どうも!!
では、どうぞ!!
目覚めるとそこは知らない部屋だった。
白い壁に白い天井・・・・・どうやら病院の一室のようだ。
「そっか・・・俺・・・うっ!!」
俺は、記憶が途切れる直前のことを思い出して小さく悲鳴を上げる。
当たり前だ。自分の目の前で仲間が消えたんだから・・・・・
どれくらい時間が経っただろうか、時間が分からなくなるほど俺は考え込んでいた。
すると・・・
「気がついたかね?」
入り口のほうから声がして見てみるとそこには、小さなおじいちゃんが立っていた。俺はその人物に見覚えがあった。
「ヤジマさん!」
ヤジマさん
元評議員でマスターの古くからの知り合いだ。俺もマスターのおつかいとかで何度かお会いしたことがある。もちろん、俺の素性も知っている。
「ヤジマさん、ここは?」
「ああ、ここはハルジオンにある病院じゃよ。」
「そうですか。あ、俺って、どれくらい眠ってました?」
「う~~ん、ざっと一ヶ月くらいかの~。」
「え?!そんなにですか!?じゃ、じゃあ・・・みんなやマスターは・・・」
「残念じゃが・・・マー坊やナツ君達、天狼島すら発見されておらん。いろんなとこが捜索に協力してくれてたが・・・・・。スー弥君、今は辛い、の一言で収める状況じゃないかもすれんが、今は耐えるしかないよ・・・。」
「はい・・・それは、分かっています。辛いのは残ったギルドの皆も一緒だと思うんで・・・。あと、あのドラゴンってどうなったんですか?」
「アクノロギア。」
「え?」
「アクノロギア。それがスー弥君達を襲ったドラゴンの名前じゃ。古い資料によると1つの国を滅ぼしたといわれとるもはや伝説の存在・・・・・。」
「アクノロギア・・・・・」
俺は、あのドラゴンを思い出す。
漆黒の体、咆哮・・・いやでも記憶に残っている。
「スー弥君、君はあと、数日の内に退院できるそうじゃ。退院したら・・・ますはギルドに行ってあげなさい。皆、君を心配しとったよ。」
「はい、分かりました。なんだかすいませんヤジマさん。評議員にいらしたときから色々お世話になりっぱなしで。」
「なんのなんの、これくらいかまわんよ。じゃあ、わしはこの辺でお暇するかねえ。」
そう言ってヤジマさんは帰っていった。
それから俺は、数日間、何もすることもなく、ただ時を過ごしていた。
そして、退院の日が来た。
『聖弥、今日で退院ですが。』
「ああ、そうだね。」
『真っ先にギルドへ?』
「うん・・・そう思ってはいるんだけど・・・ただ・・・。」
『ただ、なんですか?』
「俺、ギルドに帰っていのかな?だって・・・俺、あの中で1人だけ帰ってきちゃって・・・他の皆に合わす顔がないよ!俺の目の前で、皆が・・・皆が死んじゃっ・・・」
『聖弥!!』
「!!?」
俺の言葉はレイによって遮られる。俺が初めて聞くレイの激しい口調だ。
『それ以上は言わないでください!マスターは、あそこにいた皆さんは、あなたに生きてほしかったからあなたを生かしたんです!聖弥、あなたには何をするためにこのアースランドで生きてきましたか?フェイトさんやなのはさん、遠い世界であなたを待っている人達に再び会うためにこの世界で生きてきたんですよね?だからマスターはあなたを放り投げたんです。分かりますか聖弥。あなたには使命があるんです。』
「レイ・・・」
俺はただ黙ってレイの話を聞いていた。
自然と涙が流れていた。
『あなたは言いました。私が試験前、メストさん、いえドランバルトさんでしたね。』
ドランバルト、それがメストの本当の名前だ。
実はメストは評議員の人で、フェアリーテイルを潰す材料を探る為にギルドに潜入してたんだ。
なんでも、記憶を改ざんする魔法を使って皆の記憶を操作して自分が試験に選ばれるように細工したみたいだ。
『私が彼を疑ったとき、「仲間を信じよう。」と。ま、結果的に裏切られましたが・・・。ですが、それはメストさんだけに限った話ではないですよね?』
「うん、もちろんだ!俺は仲間全員のことを信じてる!!」
『だったら信じましょう。皆さんは、必ず、帰ってくると言ったんです。だからそれを信じて待ちましょう。何年でも!あなたのことをフェイトさん達が待ってくれているように、今度はあなたが皆さんを待つ番です!』
「そう・・・だよね。うん、そうだよ!信じて、信じて待たなきゃだよね!!レイ!!」
『はい!・・・それに・・・・・』
「それに、何?」
『皆さんは・・・生きています!!』
