もしも、リゼロキャラがIFルートまたは本編から初期地点に帰ってきたら(スバル主人公) 作:駄々我菓子
大気を薙ぎ払う衝撃波が炸裂した。
視界を裂くのは、赤毛の残像。一瞬で距離を詰めた男の腕が、蛇のようにスバルの喉元へ伸びる。
速すぎる。死の牙が肉を裂くイメージが脳裏をよぎり、スバルの思考が凍りついた。
「──舐めないで」
死線を割り込んだのは、血を吐くようなラムの声音。
空間ごと切り裂く風の刃が男の喉元を正確に穿つ。だが──。
「チッ! あぶねーな」
凶悪な破壊音が響き渡る。男は避けるどころか、剥き出しの腕一筋で風刃をぶち破ってみせた。
弾け飛んだ余波がスバルの頬を深く削り、鮮血が舞う。
その血の匂いに、赤毛の男の片目がギラリと凶暴に歪んだ。
「ぐ、あ……っ!」
「バルス、行きなさい! この男は……次元が違う……っ!」
ラムの額の角が苛烈に輝く。
傲慢の鎖で力を汲み上げながらも、その紫紺の瞳には戦慄が走っていた。
「くっ……クソッ!」
スバルはようやく男に背を向け、走り出した。
「それでいい。稚魚は何をやっても稚魚だな……」
背後から届く低い声。振り返る余裕すらない。
ライが遺した黒い玉から出現した、完全に見知らぬ規格外の強者。
理不尽な苦難の連鎖に叫び出したい衝動を抑え、スバルは恐怖のまま必死に足を動かした。
背後の激しい戦闘の音を聞きながらスバルは逃げる。
振り返らずに走り続ける。
──ドガッ!
「うがっ!?」
背後から飛来した「何か」が直撃し、スバルは派手に転倒した。
痛む身体を叩き起こして振り向くと、すぐ傍らに倒れ込むラムの姿。
あの男が、ライすら瞬殺した鬼化状態のラムを容赦なく投げつけてきたのだと悟り、悪寒が走った。
「あいつ……マジで何者だ……!」
「──エル・フーラ!」
倒れたままのラムが鋭く手を翳し、詠唱する。
男を微塵に刻むべく放たれた、恐るべき風の嵐。
ベアトリスの大魔法に守られたロズワール邸の壁や床は微動だにしないが、かすめるだけで人間など消し飛ぶほどの殺気がそこには満ちていた。
「まっすぐ走って、突き当たりを右。階段はダメよ」
「は!?」
「やっぱり、待って!」
ラムの指示に従い立ち上がろうとした瞬間、頭を強く床へ押し付けられた。
直後、頭上をゴブリンの死体が弾丸のような速度で通過していく。男が力任せに投げ込んできたのだ。
「うっ……あぶねえ……!」
「ん? オメエ、俺の視界でも見えてんのか? なるほどな」
「チッ……!」
風の嵐を無傷で押し通った男が姿を現す。その呟きにラムが苦々しく舌打ちした。
強化された『千里眼』で死角を見通すラムと、それを瞬時に看破した男。
互いの底知れなさにスバルの胸が冷える。
「人が飯食ってるところ、ジロジロ見られんのは好きじゃねーんだ。オメエをぶっ殺して、腹でも空かせるとしよう」
「ふ、ふざけんな! もう『暴食』は死んだだろうが! 俺はもう餌じゃねえ!」
「でもよ、匂いに嘘はつけねーぜ? あぁ? オメエ、狩りの摂理も知らねーのか?」
図星だった。スバルの血からは、今なお禍々しくも美味そうな匂いが漂っている。
ライ・バテンカイトスが死に、その魔女因子がスバルの体内に移ったことで、餌食としての呪いが完全に定着してしまったのだ。
「ラムを殺してからにしなさい!」
再び弾け飛ぶ激闘。
ドーピングで高めたスバルの動体視力すら置き去りにする、次元の違う攻防だ。
ラムの風刃はことごとく破られ、男が繰り出す破滅的な拳打を、ラムは紙一重の回避と防御で凌ぎ続ける。
──ガキィッ!
