熟れた果実だからこそ……ッ!   作:atsuya

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遅くなりました。
感想で思った以上にみなさん好意的でビックリしました。
避難ごうごうだとビクビクしてましたからね。


やはりこの一夏、変態である。

「1025……1025……。む、ここか」

部屋の番号と、持っている鍵の番号を確認して扉を開ける。うむ? 鍵が既に空いている? まさか、一人部屋ではないと言う事なのか?

部屋に入ると見た感じでは誰もいない。あるのはベッドが二つにテーブルが一つにテレビが一つ。そこらのホテルより豪華だ、素晴らしい。

窓際のベッド付近に荷物を置き、ベッドに倒れこむ。

少々無様だが今日は疲れたので勘弁したい。

 

ガチャリ

 

目をつぶっていると、扉が空く音が耳に入ってきた。迂闊だった、先ほど一人部屋ではない可能性を確認したばかりだと言うのに。

 

「同室のものか? この様な姿で申し訳ない。私は……」

 

「ふむ、同室は箒か。よろしく頼む」

 

「な、な、な、な、なぁっ⁉︎」

 

「ん? 湯浴み中だったか。すまんな後ろを向いていよう、着替えをとってシャワールームに行くといい」

やはり、部屋の中に居ないとは言え個室などに外から声をかけておくベきだったな。箒も私なんぞにバスタオル一枚の姿を見られては機嫌が悪かろう。だが安心すると良い、反応はせん!

 

「見るなぁっ!」

 

「いや、後ろを向いているから見てないぞ」

ふむ、箒の行動がワンテンポ遅くなっているのか? 私は既に後ろを向いているし、目も瞑っている。問題はなかろう。マダム達がバスタオル一枚ならば私はまずかったがな。

 

「いかんな、眠くなってきた。 後ろを向いたままで悪いが私は一足先に眠らせてもらおう。おやすみ箒」

 

「あ、ああ」

座っていた状態からベッドに横になり、布団を頭の上から被る。これなら安心して着替えもできるだろう。それにしても、やはり慣れない環境だったのか、疲れが溜まっていたようだ。眠たくてしょうがない。

 

「……なんの反応も……自信が無くなるな……」

む? 箒が何か言っているようだが……。意識が……。

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

「む? どうした箒、何故起きてから機嫌が悪いのだ」

現在は入学式の翌日の朝、食堂である。辺りを見渡せば女子、女子、女性教員。なるほど、流石IS学園。見事なほどに女性ばかりだな。

 

「……いつも通りだ」

 

「なるほど低血圧か。ならば朝食をしっかり取ると良いぞ。いくらかはスッキリするだろう」

 

「……違うわ」

 

「ん? すまないな箒。声が小さくてあまり聞こえなかった。もう一度言ってはくれないか?」

朝から機嫌が悪かったり、声が小さくなったり、箒は大丈夫なのか? 風邪か? 風邪ならば安静しなくてはな。幼馴染であるし何よりルームメイトだ看病しようではないか。

 

「うるさい! 何でもないわ!」

 

「そうか、ならば朝餉としよう。箒は何を食べるのだ? 私はこの朝和食セットにしようと思う」

 

「私も同じ物を頼む」

 

「承知した。先に席を取っていてくれないか? 私は食券を届けてくる」

 

「ああ」

目の前にあった食券売機のボタンを二度押し、出てきた食券を取り出す。さて、どこに出せば……。む、あそこか。

 

「これ二つをお願いしたい」

 

「はいよ」

 

「はっ⁉︎ お名前を伺ってもよろしいでしょうかマダム」

何という事だ!

このIS学園にこんなにも素晴らしいマダムが居たとは⁉︎

くっ、私としたことが……。IS学園の職員一覧の顔はパンフレットなどで調べていたが、食堂にこのような素晴らしいマダムが居るとはっ‼︎ 昨日のウチに挨拶にくるべきだった……いや! まだだ、今からでも遅くないはずっ!

 

「マダムなんてやめな。オバちゃんでいいよ。固い固い」

 

「しかしっ‼︎」

 

「あと名前なんて知らなくても十分さ。あんたは私の料理を食べる。私はあんたらに料理を作る。これだけ知ってりゃあんたはいいんだよ」

 

「なるほど、私も失礼なことをした。許してほしい」

この朝の忙しい時間帯に、このマダムに無駄な時間を取らせてしまうとは私もまだまだのようだ。しかし、この程度で諦める程度の私ではない!