「うん、そう信じよう!」
『・・・・・いえ、ですから皆さんは“生きている”んですよ!』
「分かってるよ。そう信じてこれからを過ごそう、ってことじゃないの?」
『ああもうじれったい!!だ・か・ら!私はある人に皆さんが生きているということを聞かされたんです!!』
「・・・・・・・・・・・はああ!!!!うそ?!マジで!?誰に?!!」
『遅いですよ・・・。まあいいです。・・・・・あなたがマスターから投げられ、その途中であなたは意識を失いましたが私はその後あなたを制御してハルジオンの海岸まで到着したんです。』
「うん、それは前に聞いたけど、確かその後に町の人が俺を見つけて助けてくれたんだよね?」
『はい、ですがその話には続きがあるんです。あれは、あなたが海岸に到着してすぐのことでした。海のほうから女性が歩いてきたんです。』
「海から?!」
『はい、そして、彼女は言いました。』
「私は、メイビス。メイビス・ヴァーミリオン・・・。」
「はあ!!!メイビスってフェアリーテイル初代マスターの?!」
『はい、彼女は確かにそう言いました。』
レイはそのときのことを思い出す。
彼女は、ゆっくりと海のほうから歩いてきました。
『すいませんが本当にあなたがメイビスさんでしょうか?』
「はい、本物ですよ。レイさん。」
『何故私の名前を?』
「だって私、ずっと天狼島にいましたから!」
『!!ということは“あの時”のことも・・・』
「はい、アクノロギアの咆哮のときをずっと見ていました。」
『では、マスター達がどうなってしまったかは・・・』
「ええ、知っています。三代目達がどうなってしまったかを。ていうか、私はそれをあなた達伝えるためにここにきたんです。」
『!!それで、どうなったんですか?!』
「結論から言います。・・・・・三代目達は生きています。」
『ですが、あの咆哮からは・・・・・』
「大丈夫です。三代目達が咆哮に当たる瞬間、妖精三大魔法の1つ、
『あなたがそれを発動させ守ってくれたんですか?』
「いえ、私は幽体、皆のギルドを思う気持ちを魔力に変えるだけで精一杯でした。それと、三代目達とはしばらくは会うことはできません。妖精の球により皆を守ることに成功しましたが、それにより皆は凍結封印されました。おそらく、数年の間は会うことは出来ません。これを信じるかはあなた達次第です。」
『・・・・・それを何故私達に?それはギルドに残された方々に言ってあげたほうがいいのでは?』
「そう思ったんですが、ギルドとは仲間を信じるもの。残された者はきっと信じてこれからを生きていくでしょう。ですが、聖弥はそうはいかないかもしれなません。たくさんの仲間を目の前で失った。その年齢でそのような現実はあまりに酷です。それにより、聖弥にある未来を大きく変えることになるかもしれません。」
『なるほど。では、それを聖弥が目覚め次第・・・・・』
「それは、レイ。あなたに任せます。」
『私に?何故です?』
「あなたは私より聖弥のことを知っています。聖弥がこのことを言うに値する様子ならこれを伝えてください。」
『・・・・・了解しました。感謝します。初代。』
「いえ、礼には及びません。では、私はこれで。聖夜の回復を祈っています。」
『そう言ってメイビスさんは海のほうへと帰っていきました。』
「・・・・・初代がそう言ってるんならきっと大丈夫なんだろ!良かったよ!」
『では、このことをマカオさんや残された方達に?』
「ううん、一応黙っておこう。ひっとしてぬか喜びになっちゃうかもだし。」
『それもそうですね。』
「よし!これから・・・・・ギルドに帰りますか!!」
『はい!!』
俺はギルドへと帰っていった。
もう俺の目に迷いは無い。ただ仲間を信じるだけだ!!ギルドの皆と一緒に!!
俺が帰ってきたときマカオさん達は涙ながらに俺のことを心配してくれた。
最初、俺は皆が落ち込んでないか心配だったけど、皆もマスター達の無事を信じて待つと決めていたようだ。
皆で力を合わせてギルドを守っていく、って!!
でも、現実はそう甘くなかった。
ナツやグレイ、エルザといった主力メンバーを欠いたことでフェアリーテイルの権威は失墜、仕事も前みたいに入らなくなってギルドも売ることになってマギノリア郊外にある古い酒場に移ったんだ。
~~~~~そして、1年後、785年~~~~~
これから数話の間、7年間の空白期が続きます。
よろしくです。
では、また次回・・・・・