雪国の聖女ちゃんは頑張る!   作:えり〜ぜ

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なんと、誤字脱字報告なるものがあるのですね。とても助かります。

ところで、文章読みにくくはないですかね? 句読点とか一文の長さとか、その辺が結構不安なんですよね


記録

 

〈『聖女』について……〉

 

 

 総主教様はとてもお優しい方だよ。俺たち民のことを分け隔てなく愛してくださる。悩める者があれば相談に乗り、飢える者があれば食料を恵む。当時好き放題戦い回ってた俺に対しても、丁寧に接してくれた。おかげで俺も、今では幾分か落ち着きを払って──ん? 落ち着きは今もないって? ハハっ、それはそうかもね。

 

 

 まさか、あの女が六位ということになっていたとはね。まあ、彼女の国民からの慕われ具合といったら、それはもう尋常じゃないほどさ。彼女は敬虔なる総主教として、絶え間なく民に愛を振り撒き続けている。それこそ、冷徹な女皇の代わりと言わんばかりにね。……でもそれは本当に、神からの「無償の愛」と同等のものなのか? 僕にはどうも、彼女のそれが計算づくの「愛想」に思えてならないよ。

 

 

 ファデュイ所属の執行部隊を率いるスネージナヤ聖教。彼女はその頂点に立つ総主教だ。君がスネージナヤで陛下と敵対しない限り、少なくとも彼女は君にも好意的な態度を示してくるだろう。だが一つだけ忠告しておく。彼女と対面するとき、決して油断はしない方がいい。彼女の慈愛に満ちた甘さは、君のような傑物(けつぶつ)をもってしても、都合良く扱えるものではないからね。

 

 

 ラフィアーナ? うん、彼女はオルガンとピアノがとっても上手なの。私の歌にも、その場で伴奏をつけてくれたんだ。また一緒に歌いたいな。私はもう執行官じゃないから、簡単には会えないだろうけど、教会に行けば付き合ってくれるかも。

 

 

 アリスから、スネージナヤにすごくヒロイン適正の高い司祭様がいるって話を聞いたの。最初は司祭なのにヒロイン……? って思ったのだけれど、実際に会ってみたら本当にその通りだったわ! 容姿や仕草からして、まさにみんなの想像する「聖女様」って感じだったもの。それで、たまにはそういう小説もいいかなって思って、九先生に話してみたのよ。うふふ、我ながら自信作ができちゃったわ。あなたも機会があれば是非読んでみてね。

 

 

 慈愛の聖女様だとか、敬虔なる総主教様だとか……誰もが彼女をそんな風に評価するけれど、ワタシはそんな大層なものだとは思わない。あの子はもっと、自分の感情を表に出してもいいと思うの。まあ、それでコロンビーナみたいに好き勝手やられても困るのだけれど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ファデュイ・モンド使節団の会話より〉

 

「聞いたか?『隊長』様がついにナタへと向かったらしいぞ」

 

「ああ、これでとうとう神の心も全て揃う。そういえば今回は『聖女』様も合流すると聞いたな。先日スネージナヤを出発されたらしい」

 

「なに? あの『聖女』様が? 彼女が本国から出張される例など耳にしたことがないぞ。そもそも立場上、積極的に外交を務めるお方でもないだろう」

 

「そうなんだけれどね。陛下の勅令であり、なにより『聖女』様ご本人の意思でもあるらしい。きっとなにか偉大な目的があるに違いない」

 

「そうか……というか、どうしてお前がそんなことを知っているんだ? 前半はともかく、本人の意思であるか否かなど一兵卒には知る由もないだろう?」

 

「それなら、本国にあの方直属の同僚がいてね。この前手紙で教えてもらったんだよ。あんたも知ってるはずだが」

 

「……あいつか。まさかお前とも文通をしていたとはな。まあいい、『隊長』様に『聖女』様、あのお二方が参加されるのならば、計画の成功はもはや約束されたも同然だろう。俺たちはただ、彼らの凱旋を待つのみだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈関連書籍〉

 

・タイトル

 

『雪国の聖女様が俺にだけデレてくるんだが』

 

・著者

 

九先生

 

・概要

 

稲妻八重堂より刊行。全十二巻完結済み。

とある雪国を舞台に、毎日教会へと通う主人公と、そこで修道女を務める「聖女様」との恋愛模様を描いた娯楽小説。内容は基本的に二人の何気ない日常や、たまにデート回。他の恋愛作品に比べても極めて単調な構成だが、ファンからは「糖分高め」「砂糖吐きそう」などと絶賛されている。また、その映像をも彷彿とさせる過不足ない文章力と、抒情(じょじょう)的な情景描写、純粋かつ胸キュンな展開は、テイワット文学界においても革新的で、娯楽小説読者以外にも多くの人を魅了した。どうやらヒロインは実在する人物をモデルにしているようで……

 

 

・備考

 

第○○回八重堂娯楽小説大賞・最優秀賞

 

『この娯楽小説がすごい!』にて三年連続一位→殿堂入り

 

稲妻、フォンテーヌで販売。稲妻に出張したとある執行官からの推薦で、後にスネージナヤでも大々的に販売。ベストセラーを獲得する。

 

シリーズ累計発行部数〇〇万部突破

 

『光華容彩祭』にてグッズ販売および特別重版→完売

 

 

・編集長からのコメント

 

「実に良質な恋愛モノじゃ。妾はこれほどの恋愛娯楽小説を読んだことがない。文章力やオリジナリティはさることながら、なによりヒロインである「聖女様」こと「ラフィナ」の魅力じゃな。この乙女のあざとく可愛らしいことと言ったらこの上ない。普段は敬虔でお淑やかな修道女の彼女じゃが、主人公にのみ見せる小悪魔的な素振りがまた堪らぬ。特に、諸事情からしばらく教会に顔を出せなかった主人公が、一週間ぶりに訪れた時のあの反応……嗚呼(ああ)、良きかな、良きかな。どうやらモデルになった人物がいるらしいが、是非とも実際に会ってみたいよのう」

 

・???からのコメント

 

「え、雪国の、聖女さまが、おれにだけ……? な、なんですかこの本は。表紙の女の子も私にそっくりで……というかなんだか、露出が多くないですか? なっ、胸もこんなに大きいだなんて! こんなに短い修道服があってたまりますか! しゅ、修道女たるものこのような格好は断じてっ、い、いえ、そもそもロザリンは稲妻からどうしてこんなものを? えっと、『久しぶりに呼吸が苦しくなるほど笑わせてもらったわ。それで、本の中であんたが秋波(しゅうは)を送ってるこの彼氏は、一体誰がモデルなのかしら? スネージナヤに帰ったらゆっくり聞かせてもらいたいものね、“雪国の聖女様”』……ロ、ロザリンっ〜〜!」

 





おまけです。

ナタ編はまだまだ先になるかも。
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