「ぐッ……!?」
痛切な呻きにスバルの目が開かれる。
男の凶拳を両腕で交差し受け止めたラム。だが、メリメリと骨のきしむ不吉な音が地下廊下に響き渡った。
「悪いが、オメエには遊んでやる気分にならねぇな」
壁際に追い詰められたラムへ、男の巨大な腕がまた振りかぶられる。
逃げ場はない。死の予感に、スバルの金縛りとなった視線が張り付く。
振り抜かれる拳。
だが、破壊が炸裂する直前──ラムの姿が一瞬で掻き消えた。
直後、鼓膜を破るほどの轟音と猛烈な衝撃波が吹き荒れ、スバルは地下の廊下を遠く弾き飛ばされた。
「がぁあっ!!! なんだッ!?」
衝撃に目を開き、必死に戦況を確かめる。
視界に飛び込んできたのは、ラムの鋭い蹴りを片腕で受け止める赤毛の男の姿。
あの絶望的な状況から間一髪で打撃を回避し、即座にカウンターへ転じたのだ。
男が初めて僅かに引き下がり、ラムと距離を取る。
「すげえ……!」
押されていたのはスバルの錯覚だったのかもしれない。
あの男が規格外なのは紛れもない事実だが、決定的な一撃は一度としてラムに届いていない。
強化された『千里眼』で赤毛の男と視界を共有しているのなら、男の攻撃を完璧に見切ることも可能なはずだ。
「俺は逃げる……頼んだぜ、ラム!」
申し訳なさを胸の奥に押し込め、鬼化したラムの圧倒的な強さに希望を見出したスバルは、再び足を踏み出した。
だが──廊下の先を視線で捉えた瞬間、ピタリと足が止まる。
暗がりのはるか先。蠢く無数のゴブリンの赤い目が、こちらを凝視していた。
「もう遅いわ。少し待ちなさい」
「心配すんなよ稚魚。あいつらはビビってこっちに来れねえからな」
ライ・バテンカイトスが解き放ったゴブリンの群れ。
その生き残りが、二人の規格外による激闘の余波を恐れて退避し、獲物であるスバルを喰らう機感を虎視眈々と狙っていたのだ。
ラムが先ほど提示した逃走ルート──それが『千里眼』でゴブリンの配置を見定めた上での指示だったのだと合点がいった。
だが、時すでに遅し。退路は完全に塞がれていた。
「──フーラ!」
ラムは男と正峙したまま、背後に牙を剥く風の刃を生成する。
解き放たれた風魔法は廊下を一直線に疾走し、群がるゴブリンを一散に切り刻んでいく。
血飛沫と共に倒れ伏す魔獣の肉片を見届け、スバルは再び走り出した。
「助かるぜ……っ!」
風の軌跡に守られながら廊下を突っ走る。
まずは倒れていたレムに駆け寄り、その小さな身体を抱き上げた。
一度だけ振り返ると、すでにラムにスバルに気を回す余裕などなく、赤毛の男と再び狂暴な殺し合いへと没入している。
それでも、ラムが勝つと信じて突き進むしかない。
地下を脱出し、一階から外へ出てラインハルトやエミリアに助けを求める。
それが今の自分にできる唯一の役割だ。
風魔法によって全滅したゴブリンの残骸を踏み越え、階段へと足を進めようとした、その時──。
「……ま……待ってください…この先にゴブリンの、匂いがします……」
腕の中で、辛うじて意識を保っていたレムがか細く呟いた。
「レム! 気がついたのか!?」
「このまま進むより……戻ってください……」
「な……何言ってんだ! 戻ったらラムの邪魔になるだろ! 俺たちは俺たちにできることを──」
「姉様が、全部何とかしてくれます……!」
レムの必死の叫びに、スバルは息を呑んだ。
角を折られたおでこからは痛々しい血が流れ落ち、その瞳からは生気が失われている。
「……っ」
「レムは、失敗したんです……。このまま進んでも、潜んでいるゴブリンの群れにやられてしまいます……」
「その時は、俺が──」
「スバル君よりも……姉様の方が、信じられます」
突きつけられた言葉に、何も言い返せなかった。
