。
「こ、ここは…!?」
「植物プラントよ! “個性”の影響を受けた植物を研究してるわ!」
緑谷の疑問にメリッサが答えたその時、六花が口を開く。
「あっ……バクゴーさん、エージさん」
六花の視線の先には、植物プラントをうろうろ歩いている爆豪と切島がいた。
「あぁ? なんだてめェら」
「皆ぁ!! ちょうどよかった、俺ら道に迷っちまってよ! 連絡しようにも携帯忘れちまって……」
「言うんじゃねぇクソ髪!!」
切島が六花達に事情を説明しようとすると、爆豪が切島にキレる。
そんな二人に対し、轟が冷静に状況を説明した。
「爆豪、切島。島内のシステムが
「えっ、
「今は氷叢がシステムを全部止めてくれてるが、ずっと止めておくわけにもいかない。俺達は今、システムを元に戻す為に最上階に向かってる。お前らもついて来い」
「おう、わかった!」
「命令すんじゃねぇ!」
轟の指示に対して切島が頷き、爆豪が反発した、その時だった。
「見つけたぞ、クソガキ共!」
背の高い細身の男と、小柄な太った男が、六花達を見つけた。
「しまった……!」
「見つかった……!!」
二人の男は、六花達に自動小銃の銃口を向けてくる。
だが六花達が撃たれる事はなかった。
「「ぐっ……!」」
六花が、銃口を向けられると同時に銃口を凍らせ、冷気で低体温症を誘発して身動きを封じたからだ。
二人の男の動きが鈍っている間に爆豪が間合いを詰め、二人の顔面に掌を向ける。
「死ねェェェ!!!」
「「ぐぁぁぁ!!」」
爆豪が二人の顔面に爆破を放つと、二人は数十メートル吹っ飛ばされ、そのまま壁にぶち当たって気を失った。
目を覚さないうちに、六花が二人を氷漬けにする。
男二人は、大した見せ場もなく一瞬でやられた。
「なっ……爆豪くん!! いきなり何を!?」
「あぁ!? クソ雑魚二匹ぶっ殺したんだよ!」
「クソ雑魚って……私達はまだ仮免持ってないし、戦闘は……!」
「うっせェ!! 今のはどう見たって正当防衛だろうが!」
「……バクゴーさんのゆうとおりです。この人たち、わたしたちのこと撃つ気満々でしたよ」
飯田と葉隠に対して爆豪が反論すると、六花が爆豪の肩を持つ。
二人の
加えて、I・アイランドでは、日本とは違い“個性”を使った正当防衛が禁止されていない。
六花と爆豪の行いは、あくまでルールで許された範囲内の正当防衛だ。
六花は、二人の
「……あ、そっか」
「氷叢さん、どうかしましたか?」
「いや……さっきタワーを凍らせたついでに中の様子を見た時、この人たちと同じ服着てる人をタワーの中で何人か見たんです。もしかしたら、この人たちのお仲間さんだったんですかね? ……そっか、同じ服着てる人はみんな眠らせちゃってよかったのか」
そう言って六花は、壁に手をつく。
しばらくして、六花がふぅっと息を吐いてから壁から手を離した。
「……おわりました」
「ねぇ、六花。今何したの?」
「たった今、この人たちと同じ服着てる人にはみんな眠ってもらいました。これで心置きなく最上階に行けます」
「……マジかよ」
「オイラ達は、
相変わらずの六花のチートっぷりに、耳郎、上鳴、峰田が呆れ返る。
爆豪と切島の二人と合流した六花達は、そのまま非常階段を通って一気に最上階へ向かった。