異世界召喚されたのに、最初の試練が"笑ってはいけない"だった件 作:老眼はじまりました
『それじゃあ、サービス問題はここまでだクポ! ここからが本番だクポ!』
「えっ!? 本番!?」
「……まさか、これから難しくなるの?」
「ていうか、今までのは、全てサービスじゃったのかぁ!?」
セラ、ベルベット、マギルゥ達の悲鳴を無視して、モーグリが続ける。
『それじゃあ、準備はいいクポ?』
「えぇ!? ちょ、ちょっと待っ……」
『問題クポ!』
「「「待てぇーー!!」」」
盛大なツッコミの中、無情にも問題が表示される。
《問題 5+3×4=?》
「……」
「……」
「……えっ?」
「あれっ? 意外と簡単……?」
「これは、流石に分かるよね?」
みんな少しだけ拍子抜けしたような表情。
「わ、分かる! うん、分かる!」
「……ルルアちゃん?」
「だ、大丈夫! 何とかなるなる~!」
「それ、今一番言っちゃダメなやつ!」
ルルアだけは、頭を抱えていた。
他の全員は、そらすらと書く。
そして……。
『それじゃあ、答えをオープンだクポ!』
ジャジャンという効果音が鳴り、スクリーンにみんなの答えが順に表示される。
【17】
【17】
【17】
︙
見事に答えが揃う。
「……まあ、当然よね」
マーニャが苦笑い。
そして……ルルアの答えが表示される。
【17】
「やったあぁぁーー!!!」
ルルアが飛び上がって喜ぶ。
「ルルアちゃん、何とかなったね!」
「うん、余裕余裕!」
大喜びの二人。
だが……。
下に続く二つの答え。
アリーナ【32】
エステル【32】
……。
…。
「「「ええぇーー!?」」」
一同、驚愕。
「な、なんでぇーー!?」
「えっ? 違うの?」
一同が驚愕する中、二人だけは分かっていない。
「エステル……」
ヨシュアが額を押さえる。
「……まあ、やると思ったわ」
マーニャはもう察していた。
「エステルまでっ!? 何をやっておるんじゃ!」
「だ、だって! なんで17なの!?」
納得いかない中、スクリーンに答えの解説が出る。
《……なので、最初に3×4を計算して――》
「ああぁー!! そうだったぁ!! 習ったけど、完全に忘れてたぁ!」
エステルが、頭を抱える。
その横で、アリーナはまだわかっていない。
「えぇー! そんなの、教わってないよー!」
「あんたはいつも勉強しないで、お城飛び出してるからでしょ!」
「うぅー」
そんな二人に、無情にモーグリが言う。
『それじゃあ、ペナルティを執行するクポ!』
「うわ……来たぁ……」
「またお尻蹴られるのぉ!?」
『違うクポ! 今回は尻キックじゃ無いクポ!』
「ほんと!? そ、それならまだ……」
『今回は、カーフキックだクポ!』
「「「もっとキツいぃぃーー!!!」」」
全員から大悲鳴が上がる。
「普通にダメージ入るじゃないの!!」
「もう、ギャグの範疇超えてるからぁ!」
「無駄に流行りの技を……」
『それじゃあ、行くクポ!』
モーグリの掛け声と同時に、またしても全身黒ずくめの人型が現れ……
無駄に格好良く、キックボクシングのフォームになる。
「えぇー!? すっごく強そう!!」
「ちょ、ちょっと待ってよ! 本当に……」
焦る二人。
そして……
バシィィン!! バシィィン!!
「いったああぁぁーーー!!!」
「ぎゃああぁぁーー!!」
……物凄い音。
二人がふくらはぎを押さえて崩れ落ちた。
「あっ……あぁ! こ、これ、笑えない……!」
エステルが涙目になる。
「い、い、痛いぃー!! 何するのぉぉ!!」
アリーナも涙目で非難する。
「……本当に容赦なく蹴るんだね」
「体の部位で鍛えづらい場所を的確に攻撃したな」
「お姉ちゃん! 今解説はいいからっ!」
冷静なライトニングに、セラが突っ込む。
みんながドン引きする中……
『それじゃあ、次の問題だクポ!』
「「「鬼かっ!」」」
まだまだ終わる気配はなかった。
そして、スクリーンに次の問題が表示された。
《問題 『教える』の対義語は?》
「うわぁ……結構普通の問題になってきたね」
「さっきまでのサービス問題が恋しい」
「えぇ? これ難しいよぉ~」
みんなが考えながら、答えを書き込む。
すらすら書く人もいれば、時間ギリギリまで考え込んでいる人もいた。
モーグリが制限時間終了の合図を出す。
『それじゃあ、答えをオープンだクポ!』
またモーグリの声と同時に、答えが表示される。
【教わる】
【教わる】
【習う】
【教わる】
【習う】
︙
「うわっ! いきなり割れてる!?」
「えっ? どっちなのよ?」
エステルとベルベットが焦る。
「うそっ! 教わるじゃないの!?」
「学ぶとも迷ったんだけど……」
マーニャとセラが不安そうな表情になる。
そして……
『正解は――どっちでもOKだクポ!』
「「「よかったぁーー!!」」」
ほぼ全員、安堵のため息をつく。
そんな中……
『それじゃあ、他の答えをオープン』
「えっ? 他?」
違う答えが表示された。
ロロナ【忘れる】
ルルア【教えられる】
アリーナ【るえ教】
「……」
「「「ぶはっ……!」」」
一同、吹き出してしまう。
「何やってるのぉー!!」
「うわっはっは! 親子揃ってやらかしたのぅ!」
「いや、ロロナさんはまだ分かるけど……」
「ルルアさん……それ、子供がよくやるボケだよ」
「ええぇー!? 真面目に考えたのにー!」
ルルアが頭を抱える。
「ま、まあ、意味的には正解?」
「……アリーナは論外ね」
「なんでぇぇー!?」
そんなやり取りが続く中……
またしても、謎の人型キックボクサー(?)が現れた。
「うわっ! また来たぁー!!」
「ま、待って……まだ心の準備が……」
「やめてぇーー!! 怖い怖いぃー!!」
そして――
バシィィン!! バシィィン!! バシィィン!!
「いやあぁぁぁーー!!!」
「ひぎゃあぁーーーー!!」
「ぎゃあぁーーー!!!」
全力のカーフキックが炸裂。
三人が足を押さえ、大悶絶する。
「2度目はキツいぃーー!!」
「て、手加減無しでしたぁー」
「はうぅ!! 女の子にする技じゃないよぉ……!」
三人が泣き顔。
「……凄いわね。悲鳴が揃ったわよ」
「変なとこで関心するなぁぁーー!!」
そんな阿鼻叫喚を無視するように……
『それでは、次の問題クポ!』
「「「もうやめろぉーー!!」」」