今のレムがどれほどの絶望の中にいるのか、人間のスバルには察する事すらできない。
鬼族にとって「角を折られる」ということが、どれほど残酷で不可逆なことなのかを。
この先の階段にどれだけの魔獣が潜んでいるのか。
檻から消えたメイリィが裏で糸を引いている可能性もある。
それでも、全ての重荷をラム一人に背負わせることが、どうしても正解とは思えなかった。
「レム……『暴食』は死んだぞ。予知夢のこと……何か思い出せそうか?」
「いいえ……」
ライ・バテンカイトスが別の世界線から奪い、弄んだレムの記憶。
だが、権能の主が死しても、失われた記憶が自然と戻るような奇跡は起きなかった。
ライの言葉によれば、その世界のスバルはレムの『英雄』であり、エミリアの『騎士』だったという。
そんな未来があったのかもしれないと、どこかで期待していた自分がいたのだが──。
「もう……いいんですよ。姉様が、全部何とかしてくれますから……」
「俺が……英雄に……」
「やめてください……っ! 最初から、全部姉様に任せておけばよかったんです……!」
「──お前さっきから、そればっかり言ってんじゃねえぞッ!!」
スバルはレムをそっと床に下ろし、思わず怒号を飛ばした。
「てめえが勝手に諦めたいなら勝手にしろ! だがな、俺はハナから諦める気なんてねえんだよッ!」
スバルの怒気に対し、レムもまた血の滲む瞳で強く睨み返してくる。
「さっきから姉様、姉様って……お前自身はどこに行ったんだよ! ラムを助けたいって気持ちすら捨てたのか!?」
「それをやろうとして……失敗したんですよッ!!」
「あぁ!? 」
少し先では一瞬の隙が命取りになる死闘が続いている。
こんな不毛な言い合いをしている場合ではないことは百も承知だ。
それでも──今のすべてを投げ打ったようなレムの態度を、スバルはどうしても受け入れることができなかった。
「最初から姉様がスバル君の力を使っておけばよかったんです……! レムが姉様に隠し事をして勝手なことをしたから、こんな事になったんです……っ!」
激越するレムの叫び。
スバルはすぐには言い返せなかった。……自分でも、どこかでそう思ってしまった瞬間があったからだ。
「レムが角を折られたのは当然の報いなんです……! 勝手なことをしたら、スバル君も同じ目に遭いますよ……!」
「なんだよ……なんで…」
「姉様に任せれば、全部うまくいくんです! レムが焦って勝手なことをしたのが間違いだった……。いい加減に分かってください!」
畳みかけられ、スバルは思考の渦へ沈み込む。
初めてこのロズワール邸へ来た時、レムはスバルを激しく疑い、殺意を向けた。
実際に一度は命を奪われもした。
だが──ラムはスバルを頭から怪しまず、焦って暴走することもなかった。
アーラム村での事件を防げず、自暴自棄になって死の淵に立たされた時、スバルの心を救ってくれたのは誰だったか。
レムとの隠し事が発覚した時も、ラムは怒りに任せてスバルを追い詰めるような真似はしなかった。
ラムは強くて、賢い。スバルごときの浅知恵でその器を測ることなど到底できないのだ。
ライ・バテンカイトスを瞬殺し、あの怪物のような赤毛の男に押し込まれながらも、彼女は決してやられなかった。
「……あぁ。……俺の方が、信じられねえ……」
「ようやく……分かってくれましたか」
力なく頷く。
地下での惨劇が始まってから、スバルは一度も死んでいない。
何もできず立ち尽くすばかりの無力な自分。
それでも生き延びられているのは、すべてラムの圧倒的な強さのおかげではないか。
「確かに……レムの言う通りかもしれない……」
