異世界召喚されたのに、最初の試練が"笑ってはいけない"だった件   作:老眼はじまりました

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同一世界からの召喚①

《同一世界より、召喚を実行します》

 

「同一……世界?」

「ま、また誰か来るんですか?」

 

 エステルが首を傾げ、ロロナは不安になる。

 

「ホントっ!? 強い人だといいなぁ!」

「アリーナさん、戦うことしか考えてない……」

 

 キィィィン……ヴゥゥン。

 魔法陣が起動。今度は紫色の光が弾けた。

 

「きゃっ!?」

 

 長い紫髪を揺らし、一人の女性が優雅に着地する。

 露出の多い踊り子の衣装。

 妖艶な雰囲気。

 しかし目には鋭い意志が宿っていた。

 

《マーニャの召喚に成功しました》

 

「……ここ、どこかしら?」

 

 マーニャと呼ばれた女性は、意外にも落ち着いた声で辺りを見回す。

 だが次の瞬間……

 

「あぁっ! マーニャだー!」

「えっ? アリーナ?」

 

 アリーナがマーニャにどばっと勢いよく駆け寄る。

 

「うわぁぁ、すごい恰好!」

 ロロナがマーニャを見て顔を赤らめる。

 

「もしかして、知り合いなの!?」

 アリーナの反応を見ながら、エステルが驚いていた。

 

「うん! 一緒に旅したことあるの!」

 アリーナがマーニャに抱き着きながら喜ぶ。

 

 マーニャは周囲を見回しながら、ため息混じりに笑った。

 

「まったく……今度は何に巻き込まれたのかと思ったら」

 

 そして視線がベルベットに止まる。

 

「……随分と危ない目をした子もいるわね」

 

 ベルベットは無言。

 だがマーニャもまた、修羅場を潜ってきた人間特有の空気を持っていた。

 ライトニングが小さく呟く。

 

「また厄介そうなのが増えたな」

「誰が厄介ですって?」

「聞こえてるのか……」

 

 エステルが小声で「耳いい人多くない!?」と突っ込んだ。

 

《続いて、次の召喚を実行します》

 

 相変わらずキィィィン……ヴゥゥンと、魔法陣が起動

 すると今度は、空間そのものが“ぽんっ”と軽い音を立てた。

 

「わわわっ!?」

 

 ものすごく慌てた声。

 次の瞬間、大量の樽、フラスコ、本、謎の材料と共に、一人の少女が雪崩のように転がり出てきた。

 ガシャーン!!

 

「きゃああぁぁ!!」

「危ないっ!」

 

 エステルが飛び付くが間に合わない。

 

「わぷっ……」

 

 床に潰れるように倒れた少女が、ゆっくり顔を上げる。

 ブラウンベースのピンクグラデーションがかかった長い髪。

 エメラルドグリーンの明るい瞳。

 容姿はあまり似てないものの、どこか雰囲気がロロナに似ている。

 

《エルメルリア・フリクセルの召喚に成功しました》

 

「うぅぅ……な、何なのぉ…」

 

 エルメルリア・フリクセルと呼ばれた少女が、起き上がりながら辺りを見回す。

 

「……えっ?」

 

 ルルアとロロナの目が合う。

 数秒の沈黙。

 

「……お母さん?」

「ルルアちゃん!?」

 

「えっ、ロロナさんの娘さん?」

 エステルが固まる。

 

「…は?」

 ベルベットも驚く。

 

「母親? にしては、若くないか?」

 ライトニングですら少し眉が動いた。

 

「ち、違いますからね!? 私、ちゃんと大人ですからっ!」

「いやでも、どう見ても姉妹……」

 

 エステルが正直に言うと、

 

「うぐっ…」

 ロロナがダメージを受ける。

 

 一方、ルルアは、ぱぁっと顔を明るくした。

 

「うわー! 本物のお母さんだー!」

 

 ぎゅーっ!!

 

「わーっ!? ちょ、ルルアちゃん、苦しい苦しい!」

 

 抱きつかれたロロナがじたばたする。

 

「親子なの!? あはははは、面白ーい!」

 それを見ながら、アリーナは楽しそうに笑っていた。

 

 ルルアは周囲を見るなり、目を輝かせた。

 

「うわぁ……! 知らない人いっぱい! みんな、なんか強そう!」

「……ていうか、ここはどこ?」

 

 ロロナ達が現状を説明する。

 

「なんかよくわからないけど……うん! 何とかなるなる〜!」

「ならない時あるからね!? 結構あるからね!?」

 

 ロロナが即座に突っ込む。

 

「えへへ!」

 

 その明るさに、張り詰めていた空気が少しだけ緩む。

 ……だが、またしても白い空間に声が響いた。

 

《続いて、次の召喚を実行します》

 

 

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