 

「いいよいいよ。さっ朝和食セット二人前だよ」

 

「ありがとうございます。また、話しにきます」

 

「食券持ってきなよ」

ニヤリとマダムが笑う。……美しい。

先ほどの朗らかな姿からのその笑方、なんとも魅力的だ。

 

「ふっ、もちろんですとも」

こちらも笑って挨拶をかわす。食券を持っていくごとに口説くチャンスができたな。急ぐ必要などない、じっくりと時間をかけていこう。なんせ、毎日の朝昼晩にチャンスがあるのだから。

二つのお盆を持ちながら、箒を探す。いた、箒も私に気づいたのか軽く手をあげている。

 

「どうした一夏、そんなに笑って」

 

「いや、IS学園も素晴らしいと思ってな」

 

「??」

 

「冷めないうちに頂こう。マダムに失礼にあたってしまえ」

 

「そういうことかっ‼︎」

ん? 何故箒はまた大声を?

ああ、早く朝餉を食べたかったのだな。まったく、お腹が空いていたのならそう言えばいい物を。いや、女性だから言いにくかったのか。

 

「お、織斑くんっ。隣いいかな?」

 

「む?」

横を見るとお盆を持った三人の女子がいた。顔ぶれを見るに三人とも私と同じクラスの者たちだ。

 

「構わないぞ、ここは食堂だ。学園の者ならば誰でも座っていいからな」

 

「あ、ありがとうね!」

 

「箒も構わんだろう?」

 

「む、好きにすると言い」

箒の了承も取れたので、三人の女子に顔で座るように促す。すると三人の女子は嬉しそうに俺の隣の空いている三つの席に座った。

 

「ああっ!私もいけばよかったっ!」

「大丈夫!まだ、早い段階。巻き返せるわ!」

「でも、彼って噂じゃ……」

女性が三人よれば姦しいとはよく言ったものだ。三人以上になるとかなり騒がしいな。まぁ、しょうがない事なのかもしれんがな。

 

「うわぁ、織斑くんって朝から結構食べるんだね」

 

「ん? 当然だ。夜は少なめに取るタイプだからな。ちなみにおやつ時にはマダム達と紅茶を嗜むぞ、通常ならばな」

 

「え、あ、うん」

む? なぜに戸惑ったような顔をしているのだ?

箒も箒で頭に手を当ててため息を吐いているし。やはり何処か体調が悪いのか……。心配だな。

後で、マダム達に体調が悪い時の接しかたのアドバイスでも聞こう。

 

「一夏、私は先に行くぞ」

 

「わかった。しかし、今度からはもっと良く噛んで食べるといい」

箒は一つため息をこれ見よがしに吐いて、トレーを持ってその場から立ち去って行ってしまった。

 

「あ、あの織斑くんと篠ノ之さんって仲良いの?」

 

「ん? ああ、幼馴染だからな。仲が悪いわけがないさ。だが、一番仲が良いのは箒の母上と我が家の近所のマダム達だ!」

 

「そ、そう」

どうしたのだ、この女子達は。顔が引きつっているではないか。いや、私がいきなり大声をだしたからビックリしたのか。くっ、いかなる時も落ち着きを持とうとしていたが、マダム達の話になるとどうもな。

 

「おりむ〜は真性だね〜」

真性? どう言うことだ?

のほほんとした女子生徒の言葉に首をかしげていると。

後ろから我が姉の声が聞こえてきた。

 

「いつまで食べている! 授業に遅れたものはグラウンド十周だぞ!」

この声が聞こえて、周りにいた生徒達は食を一斉に早める。全くもって身体に悪いな。

そして、皆気づいていないが姉の着ている服にシワがより過ぎている。

後でアイロンをかけねばな!

マダム達に教えてもらった全ての技術を生かして、服のシワを消してやろう。

姉の服よ、シワの貯蔵は十分か?

 

「本当に、いい弟なんだがなぁ」

なんと、我が姉も体調が悪いと言うのか!

箒と一緒で風邪か何かなのか?

まぁ今は朝餉を食べて、教室にでも向かうとするか。




そろそろ、ISを出さないとね。
ただのマダムリスペクト小説になっちゃうよ!
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