呟いた瞬間、角を失って以来ずっと絶望の暗雲に覆われていたレムの顔に、パッと明かりが灯った。
「そうです……姉様は、完璧なんです……っ!」
「う……ッ」
両手で顔を覆い、スバルは深く息を吐き出す。
もしラムがあの男を倒せば、本当にレムの言う通りになる。
『暴食』を討ち、突如現れた脅威を退け、生き残ったゴブリンも逃げたメイリィも、『千里眼』を持つラムがすべて片付けてくれる。
──『完璧な人間なんて、いないわ』
だがその時。いつかスバルの心を救った時のラムの声が、不意に脳裏で鮮明に響いた。
「はっ……!?」
──ベチャッ。
湿った不快な音と衝撃。
立ち尽くすスバルの背中に、「何か」が激突した。
嫌な予感に苛まれながら振り返ったスバルの視界に飛び込んできたのは──床に転がる、千切り取られたばかりのラムの片腕だった。傷口から鮮血を撒き散らしている。
「うっ……うあああああーーーッ!!!!」
喉が裂けるほどの叫びが漏れ出した。
頭の中が真っ白になり、思考が破滅的に停止する。
この腕を千切ったのが誰なのか、なぜこれが飛んできたのか、理解しているのに現実に耐えきれず、狂ったように叫び続けることしかできない。
「落ち着いてください、スバル君……! 落ち着いて……っ!」
「落ち着いていられるか!! レム……っ、ラムの……腕が……ッ!!」
溢れ出る涙を乱暴に拭い、見たくない凄惨な光景へ視線を引き戻す。
遠くでラムが倒れていた。その手前から、赤毛の男がゆったりと歩み寄ってくる。
男の肩には、先ほどまでライ・バテンカイトスが使っていた黒い剣が担がれていた。
あの遺品を手にしたことで、勝負が決してしまったのか。
「オイ。オメエ、なんてツラしてやがる? 女に守ってもらう男がどこにいんだよ。オメエ、男としても失格か?」
男の上身にはズタズタに引き裂かれた痛ましい傷が刻まれていたが、どれも致命傷には遠い。
その禍々しい筋肉の質量が、憎悪を煽るようにスバルの目に焼き付く。
「ラム……っ」
視線を男の背後、倒れ伏すラムへ向ける。
仰向けに転がる彼女の額──頭蓋を貫くように、二本の棒が深く突き刺さっていた。
「は……箸……!?」
「角をチョン切ってやろうと思ったんだが、急に引っこめられちまってよォ。まぁ、こうして頭にブッ刺しゃぁ、どう見ても鬼の角に見えるだろ? なぁ、オメエよ」
過呼吸を起こし、スバルの膝が激しく砕け散るように床へ落ちた。
「……ハッ…………ッ!」
「なぁオメエ……何だその目は? 言いたいことがあるなら吐いてみろ」
「お前だけは……許さねえ……! 殺す……殺す殺す殺す!! 俺が死んでも、地獄から這い上がって……お前だけは絶対に殺してやるッ!!」
無様に涙を流しながらも、目の前の絶対的な強者へ向けて、スバルは怨嗟の言葉を吐き出した。
男は気にした風もなく、鬱陶しそうに頭をボリボリと掻くだけだった。
「だ、大丈夫ですよ……姉様なら、すぐに起き上がってくれます……。腕が一本減ったくらいで、姉様なら……っ」
「……は……?」
絞り出されたレムの呟きに、スバルの背筋が凍りついた。
この期に及んでまだそんな夢想にしがみついているレムの目の濁りは、狂人のそれと何ら変わりないように見えた。
「怒れよ! お前が、ラムの妹なら怒れよ! 怒ってやれよおおっ!!!」
「ったく……うるせーな。飯にするから、オメエはまず死ね」
レイドが剣を振りかぶり、狂暴な視線をレムへと向けた。
スバルの中で何かが途切れる。……もうダメだ。今回は詰んだ。
ラムが倒れ、レムが殺され、自分はこの怪物に貪り食われる。
絶望の底で、スバルはただこの男への狂おしい怒りと殺意だけを肉体に刻み込もうとしていた。
だが──直前で、レイドの動作が止まった。
「ハハッ……面白ぇ女」
あまりに場違いで不敵な笑み。レイドが背後の凄惨な光景へ振り返った瞬間、スバルの胸の奥で、消えかけていた希望の火種が再び燃え上がった。
「ほら……! 言ったでしょう!?」
レムが歓喜の声を上げる。レムの歪んだまでの絶対的な信仰は、最初からラムの敗北など微塵も信じていなかったのだ。
「ラ……ラム……っ!」
溢れ出る涙を拭いながら、スバルはその姿を瞳に焼き付ける。
片腕を失いながらも、桃色の髪の少女は確かに己の足で立っていた。
そして、額を深く穿っていた二本の箸を、残された左腕で躊躇なく引き抜く。
──瞬間、その傷口から猛烈な光を放つ白い角が蠢き出た。
「ようやく本気出す気になったかァ? オメエは怒らせねえとやる気にならねぇと思ってんだ」
レイドの言葉に、スバルは戦慄する。
ラムにはまだ、隠された奥の手がある。間違いなくこれが最後の希望だ。
「ラム! やってくれ! 俺を使え! 何とかしてくれッ!」
レムの態度を責めた舌の根も乾かぬうちに、同じようにラムに縋りつく己の無力さ。
だが、プライドなど投げ捨ててでも叫ぶしかない。
スバルの持つ傲慢の鎖を使えば、千切れた腕も額の傷も容易に再生できるはずなのだ。
──しかし、ラムは冷徹にスバルとの『鎖』を自ら切り離した。
「……最後に、レムを治して……逃げなさい」
「は……?」
角を介して周囲のマナを急激に吸い上げ、傷口を塞いでいくラム。だが、スバルの権能を介した方が遥かに効率的で圧倒的に早いはずだ。
それなのになぜ、彼女はその絶大な支援を自ら拒絶したのか。
「スバル君……姉様の言う通りにしましょう」
鎖の接続が絶たれた瞬間、今度はレムがスバルの権能の手綱を引き寄せた。
何が起きているのか理解できず呆然とするスバルから、力がレムに送られていった。
それに応えるように、レムの折られた角から白い蒸気が立ち上り瞬く間に角が再生されていく。
「な……何をするつもりだ……っ!?」
「バルス……悪いけれど、ラムが守れるのはレムだけよ。レムを置いて、一人で逃げなさい……」
ラムの瞳には、一切の迷いがない静かな覚悟が宿っていた。
レムを置いて逃げろ、と。その言葉の意味に、スバルの思考が追いつかない。
「ハハッ!! 飯食うのはやめた! 俺の残された少ない時間……ぜーんぶオメエのために使ってやんよ!」
レイドが黒い剣を正眼に構え、ラムへと向き直る。
「残された時間」という言葉の真意すら掴めないまま、スバルは圧に押されるように一歩、また一歩と後ずさった。
ただ一つ確かなのは──この規格外の怪物もまた、ここから全力を解放しようとしているという恐ろしい予感だけだった。
「ハッ──ただの醜い鬼、ラム」
「ただの棒振り、レイド・アストレアだ」
二人の強者が、言葉を交わす。
死線を超えた者同士の名乗りと共に、最後の殺し合いの火ぶたが切って落とされた。
すべての枷を解き放ち、渦巻くような禍々しい殺気を纏って躍動するラム。
そして、ラインハルトと同じ『アストレア』の名を冠した男──レイドは、それまでの余裕を完全に削ぎ落とし、ただ一筋の剣士として、眼前の鬼を真正面から迎え撃った。
※1章の時と同じような流れになってしまった
敵だったら怖い人
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アヤマツ記憶持ちスバル
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カサネル記憶持ちロズワール
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本編記憶持ちペテルギウス